最近、ソートリーダーシップ(thought leadership)という言葉を目にする機会が増えたのではないでしょうか。
今の時代のマーケティングにおいて必要なものとされるソートリーダーシップですが、一体どういう意味なのでしょうか。そして、どのようにマーケティング活動に活かせるのでしょうか。
今回は、ソートリーダーシップの意味やマーケティングに活用する方法についてみていきましょう。
ソートリーダーシップとは?
ソートリーダーシップとは、特定の分野における第一人者(ソートリーダー)としての地位を戦略的に築くマーケティング戦略です。
社会問題・環境問題などが複雑化する現代では、将来を先取りした課題解決策を見出し、実行する企業や人材が求められています。
ビジネス業界・社会事業などにおいて、特定の課題やテーマについてその解決策となりうるソート(thought、主張、思い、理念など)を掲げて革新的な活動を行い、社会や顧客からの共感と評判を生み出すことをソートリーダーシップと呼びます。
ソートリーダーシップには、以下のように、個人型と企業型の2種類があります。
個人型ソートリーダーシップ
個人型ソートリーダーシップは、インフルエンサーや特定の分野の第一人者などのことです。自身の専門知識や影響力を生かして、社会的な変革を促進する人材やそのリーダーシップのことを指します。
企業型ソートリーダーシップ
そしてもうひとつが、企業型ソートリーダーシップです。
これは、企業の経営者や幹部などが大きな影響力をもち、自社だけでなく、業界全体を主導していくケースです。企業としてソートリーダーシップを獲得することで、企業に対する認知度や信頼性が高まり、マーケティングをする上でもプラスの効果を見込めます。
具体的には、アップル社のスティーブ・ジョブズが挙げられます。彼が、新製品への熱い情熱を語り、次々と先駆的なチャレンジをしていく様子を見て、同社の製品のファンになったという方も多いのではないでしょうか。まさに、マーケティングに企業型ソートリーダーシップが活かされた例といえるでしょう。
ソートリーダーシップが注目されている理由
次に、最近、マーケティング戦略においてソートリーダーシップが注目を浴びるようになってきた理由について考えてみましょう。
企業の社会的責任(CSR)が求められるようになった
地球温暖化に代表されるような大きな課題を抱える現代社会では、将来の社会を持続可能なものとする「サステイナビリティ」の取り組みが重要になってきています。
その中で、企業にも社会問題や環境問題に対応する企業の社会的責任(CSR、Corporate Social Responsibility)が求められるようになってきました。企業が社会の一員として社会課題の解決に取り組むCSRを果たしていくために、サステイナビリティにおけるソートリーダーシップが求められています。
顧客や投資家の評価基準が変化した
これまで、企業の評価は、売上や収益などの財務情報など目に見える要素をもとに行われてきました。
しかし、近年では、アイデア、テクノロジー、ノウハウ、ブランドなど、目に見えない無形資産や、以上でも見てきたように社会課題や環境問題への対応など、数字で表しにくい要素も企業の評価基準として重視されるようになってきました。
ソートリーダーシップを発揮することは、企業は顧客や投資家からの信頼や支持を獲得することに繋がります。
ソートリーダーシップをとるメリット
ソートリーダーシップが発揮できる企業は、以下のようなメリットが得られると考えられます。
ブランディングに有効である
企業はその専門性や独自性をアピールし、ソートリーダーシップを発揮することで、その分野において「第一人者」「リーディングカンパニー」としてのブランドを確立することができます。
ソートリーダーとしてのブランドを築くことで、業界や市場において高い信頼性や認知度を獲得することができます。
顧客との関係構築ができる
ソートリーダーシップは、業界や社会問題に対する専門的知識や分析力がなくては確立できません。つまり、ソートリーダーシップを発揮できる企業は、業界での権威とみなされ、それだけ顧客から高い信頼を得やすくなり、顧客との信頼関係を構築しやすくなります。
また、顧客との関係性がよくなることで顧客からのフィードバックを得やすくなり、顧客のニーズをより深く理解することができるようになる相乗効果も期待できます。
安定した見込み顧客の獲得・成約に繋げられる
企業がソートリーダーシップを発揮することは、安定した見込み顧客の獲得や成約につながります。
ソートリーダーシップを発揮することでメディアからの注目が高まり、露出の機会が増えて知名度が上がります。そのことで、より多くの見込み顧客と接点を持つことができるようになります。
また、ソートリーダーシップを発揮している企業が発信する情報は、信頼性や権威性があると判断されるため、SEOでも有利になります。
WebサイトのSEO効果が高まって常に上位表示されるようになり、流入が増えて安定した見込み顧客獲得につながることが期待できます。
ソートリーダーになるためのポイント
では、どうすれば企業はソートリーダーになれるでしょうか。以下では、そのためのポイントを解説します。
情報収集と分析
一般的に知られている知識やアイデア、技術だけではソートリーダーになるのは難しいでしょう。まずは、業界の最新動向やトレンドを把握して分析し、戦略を立てましょう。
社会が必要としている情報を集め、独自の視点で分析して有益なコンテンツを発信することが重要です。
「ソート・テーマ」の設定
情報収集を効率的に行うために、「ソート・テーマ」を設定しましょう。社会が何を求めているのか、自分が何を発信できるのかをじっくりと考え抜くことが大切です。ある程度知識があり、独自の見解や意見を述べられそうな分野を選ぶと、より説得力のあるコンテンツを作成できます。
セグメンテーション
ソート・テーマを選ぶ際に大切なのが、ソートリーダーがまだ存在していない分野や、ニーズの多様化が進んでいる分野をセグメントして選ぶことです。
セグメンテーションを行った分野の市場の動向や競合情報、自社の強みを調査することで、ソートリーダーとしての地位を確立できそうな分野やテーマが見えてくるはずです。
顧客のニーズを分析
顧客のニーズを調査して分析することは、ソートリーダーシップを確立するためには非常に重要です。顧客のニーズに合うコンテンツを作成し、発信しましょう。
発信する際は、キーワード選定のためのツールを活用し、ターゲットとする顧客に届くようにSEO的に工夫することも大切です。
この点はコンテンツマーケティングにおけるSEOと共通しており、Googleトレンドやキーワードプランナーといったキーワード選定ツールを役立てることも有効です。
質の高いコンテンツを継続的に発信する
質の高いコンテンツを発信しても、それが数回で途切れてしまっては効果がありません。ソートリーダーシップを確立するためには、継続的に時機に合ったコンテンツを発信し続けることも重要です。
オウンドメディアやSNSなど複数のメディアを使い、積極的にコンテンツを発信しましょう。
継続的に発信することで、信頼性や権威性が高まって検索エンジンの評価の向上、そしてSEO的な優位性にもつながります。
ソートリーダーのネットワーク作りをする
他のソートリーダーとの交流を深めることで、新たなアイデアや情報を得ることができます。また、他のソートリーダー達と共同でイベントやセミナーを開催することで相乗効果も狙えるでしょう。
まとめ
以上、ソートリーダーシップとは何か、そしてソートリーダーシップを確立してマーケティングで活用するためのポイントについて見てきました。
ソートリーダーの地位を確立するには、特定分野に関する豊富な知識と深い洞察力、そして発信力が必要となります。長い道のりになるかもしれませんが、ソートリーダーシップを獲得することで、企業は、ブランドを確立し、世間からの認知、社会的信用などを得ることができます。
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