企業サイトのSEO対策においてサブドメインが果たす役割とは?

コンテンツマーケティング
企業サイトの運営を行っていくうえで、多くのターゲットユーザーに訪問してもらうには、SEO対策を常に意識しなければなりません。
しかしSEOに対する知識や対策の経験がない場合、自社サイトを検索で上位表示させ続けることは非常に困難です。特にさまざまな製品、サービスを扱う企業の場合、それぞれにターゲットが異なることで、サイトの方向性が定まらず結果としてすべての製品、サービスにおいて検索サイトから中途半端なサイトであると判断されてしまうと、上位表示の可能性は限りなく低くなります。
そこで今回はターゲットが異なる製品やサービスを多数扱っている企業サイトで有効なサブドメインとはどういったものなのか、SEO対策として効果があるのかについて詳しくご紹介します。
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そもそもサブドメインとは?
ターゲットが異なる製品やサービスを持っている企業にとって有効であるサブドメイン。まずはこのサブドメインが何であるのかについてご説明します。サブドメインとは1つのドメインを用途に応じて分割したものです。
一般的なドメインは次のようなものです。
http://domain.com/
この中でドメインと呼ばれるものは「domain.com」の部分です。これに対してサブドメインは次のようなものです。
http://sub.domain.com/
この「sub」の部分がサブドメインです。このサブドメインは例えば電気屋のオンラインショップで、テレビを販売するページは「tv」、照明を販売するページは「illumination」としたり、化粧品メーカーがブランドごとにサブドメインをつけたりといった形で、それぞれにサブドメインを割り振ることで、同じドメインではあるものの、別のサイトとして運営することができます。ちなみにこのサブドメイン名は自由に決めることができます。
サブドメインを利用することのメリット
サブドメインを利用することの最大のメリットは、複数のドメインを取得し管理する手間やコストを省けることです。仮に自社の中に10のブランドがあり、それぞれにドメインを取得するとなると、単純に10倍の手間とコストがかかることになります。そしてブランドが増えるごとにまた新たにドメインを取得しなければなりません。しかしサブドメインであれば、どんなに製品カテゴリが増えても、ブランドが増えても新たにドメインを取得する必要はありません。また親となるドメイン名はそのままのため、ユーザーがどこの企業のサイトなのかわからず混乱してしまうといったリスクも軽減できます。
ただしサブドメインの設定数にかんしては、サーバ会社との契約によって変わります。またドメインを新たに取得するほどではありませんが、サブドメインの設定に別オプション料金がかかるサーバ会社もありますので、詳細は現在ご利用しているサーバ会社にご確認をするようにしてください。
サブドメインのもうひとつのメリットは負荷分散です。本来のドメインを管理するDNSサーバに負荷がかかっている場合、サブドメインを別の環境で管理することで、その負荷を分散させることができます。
サブドメインとサブディレクトリの違い
サブドメインと混同してしまいがちなものとして、サブディレクトリがあります。サブドメインがドメイン名の前につくのに対し、サブディレクトリはドメイン名の後につきます。具体的には次のようなものです。
http://domain.com/sub
サブドメインはドメイン名は変わらないまま、新たなサイトを作成したものですが、サブディレクトリは同じサイトで一階層下の扱いになります。ディレクトリとはWindowsやMacでいうところのフォルダと同じもので、情報を入れる箱のようなものです。さきほどサブドメインの説明で、電気屋で商品のカテゴリによってサブドメインを割り振り、別サイトにすると説明しましたが、サブディレクトリの場合は、すべての商品を同じドメインのまま、それぞれの商品カテゴリの情報を入れる箱だけを別にするといった形です。
通常、サブドメインは同じ企業や店舗のサイトではあるものの、商品カテゴリやブランド別により専門性を持たすため、一つのサイトとして独立させる場合に利用します。これに対しサブディレクトリは、商品カテゴリやブランドにそれほど大きな差異がないため、SEO的にもサイトを管理するうえでも同じドメインで問題ないといった場合に利用します。
サブドメインは、サーバ会社によって設定できる数が決まっていたり、オプション料金がかかったりするケースがありますが、サブディレクトリは契約している容量内であれば、どれだけ増やしても別料金がかかることはないため、よりコストを抑えたいといった場合にも有効です。ただし例えば電気屋が新たな事業として国内・海外ツアーの旅行券の販売を始めた場合、これもほかの電気製品と同じサブディレクトリにしてしまうと、検索サイトから一貫性がないと判断され上位表示が難しくなる場合もあります。
サブドメインはSEO対策に有効なのか?
サブドメインの設定をすることで、ドメイン管理の手間やコストを省けること、DNSサーバにかかる負荷を分散できることなどのメリットがあることをご説明しました。ではサブドメインはSEOに関しては、どのような影響があるのでしょう。
SEOの観点から見たサブドメインのメリット
SEOの観点から見てサブドメインのメリットは、企業や店舗がこれまで扱っていなかった分野の製品やサービスがある場合、親サイトから分割させることで、その専門性、独自性に特化したサイトであることを検索サイトにアピールできる点です。さまざまなコンテンツが混在し、一貫性のないサイトに比べ、検索結果上位に表示される可能性が高くなります。
またサブドメインを使って親サイトとは別のサイトとして管理することで、アクセス解析が容易になることもSEOの観点から見たメリットのひとつです。アクセス解析が容易になるということは、サブディレクトリにするよりも、問題点や課題の発見がしやすくなります。問題点や課題が発見しやすくなれば当然、改善もしやすくなりますので、SEO対策として有効です。
SEOの観点から見たサブドメインにすることのデメリット
次にSEOの観点から見たサブドメインにすることのデメリットですが、これまでサブドメインは親ドメインの評価を引き継ぐことができず、親サイトが高い評価を受けていたとしても、サブドメインで作成したサイトはゼロから評価を高めていかなくてはならないことがデメリットであると言われていました。そのためSEO対策としてはサブドメインよりもサブディレクトリの方が効果があると思われているかたも多いかもしれません。
しかし2017年12月21日、GoogleがYouTubeに投稿したSEOのTIPSを解説した動画によると、Google検索にとっては、サブドメインとサブディレクトリのどちらを使ってもSEO的に優劣はないと説明しています。親サイトと同じドメインであるサブディレクトリと、別ドメインになるサブドメインの間にSEO的な優劣がないということは、サブドメインであっても親ドメインからの評価を引き継げるということです。
サブドメインとなりURLの構造が変わることで、Googleのクローラーがそれを理解するまでに数日かかるということぐらいがデメリットらしいデメリットで、それ以外にはサブドメインにすることでSEO的に何かしらのデメリットが生じることはないといってよいでしょう。
多くの場合、SEO対策としてサブドメイン、サブディレクトリにする必要はない
サブドメインがSEOの観点から見て大きなデメリットはないことはご理解いただけたと思います。しかし逆に言えば、メリットらしいメリットがあるわけでもありません。サブドメインにしてもサブディレクトリにしても、必要に応じて活用するものであり、SEO対策として活用するものではありません。GoogleのTIPS動画でも、サブドメインとサブディレクトリの使い分けは、自分たちのサイト構成にとって最もうまく機能する方を使い、長期的な計画について考えたうえで行うことが好ましいとしています。
重要なことは、ターゲットとするユーザーに対して有益なコンテンツを発信することであり、サブドメイン、サブディレクトリはそれをより伝えやすくするための手段のひとつでしかありません。家電の販売と旅行券の販売を同一ドメインで行うことは、Googleに一貫性がないと判断されると同時に、利用するユーザーにとっても目的の情報を探しづらいサイトということになります。こうした場合、サブドメインを活用することで、ユーザーにとってわかりやすい有益なサイトになる可能性が高まります。これこそが正しいサブドメインの活用方法であり、SEOを意識しすぎてユーザーの使い勝手を無視したまま、サブドメイン、サブディレクトリを活用することは、本末転倒であることを十分、理解しましょう。
サブドメイン設定はユーザーの使い勝手とサイト構成に合わせて
最初は小規模で始めたものの、製品が増える、カテゴリが増える、新規事業に着手するといったことで大規模なサイトになっていった場合、ひとつのドメインだけで管理していると、検索サイトから見てどういったサイトなのかがはっきりとしなくなり、検索での上位表示が困難になってしまう場合があります。
そうした場合におすすめなのがサブドメインの有効活用です。
製品やカテゴリごとにサブドメインを設定することで、それぞれのサイトの目的が明確になり、検索で上位表示されやすくなると同時に、アクセス解析も親サイトと別々に計測できるため、目標設定やサイトの改善がやりやすくなります。
ただし注意しなくてはいけないのは、サブドメインの活用はあくまでもユーザー視点で、わかりやすく使い勝手のよいサイトにすることが最大の目的であり、SEO対策としてサブドメインを活用してもそれによって検索順位に影響があるわけではないということです。
ユーザーにとって使い勝手がよく、わかりやすい構成のサイトをつくることを第一に考え、そのうえでサブドメインが必要であれば設定する。それが結果としてSEO的にも大きな効果を発揮することにつながります。そのことを理解したうえで、自社サイトに見込み客を誘導するための手段のひとつであるサブドメインをぜひ、有効的に活用してください。
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