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イノーバマーケティングチーム2024/02/04 15:35:033 min read

5W1Hとは?今すぐビジネスに活かせる3つの応用パターンを事例含めて徹底解説!

目次
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5W1Hは、コミュニケーションや社内外でのメール、プレゼンテーション、マーケティング戦略、コンテンツ制作ほか人材育成にも使える、あらゆるビジネスシーンにおいて応用可能な基本のフレームワークです。

物事を整理し、聞き手を納得させられる、説得力のあるプレゼンテーションを作りたい場合や、STP分析、4P分析などのフレームワークを活用して、マーケティング戦略を練ろうとしたけれど、思考が行き詰まってしまったときに、この5W1Hは有用です。

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目的や場面によって、5W1Hの応用方法と正しい順番を習得することができれば、専門的なマーケティングフレームワークを駆使することなく、シンプルに、過不足なく論点を整理し、新たな問題解決の糸口を見出す可能性が広がります。

5W1Hに、How many、How much?という定量的な論点を加えた「5W3H」については、ダウンロード資料「5W3Hを使ってマーケティングをフレームワークに落とし込む!」もおすすめです。

本記事では、5W1Hの意味、基礎の順番から、さまざまな目的や場面に使い分けが可能な応用パターンを解説したのち、実践に役立つケーススタディをご紹介していきます。

また、イノーバでは、BtoBマーケティングをサポートしております。中長期に渡ってお客様をご支援する、イノーバの伴走型マーケティング支援サービスも是非ご参照ください。

また、とにかく短期間でマーケティング成果を出したい人には ”Quick Win”施策8選を掲載したお役立ち資料もご用意しているので、ぜひご活用ください。

5W1Hとはなにか?

5W1Hは、下記の言葉の頭文字をとった略称です。

    • When:いつ

    • Where:どこで

    • Who:だれが

    • What:なにを

    • Why:なぜ

    • How:どのようにして

現在は5W1Hも発展してきており、数量や金額について示す、How much(いくら)とHow many(いくつ)を加えた5W3H、更にwhom(誰に)を加えた6W3Hが活用されるケースも増えています。

このフレームワークを、さまざまなシチュエーションで使いこなすためには、問いに対する置き換えのアイデアをできる限り準備しておくことです。

例えば、When(いつ)は下記の図のように、時や時間軸で考えられる全ての「時」に置き換えることができます。

 図1.png

そのほかのWとHについても下記の表のように、問いの置き換えが可能です。

図2.png

このリストに記載しているだけでなく、それぞれの分類の軸で問いを置き換えることができれば、5W1Hの使い方の汎用性はさらに高まります。

5W1Hの必要性

ではなぜ5W1Hは必要なのでしょうか。

5W1Hは情報を整理し、理解するための基本であり、5W1Hを用いて考えてみると、より状況を理解し、明確化することができます。ひいてはマーケティング戦略を明確にすることにも繋がります。

5W1Hはマーケティングにおける課題の抽出やその解決策を見つけるために不可欠な情報なのです。そして、大切なことは5W1Hの要素を正しく理解し、正しい順番で活用することです。

5W1Hを構成する要素について

先程紹介しました5W1Hを構成する要素について詳しく紹介いたいます。

When(いつ)

キャンペーンやプロモーションをいつ実施するのか、広告をいつ打つのか、どのくらいの頻度で実施するのかなど、タイミング、スケジュールのことです。消費者や競合他社の動向を考慮して実施することで、需要喚起や売上増加に繋がります。

Where(どこで)

キャンペーンやプロモーションをどこで実施するのか、製品やサービスをどこで提供するのか、場所、販売チャネル、販売ルート、販売エリア等を指します。

Who(だれが)

ターゲットや潜在顧客、リピーターなど商品やサービスを利用する人々だけでなく、誰が誰に対して販売やプロモーションを行うのかについては重要です。また、競合商品の消費者などを考慮する場合もあります。

What(何を)

何を提供するか。単に商品やサービスを指すのではなく、そのコンセプトや付加価値、使用者が得るベネフィットなどを含め、提供するモノやコトの内容・価値を明確にする必要があります。

Why(なぜ)

なぜその商品を購入すべきかの理由を説明します。購入するべき背景や社会的意義、競合との差別化など、扱う商品やサービスを選ぶべき理由を伝えることは重要です。

How(どのように)

商品やサービスをどのように提供するのか、販売戦略や広報計画、広報媒体について。効果的な手段やアプローチが重要になります。

5W1Hの正しい順番は?

基本パターン

目的:コミュニケーション

正しい順番:When-Where-Who-What-Why-How

この基本パターンは、上司への報連相や社内外でのミーティング、資料作成や会議アジェンダでも使うことができます。

コミュニケーションが上手な人は、聞き手の脳に具体的なイメージがつきやすいこの順番、段取りで会話を展開しています。また、情報を漏れなく収集し、伝えるという効果も5W1Hを使うメリットの1つです。新聞記事のリードを読むだけでおおよその内容が把握できるのは、状況を理解できるだけの必要情報が、「When-Where-Who-What-Why-How」の順番で漏れなく盛り込まれているためです。

例えば、「ミーティング(What)をします。」では、なんのことかわかりませんが、「5月10日(When)に飯田橋オフィス(Where)でマーケティングチーム(Who)がミーティング(What)を、来期施策の検討のために(Why)、ブレスト形式(How)で実施します」と5W1Hの情報を盛り込めば、聞き手にとってわかりやすく、円滑なコミュニケーションが可能になります。

先述の通り、5W1Hは多くのビジネスシーンに応用して使うことができます。応用するテクニックは、5W1Hの問いを目的によって適切な問いに置き換えること、分析しやすい順番、相手に高い納得感を与えられる順番に組み替えること、この2点です。置き換えの問いや組み替える順番は自由自在ですが、ここでは、実際にマーケティングで応用できる3つのパターンをご紹介します。

応用パターン1

目的:購買意欲を喚起する

場面:新製品発売イベントでのプレゼンテーション
順番:Why-How-Who-What-When-Where

図3.png

 聞き手になんらかのアクションを起こしてほしい時(行動喚起)、一番効果が高い効果を導き出す順番は、Whyを最初に伝えることです。プレゼンテーターのWhyが明確であればあるほど、聞き手に高い納得感を与え、What(製品)やHow(どうやって購入できるのか)への期待感が高まります。

 実際に、このパターンで多くの人の心を動かし、購買意欲を掻き立てた有名なプレゼンテーションがあります。

Apple創業者である故スティーブ・ジョブズの、初代iPhoneのプレゼンテーションです。

彼は、まず「なぜ、携帯電話を使う上で、不便さを感じているのか」について突き詰めました。例えば、「キーボードが固定されて使いにくい」「仕様の変更ができない」「操作が難しい」といった、ユーザーさえも気づいていなかった潜在的な問題点までも掘り下げました。「これらの煩わしさを解決し、ユーザーにそのソリューションとなる携帯電話を提供したいという思いで、開発に至った(Why)」と語っています。

当時、あまりにも革新的すぎたこの製品は、このWhyなしにはその開発の偉大さを理解出来る人は少なかったかもしれません。ユーザーは、潜在的な問題点を具体的に提議されたことで、ソリューションの重要性を理解し、製品の素晴らしさに気づくことがあります。

同様のプレゼンテーションでありがちな失敗例は、はじめにWhatから伝えてしまうことです。

図4.png

企業や開発者としては、担当者に多くの予算と仕事時間、そして熱意を新製品に捧げ、製品がいかに素晴らしい品質のものであるかをスペックで熱く語ってもらいたいところです。ですが、携帯電話を購入する潜在顧客にとって、専門的な定量情報は、行動喚起を起こす最初の動機にはなりません。スペックに関する説明は、買ってみたいと思った時に、はじめて必要な情報となりうるのです。伝える順番次第で、製品やコンテンツの魅力はそれ以上にもそれ以下にも変化します。

この応用パターンは、上司への提案、企画書、購買を目的(CTA)としたブログコンテンツなど、行動喚起を目的とした場面で活用できます。

応用パターン2

目的:問題点の掘り下げ、原因究明

場面:プロジェクトのスケジュール遅延

順番:What-When-Where-Who -Why-How

プロジェクトに問題が発生した時、人はつい「なぜ、その問題が起きたのか?」というWhyに気を取られてしまいます。しかし、Whyを分析する前に、目に見えやすい事象である事実、時、場所、人(What-When-Where-Who)から分析したほうが、実はWhyの本質に迫りやすくなります。
 
具体的な問いの置き換え事例

    • What:どんな問題が起きているのか?なにが問題なのか?

    • When:いつ起きたのか?継続して起きているのか?

    • Where:どの部署で起きているのか?どんな場面で起きているのか?

    • Who:問題の原因となっている人物は?問題に関わっているチームは?

    • Why:なぜその問題が起きているのか?

    • How:どうやって解決するのか?

5W1Hを使うことで、これまでに自分の考え方では思いつかなかったような視点から問題を分析し、思考の選択肢を増やすことができます。

5W1Hを使うことで、これまでに自分の考え方では思いつかなかったような視点から問題を分析し、思考の選択肢を増やすことができます。

 この応用パターンは、マーケティング戦略がうまくいっていない時の原因解明や売上減少、経営戦略などの問題解決にも有用です。

応用パターン3

目的:マーケティング戦略の立案

順番:Why-Who-When-What-Where-How

マーケティング戦略の立案では、Whyの分析と定義が重要になります。現代のマーケティング理論では「顧客目線」、「価値主導」を主軸に分析や戦略を立案することが重要視されています。ですから、ターゲットの目線で製品価値を考え、ターゲットにどういった価値を提供したいかというWhyがマーケティング戦略立案の成功の鍵ともいえます。次に、STP分析でもお馴染みのターゲットの設定やペルソナ設定(Who)が重要な論点です。

具体的な問いの置き換え事例

    • Why:目的・ゴール、製品の狙いやコンセプト

    • Who:ターゲット・ペルソナの設定

    • When:販売のタイミング

    • What:製品・サービス、製品価値

    • Where:流通チャネル

    • How:プロモーションや集客方法

 図5.png 

Why(コンセプト)を明確に定義したマーケティング戦略が理由で、成功した企業はいくつもあります。

例えば、Googleは 「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」を、Starbucksは「会社でもない、自宅でもない第三の場所」を、AppleのiPodは「持っているすべての音楽をポケットにいれて持ち運べる」という目的やコンセプトを発信しました。

これらのコンセプトは、完全にお客様の目線にたって考案されており、製品やサービスを通してターゲットが得られるベネフィットや新たに創造される価値について明示しています。多くのターゲットがこのWhyに共感し、期待を上回るWhatに高い満足度を示しています。

マーケティング戦略で応用する5W1Hは、4P分析と関連する部分があります。Where はPlace、WhatはProduct、HowはPromotionとPriceです。4P分析だけでは、分析結果が断片化され、Howが導き出せなくなってしまったりするケースもあります。その点、5W1Hでは、明確なWhyを筆頭に掲げ、ターゲットや時間軸も交えた分析も含まれており、主要な論点が集約されています。

今回紹介した3つ以外にも、いくつかの応用パターンがある。また、単体で使うだけでなく、パターン1~4と組み合わせて、繰り返し使うこともできる。こちらでご紹介した3つ以外にも、応用パターンは複数存在します。また、単体で使うだけでなく、パターン1からパターン4を組み合わせて、繰り返して使ったりすることも可能です。

マーケティングにおける5W1Hの目的

ここまで、5W1Hについて、それを構成する要素や正しい順番について見てきましたが、5W1Hはどういった目的のときに活用できるのでしょうか。

以下の3つのケースについて見ていきましょう。

既存施策におけるボトルネックの洗い出し

ボトルネックとは、目標や目的達成の阻害となっている要因のことであり、まずはボトルネックを洗い出して既存施策を見直すことが必要です。その際に5W1Hに基づいて考えてみると良いでしょう。

    • When:タイミングや期間は適切か

    • Where:使用媒体や販促の場所は、ターゲットがいる場所か

    • Who:ターゲットは適切か、既存顧客の属性に合っているか

    • What:商品の価値や機能に問題はないか

    • Why:目的は適切か

    • How:マーケティング施策は適切か

これらの質問に対して、論理的に答えられない項目の改善から始めてみましょう。

戦略の再構築

5W1Hは、マーケティングにおける戦略の再構築にも活用できます。その際に、5W1Hを活用する例は以下の通りです。

    • When:どのタイミングから施策を始めるか、また、どれくらいの期間施策を継続するのか

    • Where:どの媒体を用いるのか、どのエリアに絞って販促を行うのか

    • Who:どのようなターゲットを対象に販促を行うのか

    • What:何の販促を強化するのか

    • Why:なぜその商品の販促を行うのか、なぜそのタイミング・時間で、なぜそのターゲットに対してのマーケティングを強化するのか

    • How:どのようなマーケティング施策を打つのか

上記の情報を明確にすることでマーケティング戦略を立て直すことができます。

新たな施策の考案・策定

戦略の再構築を行ったら、新たな施策を考えていきます。その際にも必ず5W1Hの方法で問いかけを行いましょう。そうすることによって、失敗のリスクを最小限に抑えることができます。

    • When:どのタイミングで購入したのか

    • Where:どこで購入したのか

    • Who:どのような属性なのか

    • What:何を購入したのか

    • Why:なぜ購入したのか

    • How:どのようなファネル(商流)で購入したのか

これらを洗い出すことで、再現性の高い施策に繋がります。

5W1Hと似たフレームワーク

5W1Hに追加要素が加わったフレームワーがいくつかあるので紹介します。

5W2H

5W2Hは、5W1Hに「How much:いくらで」の要素が加わったものです。費用やコストを指し、主にビジネスに関する戦略立案の際に、売上や値段など金銭的な面を明確にするためのフレームワークです。

5W3H

5W3Hは、5W2Hに「How many:どのくらい」の要素が加わったものです。数量や頻度などを明確にする必要がある場合に使用します。

関連記事:定量情報を漏れなく分析!マーケティングにおける5W3H

7W2H

7W2Hは、5W2Hに「Which:どちら」「Whom:誰に」の要素が加わったものです。「Which:どちら」は選択肢がある場合や比較検討する際に必要となります。「Whom:誰に」は明確にターゲットが存在する場合に必要です。

6W2H

6W2Hは5W1Hに「How much:いくらで」「Whom:誰に」の要素を加えたものです。マーケティングを考える際には自社の視点だけに偏りがちですが、「How much」と「Whom」が加わることで、他社や顧客にどのような影響がどの程度あるのかを明確にすることができます。

5W1H1R

5W1H1Rは、5W1Hに「どうなったか:Result」の要素が加わったものです。結果を踏まえて対策や解決策を検討する、あるいは社内やクライアントへの情報共有の際に活用されます。 

まとめ

5W1Hは、さまざまなシーンで使える汎用性の高いマルチなフレームワークです。マーケティングで必要となる、戦略の立案、問題究明、購買喚起やブログコンテンツ制作などへの応用が可能な優れた自分自身の物事の整理にもなるフレームワークです。さまざまな場面で使いこなせるよう、ここでご紹介した5W1Hの基礎知識といくつかのパターンを、是非、実践で活用し習慣化してみてください。

しかし、「取り組みをしているもののイマイチ成果には繋がっていない」「単発的な取り組みが多く、継続的に成果を創出できていない」など、マーケティング手法の改善には、悩みや課題がつきものです。そこで弊社では、伴走型マーケティング支援サービスを提供しております。関心のある方はご覧ください。

5W1Hに、2つの論点を加えた「5W3H」や、フレームワークへの落とし込み方に関する詳細は、ダウンロード資料「5W3Hを使ってマーケティングをフレームワークに落とし込む!」を是非ご覧ください。

 

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