インサイドセールスとは?これからの新しい営業の形

BtoBマーケティング

客先へ訪問する外勤型のフィールドセールスに対し、内勤で電話でのコミュニケーションを通して営業をするインサイドセールス。

今、企業の営業活動はフィールドセールスからインサイドセールスを重視型へとシフトしています。従来の営業活動とは一線を画す新しい営業の形であるインサイドセールスについて紹介します。

インサイドセールスとは何か?

はじめに、従来の営業活動との対比で考えてみましょう。

フィールドセールス

フィールドセールスとは、取引先をいくつもまわって商談を掘り起こす、という従来の外勤型営業のこと。しかし、この営業活動は多くの人材を必要とするうえ、1日にまわれる顧客数も限られているため、非常に効率が悪いです。

インサイドセールス

インサイドセールスとは、アメリカで生まれた内勤型営業。国土の広いアメリカでは、取引先をまわることが難しいため、電話での営業活動が活発でした。そしてその部門のことを内勤型営業、つまりインサイドセールスと呼んでいました。

今、主流になってきているのはインサイドセールスとフィールドセールスの組み合わせです。この2つはハンター型とファーマー型と言われるように、もともと得意分野が違います。ハンター型は短期間で売上を上げる活動、ファーマー型は顧客との長期的な関係育成が得意。両者を組み合わせることで、効率も良く、成果も出せる最強の営業組織を作り上げることができるのです。

 

また、このインサイドセールス重視型へのシフトはデータでも証明されています。

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米国におけるインサイドセールスの合計成長率は成長傾向にある。
縦軸は非小売業の
インサイドセールス担当者の増加数を表している。

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営業部門の人員増減を比較したグラフによると、
フィールドセールスは減少傾向にあるがインサイドセールスは増加傾向にある。


参照元:Inside Sales Growing 300% Faster Than Traditional Field Sales

では具体的に、どのような流れで営業活動が行われるのでしょうか。

まず、インサイドセールスが見込み顧客のデータベースに電話をし、興味をもって情報収集をはじめた見込み客に対し、ヒアリングを行います。
その時はまだ、商品の購入に至らなくても、情報提供などで連絡を絶やすことなく関係を維持し、「そろそろ提案したら受注できるのでは」、という顧客の関心が高まった段階まで育成することが重要です。

その後、選定されたリード顧客を営業側に引き渡します。その際も、顧客のニーズがどのように顕在化したか、その経緯を情報として伝えることで、営業部門はスムーズに営業活動や商談を行えるのです。

なぜ今ニーズが高まっているのか?

当社を含め、既にインサイドセールスを導入している企業は日本にもあり、そのニーズは確実に高まっています。

そして、これには3つの背景があると考えられます。

1,企業の売上アップの打ち手が限られてきている

今の時代に、革新的に新しいモノを作って売る、ということは難しくなってきています。

また、売上アップのために単純に営業担当の人数を増やしたくても、ネット上には営業に対するネガティブな情報が溢れているので、人材を採用することは非常に難しい状況です。

このような状況にある企業が、インサイドセールスやコンテンツマーケティングなど新しい形の営業方法をの導入を検討しています。企業の売上アップの施策が頭打ち状態の今、これらの方法は大きな解決策の1つになるはずです。

2,ITの世界で見られる安価なクラウドサービスの台頭

たとえば、ヨーロッパ最大のソフトウェア企業であるSAPという会社も、かつては大企業と数億円規模でのビジネスをしていましたが、今では中小企業をターゲットにした小規模のビジネスにシフトしています。すると、必然的に顧客数も増やしていかなくてはいけない。そのような場合に、営業活動の効率を上げるインサイドセールスは非常に有効な手段になります。

3,ベンチャー企業における人手不足の問題

ベンチャーではなかなか採用の人数も増やせないため、少人数で多くの顧客をカバーする必要があります。効率よく営業活動を行うにはどうすればいいか。

その答えがインサイドセールスなのです。 

インサイドセールスがもたらす2つのメリット

インサイドセールスには大きく分けて2つのメリットがあります。

少人数で成果が挙げられる

従来のフィールドセールスでは、商談の時間や移動時間を含めて考えると、アプローチできる顧客数は、1日あたり多くて4件ほどでしょう。しかし、インサイドセールスでは、1日に40件以上電話をかけることも可能なので、営業業務の効率を格段に上げることができます。

1日4件 VS 1日40件。

どちらの効率が良いかは明白です。単純に顧客先のカバー率が上がるので、成果も表れやすいです。

人材の有効活用

特に女性の人材活用という点において、非常に有効な手段であると考えられます。長年インサイドセールスをやっている会社では、営業経験がない女性でも、最初に少し企業側でフォローをすれば、徐々にインサイドセールスのスキルを身につけ、キャリアアップできたという実例もあります。

さらに、電話を使うという業務の特性から働き方の多様性も実現できます。遅い時間まで働くことが難しい女性は、会社次第では在宅勤務で業務を行うことも可能です。

また女性だけでなく、シニア人材の活用にも役立ちます。

特に大企業では豊富な経験を持つシニア人材の活用が、うまくできていないケースがあるようです。こういった場合に、もともと営業で活躍していた人などをインサイドセールスのチームのマネージャーに任命し、全体を統括してもらうこともできます。

中小企業やベンチャー企業では、少人数での営業組織づくりに。
大企業では、人材の最適配置に。

インサイドセールスは、それぞれの企業や組織の規模によって違ったメリットをもたらしてくれるのです。 

導入に向けて行うべきこととは?

まずは、顧客データベースのシステム化。

アメリカではすでに、インサイドセールスに特化したシステムがありますが、日本にはまだありません。インサイドセールスにおいては、顧客との電話でのやりとりのなかから得た情報を記録するというプロセスが非常に重要になります。これを正確に行うためには、セールスフォースオートメーション(SFA:営業支援ツール)のような顧客のデータベースは最低限必要でしょう。

次に人材面ですが、顧客とのコミュニケーションから潜在的なニーズなどの情報を引き出す必要があるので、やはり営業力は欠かせません。営業力があり、かつロジカルな思考で仕組み化ができるような人材に、最初はインサイドセールスを任せた方がいいでしょう。

当社では、営業部長をしていた社員が実際にインサイドセールスの業務を行っています。それでも改善を重ねて、ようやく現在の形になり、成果を上げることができました。営業経験のある者でも2,3カ月、一般的には半年もしくは1年ぐらいを目安にし、しっかりと腰を据えて取り組むべき施策です。

最後に

今後、このインサイドセールスは日本で爆発的に伸びると考えられます。

まず、成果の分かりやすさ。インサイドセールスは一度サービスを経験すると、非常にそのメリットや成果が分かりやすいです。そして、営業の効率アップや売上アップの見込みの高さ。効率化と売上は、どの企業も抱えている悩みなので、この点は非常にニーズが強いです。

さらに、今いる人材を活かしつつ、少人数で効率よく営業活動をしていく新たな手法としての可能性の大きさ。

大企業にとっては、もう一度営業力の強化に。中小企業であれば、組織全体での営業力の向上に。ぜひ、導入を検討してみてはいかがでしょうか。