株式会社イノーバは、2026年5月26日(火)・27日(水)に自社セミナー「【開封率50%突破の裏側】脱・メルマガ疲れ! イノーバ流「信頼構築」のメールナーチャリング 〜社長×現場担当者が語る、顧客起点のアプローチ術〜」を開催しました。
本セミナーでは、単なる一律配信から脱却し、顧客から「一番に相談したい」と思われるための新戦略「カスタマーモデル」と、イノーバが試行錯誤の末に辿り着いた2種類のメール施策を余すことなく公開。セミナー後半には実際に運用を担う現場担当者2名も登壇し、CEO宗像との対談形式で試行錯誤の裏側を赤裸々に語りました。
本記事では、セミナー後半の対談をダイジェスト形式でレポートします!
目次
TABLE OF CONTENTS
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💡この対談のポイント ・イノーバ流・メール施策のキーポイントは「信頼構築」 ・好評なのはタイムリー × 課題解決 × 遊び心のメルマガ ・「ネタ出し」は生成AI × 現場の声でアイデアを広げる ・トライアンドエラーの積み重ねが「センス」を養う ・三段階のメールで、ISがアプローチする「口実」を作る ・考慮する要素を徐々に増やして配信の「型」を見つける ・適切なタイミング × セグメント × リアルな実態の配信は反応が跳ね上がる |
登壇者プロフィール
株式会社イノーバ 代表取締役社長CEO
宗像 淳
2011年、マーケティング支援会社である株式会社イノーバを設立、代表取締役に就任。日本におけるコンテンツマーケティング/BtoBマーケティングの第一人者として、15年以上にわたり5000社以上の経営課題やマーケティング・営業課題を分析し、幅広い業界で企業の事業成長に貢献。「事業を伸ばすには実行力が重要であり、実行力とは組織・人である」という哲学で、人にこだわった支援会社づくりに取り組んでいる。
▶CEOプロフィールについて詳しくはこちら
株式会社イノーバ
青木 薫
大学卒業後、広告代理店、ブログメディアの編集、フリーのイラストレーターを経てイノーバに入社。
メルマガやブログ、ホワイトペーパー、セミナーといった自社コンテンツの企画・制作を担うほか、2026年2月出版の書籍『いちばんやさしいAI時代のコンテンツマーケティングの教本』制作においては主要メンバーとして参加。
株式会社イノーバ
今井 歩乃果
大学卒業後、エンタメ企業でのアライアンス営業やWeb制作会社のサイト営業、採用動画のディレクターなどを経て2023年にイノーバへ入社。
入社当初はISとして架電活動に従事。2025年よりマーケティング部へ異動し、主にリストメール施策を担当するほか、SalesforceやHubSpot等のツールを活用し、マーケティングとインサイドセールスのシームレスな連携、仕組み化を推進。
イノーバ流・メール施策のキーポイントは「信頼構築」
宗像:本日は弊社のメール担当者にも参加してもらっていますので、まずはおふたりを紹介をさせていただきます。青木さん今井さん、ご挨拶をお願いできますか。
青木:はい、毎週木曜に送られてきているかと思うのですが、読み物型メルマガの制作などを担当しております、青木と申します。毎週お読みいただいている方、本当にありがとうございます。本日はよろしくお願いいたします。
今井:よりサービス訴求に近い、検討促進型メールを担当しております、今井と申します。私からもおそらく一週間から二週間に一回ぐらいはメール届いている方が多いかなと思います。いつもお読みいただきありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
宗像:ありがとうございます。まず弊社のメール施策の背景を説明しますと、我々も数年前に、やはりメールを送り続けてもなかなか開封してもらえない、反応してもらえないという壁にぶつかった時期がありました。色々と試行錯誤をしながら我々がたどり着いた考えとしては、KPIが邪魔をしているというところだったんですね。
マーケティング部門でリードの獲得数がKPIになっていて、それをコンバージョンで追う。
そうするとメルマガを読んで面白かったと思ってもらうかどうかはどうでもよくて、クリック数を最大化しなきゃいけないというふうになります。そうすると、とにかくメールを大量に送りつけたり、あとはホワイトペーパーや商品資料をとにかく送りまくるという形になる。資料をダウンロードというのは、マーケティングオートメーション(MA)のスコアリングでも非常に点数高くセットしてますので、そうするとハイスコアがたくさんでて表面的には「マーケはいい仕事をした!」となるんですけれども。
▶マーケティングオートメーション(MA)について詳しくはこちら
でも、やはり毎日のように資料を送り続けると毎月毎月開封率が落ちてリードの反応も落ちていくんですね。これはどうしたものかと非常に悩みました。
そこで、あるとき私が主体となって「もう数字が未達になるのはしょうがないから、一旦お客さんが本当に読んでよかったなと思ってくれる、受け取ってうれしいメルマガの配信に注力してくれ」と方針を大きく転換しました。
そこで今日来ている青木と今井が、それぞれの役割や守備範囲で工夫を重ねてくれまして。現在では大きく分けて青木担当の「読み物型メルマガ」と今井担当の「検討促進型メルマガ」の2種類を運用しております。

両施策とも大きな成果を上げておりまして、まず読み物メルマガは関係構築を目的に基本的に全ハウスリスト(既存リード)に向けて配信していますが、開封率が最高で54.16%を記録、平均40%以上をキープしています。私自身色々なお客様のメール施策を見ていますが、大体よくて20%くらい。弊社はHubSpotを使っていますが、担当者さんからも「お客様の中でもダントツに高いです」と言っていただいたことがありました。
一方、検討促進メルマガではハウスリストを興味関心別にセグメントしてより1to1的なステップメールを送り、アポイントを作ることが目的となります。弊社の月間アポ件数のうち3割強がこちらのメール経由でとれており、商談の安定創出に欠かせない施策になっております。
こうした形でアプローチを続けていると、お客様の反応も昔みたいに大量に送りつけてた時代とはガラッと変わります。それこそ展示会とかでお会いした時に「あ、イノーバさんのメルマガいつも読んでますよ!面白いですよね!」みたいなこと言っていただくケースがすごい増えててですね。そうすると、やはりインサイドセールスや営業など、後工程でお客様と話すときの入り口が全然違ってくるんです。
なので、こうした信頼構築のアプローチが本来のマーケティングの役割なんだと我々は考えています。
敢えて「数字を追わない」方針に最初は戸惑いも…
宗像:では、ここからは青木さんと今井さんに気になる具体的なところを伺っていきたいと思います。まずは読み物メルマガの方からいきましょうか。
方針転換をした当時、「受け取ってうれしい、読んでうれしいメルマガを作ってくれ」という指示を僕が出しましたけれども、正直それって漠然としてるじゃないですか(笑)。どうやって実現して成果に繋げてきたのかという、道のりみたいなのはどんな感じでしたか?
青木:そうですね。最初はやはり、「数字は一旦追わなくていい」と言われて「本当にそんなことをやって大丈夫なのか⁉」と思ったのが正直なところではありました(笑)。
最初の方はゼロからのチャレンジだったので、「読んでうれしい、面白い」が、そもそも何なのかというのもよくわからないまま本当に手探りで、いわゆるサービス資料を送りつけるような従来型のメールにまだ近かった側面も結構あったのかなと思います。
ですが、徐々に発想枠を広げながらチャレンジしていく中で、なんとなく読者の皆さんがこういう書き方だといつもより反応が良いぞであったりとか、こういうテーマだと喜んで読んでくださっているのではないか、のような傾向が少しずつ掴めてくる中で、自分の中でも「面白い」っていうのもいろいろな種類があるなという発見がありまして。今まで見ていなかった視点からの意見だったり、なかなか自覚しにくい課題の指摘であったり、そうした面白いの種類を手をかえ品を変えじゃないですけれども出していくといった「型」が少しずつ見えてきた感覚がありました。本当に泥臭くトライアンドエラーを重ねていった結果、読者の方の反応という形での結果がついてきたのかなというふうに思っております。
宗像:なるほど。手探りの状態から始めて最近は割と再現性が出てきたみたいな感じだったんですね。軌道に乗るまでの期間としては、どれぐらいかかったんでしょうか?
青木:トータルで言うと3、4ヶ月くらいで反応が変わってきたな、軌道に乗ってきたなという実感がありまして、配信の「型」が見えてきたような感じだったように思います。
宗像:なるほどね、3,4ヶ月は徹底的に試行錯誤して、それ以降は割と安定的に読んでもらえる配信になっていったんですね。
好評なのはタイムリー × 課題解決 × 遊び心のメルマガ
宗像:今日参加していただいている方も一体どんなメールを送ってるんだろうとか、どうやってそのアイデアにたどり着いたんだろうみたいなところが気になると思うので、ここでちょっと具体例も共有いただきつつどういう思考で配信テーマにたどり着いているのかというところを教えていただいてもいいですか?
青木:はい、ありがとうございます。過去の配信の中で特に反応の良かった配信をご紹介できればと思います。
私の担当しているその読み物のメルマガというのが、今井さん担当の「アポを作る」検討促進型メールとは違って、本当にファン化促進と言いますか、イノーバとの信頼関係構築・関係の維持みたいなところが目的になっておりますので、毎週「本当に読んでよかったな」「イノーバのメールはためになるな」と思っていただくためにどういう内容を送るか?というところを追求し、試行錯誤して作っております。例として、こちらが今年の2月19日に送ったものです。

今年の2月に弊社から「いちばんやさしいAI時代のコンテンツマーケティングの教本」という書籍が出ておりまして、実は私も制作チームに参加させていただいておりました。
ちょうど出版日が読み物メルマガを毎週配信している木曜ということで、出版のお知らせを兼ねて何かいつも以上に面白い企画をやりたいなと思ったのがスタートラインでした。
まずは生成AIと壁打ちをしまして、「今度こういう本をこういう内容で出版するんだけど、メルマガの読者の皆さんに向けてどういう配信ができると面白いかな?読者の属性は大体こんな感じで、本で伝えたいことはこうで……」という形でアイデアを詰めていきました。
その中でAIが複数のアイデアを出してくれる中で、「同じ質問に対するAIと人間の回答を比較しても面白いんじゃないですか?」みたいな提案をポンとくれまして。直感的に「あ、それは面白いかも」と思ったのと、この書籍の中でも生成AIを活用してコンテンツ制作を効率化する手法というのは解説しつつも、「生成AIに丸投げでは良いコンテンツはできないので、人間が必ず担保すべき領域まで任せてはいけない」というのが主軸となるメッセージでもあったので、生成AIの回答を人間のマーケターが添削するような見せ方にすることで、生成AIの不完全さを楽しく理解していただけるのでは?と考えました。
生成AI活用は今まさに注目度の高いテーマですし、そこを目新しい切り口で解説したのと、ちょうど出版というタイミングにぴったりだったこともありこちらのメールはいつも以上に多くの方に見ていただきました(セミナー本編では他2事例も紹介)。
宗像:ありがとうございます。3つの事例のキーワードかなと思ったのが、タイムリーであるっていうことですね。その時その時で読者の皆さんの興味が高いテーマを積極的に取り上げていくっていうのは結構重要なのかなと思いました。
あとは、読者の方がこういう課題を抱えてるんじゃないかみたいなのを想像してそこを当てていくみたいなところ、そして実践性といいますか、仕事に役立つから読み続けようと思ってもらうような要素。
そして、一定の遊び心というか、受け取って良かったな、面白い企画だなと思ってもらえるような切り口の追及も大切ですね。
「ネタ出し」は生成AI × 現場の声でアイデアを広げる
宗像:青木さんのメールの「ネタ出し」はどんな感じでやってるんですか?
青木:大きく二つありまして、メインは先ほどの例でもお伝えしたように、生成AIを活用した壁打ちです。時期的にマーケターの皆さんが悩みがちなことであったり、AI検索の対策といったトレンドであったり、そういった要素を踏まえつつ、ここからここまでの期間のメルマガのテーマをどうするかというのを生成AIと壁打ちしてテーマを固めていきます。ただ、やはりあくまでもAIなので、ときどき頓珍漢なことを返してくるということはどうしてもあります(笑)。なので、そこは自分なりのマーケターとしての知見を持って、「これは違う」とか「こういう方向にしてほしい」といった指示を出しながら必ず軌道修正を加えています。生成AIにテーマや切り口のアイデアをたくさん出してもらって、それをもとにピックアップして調整していくというようなイメージです。
もう一つは、やはりお客様の実際の声を聞かないことには読者の気持ちがわからないところはあるかなと思いますので、ネタに詰まったときは社内の営業担当者を捕まえて、「最近お客様からどういうお悩みよく聞きますか?」であったりとか、「今の時期ってどういう課題が多いですか?」みたいな話をすると、ヒントになる要素がポロポロ出てきますので、そちらをもとにまたAIと壁打ちをしながら組み立てていく、という感じです。
宗像:AIを使った仮説立てと、あとリアルな声も活用という形なんですね。
そういう意味だと、生成AIに「時期的に読者はこういうテーマに関心がありそうだから、それに合わせてテーマの候補を出して」みたいな指示を出しつつ、青木さんがチェックして取捨選択してる感じなんですかね。生成AIにアイデアの入り口を作ってもらうというか。
青木:おっしゃる通りです。最初は「箇条書きで10パターン網羅的にアイデアを出して」のような形でとにかく切り口を広げてもらっています。そしてアウトプットを見て「①③⑤の方向性がいいと思うのでその方向性で再度10パターン出して」のようにブラッシュアップしていくことが多いです。
宗像:なるほど、それは非常にいいやり方かもしれないですね。
トライアンドエラーの積み重ねが「センス」を養う
宗像:メルマガを作る上ではテーマを選ぶ目というか、ある種センスみたいなところを養わなきゃいけないんだと思うんですが、そこはどうやって磨いていますか?
青木:とにかく読者に徹底的になりきるのがコツだと考えているのですが、あくまでも自分自身ではないので、100%完全に理解するのは現実的に不可能ですよね。ただ、極限まで読者になりきることは、トライアンドエラーの数を重ねることでできるんじゃないかなと思っています。
なので、「このテーマ・切り口が刺さるのでは?」という仮説を立てて送ってみて、反応を見て傾向をつかむということの繰り返しですね。
宗像:常に心構えとして、読者になりきるんだ!という心構えを持ちつつ、トライアンドエラーを重ねていって、反応が良かったり良くなかった理由をしっかり振り返ることで読者になりきる「度合い」を高めていくみたいな感じでしょうか?
青木:はい、まさに経験値を積み重ねてどんどんレベルアップしていくようなイメージかなと思っています。
三段階のメールで、ISがアプローチする「口実」を作る
宗像:続いて、ここからはインサイドセールスのアプローチやアポイントのきっかけとなる検討促進型メルマガ、うちの社内ではリストメールと呼んだりしていますが、そちらを作っている今井さんにお話を伺います。お客様にとって「イノーバと話してみてもいいかも」と思ってもらうためのきっかけ作りという結構難しいところをやってるのかなと思うんですけど、改めて今井さんがやってる施策の概要を教えてもらってもいいですか。
今井:はい、ありがとうございます。基本的なメールの構成や作り方は先ほど青木さんからご紹介いただいたメルマガと同じなんですけども、リストメールならではのシナリオだったり、考え方というところがありますので、そちらをお伝えできればと思います。
まずリストメール施策とは?というところなんですけれども、「インサイドセールスがアプローチをするための口実をメールの方で戦略的に仕込んで創出する仕組み」です。
先ほどの全体に向けたメルマガと違う「三原則」があります。

一つ目が、ばらまかない。全体向けの一斉送信だと数千から数万の単位に向けて情報発信をするかと思いますが、リストメールでは少なければ数十から数百ぐらいのリストに区切って、それぞれのターゲットのリアルなお悩みというところに合わせて「ためになる情報」を厳選してお送りするということを心がけております。
二つ目は、売り込まない。やはりどうしても営業メールとして「うちのサービスはいいですよ。買ってください!」という「売り込み」をしている会社さんも正直多いかなと思いますが、リストメールではサービスの紹介だったり、打ち合わせの打診というのは本当に一番最後に送ることを徹底しております。基本的には三通構成ステップメール形式で、役立つ情報提供を起点に、徐々にお客様のご検討度合いを引き上げていくという形にしています。
三つ目は、メールだけで完結させない。基本的には三通目で示唆を与えられるような判断材料としてサービス資料だったり、こんなこと相談できますよという無料相談のご案内をお送りするのですが、そこに反応のあった方に対して、IS(インサイドセールス)が自然にフォローできるように、メールだけで内容が完結しない「余白」や「流れ」を作るようにしています。
宗像:より絞り込んだリストにアプローチして、ISにスムーズに繋げるための工夫があるんですね。三段階のステップメールはどんな形で送るのでしょうか?
今井:ステップメールの流れとしては、まず一通目に読者の課題や悩みに寄り添って共感するようなメールを送ります。「警戒心を解く」ようなイメージですね。
そして、二通目で読者の課題解決につながる情報を提供します。あなたが抱えているこういう課題にはこんな改善の余地があって、こういうことをするといいんですよというような形です。
そして、三通目に初めて弊社のサービスをご案内するという流れを徹底をしております。
宗像:そうすると、セグメントをどうするかっていうことも考えたり、そこに対してどういうテーマを当てらいいのか?みたいなことも考えつつ、とはいえ売り込みになってもいけないし、情報提供だけでもインサイドセールスに落ちないので、アポイントにどう自然につなげていくか……のようにちょっと複数のことを考えながら企画を練って回してるっていう感じなんですかね?
今井:そうですね。かなり頭は使っているかなと思います。
宗像:なるほど。具体的にはどんなシナリオを作っているんでしょうか?
今井:ここに関しては、聞かれるかな?と思っておりましたので、こちらにまとめさせていただきました(笑)。
まずは2月にお送りしたものが左側になるんですが、ターゲットとしては3月4月の決算企業の方ですね。おそらく期末でお忙しい中だとは思うんですけれども、しっかりと新年度からのリード獲得というところを目指して、今のうちに仕込んでおきましょうというメッセージにつながるようなシナリオを書いてみました。
あと最近はやはりAI検索関連のメールに対する反応が非常にいいので、右側のように対策としてこういうことをしていくといいですよ。ちなみにイノーバだとこういう力になりますよっていうところを最終的に知っていただくようなメールも作っています。
▶イノーバのLLMO / AIO対策サービスについて詳しくはこちら
宗像:それぞれのシナリオごとにセグメントを設定されていると思うんですが、どういった分け方をしているんでしょうか?
今井:割と細かく区切っておりまして、例えば業種区分で区切ったり、役職で区切ったり、あとは決算期などですね。あとは、お客様が過去に閲覧してくださった資料の履歴なんかも残っておりますので、特定の資料を閲覧した人に向けて関連したサービスの訴求をするためのシナリオを書くこともあります。
考慮する要素を徐々に増やして「型」を見つけた
宗像:このリストメールの取り組みを始めてから、今どれぐらいになるんでしたっけ?
今井:本格的に始めてからは一年半くらいです。
宗像:青木さんにもさっき似たことを聞きましたが、どういう試行錯誤を経て今に至ってるんでしょうか?
今井:今はいろいろなことを考えながら送ってまして、時期だったり、ターゲットの属性だったり、その方の過去の行動だったりとたくさんの要素を盛り込んでシナリオを作っているんですが、最初は本当にそれが一個とか二個とかのことしか考えずに送っていたというところがありました。
例えば、時期的な要素を全く考えずにターゲット属性のことだけを考えてメールを送ってしまった結果、おそらく「この時期にこれ来てもな……」という風に思われてしまって、なかなか反応につながらなかったり。最初の3~4ヶ月ぐらいは送って少しは反応も出るけど、思ったほどではないみたいなところが続いていました。
そこからやっぱり営業さんとかとも話をするんですけれども、「この時期結構サイト系のニーズ多いよ」とか「インサイドでもちょっとこの時期やっぱりみんな忙しいみたい」みたいなところの情報をもらって、そこに時期的要素を加えたりもう少しブラッシュアップして、大体半年くらいで今の型となるようなシナリオができていったかなと思います。
宗像:その分析とか企画の切り口を広げていったというのもあるでしょうし、さっきの青木さんとの話だと「とにかくお客さんになりきる」っていう話でしたけど、今井さんの方はセグメントごとに毎回自分がなりきるみたいなところとか、それは思い込みでやってしまっていけないので、それをこう実際のトライアンドエラーであったり、AIとの対話であったり、営業に話を聞いたりというところなんでしょうね。あと今井さんご自身もインサイドセールスをされていたのでご経験が生きているところもあるのかなと感じました。
最高値は70%超⁉ リストメールの開封率も凄かった
宗像:ちなみに全体リスト向けのメルマガで開封率が50%超でたという話は最初にもさせていただきましたが、リストを区切ったリストメールも「過去にこれが一番当たった」みたいな数字でいうとどんな成果がありましたか?
今井:えっと、実は開封率が一番よかったときに実は70%超えたんです。
宗像&青木:すごい!!
今井:すごく嬉しかったんですけど、やはり時期的要因と、ニーズを切り口にしたセグメント、そしてインサイドから聞いたターゲットの現状をしっかり盛り込めたことで取れた数字かなと思っています。
逆にちょっとお恥ずかしながら、一番下の数字だと開封率3.91%というのも過去には実はありまして、これがもう本当に事務的な案内で売り込み全開だったので、おそらく心当たりある方もいらっしゃるかなと思うんですけれども、こういうのはどうしても埋もれてしまいますし、即削除のような形で見てもらえないことが多いのかなと思います。
宗像:いや~これ、3.91%から70%超だと18倍ぐらい違うってことですか、数字の実例を見るとすごいですね。
FAQ:担当者に直撃質問!
宗像:では、ここからは今日のウェビナー参加されている方はこんなことを知りたいんじゃないか?ということで事前にまとめておりますので、FAQ的に僕が代理でおふたりに質問していけたらと思います。ちょっとアドリブで答えにくそうなことも聞こうかな(笑)。
Q1. メルマガ作成において、生成AIをどのように使っていますか?
宗像:まずは青木さんに質問です。青木さんは自社コンテンツ制作も担当されてますが、コンテンツやメルマガ作成において生成AIを活用する中で、アイデア出しや構成案作成、本文のドラフト作成など、それぞれのどの工程でどのように使っているんでしょうか?
青木:全工程で全般的に使ってはいるんですが、ただ絶対に丸投げはせず自分の判断を必ず入れるようにはしています。具体的な使い方としましては、基本的にはアイデアだったり、切り口の選択肢の拡張のというところを生成AIにやってもらい、あとは自分の頭で良し悪しを判断して、取捨選択して良いものをブラッシュアップ、というのがテーマのアイデア出しでも、文章の作成でも全工程共通です。
文章においては、伝えたい要素をある程度整理した上で生成AIに3~5パターンくらいひとかたまりの文章を作らせた上で、それぞれのいいフレーズや表現だけを引っ張ってきて、組み合わせて一個の章を作ったり、みたいなこともやっております。
Q2. メルマガの「ネタ探し」はどのように工夫していますか?
宗像:次は、おふたりに質問です。お客様にメールを配信するときには、やはり新鮮な情報やネタのヒントみたいものが結構重要なのかなと思います。
情報収集において工夫している点はありますか?
青木:私は結構泥臭くやるタイプかなと思うのですが、とにかく営業さんや他部署の人をつかまえてお客様の最新情報を聞く!というのをよくやっています。
今井:私も同じく、マーケティングとIS(インサイドセールス)とFS(フィールドセールス)が揃う定例会議で情報収集をしています。
あとは、直近一週間の全世界のAIトレンドをGeminiのGem(Geminiのカスタマイズ機能)にまとめてもらうように設定してまして、そこから今後のネタになりそうな部分をピックアップするということもやっています。
Q3. リストメール施策は、ISで具体的にどう活用されていますか?
宗像:続いて今井さんに質問です。リストメールでインサイドセールスがアプローチするきっかけを作っているということですが、インサイドセールスの現場では実際どのように活用されているのでしょうか?連携方法やフィードバックの流れを知りたいです。
今井:連携方法としては大きく分けて二つあります。
一つ目は、お客様がメールを開封したりクリックしたというアクションをインサイドセールスが架電するツールと連携しておりまして、アクションがあったらすぐに架電リストとして追加されて、すぐに対応できるような仕組みを整えています。
二つ目は、お客様のそういった行動だったり、自社サイトの閲覧履歴だったりを全てスコアリングしておりまして、直近でスコアがすごく積み上がった方がいらっしゃるとすると、それはつまりその方の興味・関心や検討度合いが進んでいるということになります。こういった動きを感知したら、優先的にインサイドセールスが架電するリストに自動で追加するということもしております。
フィードバックについては、会議ベースで密に連携し、マーケとISの足並みをそろえて活動できるようにしています。
Q4. 「信頼構築」のメルマガ施策を始めるには、社内説得のハードルが高いことを懸念しています。どう説得すればいいでしょうか?
宗像:弊社の場合、メルマガ施策のKPIを重視しすぎるあまりお客様にとって嬉しくないアプローチになっていたっていうところで、一旦数字はいいから……という感じで方針転換になりましたけれども。たぶん今日聞いてくださっている皆さんの会社だと、そんなに一足飛びにはいかないと思うんですね。
今日セミナーを聞いてくださった皆さんがここからヒントを得て似たような取り組みをしたいなといったときに、上層部や営業部などをどのように説得するとよさそうでしょうか?
数字重視の施策から、お客様重視の施策に切り替えていくヒントや、アイデアをいただければと思います。
今井:個人的にはグラデーションをつけて移行していくのがいいかなと考えています。
おそらく会社としてこれまでの成功事例というのも過去あったと思いますので、引き続きそちらは続けつつ、もし今日のセミナーを聞いていただいて「こんな取り組みいいな」と思っていただけたのであれば、いつでも取り入れてみて、そこで大きく数値が跳ね上がれば、新しい実績としてそれを社内で展開することもできるかなと思いますので。少しずつ新しいものを取り入れて、徐々にご担当者様のやりやすい形でしっかりお客様に届くようなメールに切り替えていくのがいいんじゃないかなと思います。
青木:メルマガで追う数字というと、開封率だったり、クリック率だったりいろいろあるかなと思うんですけれども、表面的にはそれこそたくさんメールを送ってある程度数字が出て、メルマガとしての目標は達成しているように見えても、裏で全社的に見てみると意外と商談や受注にはつながっていない、みたいなことって結構あると思うんですね。
▶関連資料:受注が遠いと感じるあなたへ、営業プロセス改善のヒント
なので、現状のメルマガ施策の問題を洗い出す際に、会社としての収益的な部分を含めたトータルの視点で現状分析をしてみて、上の方に説得する材料として使うみたいなことは一点あるのかなと思います。
あと、今日せっかくこちらのセミナーにご参加いただいておりますので、「イノーバって会社はこうやってこういう事例があって、メルマガでこれだけ数字出ているみたいです」のような成功事例的な話は一個していただけるのかなと思います(笑)。
まとめ
宗像:自分自身がいろいろメールを受け取る場面を考えたときに、「思わず開封する」っていうことは結構ちょこちょこ起きるんですね。なので、タイトルや中身を工夫すれば、メール経由での有効なアプローチというのも結構できるんだと思っています。
ただ、基本やっぱり仕事のメールたくさん読んでる中でパッと見るので、クリックしてWebサイトに飛んでじっくり見るとか、資料をダウンロードするかと言うと、それはまたちょっとハードルが上がりますよね。
そういう意味だと、ちょっと工夫したら結果出やすいのは実はメールの本文だっていうのは、本日お話しさせていただいた実際の取り組みで私も実感してますし、あるいは自分が受け取る側としてもすごく思うところです。
見落としがちですが、メールはお客さんにメッセージが届きやすいチャネルです。そこを全く真逆の売り込みで回してしまうと、せっかく良い枠でアプローチしているのに非常に勿体ないですよね、ということは一つ言えるのかなと思います。
THE MODELの分業体制もひとつの手段にすぎませんので、お客様の信頼獲得を目指していく、というところがやはり大事なんじゃないでしょうか。
編集部より:
セミナー本編では本レポートの内容に加え、メルマガ施策が行き詰まる背景からイノーバ独自のアプローチメソッド「カスタマーモデル」の解説も実施しました。
セミナー参加者の皆さまからも、「現場のリアルを聞けた」「自社のメールを改善するイメージができた」と大好評の対談セミナーでした。
イノーバでは、こうした自社での取り組みを基に設計した「既存リードから商談を生みだす商談創出支援サービス」もご提供しています。ご興味のある方は、ぜひサービス詳細をご覧ください。
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