内部環境分析を行うためのフレームワークとその考え方

BtoBマーケティング

何を分析したいのかを明確にし、それに適したフレームワークを活用すWebサイトを改善し、成果を高めるものにするためには、さまざまな分析方法を使い現状把握をしたうえで、改善策や戦略の立案をしていきます。分析方法は大きく外部環境分析と内部環境分析の二つがあり、まず外部環境分析を行いその結果を基に内部環境分析を行うのが一般的です。今回は二つの分析方法のなかでも内部分析環境について、そもそも内部環境分析とはどういったものか、なぜ、外部環境分析が先なのかを説明します。また、内部環境分析を行うためのフレームワークの紹介、内部環境分析を行う際の考え方についてもお伝えします。

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内部環境分析とは?

内部環境分析の概要

内部環境分析を知るうえで、まず環境分析とはどういったものかを知っておく必要があります。そもそも環境分析とは、企業の内部と外部に分け、それぞれで自社の経営に影響を与える環境を分析し、把握するものです。ここでいう外部とは、競合となる企業の動向、市場トレンドや経済、政治の状況などが挙げられます。

そして内部環境とは、自社内のすべてを対象とした環境です。具体的には技術、人材、商品・サービス、ノウハウ、資産などが挙げられます。また、Webサイトでは、デザイン、UI、コンテンツの質と量などです。

内部環境分析を行う場合、これらのなかから強みと弱みを見つけ出し、自社の現状を可視化させ、課題を明確にします。

環境分析で内部よりも先に外部環境分析を行う理由

環境分析を行う際、なぜ、内部環境よりも外部環境の分析を先に行うのか、その最大の理由は内部環境の多くが外部環境に大きな影響を受けるからです。

例えば、自社の技術が優れているかどうか、人材が豊富かどうかを見るには、外部との比較が必要になります。それは、Webサイトでも同様で、わかりやすいデザインが強みだとしても競合のデザインがもっとわかりやすいものであれば、強みにはなりません。記事数が100あるのが強みだとしても、競合の記事数が1,000であれば、逆に弱みになってしまいます。

強みや弱みというのは常に相対的な判断が必要です。競合と比べてどうか、現在の経済状況で安いか高いかなどで見ないと、自社の本当の強み、弱みはわかりません。そうした意味で、環境分析は必ず外部環境分析を行ったうえで、それを基に内部環境分析を行うのです。

フレームワークとは?

日本語では枠組み、構造といった意味を持つフレームワーク。ビジネスにおいては、自社の戦略や改善を行う際、ただ漠然と考えるのではなく、さまざまなフレームワークに当てはめて考えます。それにより、課題点が明確になり、戦略や改善の立案が迅速に行えるようになるのです。ほかにもフレームワークの利用で次のようなメリットが考えられます。

  • 思考に無駄がなくなる

多くのフレームワークは、過去の成功パターンや考え方をフォーマット化しています。そのため、最短で課題を明確にできるようになり、横道にそれたり、無駄な思考で生まれたりするロスを削減できます。

  • メンバー間で自社の課題を共有できるようになる

言語だけで課題点を共有すると、誤解が生まれたり意見に齟齬が発生したりしがちです。しかし、フレームワークを使い、課題点を言語だけではなく、図や表にしてあらわすことで、誤解が生まれにくくなり、メンバー間で自社の課題共有がしやすくなります。自分だけではなく、他者にも伝わりやすくなるのがフレームワークの大きなメリットです。

  • 思考の漏れが減少する

フレームワークは課題の発見、解決のために必要な要素を効率的にまとめたものです。そのため、フレームワークを使わない時には気づかなかった側面も洩れなく考えられるようになり、思考の漏れが減少します。

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内部環境分析を行ううえで欠かせないフレームワーク

では、実際に内部環境分析を行っていくうえで便利なフレームワークを紹介します。

1.   VRIO

自社が持つ人材、設備、商品など経営資源が競合のなかで優位性を持てるかどうかを分析するためのフレームワークです。社員の対しインタビューやアンケートで情報を集め分析します。具体的な質問する項目は次の4点です。

  •  Value(経済価値)

市場のなかで、自社が自社商品・サービスなども含め、経済的な価値があるかどうかを見ます。市場や顧客の要望に対し、どれだけの価値を提供できるのか、外部環境の変化にどれだけ対応できるかなどを分析します。

  • Rarity(希少性)

自社の商品やサービス、人材、設備など他社が持っていない資産の価値を分析するものです。他社が入り込める余地がなければないほど、自社の価値が向上し、他社に対し競合優位性を保てます。

  •  Inimitability(模倣困難性)

多くの業種でコモディティ化が進む今、どんなに希少性が高いとしても、簡単に模倣されてしまうものであれば、その価値はすぐになくなってしまいます。そこで重要となるのが模倣困難性です。歴史があるかどうか、特許を取得しているか、製造方法がブラックボックス化されているかなどの面から、模倣困難性がどの程度あるのかを分析します。

  • Oraganaization(組織)

希少性や模倣困難性が高くとも、それを維持するためには、組織がしっかりとしていなくてはなりません。優秀な人材が揃っているかどうかはもちろん、それが組織化され、迅速な対応ができるようになっているのかを分析します。

2.   バリューチェーン分析

日本語で「価値連鎖」という意味を持つバリューチェーン。アメリカの経済学者、マイケル・E・ポーター氏が自身の著書のなかで提唱したものです。

一般的に企業が原材料の調達から商品を製造、顧客に販売するまでの一連の連鎖を「モノの連鎖=サプライチェーン」と呼びます。マイケル・E・ポーターはこの連鎖をモノだけではなく、「価値の連鎖=バリューチェーン」としても捉えました。

具体的には、事業を主活動(商品が顧客に届くまでの流れに直接関係した活動)と支援活動(主活動を支えるための活動)に分け、どの工程で価値(バリュー)が出ているかを分析するためのフレームワークです。

バリューチェーン分析を行うと、市場変化や顧客の需要といった外的要因に対し、自社の強みをどういかしていくべきか、競合が次にどう動くかの予測に大いに役立ちます。

ここでは製造業のBtoB企業がWebサイトでマーケティングを行う際を例に分析の流れを見ていきましょう。

  • 自社の主活動と支援活動の分類

自分たちの企業行う主活動と、主活動を支える活動に分類します。製造業の場合の主活動は、「資材購入(物流)」「製造」「出荷(物流)」「マーケティング(物流)」「アフターサービス」。そして支援活動は、「人事労務管理」「技術開発」「調達活動」「Webサイト管理」そしてこれら全般の活動管理です。

  • それぞれの活動でのコストを把握する

例えば、物流も含めた「資材購入」や「技術開発」「Webサイト管理」にどれだけコストがかかっているのか? そして、それらのコストを負担しているのはどの部署なのかを明確にし、把握します。

  • バリューチェーンの「強み」と「弱み」を分析する

それぞれの活動で、自社の強みと弱みがどういったものかを分析します。例えば、「資材購入で複数の商品で使える同じ資材を同時に購入するので通常よりも安く仕入れられる」「Webサイト運用をすべて社外に依頼しているため、更新スピードが遅くコストも高い」といったものです。

  • VRIO分析を活用する

バリューチェーンの「強み」と「弱み」をVRIO分析に当てはめて分析を行うと効率的な分析が可能になります。

正しい内部環境分析のポイントはフレームワークの選択と活用

正しい内部環境分析を行うには、外部環境分析をしっかりと行うのが大前提ですが、それ以外にも、目的に応じて適したフレームワークの活用が欠かせません。

外部環境分析もそうですが、ただ漠然と考えても明確な答えはでないうえ、社内での課題共有ができなくなってしまいます。自社の何を分析したいのかを明確にしたうえで、最適なフレームワークを選択することが、正しい内部環境分析のポイントだといえるでしょう。

弊社では、上述のような分析や現状調査を含めてBtoBマーケティング全般をサポートする、伴走型マーケティング支援サービスを提供しております。BtoBマーケティングに本格的に取り組みたいけれど社内にノウハウや専門人材が不足している、思うようにスタートダッシュを切れない、などの課題やお悩みを抱えている方、ぜひ一度、御覧ください。

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自社の何を分析したいのかを明確にしたうえで、最適なフレームワークを選択することが、正しい内部環境分析のポイントだといえるでしょう。
8月30日 15:11