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イノーバマーケティングチーム2025/04/04 10:26:231 min read

【対談】ITよもやま話-5|海外進出の第一歩、デジタル時代の“助走”戦略

前回では、日本のIT企業がなぜ海外で成果を出しにくいのか、その背景にある“技術偏重”のアプローチや「強みの言語化」不足といった課題にフォーカスしました。

今回は、その続きとして「海外展開はどう始めればいいのか?」という実践的な問いに向き合います。
海外に拠点を構える前に、日本にいながらできることがあるのでは…そんな“助走期間”の重要性と、成果を左右する「市場選び」のポイントを、深掘りしていきましょう。

イノーバCEO / 宗像 淳

東京大学文学部卒業。ペンシルバニア大学ウォートン校MBA(マーケティング専攻)。

1998年に富士通に入社、北米ビジネスにおけるオペレーション構築や価格戦略、子会社の経営管理等の広汎な業務を経験。

MBA留学後、インターネットビジネスを手がけたいという思いから転職し、楽天で物流事業立ち上げ、ネクスパス(現トーチライト)で、ソーシャルメディアマーケティング立ち上げを担当。ネクスパスでは、事業開発部長として米国のベンチャー企業との提携をまとめた。

2011年6月にコンテンツマーケティング支援の株式会社イノーバを設立、代表取締役に就任。

イノーバ執行役員 / 高村 治男

慶應義塾大学法学部卒業。

NTT→NTT東日本にて、企業向けネットワーク等の実装および運用の企画提案・プロジェクトマネジメントを行う。その後マイクロソフトにて、Office 365 を中心としたクラウドサービスのソリューションスペシャリストとしてセールス・マーケティングを推進。

イノーバでは、インハウスマーケティングを経てマーケティングコンサルティングに従事。

目次

 

「日本にいながら小さく始める」海外展開の第一歩

宗像:

今はBtoBでも「オンラインでリードを取って、ナーチャリングして、プロダクトを触ってもらう」っていう流れが主流になっていますよね。

つまり、デジタルを活用すれば、現地に拠点を持たなくても、日本にいながら海外の見込み客を発掘し、問い合わせを得ることは十分可能なんじゃないかと。

高村:

たしかに、いきなり海外に拠点を作るのではなくて、まずは日本からデジタルで海外のリードを取ってみるような「助走期間」があってもいいですよね。拠点を作る前の段階を設けるというか。

 

宗像:
そうそう、「助走期間」をデジタルでしっかり抑えておくと、次のステップにも進みやすくなりますよね。

ビジネスでは必ず「ROIはどうなんだ?」という話になりますから、「頑張ります」では通用しない(笑)。でも、事前に海外からの問い合わせや反応が得られれば、「同様のニーズは他にもある」と社内でも説得力が出ます

この前、ある会社さんと話したんですけど、LinkedInで英語のブログを書いていたら、そこから問い合わせが結構来てるらしいんですよ。LPを英語で作るとか、英語で広告を出すとか、英語でホワイトペーパーを出すとか、いろいろ手段はある。日本からでもやれることは本当に多いです。

 

高村:

そうですよね。日本には、規模は中堅だけどキラリと光る強みを持った企業がたくさんあると思うんです。ITに限らず、そうした会社にぜひそういったチャレンジをしてもらいたいですね。

重要なポイント

  • 現地に拠点を持たなくても、デジタル活用で海外のリード獲得・検証が可能
  • 海外展開には「助走期間」として、日本にいながら小さく始める戦略が有効
  • 英語版のLPやブログ、広告など、デジタル施策で海外からの反応を得ることができる


「伸びている市場」で勝負することが大前提

宗像:

ただ一方で日本のIT業界全体を見ていると、正直な話、どうしても技術面ではアメリカの後追いになりがちで、経営的にも大手に依存した構造から抜け出せていないケースが多い気がするんですよね。

 

高村:

たしかに、大企業に依存している構造は根強いですよね。

 

宗像:

でも、その一方で、若い会社や中堅企業の方が、そういった“しがらみ”が少なくて、むしろ柔軟に新しいチャレンジができている印象もあって。

たとえば、知り合いのIT企業で今すごく順調に伸びているところがあるんですけど、その成功の一番の理由は「伸びている市場をちゃんと選んでいる」ことじゃないかと思うんです。どんなに良い技術やサービスを持っていても、それを「どこで使うか」がズレていたら、結果は出にくい。やっぱり、「伸びている市場」で勝負することが、成果を出すための大前提になると思うんです。

 

高村:

そうなんですよね。企業として次の一手を打つには、「どこで戦うか(Where to Play)」を見極める目がますます重要になってきていると感じます。

でも、その判断を日本市場の常識だけで下していると、グローバルな変化の兆しにも気づけないまま、チャンスを逃してしまう。

やっぱり、もっと意識的に“外”を見て、視野を広げていく必要がありますよね。

宗像:

まさにそう。DX投資が盛り上がっている今こそ、次の種をまいておかないと、数年後に出遅れてしまうリスクもある。

だからこそ、「成長市場=海外」だとしたら、そこに目を向けることは必要ですよね。

たとえば、海外の企業を取引先にするとか、自分たちが直接出ていくとか。どちらにしても、そろそろ真剣に考えるタイミングだと思います。

 

高村:

となると、やはり海外に出る前に、まずはデジタルを通じてニーズを拾って、どこが伸びている市場なのか見極めておく

統計データだけだと、実態とズレることもあるので、一次情報に触れることがやっぱり大切ですよね。

 

宗像:
うんうん。実はオンラインマーケティングって、進んでいるのはアメリカくらいで、ヨーロッパもまだそこまで、アジアに至ってはもっと遅れている。 だから、日本企業が今から出ていっても、全然チャンスはあると思ってるんです。

「まずは日本でやって、慣れてから海外へ」という考え方も分かるんですが、むしろ今の時代は最初から海外で始めた方が結果が出るかもしれない。 AIも進化して翻訳なんかもすごく楽になったし、もはや最初から多言語対応で進める方が自然なのでは…とも思います。

 

高村:

現地で拠点を構えるのに比べれば、コストも圧倒的に低いですからね。

いきなり全世界に打って出るのは無理でも、国内ともう1カ国で並行して進めてみるようなやり方があってもいいと思うし、それを「当たり前の選択肢」として持てるようになれば、日本企業の海外展開の進め方も変わるかもしれませんね。

重要なポイント

  • 成果を出すには「伸びている市場」を見極めて選ぶことが大前提
  • 日本の常識にとらわれず、海外にも目を向ける姿勢が重要
  • 海外展開はデジタルと多言語対応で小さく始められる


まとめ

これまで海外展開というと、「まずは拠点を作る」「現地法人を立ち上げる」といった大きな一歩が必要だと考えられてきました。しかし、今やそれは必須条件ではありません。デジタルツールの発展により、日本にいながらでも現地の見込み顧客と接点を持ち、ニーズを探ることが可能です。

さらに、海外展開で成果を上げるためには、「どこで戦うか」を見極める目も不可欠です。自社の強みが通用する「伸びている市場」を選ぶことで、成功の可能性を大きく広げることができるでしょう。

 

次回予告

次回「海外展開を成功に導くリアルな進め方とは」では、長期的な視点で海外展開を進めるために、どんな体制やマインドが必要か?リアルな現場視点から考察します。

どうぞお楽しみに!

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イノーバマーケティングチーム

株式会社イノーバの「イノーバマーケティングチーム」は、多様なバックグラウンドを持つメンバーにより編成されています。マーケティングの最前線で蓄積された知識と経験を生かし、読者に価値ある洞察と具体的な戦略を提供します。