クラウド型CMSは、従来のサーバーへのインストールが必要なCMSとは違い、インターネットを経由して簡単に利用できるツールです。
マーケティングの効率化に必要不可欠となっているCMSの機能を、より簡単に導入できます。
これからマーケティング環境を整える場合や、CMSツールの乗り換えを考えている場合には、クラウド型CMSの利用も検討してみることがおすすめです。
こちらではクラウド型CMSならではのメリット・デメリットと、おすすめのツールを紹介します。
そもそもCMSとは?
CMSとは「Contents Management System」を略した名称で、Webサイトを管理・運用する機能を備えたシステムを指します。
HTMLやCSSなどの専門知識がなくても、Webサイトの立ち上げからその後の運用が専用システムによって簡単に行えるのが特徴です。
文章を打ち込んだり画像をアップロードしたりといった単純作業だけで、Webサイトの更新と管理が行えます。
CMSを活用すれば、社内にWeb開発専門の人材を補充したり、外注に開発依頼をしたりといったことが必要なくなり、コスト削減や効率化につなげることが可能です。
▼CMSに関する詳しい解説記事はこちらから
CMSとは何か? 導入のメリットや選定で押さえるべきポイントとは
クラウド型CMSとは
CMSには、サーバーにインストールするオンプレミスタイプと、クラウド上のシステムにアクセスして利用するタイプがあり、「クラウド型CMS」は後者に当たります。
クラウド型CMSはWebブラウザを通じてCMSツールを活用できるため、サーバーの準備やインストールの手間がかかりません。
インターネット経由でサービスを利用するIaaSの形態に含まれ、インストールが必須のCMSにはない魅力があります。
クラウド型とオンプレミス型CMSの違い
クラウド型のCMSは、オンプレミス型のCMSとさまざまな面で違いがあります。
例えば以下のような点に、明確な違いがあると言えるでしょう。
クラウド型CMS |
オンプレミス型CMS |
サーバーへのインストールが不要 |
サーバーへのインストールが必要 |
ライセンス料金などが発生しない |
ライセンス料金の支払いが必要 |
ランニングコストはかかるが、サーバーのメンテナンス費用などは必要ない |
インストール後に料金は発生しないが、サーバーメンテナンスなどは自社で行う必要がある |
CMSの提供会社がセキュリティ管理やアップデートを行うため手間がかからずリスクが低い |
自社で定期的なセキュリティアップデートが必要になる |
カスタマイズ性や他サービスとの連携はしづらい |
要望に合わせて機能のカスタマイズや他サービスとの連携が可能 |
導入の手軽さやその後の利用のしやすさでは、クラウド型CMSにメリットがあります。
一方で機能のカスタマイズなど柔軟性に重点を置く場合には、オンプレミス型CMSが役立つことが考えられるでしょう。
それぞれの特徴を比較して、自社の目的に合ったCMSを利用するのがポイントです。
クラウド型CMSのメリット
クラウド型CMSには、そのシステムならではのメリットがあります。
以下からは、クラウド型CMSのメリットを解説します。
初期投資が比較的低額
クラウド型CMSは、初期投資が比較的低額に抑えられる点がメリットです。
サーバーやドメインの準備が必要なく、ライセンス費用もかからないため、コストをかけずにCMSの機能を利用できます。
オンプレミス型CMSの場合、サーバーの構築費用や開発費用などがかかることが多く、求める環境によっては数百万円規模の初期投資が必要になることもあるでしょう。
その点クラウド型CMSの初期費用は数万円程度に抑えることが可能で、サービスによっては無料での利用も考えられます。
インストールなどが不要なのですぐに利用を開始できる
クラウド型CMSはサーバーへのインストールやシステム構築が不要なので、契約後すぐに利用を開始できます。
早ければ翌日・即日からCMSによるWebサイトの運用をはじめられるため、スピード重視でプロジェクトを進める必要がある場合にメリットがあるでしょう。
必要な機能だけを無駄なく利用できる
クラウド型CMSは、利用する機能だけを自由に選択できるのが特徴です。
自社のWebサイトに必要な機能だけを効率良く利用できるので、運用コストを最小限に抑えられます。
使い方もシンプルになるため、社内で操作方法を共有しやすいこともメリットです。
規模に合わせてリソースの追加や削除も容易に行える
クラウド型CMSは、自社コンテンツの規模に合わせてリソースの追加・削除が行える点もメリットです。
将来的にWebサイトの利用者が増加しても、必要な単位に合わせてサーバーの追加等が行えるため、パフォーマンスの低下などを防ぎやすくなっています。
オンプレミス型CMSの場合、後からサーバーを追加したり乗り換えたりする場合、改めて手間と費用がかかってしまうでしょう。
クラウド型CMSならそういったコストを削減しつつ利用ができるので、中長期的なWebサイト運営も検討できます。
自身でアップデートなどは不要
クラウド型CMSは、サービスを提供する側がシステムの管理を行うため、アップデートなどの作業は不要です。
メンテナンスに必要な作業は一任できるので、Webサイトの運営に社内のリソースを集中できます。
事業者によって定期的なメンテナンスが実施されるため、セキュリティリスクや不具合の心配が少なくなる点もメリットです。
クラウド型CMSのデメリット
クラウド型CMSには、メリットだけでなくデメリットもあります。
以下からは、クラウド型CMSの利用時に考えられるデメリットについて解説します。
システムの拡張性が低い
クラウド型CMSは、システムの拡張性が低い点がデメリットです。
基本的にクラウド型のCMSでは、あらかじめ用意されている機能しか利用できません。
複数の機能をピックアップして使うことはできますが、自社が求める特殊な機能を開発して追加するといったことは不可能となっています。
そのため事前に特殊な機能が必要だと判明している場合、システムの拡張性が低いクラウド型CMSでは対応できない可能性があるでしょう。
ランニングコストがかかる
クラウド型CMSは初期投資が安い一方で、使い続けるためには毎月のコストがかかります。
買い切りのオンプレミス型と違ってランニングコストが必要になるため、長期的な利用の場合トータルのコストが大きくなる可能性があるでしょう。
クラウド型CMSを導入する場合には、初期投資のコストだけでなくランニングコストを計算してプロジェクトをスタートさせるのがポイントです。
クラウド型CMSの選び方
クラウド型CMSを提供している企業は、国内外にたくさんあります。
そのためはじめてクラウド型CMSを導入する際には、事前に選び方をチェックしておくことがおすすめです。
以下の選び方を参考に、自社の目的に合ったクラウド型CMSを選べるように備えましょう。
これまでの導入実績を確認
クラウド型CMSを使用する際には、その企業・サービスの導入実績を確認することがポイントです。
豊富な実績を持つCMSであれば、便利な機能を安定して利用できることに期待できます。
「利用者数〇〇人達成」「サービス提供〇〇年経過」といった情報を参考に、信頼できるサービスを選びましょう。
そのほか、そのクラウド型CMSが実際にどのような種類・規模のWebサイトで使われているのかを知ることで、自社コンテンツにマッチするかを判断できます。
レスポンシブに対応しているか
クラウド型CMSを選ぶ際には、パソコンだけでなくスマホやタブレットの画面に自動で適応するレスポンシブに対応しているかチェックするのがおすすめです。
近年はWebサイトの閲覧にスマホを利用するユーザーが多いため、ページがパソコン画面にだけ対応している場合UX(ユーザーエクスペリエンス)を損なう可能性があります。
そのためパソコン画面とスマホ・タブレット画面に全ページが自動で適応するレスポンシブに対応しているかどうかは、クラウド型CMSの選択時に重要な指標となるでしょう。
サポート体制が万全か
クラウド型CMSの利用時におけるサポート体制の充実度も、選択時のポイントです。
トラブルが起きたときや操作が分からなくなった際に、すぐに対応してくれるサポート体制が整っていれば、安心してシステムを導入できます。
そのほか、「〇〇を実現したい」といった要望を聞いてアドバイスをくれるコンサルティング環境が整っていると、CMSの機能を存分に活用できます。
どのようなサポートが実践されているのかをチェックして、有効活用していくのがおすすめです。
カスタマイズ性・自由度
クラウド型CMSは、どの程度カスタマイズ性や自由度があるのかも重要なチェックポイントです。
レイアウトやデザインのテンプレートが何種類くらいあるのか、内容をどの程度カスタマイズできるのかといった点を確認し、Webサイトの独自性を確保できるかチェックしてみましょう。
基本的にクラウド型CMSはカスタマイズ性や機能の自由度は低いため、事前に計画したWebデザインがある場合にはそれを実現できるのか確認が必須です。
クラウド型のCMSのツール3選を紹介
以下からは、さまざまなメリットを持ったクラウド型CMSツールを紹介します。
どのようなクラウド型CMSツールがあるのかを、以下を参考に確認してみましょう。
RCMS
RCMSは、国内企業の株式会社ディバータが提供する純国産のクラウド型CMSです。
1つのシステムで複数のドメインを活用できるマルチテナント型CMSが特徴で、250種類以上の標準機能を使ってWebサイトを構築できます。
会員制サイト、メディアサイト、イントラサイト、ECサイトなどの特殊な機能が必要なWebサイトも、あらかじめ備わっている機能だけで構築可能です。
クラウド型CMSながら独自の開発基盤を使用しているためカスタマイズ性が高く、自由にWebサイト構築を行えるのも魅力となっています。
導入実績も4,000社を超え、高い評価を得ている点も特徴です。
スタンダードプラン |
仮装専用サーバプラン |
オンプレミス提供プラン |
|
初期費用 |
44,000円 |
88,000円 |
1,595,000円 |
月額利用料 |
11,000円 |
55,000円 |
- |
ソフトウェアサポート料 |
月額に含む |
月額に含む |
275,000円/年間 |
Adobe Experience Manager
Adobe Experience Managerは、アドビ株式会社が提供するクラウド型CMSです。
顧客それぞれにマッチしたコンテンツの提供や、人工知能(AI)を使ったCMS管理・運用など、さまざまな機能が利用できます。
マイクロサービスとAPI配信を使ってアプリ作成を行ったり、煩雑な作業の自動化を進めたりといったことも可能です。
料金は事前に問い合わせが必要なので、公式サイトから確認してみましょう。
URL:https://business.adobe.com/jp/blog/basics/adobe-experience-manager
Jimdo
Jimdoは、ドイツのJimdo GmbH社が提供し、日本国内ではKDDIウェブコミュニケーションズがサポートを行っているクラウド型CMSです。
簡単な質問に答えるだけで、人工知能(AI)が求めるWebサイトにぴったりのデザイン(文章・画像)を作成してくれるため、導入から数分でコンテンツの公開が可能です。
ノーコードで簡単に作成できるだけでなく、専門知識を活用して0からWebサイトを構築するクリエイター機能も利用できます。
ネットショップ機能やSNS連携なども可能なほか、専門のサポートチームによる迅速な対応も魅力です。
<Jimdo AIビルダー>
PLAY |
START |
GROW |
無料 |
990円 |
1,590円 |
<Jimdo クリエイター>
FREE |
PRO |
BUSINESS |
SEO PLUS |
PLATINUM |
無料 |
965円 |
2,460円 |
4,110円 |
5,190円 |
クラウド型CMSでWebサイト作成の効率化を図る
クラウド型CMSは、Webサイトの作成を簡易化・効率化する便利なサービスです。
自社コンテンツの発信を考えているのなら、この機会にクラウド型CMSの特徴を確認し、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
CMSに関するおすすめ記事はこちらから!
- 最近よく耳にするHeadless CMSとは?メリット・デメリットとおすすめHeadless CMS 9選