成功事例で学ぶ!トリプルメディアの特徴と連携戦略のポイント

オウンドメディア

オウンドメディア・ペイドメディア・アーンドメディアとよばれる「トリプルメディア」にはどのような違いがあり、それぞれどういった特徴を持つのでしょうか。

企業のマーケティング担当者として、その違いなどを再度確認するだけでなく、各々の活用方法や3つのメディアの効果的な連携方法、事例などをまとめました。

どれか1つでも運用されている方はその活用方法を、今から取り組む方も各々の特徴を把握することで、効果的にトリプルメディアをご活用いただけます。

トリプルメディアの定義とそれぞれの立ち位置とは?

最初にトリプルメディアの各立ち位置を確認してみましょう。

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このように3つのメディアはそれぞれ独立しながらもお互いに「コンテンツの発信者、拡散者、仲介者」という相互関係が成り立っています。

もちろん例外的なケースもたくさんありますが、まずは

  • オウンドメディア:コンテンツの発信者

  • アーンドメディア:コンテンツの拡散者(SNSなどを通じてコンテンツを拡散→オウンドメディアのコンテンツへ誘導)

  • ペイドメディア:コンテンツの仲介者(広告→オウンドメディアのコンテンツへ誘導)

というトリプルメディアの基本的な関係性をおさえて置いてください。例えば、

  1. 自社サイト(オウンドメディア)でebookダウンロードページ(コンテンツ)を作成

  2. Facebook(アーンドメディア)ページでダウンロードページURLを投稿

  3. ebookに関する記事広告を外部メディアに寄稿し、ダウンロードページURLへ誘導

といったイメージになります。

トリプルメディアの特徴と活用方法とは?

トリプルメディアそれぞれの違いなどを確認するために、各々を

  1. 定義

  2. 特徴

  3. 情報発信の主な対象者

  4. 活用方法

  5. 各メディアにおけるコンテンツ例

の5つから確認していきましょう。

オウンドメディア

定義:コンテンツの発信者。

自社メディア(ブログなど含む)・ECサイト・パンフレットなど、自社で情報発信をコントロールできる媒体かつ、掲載する情報はユーザ視点で構成しているものを指します。

店舗型ビジネスであれば実店舗もオウンドメディアの一つと言えるでしょう。

特徴:自社で発信するコンテンツを通じて、ユーザに「理解」を促す役割が最も期待できる媒体です。

特に近年はコンテンツマーケティングの注目の高まりから、オウンドメディア運用(自社メディアやブログ)を行う企業が増加中です。

情報発信の主な対象者:オウンドメディアによる情報発信の対象は主に自社と何らかの関わりがある、もしくは興味を持っている層(見込み顧客や既存顧客)がメインとなります。

活用のポイント:ペイドメディア(広告)やアーンドメディア(ソーシャルメディア)では伝えきれない内容や分量をコントロールできることが強みです。

その強みを活かして、ユーザの興味関心や課題感に則した「ユーザが知りたい情報、ユーザに伝えたい情報」を自社で発信、興味を喚起したりニーズを育成するのが一番の活用ポイントです。

オウンドメディアで発信するコンテンツ例:ブログ記事、製品・サービス情報、メールマガジン

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アーンドメディア

定義:コンテンツの拡散者。

FacebookやTwitterなどの各種SNSや、はてブなどのソーシャルブックマークを指します。情報をコントロールできるオウンドメディアとは異なり、ユーザも含めた参加者全員が情報発信者になれることが特徴です。

ユーザーが有益な情報を選ぶ「まとめ記事」などはイメージしやすいかもしれませんね。

※PR活動の結果テレビ番組や新聞に露出したり、キュレーションメディアに取り上げられたりすることもアーンドメディアの一種といえます。

特徴:アーンドメディアの最大の特徴は、その「拡散力」です。「ユーザのニーズに合ったコンテンツ(共感を生むコンテンツ)」は爆発的に伝播する可能性もあります(いわゆるバズるというやつです)。

その反面、どのユーザに情報を届けるかというコントロールは難しく、自社にとって好ましくない情報が拡散する(コントロール不可)こともあります。(こちらはいわゆる炎上と呼ばれるものです)

情報発信の主な対象者:アーンドメディアを活用すると「オウンドメディアへ検索では辿り着かない層」へ情報が伝播します。

情報をシェアする人間同士のつながりをコンテンツがたどっていくので、「似たような興味を持つ層へ伝わる確率が高い」特性もあります。

活用のポイント:オウンドメディアで作成したコンテンツを一気に拡散する際に効果を発揮します。インフルエンサーなどをしっかりと把握し、情報を伝えることができれば、驚くほどの効果を発揮することもあります。

また、Facebookページの「いいね」やTwitterの「フォロワー」のように、ファン化を促進できる場としてアーンドメディアを活用する企業が多くなっています。

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アーンドメディアで発信するコンテンツ例:Facebook投稿、Twitterのツイート、SlideShare、YouTube動画など

ペイドメディア

定義:コンテンツの仲介者。

4マス広告(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)やインターネット広告(リスティング広告、バナー広告など)、交通広告、スポンサーシップなど、不特定多数の消費者にアプローチする広告媒体を指します。

アーンドメディアとして挙げたFacebookなどSNSにも広告枠が存在し、こちらへの出稿することでターゲットを絞った情報の配信などが可能です。

特徴:自社自体や商品の存在を認知していないが、興味関心をもつ人に対して「接点を作る(=認知を獲得)」のが得意な媒体。

情報発信の主な対象者:ペイドメディアは、オウンドメディア(すでに自社となんらかの接点がある層)ともアーンドメディア(ファン層)でもリーチできない「一般層」にリーチすることができます。

活用のポイント:オウンドメディアやアーンドメディアと異なり、運用に費用がかかるのが一般的。4マス広告が顕著ですが、コミュニケーションが広告側からユーザに一方通行になりがちです。

特に、オウンドメディアやアーンドメディアでは接触できない or 接触しにくいが顧客になる可能性が高い層にリーチするには有効といえます。

近年では従来の広告よりコストが低く、ターゲットを絞りやすいオンライン広告の活用が増えていますが、コミュニケーションが一方向なので、単体で効果を得るのは簡単ではありません。

ペイドメディアでユーザとの接点を作り、そこからオウンドメディアやアーンドメディアとの連携が効果の良し悪しを大きく左右します。

ペイドメディアで発信するコンテンツ例:テレビCM、雑誌広告、リスティング広告、バナー広告、Faceook広告など

インテル:110万以上のFacebookシェアやツイートなどを生んだトリプルメディア戦略

各々の定義や特徴を理解した上で、トリプルメディアを活用していかにマーケティングゴールを達成させるかを事例を通して考えてみましょう。

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(参考:10 ways technology will change travel by 2020 - Matador Network

世界的に有名なIT企業インテルは、

  1. ソーシャルメディアで多くのフォロワーを持つインフルエンサーに、インテルのオウンドメディア上でのコンテンツ制作を依頼

  2. オウンドメディア上のコンテンツは、ブランドメッセージや製品に合わせたものを発信(オウンドメディアにおける発信情報のコントロール)

  3. ペイドメディアに寄稿したコンテンツも、インフルエンサーであるコンテンツ制作者のソーシャルネットワークで拡散

  4. ソーシャルメディアやペイドメディアからの誘導は、ブランドのオウンドメディア(ブログ)やソーシャルメディア(Facebook・Twitter・YouTubeなど)に直接集約

という一連の連携した戦略によって、110万以上のソーシャルメディア上での反応を、たった121個のコンテンツで創りあげました。(ちなみにコンテンツ制作に関わったインフルエンサーはわずか24人だったそうです)

参考:[Report] The Converged Media Imperative: How Brands Must Combine Paid, Owned & Earned Media, by Rebecca Lieb and Jeremiah Owyang

リード獲得単価500円を切ったイノーバのトリプルメディア活用方法

イノーバでも、

  • オウンドメディア:ブログやebookダウンロード

  • アーンドメディア:Facebookページ

  • ペイドメディア:Facebook広告やホワイトペーパーダウンロードサイト

といったトリプルメディアを活用した総合的なリード獲得戦略を実施しています。その中でも、Facebook広告を活用したリード獲得が非常に良い効果を発揮したのでご紹介します。

ステップ1:ebookのダウンロードページをオウンドメディア上に作成

イノーバのオウンドメディア(自社サイト)に下記のようなebookダウンロードページを作成します。(下図は、BtoBマーケティングの基礎知識をまとめたebookページ)

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BtoB企業向けに発信したい情報をまとめたebookで、このebookが情報を発信する媒体であると同時に、他のオウンドメディアコンテンツ(ブログ記事)やソーシャルメディア・アーンドメディアの誘導先になります。

※ebookダウンロードはイノーバのマーケティングゴールの1つになります。詳しくは下記の記事でも解説しています。

月1000件以上のリードを生み出すコンテンツマーケティングの効果測定とKPI管理まとめ【管理シート付】 」

ステップ2:ブログを活用したオウンドメディアで興味・関心層を集客

まずはブログコンテンツを利用して、検索エンジン(SEO)やソーシャルメディア経由で自社サイト(オウンドメディア)へ集客を行います。

特にコンテンツマーケティングの情報を発信していると、「コンテンツマーケティングに興味のある層」が集まるのはオウンドメディアのメリットの1つです。

イノーバではebookダウンロードを通じてリード情報を獲得しているので、一番良い経路はブログ→ebookへの流れなのですが、常にebookに気づいてもらえるとは限りませんし、導線が不十分な箇所もまだまだ存在します。

その欠点を次のアーンドメディアやペイドメディアでカバーしています。

ステップ3:ブログ閲覧者に対してFacebookのリマーケティング広告を実施

ブログ閲覧者に対して、先ほどステップ1で準備したebookのリマーケティング広告を配信していきます。「普通のリマーケティング広告と何がちがうのか?」と思われるかもしませんが、このステップのポイントは3つです。

  1. ブログ流入者限定なので、「興味があると思われる層」に絞ってFacebook広告(アーンドメディア・ペイドメディア)を利用できる

  2. オウンドメディアの誘導先が問い合わせなどの「重たい要求」ではなく、「ユーザが求めている情報をまとめたebook」 なので、情報収集に使われることの多いFacebookとの相性も良いです。

    CVRも劇的に良くなることもあり、イノーバでは問い合わせとebookダウンロードでは、CVRに25倍の差が……

  3. あくまでオウンドメディア上での施策の延長線上に位置する施策なので、リマーケティング専用の施策と異なりローコスト(いわゆる一石二鳥パターンです)

この結果として、イノーバでは新規リード(ebookダウンロード者)を500円程度で獲得できることもあります。

もちろんこれはFacebook広告だけの数字なので、オウンドメディア上でのダウンロードも含めるともっと数字は改善します。

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連携・融合こそがトリプルメディアの効果を最大化させる”カギ”

それぞれ特徴があり、いままでバラバラに運用・評価されることの多かったトリプルメディア。大事なことは「マーケティングゴールを達成すること」です。

上記のインテルやイノーバの例で紹介したように、複数のメディアを組み合わせることで、単体では達成できないような威力を生み出すことが可能です。

また、評価の際も各メディアを単体のみで評価するのではなく、複数のメディアタイプを融合・連携させながら全体評価を行うことを意識してみるとマーケティング施策が考えやすくなります。

トリプルメディア連携の中心はオウンドメディア

先の2つの例からもわかるように、基本的にトリプルメディアの連携を実践する場合に中心になるのは、情報のコントロール性が高いオウンドメディアになるケースが多くなります。

  1. オウンドメディアでユーザにとって正しい知識を発信する

  2. その情報をアーンドメディアを使って拡散・伝播させる

  3. ペイドメディアも活用し、オウンドメディアの情報を告知したり、オウンドメディアへ誘導をかける

という3つのサイクルをうまく回していくことで、トリプルメディアを通じたマーケティング効果がより高まります。1つのメディア施策で終わるのではなく、

「このコンテンツをアーンドメディアやペイドメディアでうまく活用できないか?」

という視点をマーケターとしては大事にできるかどうかで、1つのアクションが3つの効果になるかどうかがわかれます。

オウンドメディアを中心としたトリプルメディアを活用し、マーケティングゴールの達成を

オウンドメディアは企業が運営する「唯一、そして公式の情報発信元」であり、他社サイトや一般サイトからは得ることができない情報を期待されています。

オウンドメディアはユーザが期待する情報のプラットフォームであることを考慮すると、ここを軸にすることによって3つのメディアをスムーズに連携させることが可能になります。

オウンドメディアがしっかりすればするほど、後からのアーンドメディア・ペイドメディアの取り組みが楽になります。(発信する情報がない or 質が低いと残り2つのメディアも力が半減してしまいます……)

ぜひ、トリプルメディアの特徴や違いを理解し、自社のマーケティング活動への活用を検討ししてみてください!

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入門コンテンツマーケティング【Innova Library Vol.1】 | 株式会社イノーバ