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イノーバマーケティングチーム2024/02/05 14:43:361 min read

進化するインサイドセールス!BtoBセールス&マーケティングの『コマンドセンター』へ

提案や受注を業務目的とするフィールドセールスは既に多くの企業にいるかと思いますが、近年では「インサイドセールス」と呼ばれる部門を社内に設けようと考える企業が増えてきています。

「Bureau of Labor Statistics, TOPO 2015年3月」によると、アメリカではここ10年の間に、フィールドセールスとインサイドセールスの営業時間配分の割合が逆転。しかも今後、インサイドセールスにはフィールドセールスの6倍以上もの時間を割かなければならないだろうと予測しています。

なぜ近年、インサイドセールスがここまで注目されるようになってきたのでしょうか。本記事では、フィールドセールスとの違いを解説したうえで、インサイドセールスの特徴と役割を紹介します。さらに、インサイドセールスをBtoBビジネスを展開する企業でどのように運用すれば成果を最大限に発揮できるのかについても紹介します。

また、イノーバでは、BtoBマーケティングをサポートしております。中長期に渡ってお客様をご支援する、イノーバの伴走型マーケティング支援サービスも是非ご参照ください。

 

インサイドセールスの特徴と役割

「インサイドセールス」とは一般的に、直接顧客先に訪問せず、自社オフィス内で電話やメールなどで顧客と接触するセールススタイルのことを指します。多くの企業に在籍しているフィールドセールスと比較しながら、インサイドセールスの特徴と役割をを見ていきましょう。

インサイドセールスとフィールドセールスの違いとは?

次の観点でインサイドセールスとフィールドセールスを比較すると、それぞれの違いが分かりやすくなります。

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  • セールス活動をする場所

基本的に、インサイドセールスは内勤で、フィールドセールスは外勤で、それぞれセールス活動を実施します。

  • 顧客(見込み客)との接触方法

インサイドセールスは内勤営業なので、主な接触方法は電話やメールとなります。フィールドセールスも電話やメールを活用しますが、それ以上に顧客先への訪問などによる対面接触する機会が多くなります。

  • 顧客(見込み客)との接触回数方法

インサイドセールスの方が、フィールドセールスより多くの顧客接触回数となる傾向があります。なぜなら、フィールドセールスは顧客先に伺う対面接触が中心となるのに対して、フィールドセールスは自席で次々と電話やメールなどによる接触を試みることができるからです。

  • 顧客接触の主目的とセールススタイル

双方の最も大きな違いは、顧客接触の主目的に表れています。フィールドセールスの主目的は、「顧客への提案」と「案件の受注」であるのに対して、インサイドセールスの主目的は「顧客との良好な関係構築」にあります。

インサイドセールスでは、顧客接触を電話やメールなどで定期的に絶やすことなく続けることが肝になります。顧客との定期連絡によって、現状や課題などをヒアリングして最新状況を理解したり、顧客自ら悩みや相談をおっしゃっていただけたりするメリットがあるのです。

一方のフィールドセールスは、顧客との直接対面を通して商談確度を見極め、適切な提案を促し、相手の意思決定を促します。相手の意思決定をスムーズに進めるために、質の高い商談をすることが重要となります。

インサイドセールスとフィールドセールスのスタイルをそれぞれ端的に表現すると、前者は「ファーマー型(育成型)」、後者は「ハンター型(狩猟型)」と言い換えられます。

インサイドセールスについてはこちらの記事もご参考ください。

 

インサイドセールスに求められる役割

インサイドセールスには、「マーケティング」と「セールス」の架け橋としての役割も求められます。

多くの企業におけるセールス&マーケティング体制の場合、マーケティング部門では「さまざまな施策を実施しても、セールス部門が提案や受注にまで結びつけられていない」と悩みを抱えている一方、セールス部門では「提案から受注のプロセスを重視して業務に取り組みたいので、マーケティング部門で受注確度の高い見込み客情報を多く集めてほしい」と考えている場合が多いようです。

双方の悩みや課題を解決するのに、インサイドセールスは有効です。マーケティング部門とセールス部門の間にインサイドセールスを配置することによって、次のような変化をもたらすことができます。

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1.    休眠顧客への接触を展開できる

マーケティング部門もセールス部門も各々の業務が多忙なため、過去のイベントなどで集めた名刺や顧客情報を整理しきれず、そのままの状態になってしまうとの声もあります。こうした「休眠顧客」のなかに、自社の商品やサービスを求める顧客がいるかもしれません。インサイドセールスによって電話やメールなどによる定期接触によって、休眠顧客が資産として生まれ変わります。

2.    インサイドセールス発の商談を生み出せる

まだ提案化までには至らない顧客や見込み客に対して、インサイドセールスは電話やメールによってきめ細やかな情報提供とヒアリングをします。ヒアリングを重ねて商談化の判断材料となる情報を聞き出すことによって、インサイドセールスから商談を創出できます。新たな商談は、適切なタイミングで、接触履歴や商談化に必要な情報とともにフィールドセールスに引き継ぎます。

3.    見込み客のニーズや受注確度を見極められる

インサイドセールスは継続的に顧客と接触するので、顧客の反応を見ながら、ニーズの大きさや受注確度をタイムリーに把握できます。的確に見極められれば、インサイドセールスの担当顧客(見込み客)の優先度付けができますから、接触回数や接触内容を調整しながら、最適な時間配分でアプローチできるようになります。

4.    過去に商談不成立となった顧客にも継続的にアプローチして、再び商談を生み出せる

フィールドセールスによる提案まで進んだものの受注に至らなかった見込み客であっても、インサイドセールスによる接触を続けていれば、再び商談化となる可能性が高まります。継続的な情報提供によって、新たなニーズを掘り起こせるかもしれません。

 

インサイドセールスは、“顧客の声”の収集源

先述したインサイドセールスにおける4つの役割を踏まえると、インサイドセールスは「“顧客の声”の収集源」であることが言えるでしょう。

情報発信を主目的とするマーケティングでは、どうしても自社から顧客へ提案や売り込みといった一方通行型の顧客接触に陥りがちです。また、フィールドセールスは対面接触を伴うために、移動時間やアポイントの調整が発生し、インサイドセールスと比べると接触回数は明らかに少なくなるのが実情です。

しかしインサイドセールスは、顧客を深く理解するためのヒアリングや有益な情報提供を重ねるために接触します。そのため、マーケティングやフィールドセールスよりも、具体的な“顧客の声”を集めやすいのです。

また、インサイドセールスは単なるテレアポとは違って、接触のきっかけは資料ダウロードやセミナー参加など顧客の能動的な行動にあります。結果として、インサイドセールスの顧客接続率は、リスト順に淡々と架電するテレアポよりも高い数値になるのです。

 

「セールス&マーケティングのコマンドセンター」としてのインサイドセールス

「“顧客の声”の収集源」であるインサイドセールスは、集まった情報をマーケティング部門とフィールドセールス部門へ的確に連携することで、自社のセールス&マーケティング力強化に貢献します。つまり、優れたインサイドセールス部門は、セールス&マーケティングの「コマンドセンター」として有効に機能していると言えます。

インサイドセールスで集めた“顧客の声”をマーケティング部門とセールス部門の双方に共有すれば、それぞれの部門で、より的確なマーケティング活動やセールス活動を展開できるようになります。また、インサイドセールスから“顧客の声”を定期的に共有することによって、マーケティング部門とセールス部門でも積極的な情報共有の習慣や風土が浸透することも期待できます。

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インサイドセールスとマーケティングの連携(マクロの視点)

優れたインサイドセールスは、集まった“顧客の声”をマーケティング施策に活用しやすくするために、さまざまなアプローチで“顧客の声”を分析し、市場や顧客のニーズを読み解くことにも貢献します。

例えば、インサイドセールス中に顧客がよく発する単語に注目して、その単語と付随して顧客がどのようなコメントをしているかを分析すると、顧客課題の仮説をより具体化できるようになります。マーケティング部門は、インサイドセールス活動から得られた顧客課題仮説に基づいて、ランディングページやeBookの制作、セミナーの企画など新たな施策を立案できるようになるでしょう。

既存サービスの説明資料などの表現を“顧客の声”に置き換えることによって、顧客の潜在ニーズを顕在化させることも可能です。同じ内容のサービスであっても、顧客が言語化するニーズと合致した表現で説明されていると、サービスに対する顧客評価が向上するので商談化にもつながりやすくなります。

”顧客の声”をマーケティングに活用することは、コマンドセンターとしてのインサイドセールスの醍醐味です。マーケティングに活きるかたちで”顧客の声”を展開するために「データサイエンス」は今後ますます重要かつ必要になっていくでしょう。短期的な視点に基づくマーケティング施策改善だけでなく、もちろん中長期的なマーケティング施策の計画策定にも活用できます。

 

インサイドセールスとフィールドセールス部門の連携(ミクロの視点)

最初からフィールドセールスが顧客へ訪問する場合と異なり、インサイドセールスを経てからの訪問になると、フィールドセールスは“顧客の声”を十分に把握したうえでセールス活動を展開できます。事前情報はインサイドセールスが記録した履歴を読めばすぐにわかるので、フィールドセールス自ら情報収集する場合と比較して短期間で準備できます。また、受注確度や提案に求める要素なども理解した状態で商談に臨めるので、訪問から提案、受注までを短期間のうちに進められるようになります。

特に「BANT情報」(B:Budget 予算、A:Authority 決裁権、N:Needs 必要性、T:Timeframe 導入タイミング)についてインサイドセールスがヒアリングしておくことで対応の優先順位がつけられるので、フィールドセールスの活動効率は非常に高まります。これまではフィールドセールスが何度か訪問を重ねて情報収集していたところ、インサイドセールスがその役割を担う事で、フィールドセールスはよりよい提案を考えることに専念できるのです。

また、インサイドセールスは、フィールドセールスが対応しきれない顧客にも定期的に接触します。フィールドセールスにとってのインサイドセールスは、多忙なセールス業務を効率よく推進するためのサポーターにもなっています。

 

「コマンドセンターとしてのインサイドセールス」の効果を最大限に発揮するには?

コマンドセンターとしてのインサイドセールスを、マーケティングとセールスの間に配置したプロセスを確立しただけでは、十分な成果を発揮できないでしょう。たとえば、見込み顧客(リード)の優先順位が分からず、相手のニーズも全くわからないままにインサイドセールスをしていては、戦略もなくただ闇雲にアプローチしていることになってしまい、結局テレアポと変わりありません。

このプロセスをうまく運用してインサイドセールスの効果を最大限に発揮するためには、どのような取り組みをすればよいのでしょうか?

 

成果を出すための鉄則は「BtoBセールス&マーケティング“三種の神器”」の統合運用

インサイドセールスの効果を十分に発揮するには、潜在層への認知と見込み顧客の育成を促す「コンテンツマーケティング」と、顧客をセグメントして最適なコンテンツを自動で届ける「マーケティングオートメーション」とあわせて運用することが肝要です。イノーバでは、「インサイドセールス」「コンテンツマーケティング」「マーケティングオートメーション」を合わせて「BtoBセールス&マーケティング“三種の神器”」と呼んでおり、三位一体の統合運用をおすすめしています。

「コンテンツマーケティング」で見込み顧客情報を獲得したのち、獲得した顧客を「マーケティングオートメーション」で育成し、さらに「インサイドセールス」で見込み顧客を選定して新規商談を創出する  こうした一連の流れは、“三種の神器”をすべて一体で運用することによって実現できます。マーケティング&セールスの仕組み化を実現してBtoBセールスの成果を出すために、スモールスタートからでも“三種の神器”を活用することをおすすめします。

しかし、「取り組みをしているもののイマイチ成果には繋がっていない」「単発的な取り組みが多く、継続的に成果を創出できていない」など、成果を出すには、悩みや課題がつきものです。そこで弊社では、伴走型マーケティング支援サービスを提供しております。関心のある方はご覧ください。

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イノーバマーケティングチーム

株式会社イノーバの「イノーバマーケティングチーム」は、多様なバックグラウンドを持つメンバーにより編成されています。マーケティングの最前線で蓄積された知識と経験を生かし、読者に価値ある洞察と具体的な戦略を提供します。