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採用活動
イノーバ 採用マーケティング責任者 橋口2024/04/03 11:36:491 min read

採用マーケティングに役立つ! コンテンツマーケティングの基本が学べる書籍を紹介します

採用に役立つ! コンテンツマーケティングの基本が学べる書籍

 

採用マーケティングとは

人材採用を取り巻く環境は年々厳しさを増しており、優秀な人材の確保が大きな課題となっています。リクルートワークス研究所の調査では、実に6割以上の企業が人手不足を感じており、特に中小企業での採用難は顕著です。中途採用実態調査(2023年度上半期実績、2024年度見通し 正規社員)|Works Report|リクルートワークス研究所 (works-i.com)

 

このように人材採用の現状は大変厳しく、主な課題としては以下が挙げられます。

 

- 優秀な人材の確保が困難

- 求職者のニーズにマッチした情報発信ができていない

- 応募者への対応に手間がかかり非効率  

- 人材募集チャネルが1次元的

 

そこで注目されているのが「採用マーケティング」です。これは従来の採用活動にマーケティングの手法を取り入れ、企業と求職者とを戦略的につなぐ新しいアプローチです。

 

マーケティングの考え方を活用して、企業が求める人材像(ペルソナ)を設定し、ターゲットに合わせたコミュニケーションを行います。自社のストーリーやブランド、働き方の魅力を効果的に発信し、積極的に優秀な人材に「見つけてもらう」ことが可能になります。

 

また、ITツールを活用した適切なナーチャリングにより、応募者との長期的な関係性を築くことができます。つまり、企業と優秀な人材のマッチング精度を高め、採用の質と量を両立させられる手法なのです。

 

基礎編:コンテンツマーケティングの考え方  

採用マーケティングの基礎となるのが、「コンテンツマーケティング」の発想です。コンテンツを戦略的に設計・制作・発信することで、優秀な人材に自社の存在を「見つけてもらう」仕組み作りが重要になります。

 

イノーバ代表の宗像淳氏による書籍『商品を売るな』では、その基本的な考え方が説かれています。

商品を売るな

『商品を売るな-コンテンツマーケティングで「見つけてもらう」仕組みをつくる』(著:宗像淳/日経BP社)

 

この書籍の主旨は、従来の売り込みマーケティングから脱却し、消費者(=求職者)に「見つけてもらう」ための情報発信が不可欠であるということです。

 

昨今のユーザーは、能動的に自ら必要な情報を収集するようになっています。企業側が一方的に情報を押し付けても、受け手に留まりません。重要なのは、ユーザーのニーズに応えた良質なコンテンツを発信し、自然に「見つけてもらえる」仕組み作りなのです。

 

求職者を顧客視した発想の転換

この考え方を採用マーケティングに当てはめると、求職者目線のコンテンツを戦略的に提供することで、自社に興味を持ってもらえるというわけです。つまり、採用活動においても、求職者を「顧客」と見なし、満足度を高めるコンテンツ発信が肝心なのです。

 

具体的には、企業理念や働き方を紹介する記事/動画、新入社員の生の声インタビュー、選考フローやFAQをまとめた資料、オフィス環境や社内文化を垣間見れる写真集などが考えられます。

 

ストーリーテリングのポイント  

また、単に情報を発信するだけでなく、自社のストーリーやブランドメッセージをコンテンツに巧みに盛り込むことも重要です。求職者の心に訴え、共感を呼ぶストーリーテリングの技法が求められます。

 

例えば、

「○○という経営理念のもと、現場の社員同士が切磋琢磨し合い、日々成長しながら働いている」

「入社時は若手だったが、勤務年数を重ねるごとに幅広い業務に携わり、リーダーへと成長した」

といった具合に、単なる文字や数字の羅列ではなく、感情を伴った物語性のあるコンテンツを心がける必要があります。

 

成功事例(採用マーケティング)

企業がオンライン会社説明会を導入し、会社の魅力と課題を明確に伝えたことで、応募者の選考進捗率が向上しました。さらに、企業のミッション・ビジョン・バリューを明文化し、資料と動画を作成して応募者に共有したことで、内定率が大幅に改善されました。

このように、採用プロセスにおいて、積極的かつ分かりやすいコミュニケーションを行うことで、優秀な人材の獲得に大きな効果がありました。企業の文化や価値観を正確に伝え、求職者との相互理解を深めることが、成功のポイントでした。

 

実践編:コンテンツマーケティングのプロセス

コンテンツマーケティングの基本的な考え方を学んだ後は、実践に向けたプロセスの理解が欠かせません。同じく宗像氏による『いちばんやさしいコンテンツマーケティング』では、ステップバイステップでそのプロセスが解説されています。

いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本

『いちばんやさしいコンテンツマーケティング』(著:宗像淳/インプレス)  

この書籍は、コンテンツマーケティングを実践するための具体的な手順がわかりやすくまとめられています。以下が主な内容の概要です。

 

【ペルソナの設定】

ペルソナ(理想のターゲット層)を具体的に設定します。属性、バックグラウンド、志向性、課題などを細かく規定し、ターゲティングの的を絞り込みます。採用マーケティングの場合は、求職者の人物像を明確にしましょう。

 

【ジャーニーマップの作成】  

ペルソナがコンテンツと出会い、最終的に入社に至るまでのプロセスを「採用ジャーニーマップ」として可視化します。各ステップでのニーズを洗い出し、適切なコンテンツ設計につなげます。

 

【コンテンツ計画の立案】

ジャーニーマップに基づき、各フェーズで訴求すべき内容とコンテンツタイプを決定します。ブログ記事、動画、FAQ、選考資料など、様々なタイプを戦略的に組み合わせることが重要です。

 

【分析とPDCAサイクル】

発信したコンテンツのパフォーマンスデータを収集・分析し、ターゲットの反応を把握します。その結果を踏まえ、ペルソナやコンテンツの見直しを行い、PDCAサイクルを回していきます。

 

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 採用マーケティングを成功させる秘訣  

前述の2冊の書籍から、コンテンツマーケティングの基礎と実践プロセスを学びました。次はその知見を活かし、採用マーケティングをどう成功させるかについてお話しします。

 

ペルソナを設定し理想の人材像を具体化  

まずは自社が求める理想の人材像を"ペルソナ"として具体化することが重要です。単に年齢や経歴、スキルセットといった属性だけでなく、志向性や価値観、ライフスタイルなども含めて設定します。

 

複数のペルソナを立てることで、採用活動の偏りを防げます。例えば、熱意と向上心のある若手人材、育児中のベテラン人材、グローバルマインドを持った中堅人材など、人物像を明確に規定しましょう。  

 

ペルソナの設定に際しては、業界の動向や過去の採用データ、応募者の声などを参考にすると良いでしょう。時代とともに変化するペルソナ像を見直すことも忘れずに。

 

求職者のジャーニーに合わせてコンテンツを設計

次に重要なのが「採用ジャーニーマップ」の作成です。求職者がどのような心理プロセスを経て入社に至るのか、そのストーリーラインを具体的に描き出します。  

 

例えば、「会社探し」→「説明会での情報収集」→「選考フローの確認」→「面接対策」→「入社」といった具合です。各ステップでペルソナが抱く疑問や不安、求める情報は何かをジャーニーマップに落とし込みます。

 

そのうえでジャーニーに応じ、それぞれのフェーズで提供が必要なコンテンツとメッセージを設計します。記事コンテンツ、FAQ、動画、選考資料など、情報ニーズに合わせた最適なコンテンツミックスを検討します。

 

SNS/サイト/広告を戦略的に活用

制作したコンテンツをどのチャネルで届けるかも極めて重要です。SNSの特性を理解し、ターゲットに合わせて適切なSNSを選択しましょう。

 

リクルーティングの場合はLinkedInやFacebook、インターン採用はTikTokやInstagramといった具合です。自社の採用サイトでは、SEO対策による上位表示も重要になります。

また、Google やYouTube、SNS広告のように、ネット広告を採用マーケティングに取り入れるのも有効な手段です。ターゲティング機能を使えば、設定したペルソナに合わせた配信が可能になります。

 

さらに、求人サイトとの連携も重要なポイントです。掲載内容を SEOに適したものに仕上げたり、各種求人サイトへ効果的に配信したりと、戦略的な出し方が肝心です。  

 

このようにSNS、自社サイト、求人サイト、ネット広告といったタッチポイントを組み合わせ、コンテンツを多角的に届けることが大切です。各チャネルの特性を理解し、ペルソナに合わせた最適な配信プランを検討しましょう。

 

データ分析とPDCAサイクル

それぞれのチャネルから寄せられるアクセスデータやエンゲージメント指標を収集・分析することも重要です。ペルソナやコンテンツに対する反応を正確に把握し、施策の改善に生かします。

 

コンテンツマーケティングはPDCAサイクルを回しながら継続的に行っていく必要があります。分析を怠ると、ペルソナ設定の見直しや新たな施策立案が滞るためです。

 

良質な人材を継続して確保するには、ユーザーの反応分析に基づく絶えざるブラッシュアップが不可欠なのです。

 

リクルーティング/中途採用/新卒採用への活用  

コンテンツマーケティングは採用マーケティングの様々な場面で有用です。募集対象に合わせてペルソナ、コンテンツ、選択チャネルを変えれば、ターゲットに合わせた的確な人材アプローチが可能になります。

 

例えば、リクルーティングの場合はビジネスパーソンをメインにLinkedInやFacebookを活用し、中途採用ではスキルや経験を重視して求人サイトと連携、新卒採用ではフレッシュな感性に訴求してTikTokなどの新しいSNSを駆使するなどの使い分けが考えられます。

 

今後は中高年のシニア人材の中途採用や、長期インターン採用なども増えていくでしょう。該当するターゲット層に合わせ、的確なコンテンツマーケティングを展開することが求められます。

 

以上のように、コンテンツマーケティングの発想と手法を取り入れることで、採用マーケティングの領域においても質の高い施策が期待できます。ぜひ、宗像淳氏の書籍から基礎を学び、自社の採用活動に活かしてみてはいかがでしょうか。

 

長年の実績とノウハウを有するイノーバのコンサルタントに相談し、採用マーケティングの実現に向けた支援を仰ぐこともできます。