SEO対策を行ううえで「表記ゆれ」はどう扱う?

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自社サイトや企業ブログにおいて文章を書く際、執筆者が複数人いるケースも少なくありません。そうした際、書く人によって例えば「エンターテインメント」と「エンターテイメント」、「子ども」と「子供」など同じ言葉でも違った書きかたをしてしまう場合があります。これを「表記ゆれ」といいますが、この表記ゆれが場合によっては検索結果に大きく影響を与えてしまうこともありえます。そこで今回はSEOの観点から見た表記ゆれの重要性、デメリットについて考察していきます。

表記ゆれの具体的な事例とデメリット

表記ゆれとは、同じ言葉であっても違う書きかたをしてしまうもの、正しい表記と間違った表記が混在したりすることを指した言葉です。またそれ以外にも、「会議」と「カンファレンス、ミーティング」のように日本語表記と英語表記、「スマホ」と「スマートフォン」のように短縮表記と正式名表記、文末が「ですます調」と「である調」が混在しているものも「表記ゆれ」といいます。ほかにもよくある表記ゆれとしては次のようなものがあります。

同じ言葉でも違う書きかたをしている場合

  • 「犬」と「いぬ」と「イヌ」
  • 「コンピュータ」と「コンピューター」
  • 「ワード」と「Word、WORD」など
  • 「うろおぼえ」と「うるおぼえ」
  • 「コミュニケーション」と「コミニュケ―ション」など
  • 「場合」と「ケース」
  • 「ユーザー」と「顧客」など
  • 「ネット」と「インターネット」
  • 「パソコン」と「PC」など

正しい表記と間違った表記が混在している場合

日本語表記と英語表記が混在している場合

短縮表記と正式名表記が混在している場合

冒頭でも触れたように表記ゆれは、執筆者が複数人いる場合に起こりやすくなります。また一人で執筆していても長文であったり、長期間に渡って執筆をし続けたりしているうちに、前に書いたものを忘れてしまっているといった場合もあるでしょう。しかしもっとも大きな理由は、表記ゆれを防ぐための「表記ルール」がない、またあったとしても執筆する際に参照していないことです。

表記ゆれが起こることによって生まれるもっとも大きなデメリットは、文章の意味が通じなくなること、そしてその文章を閲覧したユーザーに誤解を与えてしまうことです。例えば一つの文章のなかに「会議」と「ミーティング」が混在している場合で考えてみましょう。

執筆したものとしては同じ意味で書いたつもりでも、閲覧したユーザーとしては、会議室で行うものが会議であり、ミーティングは自席で簡単に話し合うものと、別の意味でとらえてしまう可能性があります。そうなると伝えたいことが間違って伝わってしまう場合もあり、ユーザーに誤解を与えてしまいます。

また表記ゆれがあることで、狙った検索結果で上位表示されなくなってしまう可能性があることも、表記ゆれのデメリットといえるでしょう。

SEOの観点から見た表記ゆれの対応策

次にSEOの観点から見た表記ゆれの対応策ですが、結論からいえば、表記ゆれは必ず対応しなくてはならない場合と、対応をする必要がない場合があります。ここではそれぞれの理由と実際の対応策についてご説明します。

対応が必要な場合

表記ゆれの対応が必要な場合とは、まず表記ゆれによって検索順位に影響が出ていると判断できる場合。そして表記ゆれがあることで、ユーザーに誤解を与えてしまう可能性がある場合です。具体的な対応策としては、思うような検索順位にないページの表記ゆれをチェックし、例えば「犬」と「イヌ」であればその両方の語句を検索エンジンで検索します。そしてその結果から自分たちが表示させたい検索結果のほうの語句に統一します。

ユーザーに誤解を与えてしまう可能性があるかどうかを判断するには、一人ではなく複数の人に読んでもらい、一人でも理解できないという場合は、理解できるように修正を行います。

対応が必要ない場合

表記ゆれがあってもユーザーの誤解を招かないものであり、かつ検索結果にも違いがない場合は対応をする必要はありません。ただ表記ゆれがあることがわかっているのに、なぜ対応しなくてもよいのかと思われるかたもいらっしゃるのではないでしょうか。もちろん修正できるのであればしたほうが統一感が出て、よりよいものになる可能性は高まります。しかし具体的な問題がない場合でもすべて修正するよりも、その分の手間やコストを新しいものをつくることにかけたほうが、最終的には良い結果を生むことにつながります。

表記ゆれをチェックするためのツール

表記ゆれの対策をする必要が生じた場合、ネット上にある無料で表記ゆれをチェックするツールの活用が便利です。またより詳細なチェックが必要な場合は有料のものもあります。ここではそのなかから代表的なものをいくつかご紹介します。

無料の表記ゆれチェックツール

日本語表現方開発プロジェクトが提供する、校正・遂行支援ツールです。自身のパソコンにダウンロードするタイプで、無料ながら独自のルールを追加することもできます。

Webブラウザ、chromeの拡張機能を使った表記ゆれチェックツールです。こちらも無料ながら、独自のルールを追加することができます。

有料の表記ゆれチェックツール

  • Word

Officeの文書作成ツール、Wordでも表記ゆれのチェックは可能です。Wordで文章を作成していると、自動的に表記ゆれがある語句の下に青色の波線が表示されます。またWordのバージョンにもよりますが、校閲タブにある「スペルチェックと文章校正」をクリックすることで表記ゆれをまとめてチェック、修正することも可能です。

株式会社ジャストシステムが販売している文章校正支援ツールです。テキストファイル、HTMLファイル、PDFファイルなどの表記ゆれをチェックできるほか、WordやExcel、PowerPointなどのOffice製品にもアドインが可能です。

株式会社ウェブライダーが販売する、クラウド型の校正・推敲・校閲支援ツールです。執筆した文章を入力するだけでさまざまなチェックを行ってくれます。

表記ゆれを統一するために行うこと

前項で表記ゆれをチェックするためのツールをご紹介しました。これらのツールを使えば、基本的な表記ゆれの修正は可能です。しかしそれだけで完全とはいえません。そこでここでは表記ゆれをできる限りなくすためにできることについて、その方法をご紹介します。

表記ルールを作成する

表記ゆれをチェックしたとしても、例えば「犬」と「イヌ」ではどちらに修正すればよいのか、その明確な基準がなければ修正することはできません。そのためまずは社内で明確な表記ルールを作成します。その際、感覚だけで作成するのではなく、ネット上で表記ルールを公開している企業や、表記ルールに関する書籍を参考にすると、より読みやすくわかりやすい表記ルールが作成できます。そのうえで独自のルールを登録できる校正ツールを活用すれば、表記ゆれチェックの大幅な時間短縮が可能です。

目視でチェックする

校正ツールを使ったとしても、完全に表記ゆれが防げるわけではありません。そこで文章を書いたら必ず目視でチェックするようにします。その際、書いた本人だけではなく、別の人にもチェックしてもらうとより確実性が上がります。

閲覧するユーザーに合わせる

これが表記ゆれを防ぐためのもっとも重要な方法といえます。どんなに時間をかけて執筆し、表記ゆれをチェックしたとしても、閲覧するユーザーに伝わらないものであれば意味がありません。そのためには、検索結果の上位に表示されている自社以外のWebサイトのページを読み、どういった表記であれば誤解なく伝わるのかを習得することが必須です。

表記ゆれへの対応は「ユーザーが求めるもの」を意識することが重要

SEOの観点からみれば表記ゆれ対策は、検索結果に大きな変化がないのであればそれほど重要度の高いものではありません。そういった場合は、コスト面から考えても他の施策を先に行ったほうが効率も良いといえます。

ただし仮に狙った検索結果に上位表示されたとしても、実際に読んでみた時に読みづらかったり、伝えたいものが上手く伝わらなかったりといった場合は、コストをかけてでも修正したほうが長い目で見て成果を挙げやすくなります。

そういった意味でも表記ゆれに対する対策は、効率、コストを考えつつも、”表記揺れによってユーザーの求めるものに変化があるか”といった視点で対応を考えることがもっとも重要であるといえるでしょう。