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宗像 淳 / イノーバCEO2025/12/26 10:51:282 min read

リードジェネレーションとは?BtoBマーケティングを成功に導く手法と戦略の立て方

💡この記事でわかること

  • リードジェネレーションの意味と重要性
  • 代表的なオンライン・オフラインの手法とそれぞれの特徴
  • 自社に合った手法を選ぶための戦略的な考え方
  • リードジェネレーションを成功させるための具体的なKPI設定と注意点
  • マーケティングと営業が連携して成果を出すための仕組みづくり

リードジェネレーションとは、「自社の製品やサービスに興味を持つ可能性のある見込み客(リード)を獲得するための活動」のことです。

多くの企業が「新規顧客を増やしたい」「営業活動を効率化したい」という課題を抱える中で、リードジェネレーションは最も重要なステップとなります。

しかし、ただやみくもに手法を試すだけでは、成約に結びつきづらいリードばかりが集まり、成果には繋がりません。

そうした課題を解決して着実に成果を出すために、この記事ではリードジェネレーションの基本的な意味から、BtoBビジネスを成功に導くための具体的な手法、さらには成果を最大化するための戦略的なポイントまで、私自身の経験をもとにわかりやすく解説します。

目次

 

リードジェネレーションとは、見込み客を獲得する最初のステップ

💡この章のポイント!
リードジェネレーションとは、将来顧客になりうる可能性のある「見込み客」の情報を獲得するマーケティング活動のことです。この活動が、その後の顧客育成(リードナーチャリング)や営業活動全体の成果を左右する重要な起点となります。

ここでは、リードジェネレーションの正確な定義と、マーケティング活動全体における重要な役割について解説します。

 

リードジェネレーションの意味と目的

リードジェネレーションは「Lead Generation(見込み客の創出)」を意味し、見込み客の担当者情報や企業情報を取得する活動を指します。この活動は、案件創出を目指す「デマンドジェネレーション」という大きな枠組みの起点です。

最終的な目的は将来の売上につながる商談機会を創出することであり、最初のステップがマーケティング活動全体の成果を左右します。

従来の飛び込み営業などに代わる効率的な新規顧客開拓手法として、現代のビジネスにおいて重要な位置を占めているのです。

 

なぜ今、BtoBマーケティングでリードジェネレーションが重要なのか

インターネットの普及で顧客自身が情報を収集し、比較検討する時代になり、企業からの一方的なアプローチが効きにくくなりました。顧客の購買行動の変化に対応し、まずは見込み客に見つけてもらう活動が不可欠といえます。

このようにして接点を持ったリードは、見込み顧客が意思をもって情報を渡してくれているため「質が高い」傾向にあります。質の高いリードを営業部門へ供給することで、組織全体の生産性が向上し、安定的な事業成長の基盤を築けるのです。

 

リードジェネレーションとリードナーチャリングの違い

デマンドジェネレーションという枠組みは、主に3つのプロセスで構成されます。

リードジェネレーションが「見込み客の獲得」という最初の入口であるのに対し、リードナーチャリングは獲得した見込み客を「育成」する中間の活動です。

そして最終的に、育成した中から商談化する可能性の高い見込み客を「選別」するのがリードクオリフィケーションです。

それぞれの役割と目的を表にまとめましたので、ぜひ覚えておきましょう。

プロセス

役割

目的

リードジェネレーション

獲得

新しい見込み客の情報を得る

リードナーチャリング

育成

見込み客との関係を深め、購買意欲を高める

リードクオリフィケーション

選別

営業部門へ引き渡すべき見込み客を見極める

 

☝️宗像淳から一言アドバイス!
リードジェネレーションは、単なる「リスト集め」ではありません。自社にとっての「理想の顧客像(ペルソナ)」を明確にし、そのペルソナと出会うための最適な活動は何か、という経営戦略の視点で捉えることが成功の秘訣です。数を追うだけでなく、「質」を担保する仕組みを初期段階で設計できるかが、その後のマーケティング投資全体のROIを大きく左右します。

 

リードジェネレーションのオンライン手法6選

💡この章のポイント!
Webを活用するオンライン施策は、広範囲へのアプローチと効果測定のしやすさが大きな利点です。コンテンツの蓄積で資産となり、広告で即効性を狙うなど、目的に応じた多様な展開が可能です。

ここでは、デジタル時代に欠かせないオンライン手法として、以下の6つをそれぞれ詳しく解説します。

  • SEO
  • Web広告
  • SNSマーケティング
  • ウェビナー
  • ホワイトペーパー/ebook
  • Webサイトの最適化(CTA/EFO)

 

手法1.SEO

ユーザーの課題を解決する高品質なブログ記事などを作成し、検索エンジン経由での集客を目指す手法です。良質なコンテンツは企業の専門性を示すと共に、広告出稿費をかけずに中長期的な資産としてリード創出をアシストし続けます。

即効性は低いものの、Googleなどの検索結果で上位表示されれば、安定した効果が期待できます。

▶SEOについて詳しくはこちら

▶コンテンツマーケティング完全ガイドはこちら

 

手法2.Web広告

検索結果に表示するリスティング広告や、SNSで配信するディスプレイ広告などがあります。費用は発生しますが、ターゲットを絞って短期間で成果を出したい時に有効です。

潜在層から顕在層まで、目的に応じて様々なユーザーにアプローチでき、効果測定と改善がしやすい点も特徴です。

 

手法3.SNSマーケティング

Facebook、X(旧Twitter)、LinkedInなどを活用し、情報発信やユーザーとの対話を通じて見込み客との関係を構築します。

企業のブランディングやファンの育成に繋がりやすく、キャンペーンなどを通じて直接リード獲得に結びつけることも可能です。各SNSの特性の理解と、適切な運用が求められます。

 

手法4.ウェビナー

オンライン上で開催するセミナーのことで、場所の制約なく広範囲の見込み客にアプローチできます。参加登録時に会社名や連絡先などの個人情報を取得するため、確度の高いリードを獲得しやすいのが特徴です。

開催後も録画をコンテンツとして活用できるなど、一度の労力で多角的に展開できる費用対効果の高い手法です。

▶イノーバのウェビナーはこちら

 

手法5.ホワイトペーパー

業界の調査レポートや専門的なノウハウをまとめた資料を、Webサイトからダウンロードしてもらう手法です。

ダウンロード時にフォーム入力を必須とすることで、課題意識の強いリード情報を獲得できます。コンテンツの質がリードの質に直結するため、ターゲットが求める有益な情報提供が欠かせません。

▶ホワイトペーパー制作の完全ガイドはこちら

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手法6.Webサイトの最適化(導線改善/EFO)

サイト訪問者をリードに転換させるための改善活動です。Webサイトの訪問者がどのような順序で情報を得るかを設計し、ページ遷移をしやすいようにWebサイトを改善し続けます。EFO(入力フォーム最適化)では入力項目を減らしたり、入力のしやすさを工夫したりするなどで離脱を防ぎます。

既存のアクセスを無駄にせず、着実にリード獲得へと繋げるための重要な内部施策です。

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リードジェネレーションのオフライン手法4選

💡この章のポイント!
対面での接触を主とするオフライン施策は、オンラインでは難しい深い関係性の構築や、高額商材における信頼醸成に効果を発揮します。オンライン施策と組み合わせることで、より幅広い顧客層へのアプローチが可能になります。

ここでは、今なおBtoBマーケティングで強力な武器となるオフライン手法として、以下の4つをそれぞれ詳しく解説します。

  • 展示会・イベント出展
  • セミナー(オフライン)
  • ダイレクトメール(DM)
  • テレアポ

 

手法1.展示会・イベント出展

業界関係者が一堂に会する展示会やイベントに出展し、ブースで名刺交換などを行う手法です。製品やサービスに興味を持つ見込み客と直接対話でき、一度に多くのリードを獲得できる可能性があります。

準備にコストと時間はかかりますが、質の高いリードとの出会いが期待できる場です。

 

手法2.セミナー(オフライン)

自社でテーマを設定し、参加者を集めて開催する対面形式のセミナーです。参加者の顔を見ながら直接コミュニケーションが取れるため、深い信頼関係を築きやすいのが最大の利点です。

参加者は課題意識が高く、セミナー後のご挨拶や雑談から、有望な商談へと繋がりやすい傾向にあります。

 

手法3.ダイレクトメール(DM)

企業や特定の役職者宛に、パンフレットや案内状などの郵送物を直接送付する手法です。オンラインでのアプローチが難しいターゲットにもリーチでき、本人に届きさえすれ内容をじっくり読んでもらえる可能性があるでしょう。

ターゲットリストの質やDMの仕立てが成果を大きく左右するため、送付先の選定や見た目の工夫が極めて重要です。

 

手法4.テレアポ

企業リストに基づき、電話で直接アプローチして商談の機会を獲得するアウトバウンド手法です。ターゲットに直接アプローチできるため、特定の業界や企業を狙い撃ちしたい場合に有効です。

受付で断られることも多いですが、担当者と直接対話できれば、相手のニーズを即座にヒアリングできる強みがあります。

 

【関連情報】BtoBとBtoCにおける手法の考え方の違い

BtoBとBtoCでは、顧客の購買決定プロセスが異なるため、有効なアプローチも変わります。

BtoBは検討期間が長く、複数人が合理的な判断を下すのが特徴です。そのため、論理的で専門的な情報提供が求められます。

一方、BtoCの場合、商材にもよりますが、個人の感情や共感が購買を後押しする傾向が強いといえます。この違いを理解したうえで、適切な手法を選択するとよいでしょう。

項目

BtoB

BtoC

検討期間

長い

短い

意思決定者

複数人

個人・家族

重視される点

論理性、費用対効果

感情、共感

有効な手法の傾向

ホワイトペーパー、ウェビナー

SNSキャンペーン、インフルエンサー

☝️宗像淳から一言アドバイス!
手法を選ぶ際に最も重要なのは「顧客視点」です。あなたの会社の理想の顧客は、普段どこで、どのように情報を集めているでしょうか?展示会で情報収集する担当者もいれば、日々Webで検索する担当者もいます。手法ありきで考えるのではなく、顧客の行動に自社の活動を合わせていく「マーケットイン」の発想が、効果的なリードジェネレーション戦略の第一歩です。

 

成果を最大化するリードジェネレーション戦略の立て方

💡この章のポイント!
リードジェネレーションの成功は、手法の実行だけでなく、事前の戦略設計にかかっています。具体的な数値目標(KPI)を設定し、マーケティングと営業部門が連携する仕組みを整えることが、持続的な成果を生み出します。

ここでは、施策を成功に導くための戦略設計を以下の3ステップで解説します。

  • ステップ1:ターゲット(ペルソナ)を明確にする
  • ステップ2:具体的なKPI(重要業績評価指標)を設定する
  • ステップ3:マーケティングと営業の連携体制を構築する

行き当たりばったりの活動ではなく、計画的な仕組み作りが成果を生み出す土台になるのです。

 

ステップ1:ターゲット(ペルソナ)を明確にする

誰に、何の情報を届け、どのように思ってもらいたいのかを具体的に定義するペルソナ設定は、全ての活動の出発点です。

その際、企業規模や担当者の課題などを想像だけで描くのではなく、公的なデータや実際の顧客へのインタビューなどを活用して解像度を高めましょう。

例えば、中小企業庁が公開している統計データは、業界の平均的な企業規模といったマクロな傾向を把握する上で有効です。

そこに業界専門メディアや調査会社のレポート、そして自社の既存顧客へのインタビューといったミクロな情報を組み合わせることで、より現実的で血の通ったペルソナ(人物像)が浮かび上がります。

「誰にでも」ではなく「特定の誰か」に響くメッセージを作ることが、質の高いリード獲得に繋がるのです。

▶ペルソナについて詳しくはこちら

参考:中小企業白書中小企業実態基本調査

 

ステップ2:具体的なKPI(重要業績評価指標)を設定する

活動の成果を客観的に評価し、改善を重ねるためには、具体的な数値目標であるKPIの設定が欠かせません。

単にリードの数を追うだけでなく、1件あたりの獲得単価や、その後の商談化率も見ることで、施策の費用対効果やリードの質を正確に把握できます。データに基づいた判断が、リードジェネレーション活動を成功へと導くのです。

代表的な指標として、主に以下の4つが挙げられます。

  • リード獲得数: 獲得した見込み客の総数
  • CPL(Cost Per Lead): リード1件あたりの獲得単価

【計算式マーケティング費用 ÷ 獲得したリード数

  • 商談化率: 獲得したリードのうち、商談に繋がった割合

【計算式】(商談につながった数 ÷ 獲得したリード数) × 100 (%)

  • SQL(Sales Qualified Lead)数: 営業がアプローチすべき質の高いリードの数

▶KPIについて詳しくはこちら

 

ステップ3:マーケティングと営業の連携体制を構築する

リードジェネレーションの成果を事業の成長に繋げるには、マーケティングと営業の連携が欠かせません。「質の高いリード」の定義を両部門ですり合わせ、SFA/CRMのようなツール活用や定期的なミーティングを通じて認識を統一しましょう。

なお、J-Net21(中小企業ビジネス支援サイト)では、専門家による営業力強化のコラムや他社の成功事例が紹介されており、自社の体制構築における実践的なヒントを得ることができます。ぜひ一度、目を通してみてください。

参考:J-Net21(中小企業基盤整備機構)

 

☝️宗像淳から一言アドバイス!
マーケティング部門のKPIが「リード獲得数」だけで、営業部門のKPIが「受注数」だけだと、両者の溝は埋まりません。両部門が共通で追うべき中間指標として「商談化数」や「有効商談数」を設定することをお勧めします。同じゴールを共有することが、部門の壁を越え、顧客に一貫した価値を提供する組織への第一歩となります。

▶マーケティングと営業の「共通指標」の考え方はこちら

 

リードジェネレーションに関するよくある質問

ここでは、リードジェネレーションに関して多くの担当者が抱く疑問にQ&A形式で回答します。コストやツールの選定に関する疑問解消にお役立てください。

 

Q. 予算が少ないのですが、何から始めるべきですか?

まずは、費用を抑えて着手できるコンテンツマーケティングがおすすめです。自社の専門知識を活かしたブログ記事やSNSでの情報発信は、広告費をかけずに始められます。これらのコンテンツはWeb上の資産として蓄積され、中長期的にリードを生み出し続けます。また、無料のツールを活用してウェビナーを開催することも、低予算で始められる有効な施策の一つです。

 

Q. 獲得したリードの質が低い場合、どうすれば良いですか?

最初に、設定したターゲット(ペルソナ)と発信しているメッセージにズレがないかを見直しましょう。その上で、リード獲得時のハードルを少し上げる施策が有効です。例えば、資料請求フォームの入力項目を増やす、あるいは、より専門的なテーマのウェビナーを企画するなどです。関心度の高い見込み客に絞り込む工夫で、リードの質は改善されていきます。

 

Q. どのようなツールでリードを管理すべきですか?

最適なツールは企業の状況によって異なるため、自社に合ったツールの選び方を理解することが大切です。重視すべきは「目的(何を自動化したいか)」「予算」「操作性(社内で使いこなせるか)」の3点です。これらの観点から複数のツールを比較検討し、自社の事業フェーズや組織体制に最適なものを選びましょう。無料トライアルなどを活用して実際の使用感を試すこともおすすめです。

▶MAについて詳しくはこちら

 

Q. リードジェネレーション施策を外注するメリット・デメリットは?

外注のメリットは、専門家の知見を活用でき、社内リソースが不足していても迅速に施策を動かせる点です。その一方、当然ながらコストが発生すること、そして社内にノウハウが蓄積されにくいことはデメリットといえます。外部委託を検討する際には、その会社の得意な業界や過去の実績を十分に確認し、自社の事業への深い理解を期待できるかを見極めましょう。

 

明日から始める、事業を成長させる第一歩

この記事では、リードジェネレーションの基礎から具体的な手法、そして成果を最大化するための戦略まで、私自身の経験と知見をもとに一通り解説しました。

  • リードジェネレーションとは、見込み客を獲得するマーケティング活動の起点である
  • 手法にはオンラインとオフラインがあり、自社のターゲット顧客に合わせて組み合わせることが重要
  • 成果を出すには、ペルソナ設計、KPI設定、そして営業部門との連携という戦略的視点が不可欠

リードジェネレーションは、一度きりの施策ではなく、継続的な改善活動を通じてその効果を高めていくものです。しかしながら、何から手をつければ良いかわからない、あるいは社内のリソースだけでは限界を感じる、というお悩みをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

私たちイノーバは、コンテンツマーケティングのプロフェッショナルとして、数多くの企業のリードジェネレーションをご支援してきました。

もし、本記事を読んで「自社でも本格的に取り組みたい」とお考えでしたら、ぜひ一度、私たちにご相談ください。貴社の事業成長に向けた最適な一歩を共に考えます。

 

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宗像 淳 / イノーバCEO

福島県立安積高校、東京大学文学部卒業。ペンシルバニア大学ウォートン校MBA(マーケティング専攻)。1998年に富士通に入社、北米ビジネスにおけるオペレーション構築や価格戦略、子会社の経営管理等の広汎な業務を経験。 MBA留学後、インターネットビジネスを手がけたいという思いから転職し、楽天で物流事業立ち上げ、ネクスパス(現トーチライト)で、ソーシャルメデイアマーケティング立ち上げを担当。ネクスパスでは、事業開発部長として米国のベンチャー企業との提携をまとめた。 2011年6月にコンテンツマーケティング支援の株式会社イノーバを設立、代表取締役に就任。