企業のWebサイト運営に欠かせないツールとして、CMS(コンテンツマネジメントシステム)への注目が高まっています。CMSを活用することで、プログラミングスキルがなくてもWebサイトのコンテンツを簡単に更新でき、サイトの価値を高めることができます。
本記事は、CMSの導入を検討中の企業向けの総合ガイドです。CMS選定から要件定義、設計、構築、運用に至るまで、プロジェクト成功のための8つのポイントを解説します。加えて、弊社イノーバがHubSpotの代理店として提供する、マーケティング活用に特化したCMSの導入支援サービスもご紹介します。
本記事を読むことで、CMSの基本的な仕組みと主な機能、CMS導入の目的と狙うべき効果、2023年の企業サイトにおけるCMS導入の現状と動向、CMS選定・導入・運用における8つの成功ポイント、マーケティングプラットフォームとしてのHubSpotの特徴と活用法、イノーバのCMS導入支援サービスの強みなどの情報が得られます。
CMSを戦略的に活用し、Webサイトの価値を最大化するための知見を得られる内容となっています。ぜひ最後までお読みいただき、貴社のCMS導入プロジェクトにお役立てください。
1. CMSの基礎知識
1-1. CMSとは何か?Webサイト運営に不可欠なシステムの概要
CMS(Content Management System)とは、Webコンテンツを一元管理し、サイトの更新や運用を効率化するためのシステムです。CMSを使えば、HTMLやCSSなどの専門知識がなくても、サイトの更新が行えます。
主な機能は、コンテンツの作成、編集、削除、コンテンツのカテゴリやタグ付け、公開日時の設定やバージョン管理、ユーザー権限の管理など多岐にわたります。
マーケティング部門や営業部門のメンバーが自らコンテンツを投稿し、タイムリーな情報発信を実現することで、Webサイトの価値向上につなげられるのがCMSの大きな魅力です。
1-2. CMSの仕組みと主な機能
CMSは一般的に、データベース、管理画面、テンプレート、公開処理の4つの要素で構成されています。管理画面から投稿されたコンテンツは、データベースに蓄積され、あらかじめ用意されたテンプレートに当てはめられ、HTMLに変換されてサイトに公開される仕組みです。
CMSの代表的な機能としては、直感的な操作で見たままの状態でコンテンツを編集できるWYSIWYG(What You See Is What You Get)エディタや、コンテンツの承認プロセスを設定できるワークフロー管理機能などが挙げられます。
1-3. CMSを導入するメリットと導入効果
CMSを導入する最大のメリットは、サイト運用の効率化です。マーケターや営業担当者など、Webスキルを持たないメンバーでも、簡単にコンテンツ更新が行えます。原稿作成や校正などの一連の工程をシステム上で完結でき、業務の属人化も防げるでしょう。
また、サイトの更新頻度が上がることで、検索エンジン対策(SEO)の効果も向上します。常に新鮮で価値あるコンテンツを提供し続けられるため、検索ランキングの上位表示によるサイト流入増が期待できます。
加えて、サイト運用コストの削減も大きなメリットです。従来、Webサイトの更新は、専門業者に依頼するのが一般的でしたが、CMSの導入により発注コストを大幅に抑えられます。トライアンドエラーを繰り返しながら、社内担当者主導でサイトを進化させていくことが可能になるのです。
関連:オウンドメディアの種類と特徴を徹底比較!目的別の活用方法も解説
【2024年最新】オウンドメディアとは?企業の成長戦略を加速させる最強のコンテンツマーケティング手法
1-4. 2023年企業サイトのCMS導入率と最新動向
企業サイトにおけるCMS導入は、ここ数年で急速に進んでいます。2022年の調査では、国内の上場企業約50%がコーポレートサイトでCMSを活用していることがわかりました。なお、新興成長企業中心のグロース市場のCMS導入率は約6割に達しており、他の市場と比べても高い水準にあります。(出典:Atlas21調べ)
一方、海外企業のCMS導入率は67%であり、日本企業の取り組みとの間には、依然17ポイントの差があります。デジタル化と顧客体験向上が急務と言われる中、国内企業のWebサイト運用には課題が残るようです。(出典:W3 Techs)
とはいえ、今後はあらゆる業界でCMSが主流になっていくことは間違いありません。自社サイトの価値を高め、競争力を高めるツールとして、CMSを前向きに評価すべきでしょう。
コンテンツの鮮度と質を保ち、ユーザーとの良好なコミュニケーションを図る。その先にあるのが、サイトを通じた事業貢献です。CMSの戦略的な活用は、これからのデジタルマーケティングを支える基盤になると確信しています。
次の章では、CMS導入プロジェクトを成功させる8つのポイントを具体的に見ていきます。社内の関係者を巻き込み、入念な準備を進めることが何より重要です。ぜひ参考にしていただき、自社に合ったCMSの選定と活用の設計を行ってください。
関連:【2024年最新】オウンドメディアとは?企業の成長戦略を加速させる最強のコンテンツマーケティング手法
コーヒーブレイクコラム:宗像が物申す!
「CMSは本当に必要なのか?」
そもそも、CMSは本当に必要なのでしょうか?オープンソースで無料のものならともかく、有料のCMSを入れる意味があるのでしょうか?
結論から言えば、これからホームページを作るなら、CMSは必須のツールだと私は考えます。なぜなら、プログラミングの知識がなくても、タイムリーにサイトを更新できるのがCMSの最大のメリットだからです。情報の鮮度を保ち、ユーザーに価値を届け続けるには、CMSは欠かせません。
また、有料のCMSは、ウェブサイトでのパーソナライズを実現したり、きめ細かいデータ分析が可能になるなど、「攻めのウェブサイト運用」が可能になっているものが多いのです。
少子高齢化で人材不足の日本、顧客体験はますますデジタルシフトをさせていく必要があるでしょう。結論、お金を払ってでも入れる価値はある!と私は思います。
ただ、一方で、多くの会社のホームページが作っただけで、放置状態になっているのも事実です。これはお客様の事情を聞くと、CMSが入っておらず、制作会社にいちいち頼まないと更新できない体制になっていることが要因として大きいようです。さらには、「前回サイトを作ってもらった制作会社に見積もりを頼んだが、返事がない」「問い合わせの対応が悪い」といった話を、お客様からよく聞きます。
実はこれ、多くのサイト制作会社が慢性的な人手不足に陥っていることが原因なんです。ホームページ制作は値段で選びがち、そして、値段が安い制作会社は、最低限の人員体制で会社を回している。従って、常にプロジェクトに追われ続けていて、お客様からの問合せに対応できない。そういう事情があるのです。
だからサイト制作会社選びは慎重に行いましょうね。せっかくのホームページリニューアルが台無しになりかねませんから。
さて、ここで視点を変えて、海外の最新トレンドをご紹介しましょう。今、グロースドリブンデザインという考え方が注目を集めているのをご存知ですか?
画像出典:https://www.growthdrivendesign.com/
従来のウォーターフォール型のホームページ制作は、リリースまでに長い時間がかかるのが課題でした。しかしグロースドリブンデザインでは、必要最小限の機能だけを搭載したMVP(Minimum Viable Product)を素早くリリース。その後のユーザー行動を分析しながら、改善を繰り返していくことで、Webサイトを成長させていくんです。
私は、この考え方は日本企業にこそ必要だと感じています。作ったら終わりではなく、公開後の運用フェーズにこそ価値がある。そのためにCMSは必要不可欠なのです。アクセス解析で効果を測定し、A/Bテストで最適化する。ユーザーの声に耳を傾け、ニーズに合わせてサイトを進化させる。そうしたPDCAサイクルを回すことで、ホームページは財産になっていく。
私がイノーバを立ち上げたのも、そんな想いがあったからです。お客様に寄り添い、Webの力で事業成長を支援する。CMSの導入支援を通して、デジタルシフトを加速する。作るだけでなく、運用まで見据えたホームページづくりを、私たちイノーバは全力でサポートします。
2. CMS導入検討の前に知っておきたい8つの成功ポイント
2-1. 自社に最適なCMSを比較・選定する
CMS導入の第一歩は、自社に最適なシステムを選ぶことです。CMSには、オープンソース型、商用パッケージ型、クラウド型の3つのタイプがあります。それぞれに特徴があるため、自社の目的や予算、リソースに合わせて選定しましょう。
オープンソース型は、コミュニティによって開発が進められているため、カスタマイズの自由度が高いのが特徴です。ただし、自社でサーバーを用意する必要があり、セキュリティ対策も自己責任となります。
商用パッケージ型は、導入実績が豊富で、手厚いサポートが期待できます。ただし、ライセンス費用とランニングコストが高額になる傾向にあります。
クラウド型は、初期費用を抑えられ、システムのメンテナンスもベンダーに任せられるのがメリットです。ただし、カスタマイズの範囲は限定的で、ベンダーの仕様変更に左右される恐れもあります。
オープンソース型CMS | 商用パッケージ型CMS | クラウド型CMS | |
---|---|---|---|
コスト | 初期コストが低い ランニングコストは自己負担 |
初期コスト・ランニングコストともに高め | 初期コストが低い ランニングコストは従量課金制 |
カスタマイズ性 | 高い | ある程度可能だが、オープンソース型より制限がある | 限定的 |
機能の豊富さ | プラグインやテーマが豊富 | 標準機能が充実 | 基本的な機能は備えているが、プラグインの種類は限られる |
セキュリティ対策 | 自己責任 定期的なアップデートが必要 |
ベンダーがサポート | ベンダーが対応 |
サポート体制 | コミュニティベース 有償サポートは限定的 |
手厚いサポートを受けられる | ベンダーによるサポートがある |
システム運用 | 自社でサーバー用意が必要 | オンプレミス・クラウドから選択可能 | クラウドのみ |
向いている規模 | 中小規模サイト向け | 中~大規模サイト向け | 小~中規模サイト向け |
CMSの選定では、必要な機能の充足度、導入・運用コスト、使いやすさ(UI/UX)、カスタマイズ性・拡張性、セキュリティ対策、ベンダーのサポート体制など、様々な観点を総合的に判断することが重要です。
また、海外製と国産のCMSでは、機能面での違いだけでなく、サポート面でも特性があります。言語対応や問い合わせ対応、製品アップデートの頻度など、ベンダー選びのポイントは押さえておきたいところです。
2-2. 明確な目的を持ち、社内の合意形成を図る
CMSを導入する目的を明確にし、社内の合意形成を図ることが重要です。Webサイトの現状を分析し、CMSによって解決したい課題を洗い出しましょう。コンテンツ更新の効率化、マーケティング施策の強化、サイト運用コストの削減、ブランディングの向上など、優先度の高い課題から目的を設定します。
その上で、定量的な目標値を設け、達成に向けたKPI(重要業績評価指標)を設計します。サイト運営の方針を明文化し、関係者間で認識を揃えることが肝心です。
CMSの導入には、経営層の理解と現場の協力が不可欠です。トップダウンとボトムアップ、両面からのアプローチで推進しましょう。Webサイトの目指すべき姿をビジョンとして描き、実現に向けたロードマップを経営層と共有します。一方で、現場の担当者にはCMSの利点を丁寧に説明し、運用面での協力を仰ぎます。
社内のWeb担当者だけでなく、マーケティングや営業、カスタマーサポートなど、幅広い部署の巻き込みも検討しましょう。ステークホルダーを広げることで、サイト活用の裾野が広がり、より大きな成果創出が期待できるはずです。
関連:オウンドメディアを立ち上げたい!必要な工程と実践すべき戦略とは?
2-3. 綿密な要件定義と設計でプロジェクトを成功に導く
CMSの要件定義と設計は、プロジェクトの成否を分ける重要なフェーズです。まずは新サイトのゴールイメージを具体化し、コンテンツや構成、デザインの改善点を洗い出しましょう。
サイト設計の4要素「枠組み」「デザイン」「技術」「コンテンツ」を明確化し、コンテンツ設計では、ユーザー視点に立ったIA(情報設計)を行います。現行サイトの課題と新サイトの打ち手を紐付け、優先度をつけることも重要です。
あわせて、CMSの機能要件も漏れなくリストアップします。各種コンテンツの管理機能や承認フロー、アクセス権限など、具体的な利用シーンを想定した要件定義を心がけましょう。非機能要件では、サイトパフォーマンスやセキュリティ、保守性など、システム全体の品質を規定します。
要件定義の後は、CMSの設計フェーズへ移ります。サイトマップやワイヤーフレーム、コンテンツモデルなど、サイト設計の成果物を作成します。移行スケジュールや体制、予算など、プロジェクトマネジメントの計画も策定します。綿密な設計が、スムーズなCMS構築とスケジュール通りの公開を実現するのです。
関連:【完全マニュアル】ホームページリニューアルを成功させるための8つのステップ
2-4. 柔軟な拡張性とカスタマイズ性を備えたCMSを選ぶ
将来を見据えたCMS選定も重要なポイントです。事業の成長や組織の変化に合わせ、サイトを柔軟に進化させられるよう、CMSの拡張性とカスタマイズ性を評価基準に加えましょう。
プラグインやモジュールの追加で機能を拡張できるか、APIを使った外部サービスとの連携が可能か、デザインのカスタマイズは容易かなど、中長期でのサイト運用を見据えたシステム選定が肝要です。
昨今は、「ヘッドレスCMS」というアーキテクチャも注目を集めています。これは、コンテンツ管理と表示を分離し、APIを介して自由にコンテンツを配信できるタイプのCMSです。Webサイトだけでなく、アプリやデジタルサイネージなど、あらゆるチャネルへのコンテンツ展開が可能になります。
サイトのフロントエンドを柔軟にアレンジでき、パフォーマンス改善にもつながるため、ヘッドレスCMSの採用も視野に入れたいところです。自社の成長戦略とマッチしたCMSアーキテクチャを選択しましょう。
また、サイトデザインのカスタマイズ性も見逃せません。CMSの多くは、デザインテンプレートの仕組みを備えており、HTMLやCSSの知識がなくてもデザイン変更が可能です。ただし、テンプレートの自由度には差があるため、自社のブランドイメージを表現できるかどうかを確認すべきでしょう。スマートフォン対応など、マルチデバイス時代のサイト設計にも対応できるCMSを選びたいものです。
関連:【2024年最新】WordPressのテーマ選びで差をつける!オウンドメディア成功の秘訣
2-5. 運用保守体制と担当者の教育を行う
CMSを導入したら、実際の運用が始まります。サイトの更新ルールを策定し、マニュアル化するのがおすすめです。コンテンツ制作者、エディター、公開承認者など、役割に応じた権限設計と業務フローを設計します。運用の属人化を防ぎ、持続可能な体制を整備しましょう。
参考:CMSに必要なセキュリティ対策とは?
加えて、定期的な担当者教育も欠かせません。CMS操作のレクチャーだけでなく、SEOやアクセス解析、UI/UXなど、サイト運営に必要なスキルを身につける場を設けましょう。外部の研修サービスを活用するのも一案です。利用部門への展開を進め、組織全体のスキルアップを図ることも重要です。
CMS自体のメンテナンスも専任者を置くなどして対応したいものです。定期的なバージョンアップやセキュリティアップデートを怠ると、サイトダウンや情報漏洩のリスクがあります。脆弱性情報の確認を習慣化し、計画的なシステム更新を進めるよう心がけましょう。
2-6. データ移行を慎重に。SEO対策の継続を怠らない
旧サイトから新サイトへの移行も、慎重に計画を立てて実行に移しましょう。移行対象とするコンテンツの選定は特に重要です。アクセス解析などでページ価値を見極め、不要なコンテンツを整理するチャンスと捉えるのがおすすめです。
移行の過程でURLが変更になる場合は、リダイレクトの設定を忘れずに行います。旧URLから新URLへ正しく通すことで、リンク切れを防ぎ、サイト流入を逃しません。加えて、サイトマップやパンくずリストの再生成、ページタイトルやメタデータなど、SEO対策の引き継ぎもお忘れなく。
参考:コラム:CMS移行に伴うSEO施策のポイント
旧サイトで築いたサイト評価を新サイトに円滑に引き継ぐには、綿密な移行計画が不可欠です。データ移行のプロと、SEOのプロ、両方の知見を集めてプロジェクトを進めるのが成功の秘訣と言えるでしょう。移行後のモニタリングを継続し、順位変動の兆候を見逃さないことも肝心です。
関連:【初心者から上級者まで】知っておきたいリスティング広告の運用法
関連:【2024年最新】インバウンドマーケティングの基本から実践方法、成功事例まで徹底解説
2-7. 外部リソースを有効活用し、効率化とコスト最適化を図る
CMS導入・運用の内製化を進める一方、得意領域以外は外部リソースの力を上手く借りるのも賢明です。実績豊富なCMS構築パートナーに頼れば、ノウハウを活かした効率的なプロジェクト運営が期待できます。
参考:クラウド型のCMSとは?特徴やメリット・デメリット、ツールの選び方を解説
昨今は、クラウド型CMSの台頭も目覚ましいものがあります。サーバーの調達・運用をベンダーに任せられるため、自社の負担が大幅に軽減されます。メンテナンス性と可用性の高いシステム基盤を、比較的安価に利用できるのが魅力です。
クラウドならではの従量課金制で、無駄のないコスト最適化も実現できます。初期投資を抑えつつ、将来の事業成長に合わせて柔軟にスペックを調整できるのは心強い限りです。自社に最適な形で、社内リソースと外部リソースをバランス良く活用していきたいところです。
2-8. 公開後もPDCAサイクルを回し、継続的な改善を
CMSの導入は、ゴールではなくスタート地点です。本番公開後も、サイト活用状況のモニタリングを継続し、PDCAサイクルを回し続けることが重要です。
アクセス解析で顧客の行動を把握したり、A/Bテストでコンテンツ改善案を検証したり、ユーザビリティ評価で課題を発見したり、ヒートマップ分析で読まれているコンテンツを特定したりと、データに基づくサイト改善を継続的に行いましょう。KPIの達成度をトラッキングし、効果の出ている施策は強化します。一方、想定した成果の出ていない試みは時期を見て撤退するなど、仮説検証のサイクルを高速で回していくことが肝要です。
コラム:CMS活用の先にあるWeb改善 - 最新事例に学ぶ
より良いコンテンツをより良いタイミングでユーザーに届けるためには、CMSの柔軟な活用が欠かせません。コンテンツのパーソナライズやレコメンデーション、ナーチャリングの自動化など、マーケティングオートメーションとの連携も視野に入れたいものです。データ基盤との統合により、サイト内外の顧客接点データを統合的に分析することで、より精度の高いターゲティングと、最適なコミュニケーション設計につなげられるはずです。
関連記事:CMSを徹底比較!【マーケティング機能付きCMS】 企業ホームページを活用して効果的な集客を実現
加えて、CMS運用ルールの定期的な見直しも重要です。組織体制の変化や業務プロセスの改善に合わせ、随時アップデートを加えていくことが必要不可欠です。現場の声に耳を傾け、使いづらい点や非効率な点がないかを常にウォッチし、CMSの設定変更や機能のカスタマイズで、運用品質の向上を図っていきましょう。
サイト活用を通じて得た学びを、全社で共有する取り組みも有効です。成功事例の共有会や勉強会の実施で、ノウハウの横展開を進めることができます。部門を越えたナレッジの流通が、組織全体のデジタルシフトを後押しするでしょう。
CMSは、企業のマーケティングとビジネス成長を支える強力なツールです。導入後の運用フェーズにこそ、価値を生み出すチャンスが眠っています。PDCAを回し、学びを蓄積しながら、Webサイトを真の経営資産へと昇華させていきたいものです。
関連:オウンドメディア運用はPDCAサイクルで成功する!上手な活用法をステップ別に解説
関連:【目的別に厳選】2024年版 コンテンツマーケティングに強い会社9選!選定のポイントも解説
以上、CMS導入における8つの成功ポイントをお伝えしました。しかし、実際の導入・運用では、自社だけで全てを行うのは容易ではありません。頼れるパートナーを見つけ、二人三脚で改善を重ねていくことが何より重要です。次の章では、CMS導入を支援する私たちイノーバのサービスを、ぜひご検討ください。
コーヒーブレイクコラム:宗像が物申す!「CMS未導入コストを見える化すべし!」
現場は、社内に対して、サイトリニューアルを提案したい。しかし、経営陣が反対されてしまう。
「もう少し今のホームページを使い続けられないのか?」
「費用が掛かるわりにROIが見えないじゃないか」
経営陣からそのような指摘を受ける事があると思います。
その時には、私は、ずばり、今日はCMSを導入していないことで発生する「見えないコスト」を定量化すべきだと考えます。
まず、コストサイドの運用関係の費用から見ていきましょう。
CMSがない場合、サイトの更新はHTMLの知識がある人しかできません。そのため、ちょっとした修正でも外注に頼らざるを得ず、その都度費用が発生します。たとえば、月に2回、1回5万円の更新を外注したとすると、年間で120万円ものコストがかかります。
加えて社内の確認作業にも、意外と人件費がかかります。
サイト更新の原稿をメールで受け取り、設置箇所や表現を細かくチェック。修正依頼やデータのやり取りで、1回の更新に2時間かかったとします。1時間あたりの人件費を5,000円と仮定すると、月2回の更新で年間24万円。これがCMSなら、ブラウザ上で簡単に修正でき、作業時間は10分の1で済むでしょう。
さらに見落としがちなのが、更新が滞ることによる機会損失です。
問い合わせが来ても、在庫情報が古いまま。キャンペーンをやっているのに、告知ページがない。お客様は最新情報を求めてサイトを訪れるのに、肝心の情報がなければ、問い合わせや購入に至りません。
製造業の場合、更新が滞ることによる機会損失は、次のようなケースが考えられます。
たとえば、産業機械メーカーA社の事例を想定してみましょう。
A社は高性能の製造ラインを扱っていますが、新製品の情報がサイトに反映されていません。営業担当者から、展示会で新製品に興味を持った引き合いがあると連絡がありました。ところがお客様がサイトを見ると、新製品の詳細スペックがない。結局、お客様は他社製品を選んでしまったのです。
A社の新製品は、競合と比べて生産効率が20%高いという強みがあります。それによってお客様は年間500万円のコスト削減効果が期待できるはずでした。それが更新の遅れで、アピールする機会を逃してしまった。1件あたり2,000万円の受注が年間3件見込めたとすれば、6,000万円の機会損失です。
また、製品カタログのダウンロードを年間100件ペースで獲得していたとします。それがリニューアルにより200件に増えた。1件あたりの受注率が5%だと仮定すると、リニューアル前年間で5件の受注。それがリニューアル後は10件に増えるという計算です。受注単価を500万円とすると、年間5000万円の売上アップにつながります。この差が、情報発信の価値です。
ここまでの想定の数字をまとめると、
・外注費用:年間120万円
・社内人件費:年間24万円
・機会損失:年間1.1億円(6000万円+5000万円)
どうでしょうか?実に1億円超の見えないコストが発生している計算です。
もちろん、これはあくまで一例ですが、皆さんの会社でも、こうした「見えないコスト、機会損失」が出ているのではないでしょうか。
このように説明する事ができれば、社内のホームページリニューアルプロジェクトも大きく推進するのではないでしょうか?
3. HubSpotならコンテンツ管理からマーケティングオートメーションまで一括対応
3-1. HubSpotとは?CMS機能を備えたマーケティングプラットフォーム
近年、マーケティング活動とWebサイト運営の一体化が加速しています。コンテンツ施策とリードジェネレーション、カスタマーサクセスを統合的に行うことで、事業の成長エンジンを作り上げる動きが活発化しています。その中で注目を集めているのが、「HubSpot」です。
参考:HubSpotとは?インバウンドマーケティングにつながるCRMツールの魅力を解説
HubSpotは、コンテンツ管理機能とマーケティングオートメーション、CRM、カスタマーサポートを一元化したプラットフォームです。Webサイト構築だけでなく、見込み顧客の獲得から育成、顧客との関係構築まで、カスタマーエンゲージメントを包括的に支援します。
従来のCMSとは一線を画すのが、HubSpotのコンセプトです。コンテンツ管理はあくまで基盤の一部に過ぎず、むしろマーケティングの PDCA サイクルを回すための起点と位置付けられているのです。
関連:【2024年最新】HubSpot完全ガイド - 機能、料金、導入方法まで徹底解説!
関連:マーケティングオートメーション(MA)の機能を徹底解説!レベル別の活用方法や導入のポイントも紹介
3-2. HubSpotのCMS機能「CMS Hub」の特徴と強み
とはいえ、HubSpot の CMS としての機能は本格的です。「CMS Hub」と呼ばれるコンテンツ管理機能は、SEO 対策やアクセス解析、A/B テストなど、サイト運営に必要な要素を網羅しています。
以下のような特長を備えているのが、CMS Hub の強みです。
- ドラッグ&ドロップ式の直感的なページビルダー
- レスポンシブデザイン対応のテーマ(テンプレート)
- コンテンツのパーソナライズ機能
- ランディングページの作成・管理機能
- 多言語サイトの構築・運用が可能
Webサイト構築のハードルを大きく引き下げ、マーケターを含む非エンジニアでもスムーズにコンテンツの制作・公開が行えるのが魅力です。高度な要件にも柔軟に応えられるカスタマイズ性の高さも見逃せません。
3-3. CRM、MA、SFA等の連携で実現するインバウンドマーケティング
HubSpot のコンテンツ管理機能が真価を発揮するのは、CRM や MA などの周辺機能と連携したときです。サイトで収集した見込み顧客の情報を、シームレスにマーケティングオートメーションにつなげることができるのです。
ホワイトペーパーのダウンロードでリードを獲得し、ナーチャリングメールで見込み顧客を育成し、オンラインセミナーへの誘導で商談リクエストを促進するなど、インバウンドマーケティングの王道シナリオが実現可能です。属性情報や行動履歴を基に、適切なコミュニケーションを自動化できるのは心強い限りです。
営業支援機能(SFA)との連携により、リードの営業フォローもスムーズに行えます。商談化率の向上とカスタマーサクセスの実現に貢献してくれるでしょう。単なるWebサイト構築ツールの枠を超え、事業成長を加速する統合プラットフォームとして、HubSpotは大きな可能性を秘めているのです。
3-4. HubSpotの料金体系と導入方法
HubSpotの料金プランは、機能に応じたパッケージ制を取っています。
- Starter:基本的なコンテンツ管理機能、月額1,800円〜
- Professional:コンテンツのパーソナライズ等の上位機能、月額48,000円〜
- Enterprise:大規模サイト向けの機能を完備、月額144,000円〜
用途に応じて必要な機能を選べるのが、HubSpotの特長です。はじめは低価格プランから始めて、徐々にグレードアップしていくことも可能です。
参考:【2024年最新】HubSpot完全ガイド - 機能、料金、導入方法まで徹底解説!
HubSpotの導入をご検討の際は、14日間の無料トライアルをぜひお試しください。実際の管理画面を触りながら、自社での活用イメージを膨らませることができます。操作方法に不明点があれば、HubSpotのサポートにいつでも問い合わせOKです。セルフペースで機能を体験できるのは、大きな安心材料と言えるでしょう。
本格的な導入に際しては、HubSpotの公式パートナーであるイノーバが支援いたします。次項で、私たちのサービス内容をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
3-5. イノーバのHubSpot導入支援サービス
イノーバは、HubSpotの公式パートナーとして、国内トップクラスの実力を誇ります。Hubspotのパートナーになる以前より、自社でCMS開発を行うなど、技術力とCMS導入の実績が豊富です。
Webサイト構築はもちろん、マーケティングオートメーションの設計、コンテンツ戦略の立案など、HubSpot活用に必要な支援を網羅的に提供しています。お客様のマーケティングDXを、ワンストップでサポートいたします。
- 要件定義:事業課題の整理とKPI設計、機能要件のすり合わせ
- 設計・開発:サイトマップ、ワイヤーフレームなどの設計とHubSpotでの構築
- マーケティング支援:ペルソナ設計、コンテンツ戦略、リードナーチャリングの設計
- トレーニング:HubSpot操作のレクチャーとドキュメント整備
- 運用サポート:定期的なレビューとサイト改善提案
HubSpot 認定資格を持つスペシャリスト集団が、案件に合わせた最適なチームを編成します。マーケティングの高度化を見据え、お客様のビジネス成長を共に目指してまいります。
単なるツール導入に終わらせず、本当の意味で マーケティング DX を実現するには、専門家の助言が欠かせません。CMSとマーケティング、両面に精通したイノーバだからこそ、お客様の期待にお応えできると自負しております。HubSpot導入をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
4. CMS導入支援なら実績豊富なイノーバにお任せください
イノーバは、これまで数多くの企業のCMS導入をサポートしてきた実績があります。オープンソース、商用、クラウドなど、あらゆるタイプのCMSに精通したエンジニア集団が、お客様の要望に合わせた最適解をご提案いたします。
お客様のご要望に合わせたCMS比較・選定をサポート
CMS選定は、プロジェクト成功の可否を左右する重要な局面です。イノーバでは、お客様の事業特性や組織体制、予算などを丁寧にヒアリングした上で、最適なCMSをご提案します。
- 豊富な導入実績を基に、CMS各製品の特徴を比較
- ライセンス体系や初期コスト、ランニングコストを試算
- 拡張性、セキュリティ、サポート面から、将来を見据えた選定をサポート
イノーバは、特定のCMSベンダーに偏ることなく、お客様にとっての最適解を追求します。中立的な立場から、CMSの選択肢をご提示いたします。
関連:ブランディング完全ガイド - ブランドの本質から戦略立案、事例分析まで徹底解説
構築・移行・運用設計まで経験豊富な技術者集団が伴走
CMSの導入は、社内の業務フローやWebサイト設計など、様々な要素が絡み合う一大プロジェクトです。経験豊富な技術者集団が、プロジェクト全体を俯瞰しながら、計画から実行までを力強く推進いたします。
- 綿密な要件定義により、サイト設計・システム設計の品質を担保
- 柔軟な開発手法で、スケジュールと品質を両立
- データ移行を確実に。SEO対策にも配慮した移行計画を策定・実行
- 運用設計により、サイト公開後の更新・改善業務をサポート
技術面に明るいだけでなく、マーケティングの視点も持ち合わせているのが、イノーバの強みです。Webサイトを通じたビジネス価値の創出を、一気通貫で支援いたします。
CMS活用でWebサイトの価値を最大化するご提案を
CMS導入の先には、サイトを通じたマーケティング強化の道が拓けています。イノーバでは、お客様のマーケティング活動をより高度化するための様々なご提案を行っております。
- A/Bテストによるサイト最適化
- パーソナライズド・コンテンツ配信
- マーケティングオートメーションツールとのAPI連携
- コンテンツSEOの改善提案
などなど。お客様の競争力強化につながるアイデアを、経験と創造力を基に考案してまいります。
加えて、自社メディア「イノーバブログ(https://innova-jp.com/media)」を通じて、国内外のCMS活用事例やノウハウを積極的に発信しています。常に最新の知見を取り入れながら、お客様に最適なご提案を行う体制を整えております。
CMSは、導入することが目的ではありません。その先にある、Webサイトの価値向上とマーケティングの高度化。そこにこそ、私たちイノーバの腕の見せどころがあると考えております。
選定から構築、運用改善まで、CMS活用のあらゆるフェーズで、イノーバはお客様のビジネス成長を力強く支援してまいります。Webの力を最大限に引き出すパートナーとして、ぜひお気軽にご相談ください。
関連:【2024年最新版】初心者必見!コンテンツマーケティング完全ガイド - 重要性から始め方、事例まで徹底解説
関連:【2024年最新】コンテンツマーケティングの教科書 - 集客に成功する戦略と実践のコツ
5. CMS導入の成功事例と失敗例
CMS導入による成功事例と、つまずきを経験した失敗事例をご紹介します。他社の経験から学び、自社の取り組みに活かしていただければと思います。
製造業A社の事例 - 更新頻度向上でサイト価値を高めた
製造業A社は、製品情報の更新に手間取っていました。開発部門からの情報をもとに、Web担当者が手作業でHTMLを編集し、その原稿を経営層が承認してから、ようやくサイトに反映できる状態だったのです。
「製品情報は営業の武器。スピーディな情報発信で差別化を図りたい」そんな問題意識から、A社はCMSの導入を決断しました。更新業務の内製化を進め、開発部門自らが製品情報を投稿できる体制を整えました。
結果、サイトの更新頻度は3倍に向上しました。ソリューション提案に役立つ技術情報をタイムリーに発信できるようになり、問い合わせ数が1.5倍に増加しました。製品ページの滞在時間も2割向上し、サイトの価値を高めることに成功しています。
金融業B社の事例 - マーケティングオートメーションとの連携でリード獲得
金融業B社は、コーポレートサイトから見込み客を獲得する仕組みを模索していました。ホワイトペーパーのダウンロードをきっかけに、効果的なナーチャリングを行いたいと考えていたのです。
B社が導入したのは、CMSとマーケティングオートメーションの連携ツールです。コンテンツのダウンロードフォームから収集したリード情報を、シームレスにMAツールに連携。ユーザーの属性や行動に合わせて、最適な資料を自動で配信する仕組みを構築しました。
CMS導入後、問い合わせ数は1.5倍に増加しました。MAツールのスコアリング機能を使い、効率的にリードをハンドリングできるようになりました。営業部門へのリード提供数は2倍に拡大し、新規顧客の獲得に貢献しています。
IT企業E社の事例 - HubSpotで集客からナーチャリングまでを自動化
IT企業E社は、マーケティング活動とWebサイト運営の一元化を目指し、HubSpotを導入しました。コンテンツ制作とリードジェネレーション、見込み客のナーチャリングを、シームレスに連携させる仕組みを構築したのです。
セミナー情報や導入事例など、見込み客の関心を引く良質なコンテンツを継続的に配信。ホワイトペーパーのダウンロードをきっかけに、ナーチャリングシナリオに乗せることで、効率的にリードを育成しています。
HubSpot活用により、Webからのリード獲得数は3倍に増加しました。商談アポイント数は2倍に伸び、受注金額は50%アップするなど、マーケティングの投資対効果を大きく改善。事業成長を加速するデジタルマーケティング基盤として、HubSpotの真価を発揮しています。
目的を見失い形骸化したC社の失敗例
製造業C社では、営業部門の強い要望でCMSを導入しました。しかし、なぜCMSが必要なのか、サイト運営の目的を社内で十分に共有できていませんでした。
システムは導入したものの、運用ルールが整備されておらず、現場は混乱。結局、外注先に更新作業を丸投げするなど、業務プロセスの属人化が進んでしまったのです。
CMS導入から2年が経過した現在、サイトの形骸化が進行しています。情報の鮮度は低下し、アクセス数も半減するなど、投資対効果が疑問視される状況です。目的を見据え、関係部門を巻き込む体制づくりがいかに重要かを物語る失敗例と言えるでしょう。
セキュリティ対策不十分でWeb改ざんされたD社の失敗例
小売業D社は、オープンソースのCMSを採用し、自社でサーバーを構築。ローコストでWebサイトを再構築することに成功しました。
しかし、セキュリティ対策は後手に回ったまま。定期的なアップデートを怠り、脆弱性を放置した結果、サイトが改ざんされてしまったのです。
偽のキャンペーン情報や不正なリンクが仕込まれ、ブランドイメージは大きく毀損されました。サイトの復旧に加え、顧客への謝罪に追われることになりました。安全対策の甘さが、事業継続を脅かすリスクにつながった事例です。
CMS導入は、コストと利便性だけで判断してはなりません。セキュリティ面の備えを怠れば、本末転倒な結果を招きかねないのです。守りの徹底と、攻めの施策のバランス。そこにこそ、CMSを真の経営資産へと昇華させる秘訣が隠れているのかもしれません。
まとめ:CMS導入は戦略的投資。適切な選定と活用がカギ
本記事では、CMS導入の重要性と、成功のための8つのポイントをご紹介しました。
1. CMSの基礎知識
2. CMS導入検討の前に知っておきたい8つの成功ポイント
3. HubSpotならコンテンツ管理からマーケティングオートメーションまで一括対応
4. CMS導入支援なら実績豊富なイノーバにお任せください
5. CMS導入の成功事例と失敗例
ポイントをおさらいすると、CMS導入は単なるシステム導入ではなく、Webサイトを通じた事業成長のための戦略的投資であるということ。自社の目的に合ったCMSを適切に選定し、活用していくことが何より重要です。
また、HubSpotのようなマーケティングプラットフォームの活用も視野に入れることで、コンテンツ管理とマーケティング施策の連動による、より高度なデジタルマーケティングの実現が期待できるでしょう。
関連:【2024年最新】MAツールの選び方と目的別おすすめ9選|機能や料金の比較も
CMS導入プロジェクトを成功させるには、社内の十分な合意形成と、トップダウン・ボトムアップのバランスの取れた推進体制が不可欠。加えて、綿密な要件定義とシステム設計、データ移行時のSEO施策の継続、セキュリティ対策の徹底など、多岐にわたる課題をクリアしていく必要があります。
自社だけですべてを行うのは容易ではありません。頼れるパートナーを見つけ、二人三脚でCMS活用を推進していくことが成功の秘訣と言えるでしょう。
CMSの導入と運用の高度化を通して、お客様のデジタルマーケティング、ひいてはデジタルトランスフォーメーション(DX)を力強く後押しする。それが、私たちイノーバの変わらぬ使命です。
Webサイトをビジネス成長のドライバーとするために。CMS選定から要件定義、設計、構築、運用までのすべてのフェーズで、イノーバはお客様の挑戦を支援してまいります。ぜひ、お気軽にご相談ください。
CMS導入に関するFAQ
Q. CMSを導入するメリットは?
A. CMSを導入することで、HTMLやCSSなどの専門知識がなくても、Webサイトのコンテンツを簡単に更新できるようになります。情報発信の即時性が高まり、サイトの鮮度を保ちやすくなるのが大きなメリットです。また、社内の様々な部門が自律的にコンテンツを発信できるため、Webサイトを通じた企業価値の向上につなげられます。
Q. 無料のCMSと有料のCMSの違いは?
A. 無料のCMSは初期コストを抑えられる一方、自社でサーバーを用意したり、システムの保守・運用を行ったりする必要があります。カスタマイズの自由度は高いですが、セキュリティ面などのリスク対応は自己責任となります。一方、有料のCMSは、導入コストはかかりますが、手厚いサポートを受けられるのが魅力。セキュリティ対策も任せられるため、安心して利用できます。
Q. CMSを選ぶ際の注意点は?
A. CMSを選定する際は、自社に必要な機能が十分に備わっているかを見極めることが重要です。コンテンツ管理機能の柔軟性、マルチデバイス対応、拡張性、セキュリティ対策などを総合的に評価しましょう。また、ベンダーのサポート体制や、将来のバージョンアップ・移行コストなども考慮に入れることが賢明です。
Q. CMSに求められる最新の機能は?
A. 昨今のCMSには、コンテンツ管理だけでなく、マーケティング支援機能の充実が求められています。A/Bテストやパーソナライズ配信、マーケティングオートメーションとの連携など、コンテンツ施策とリードジェネレーションを統合的に行える機能が重視されるようになってきました。ヘッドレスCMSのようなAPIベースのアーキテクチャにも注目が集まっています。
Q. CMSの導入費用の相場は?
A. CMSの導入費用は、規模や要件によって大きく異なります。オープンソース型のCMSを自社で構築する場合、初期費用を抑えられる一方、運用コストは自己負担となります。対して商用パッケージ型のCMSは、初期費用とランニングコストを合わせて数十万円から数百万円規模となるケースが多いようです。クラウド型のCMSは、初期費用を抑えつつ、従量課金制で利用できるのが魅力です。
Q. CMSを使うのに必要なスキルは?
A. 最新のCMSは直感的な操作性を重視しているため、HTMLやCSSなどの知識がなくても基本的な更新作業は行えます。ただし、デザインのカスタマイズや高度な機能の実装には、ある程度の技術的知見が求められるでしょう。CMSの活用方法について、社内で適切にトレーニングを行い、運用ルールを設けておくことが肝要です。
Q. CMSのセキュリティ対策は?
A. CMSはWebサイトの中核を担うシステムであり、セキュリティ対策は極めて重要です。定期的なバージョンアップによる脆弱性の解消、適切なアクセス制御、WAFなどのセキュリティツールの導入など、多層的な対策を講じる必要があります。システムの監視を怠らず、異常な兆候をいち早く検知する運用体制づくりも欠かせません。セキュリティ対応が手薄になりがちな無料CMSを利用する際は、より一層の注意が必要です。
【自社に最適なCMSを選ぶためのチェックリスト】
CMSを選定する際には、以下の項目を確認しましょう。
1. 必要な機能をリストアップする
- ブログ機能は必要か?
- 多言語対応は必要か?
- 会員制コンテンツの提供は必要か?
- EC(ネットショップ)機能の連携は必要か?
- カレンダー機能や予約管理機能は必要か?
- SNSとの連携は必要か?
- メルマガ配信機能は必要か?
- アクセス解析機能は必要か?
2. 予算を確認する
- 初期費用(構築費用)の予算はいくらか?
- 月額の維持費用(ランニングコスト)の予算はいくらか?
- 将来的な機能追加や拡張にかかる費用も考慮しているか?
3. 自社の運用リソースを確認する
- サイトの更新を担当する人員は何名か?
- その担当者のスキルレベル(HTMLやCSSの知識など)はどの程度か?
- 社内に開発人員はいるか?
- 運用・更新にかけられる時間は週何時間程度か?
4. セキュリティ面の要件を確認する
- 個人情報の取り扱いがあるか?
- クレジットカード情報の取り扱いがあるか?
- 高度なアクセス制御(ユーザー権限管理)が必要なコンテンツはあるか?
- SSLなどのセキュリティ証明書への対応は必要か?
- WAF(ウェブアプリケーションファイアウォール)の導入は必要か?
5. デザイン面の要件を確認する
- フルスクラッチでのデザイン構築が必要か?それともテンプレートの利用で十分か?
- レスポンシブデザイン(スマホ対応)は必須か?
- 障がい者や高齢者など、アクセシビリティへの配慮は必要か?
6. システム連携の要件を確認する
- 自社の業務システムとの連携(シングルサインオンなど)は必要か?
- 外部サービス(GoogleマップやYouTubeなど)との連携は必要か?
- APIの提供は必要か?
7. 将来の拡張性を確認する
- 今後3年~5年程度の事業の成長を見据えて、機能拡張の余地はあるか?
- 製品のバージョンアップへの対応は?
- 他システムへの移行が可能か?
8. サポート体制を確認する
- 導入時の技術サポートの範囲は?
- トラブル発生時の問い合わせ窓口やサポート体制は充実しているか?
- オンラインマニュアルやFAQの整備状況はどうか?
- ユーザーコミュニティの活発さはどうか?
上記の項目を漏れなく確認し、自社の状況に合ったCMSを選びましょう。