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💡この記事でわかること
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休眠顧客とは、過去に購入履歴はあるものの、一定期間サービスや商品の利用がない顧客のことです。
結論からお伝えすると、休眠顧客の「掘り起こし」は、再現性の高い手法と失敗しないための知識を持つことで成果が大きく変わります。新規顧客の獲得コストが高騰する中、休眠顧客への再アプローチは、低コストで売上の向上を目指せる重要なマーケティング施策なのです。
しかし、多くの方が「具体的な方法がわからない」「施策がうまくいかない」と悩んでいるのが実情でしょう。
この記事では、休眠顧客の定義から具体的な実践手法、そして多くの担当者が陥りがちな失敗パターンとその回避策まで、BtoBマーケティングに長年携わってきた経験をもとに詳しく解説します。この記事を読めば、休眠顧客の掘り起こしに向けた具体的な取り組み方を理解し、次の一歩を踏み出しやすくなるはずです。
目次
TABLE OF CONTENTS
休眠顧客とは?定義と掘り起こしが重要視される理由
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💡この章のポイント! 休眠顧客とは、過去に取引があったものの一定期間やり取りがない顧客を指します。新規顧客獲得よりも低コストで売上向上に繋がりやすいため、多くの企業でその掘り起こしが重要視されています。 |
まずは、休眠顧客の基本的な定義と、休眠顧客の掘り起こしが重要な理由をお伝えします。
休眠顧客の定義
休眠顧客とは、一定期間にわたり取引や対話がない状態のお客様のことです。業界や商材の特性によってその期間は異なり、明確な意思で離れた「離反顧客」と区別して定義することが最初のステップになります。
それぞれの違いを以下の表で整理しましたので、まずは両者の状態とアプローチの可能性を理解しましょう。
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休眠顧客 |
離反顧客 |
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状態 |
何らかの理由でやり取りが停滞 |
明確な意思で取引を中止 |
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アプローチ |
再び顧客になる可能性あり |
最低限、離反した要因の解消 +付加価値が必要 |
なぜ休眠顧客の掘り起こしが重要なのか
休眠顧客への再アプローチは、新規顧客獲得に比べコストを抑えられる点、過去に接点が合った分、一定の相互理解があるため話が進みやすいという2点が大きな魅力です。これは「新規顧客の獲得には既存顧客維持の5倍のコストがかかる」というマーケティングの法則、「1:5の法則」に示されています。
休眠顧客はすでに自社を認知しているため関係構築がしやすく、結果としてLTV(顧客生涯価値)の向上に繋がるのです。
【顧客視点/企業視点】休眠顧客が生まれる主な原因
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💡この章のポイント! 顧客が休眠する原因は、商品への不満やニーズの変化といった顧客側の要因だけではありません。企業側からのコミュニケーション不足や、フォロー体制の不備が引き金になるケースも多く存在します。 |
顧客はなぜコミュニケーションを停止してしまうのでしょうか。その原因は顧客側だけでなく、企業側に起因することも少なくありません。ここでは、双方の視点から要因を分析してみましょう。
【顧客側の要因】ニーズや環境の変化によって離れるケース
顧客が「自分の意思」で離脱、あるいは利用を継続できなくなるケースです。ここには、対策の方向性が異なる2つの要因が含まれます。
- ニーズの消滅・変化(不可避な要因): 「課題が解決した」「ライフスタイルが変わった」など、商品・サービスを必要とする理由そのものがなくなったケース。これらは、一定数発生する避けられない離脱と言えます。
- 不満・競合優位(要改善の要因): 「価値と価格が見合わない」「他社のほうが魅力的」という理由での離脱です。これらは休眠掘り起こし施策以前に、商品・サービス水準そのものの抜本的な見直しが必要なシグナルだと言えます。
【企業側の要因】関係性の「希薄化」によって離れるケース
顧客側に明確な不満があるわけではなく、企業側のフォロー体制の不備によって関係が途絶えてしまうケースです。ここには、本来防げたはずの「もったいない休眠」が多く含まれます。
- コミュニケーション不足: 適切なタイミングでの情報提供や接点がないため、顧客が自社の存在を忘れてしまった(心理的な離反ではなく「忘却」)。
- 組織的な引き継ぎの欠如: 営業担当者の異動や退職とともに、顧客との関係がリセットされてしまった。
☝️宗像淳から一言アドバイス!
休眠原因の多くは、顧客側ではなく企業側の「コミュニケーション不備」にあるといえます。私が支援した企業では、顧客への接触頻度を月1回から週1回に増やしただけで、休眠顧客とのコミュニケーション効率が40%も改善しました。原因を外に探す前に、まず自社の働きかけに改善の余地がないか、見直してみてください。
休眠顧客の掘り起こしを成功させる5つの手順
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💡この章のポイント! 休眠顧客の掘り起こしは、まず自社における休眠の定義を明確にすることから始めます。その後、データを基に休眠理由を分析・分類し、優先順位を付けてアプローチすることで、施策の成功確率を高めることができます。 |
成果の出る掘り起こしは、やみくもなアプローチでは実現しません。
定義から分析、実行、改善まで、論理的に組み立てられた5つのステップを踏むことで、施策の成功確率を高めましょう。

ステップ1:自社における「休眠顧客」を定義する
最初に行うべきは、自社にとっての「休眠顧客」というステータスを明確に定義することです。この定義が曖昧だと、その後のリスト抽出やアプローチが全て的外れになりかねません。
基準となるのは、取引がない期間や、平均的な購入・検討サイクルです。
例えば、以下のように業界や商材のタイプによって、定義の目安は異なります。
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業界・商材のタイプ |
休眠定義の目安期間 |
定義の理由 |
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BtoC:サブスクリプション(動画配信、月額課金アプリなど) |
最終利用日から3ヶ月〜半年 |
毎月の利用が前提のため、数ヶ月の未利用は休眠のサインと判断できる。 |
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BtoC:ECサイト(アパレル、化粧品など) |
最終購入日から半年〜1年 |
季節ごとの購入や、数ヶ月に1度のリピート購入サイクルを考慮するため。 |
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BtoB:SaaS(CRM、MAツールなど) |
最終ログイン・契約更新から3ヵ月〜6ヵ月 |
年間契約が多く、利用期間も長いため、BtoCより長めの期間で設定する。 |
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高額なBtoB商材・不動産(産業機械、オフィスなど) |
最終接触日から1年以上 |
購入サイクルが数年単位と非常に長いため、「購入」ではなく「接触」を基準にする。 |
このように自社のビジネスモデルに合った定義を定めることで、アプローチすべき対象を正確にリストアップでき、施策の第一歩を正しく踏み出すことが可能になります。
ステップ2:顧客データを整理・分析し、休眠理由の仮説を立てる
CRMやSFAに蓄積されたデータを活用し、休眠顧客群の共通点を探ります。特に以下の項目に着目して分析すると、休眠理由の手がかりが見つかりやすくなります。
⚫︎分析すべきデータ項目の例
- 最終購入日・最終ログイン日
- 購入頻度
- 累計購入金額
- 購入していた商品・利用していたプラン
- 問い合わせ内容や頻度
- 営業担当者との接触履歴
次に、顧客が休眠状態に入ったタイミングと、自社の活動年表を照らし合わせます。この作業を行うことで、休眠に至った理由についての精度の高い仮説を立てられるでしょう。
| 顧客の動き (データから分かる事実) |
自社の動き (活動年表) |
考えられる仮説 |
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特定の商品Aを継続購入していた顧客層が、昨年3月以降離脱している |
昨年3月に商品Aの料金を値上げした |
料金改定が原因で休眠したのではないか? |
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昨年6月のキャンペーン参加者の再購入率が極端に低い |
昨年6月に大規模な割引キャンペーンを実施した |
割引目当ての顧客が多く、ロイヤルティが育たなかったのではないか? |
ステップ3:休眠顧客をセグメント分けする
分析で得た仮説に基づき、休眠顧客を複数のグループに分類します。画一的なアプローチを避け、顧客一人ひとりに響くメッセージを届けるための重要な工程です。
セグメント分けには、以下のような様々な切り口が考えられます。自社の顧客データからどのような分類ができそうか、ぜひ検討してみてください。
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セグメントの切り口 |
見るべきデータ |
セグメントの例 |
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最終購入日からの経過期間 |
最終購入日、最終ログイン日 |
・休眠期間が半年未満の顧客 ・休眠期間が1年以上の顧客 |
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過去の購入頻度 |
購入回数、購入から次回購入までの期間 |
・一定期間での購入回数が類似している顧客 ・頻繁に購入orたまに購入する顧客 |
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過去の取引額 |
LTV、平均購入単価、購入回数 |
・過去に優良顧客だった層 ・低価格帯の商品のみ購入していた層 |
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購入していた商品・サービス |
購入履歴、利用プラン |
・基幹サービスAの利用者層 ・オプション機能Bのみの利用者層 |
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休眠理由の仮説 |
ステップ2の分析結果 |
・料金改定後に休眠した層 ・特定の担当者の退職後に休眠した層 |
これらの切り口を組み合わせることで、「料金改定後に休眠した優良顧客」のように、より具体的でアクションに繋がりやすいセグメントを作成できます。
ステップ4:アプローチの優先順位を決める
全ての休眠顧客へ同時にアプローチすることは、決して効率的とはいえません。そこで重要になるのが、どのセグメントから着手すべきか優先順位を付けることです。
優先順位は、主に「過去の貢献度(LTVなど)」と「掘り起こしの確度(休眠期間の短さなど)」の2つの軸で判断します。
この2軸で顧客を4つのグループに分類し、それぞれに適したアプローチを検討することで、施策のROI(投資対効果)の最大化に役立ちます。
分類を整理すると以下の通りです。
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優先度 |
顧客セグメント |
特徴(LTV×休眠期間) |
推奨されるアプローチ方針 |
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最優先 |
元・優良顧客層 |
LTV:高 × 休眠期間:短 |
営業担当からの個別連絡や、特別感を演出したDMなど、コストをかけた丁寧なアプローチが有効。最も成果が期待できる。 |
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2番手 |
最近離反した一般顧客層 |
LTV:低 × 休眠期間:短 |
MAツールなどを活用したステップメールで、効率的にアプローチ。まずは関心の有無を見極める。 |
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3番手 |
古参の優良顧客層 |
LTV:高 × 休眠期間:長 |
掘り起こしの難易度は高いが、成功すればリターンも大きい。アンケートや情報提供など、低コストな施策から試す。 |
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最後 |
昔の一般顧客層 |
LTV:低 × 休眠期間:長 |
積極的にアプローチする対象からは一旦除外。メルマガ配信リストに残す程度に留め、リソースを割かない。 |
このように優先順位を明確にすることで、限られたリソースを最も効果の高いセグメントに集中でき、より早く成果を実感しながら施策を進めることが可能になります。
ステップ5:効果測定と改善を繰り返す
施策は、実行して終わりではありません。必ず結果を数値で測定し、次のアクションに繋げることで、掘り起こしの成功確率は着実に向上していきます。このPDCAサイクルを回し続けることが長期的な成功に繋がるのです。
具体的には、アプローチ手法ごとに以下のような指標(KPI)を定点観測し、改善策を検討します。
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アプローチ手法 |
主なKPI(測定すべき指標) |
KPIから分かること |
改善アクションの例 |
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メール |
・開封率 ・クリック率 ・返信率 |
・件名や送信者名が魅力的か ・本文の内容やオファーが響いたか ・関係再構築に繋がったか |
・件名をよりパーソナルなものに変更する ・CTAボタンの文言やデザインを変える ・情報提供型のコンテンツに切り替える |
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電話 |
・コンタクト率 ・アポイント獲得率 |
・ターゲットリストは正確か ・トークスクリプトは有効か |
・電話をかける時間帯や曜日を変える ・トークの切り出し方を変更する ・ヒアリング項目を見直す |
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DM |
・Webサイトへのアクセス数 ・問い合わせ件数 |
・DMが手元に届き、行動を促せたか ・オファーは魅力的だったか |
・DMのデザインやキャッチコピーを変える ・QRコードからの遷移先ページを改善する ・オファーの内容を見直す |
これらの数値を定期的に分析し、「どのセグメントに、どのメッセージが響いたのか」という勝ちパターンを見つけ出すことが、掘り起こし施策を成功させる上で重要になるのです。
【実践編】休眠顧客の掘り起こしに効果的な4つの方法
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💡この章のポイント! 休眠顧客の掘り起こしには、低コストで始められるメール施策や、直接対話できる電話アプローチなど様々な手法があります。再現性の高いテンプレートを活用し、顧客に合わせた最適な手法を選択することが成果への近道です。 |
休眠顧客へのアプローチには、メールや電話など複数の手法があります。
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手法 |
コスト |
手間 |
特徴 |
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メール |
低 |
低 |
一度に多くの顧客にアプローチ可能 |
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電話 |
中 |
高 |
直接対話し、深いニーズを把握可能 |
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DM |
高 |
中 |
特別感を演出し、記憶に残りやすい |
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MA活用 |
中〜高 |
中 |
施策を自動化・効率化できる |
ここでは、誰でも実践できる再現性の高いテンプレートを交えながら、具体的な手法を解説していきます。
方法1:メールマーケティング
メールは低コストで多くの顧客にアプローチできますが、内容が肝心です。一斉配信のメルマガではなく、相手との関係性を再構築するための「1to1」を意識したメールを送ることが、心を動かす第一歩となります。目的に合わせたテンプレートを活用してください。
関係再構築のきっかけを作るメールの例
売り込み色を完全に消し、相手を気遣う姿勢を示すことで返信率を高めるメールです。目的は販売ではなく対話の再開。このメールを起点に、顧客の現状を把握することから始めましょう。
相手に返信の負担を感じさせない、簡潔な文面が好まれます。
| 件名:【株式会社イノーバ】〇〇様、その後のご状況について 株式会社△△ 〇〇様 ご無沙汰しております。株式会社イノーバの宗像です。 以前は弊社サービス「(サービス名)」をご利用いただき、誠にありがとうございました。 特に何か新しいご提案があるわけではないのですが、 当時お使いいただいていた「(サービス名)」について、何かご不便はないか、 また、〇〇様のビジネスの状況はいかがかと気になり、ご連絡いたしました。 もし何かお力になれることがございましたら、お気軽にお声がけください。 ご多忙と存じますので、ご返信には及びません。 季節の変わり目ですので、どうぞご自愛ください。 |
有益な情報を提供して信頼を取り戻すメールの例
いきなり商品を売り込むのではなく、相手にとって有益な情報を提供することで、信頼を取り戻すアプローチです。
相手の業界や過去の購入製品に合わせたテーマのセミナーを案内し、「あなたのために情報をお届けしています」という特別なメッセージを伝えましょう。
| 件名:【〇月〇日開催】貴社の課題解決に繋がる「△△」最新動向セミナーのご案内 株式会社△△ 〇〇様 いつもお世話になっております。株式会社イノーバの宗像です。 以前、〇〇様が「(特定の課題や関心事)」に関心をお持ちだったと記憶しており、 貴社のお役に立てるのではないかと考えて、こちらのセミナーをご案内いたします。 本セミナーでは、「△△」の最新動向と、それを活用した業務効率化のポイントを、 専門家が分かりやすく解説します。 ご多忙とは存じますが、ぜひご参加をご検討いただけますと幸いです。 ▼セミナー詳細・お申し込みはこちら(無料) [URLを記載] |
オファーを提示して具体的な行動を促すメールの例
ある程度関係性が再構築できた顧客や、過去の購入額が大きい優良顧客に対して、特別な提案で行動を後押しします。
「あなただけ」という限定感を演出し、お得な条件を提示することで、再購入や問い合わせへのハードルを下げることが可能です。
| 件名:【〇〇様だけの特別なご案内】「△△」を優待価格でご提供(〇月〇日まで) 株式会社△△ 〇〇様 ご無沙汰しております。株式会社イノーバの宗像です。 以前は弊社サービスをご利用いただき、心より御礼申し上げます。 この度は、過去にご愛顧いただいた〇〇様へ感謝を込めて、 最新版の「△△」を、通常価格から20%OFFでご利用いただける 特別なオファーをご用意いたしました。 〇月〇日までのお申し込み限定となりますので、この機会にぜひご検討ください。 ▼限定オファーの詳細・お申し込みはこちら [URLを記載] |
☝️宗像淳から一言アドバイス!
メールは手軽ですが、その他大勢に埋もれやすいという弱点もあります。件名に「〇〇様へ」と入れたり、本文で「以前ご導入の△△の件で」と一言触れたりするだけで、「自分宛の連絡だ」と認識され、反応率は着実に改善します。この一手間を惜しまないでください。
方法2:電話(インサイドセールス)
電話は相手の状況を深く知るための最適な手段ですが、そもそも当人と話ができないかもしれないという懸念もあります。メールと電話を組み合わせることで、対話ができる可能性がぐっと高まります。
以下のスクリプト骨子を参考に組み立ててみてください。
| 【自社】 お世話になっております。株式会社イノーバの宗像と申します。 以前、弊社の「△△」をご利用いただいておりました、〇〇様でいらっしゃいますか? 【顧客】 はい、そうですが… 【自社】 ありがとうございます。 本日は特に何かを売り込むといったお話ではなく、当時お使いいただいていた「△△」について、その後ご不便などないか少し気になりまして、お電話いたしました。 今、30秒から1分ほど、お時間よろしいでしょうか? |
☝️宗像淳から一言アドバイス!
最初の30秒の目的は「許可を得て、話を聞く体勢を作ってもらう」ことです。用件と時間を明確に伝え、相手に主導権を渡すことで、その後の対話がスムーズになります。この導入部分を徹底するだけで、アポイント獲得率は大きく改善されます。
方法3:DM(ダイレクトメール)
デジタル施策が溢れる中で、手元に形として残るDMは記憶に残りやすい手法です。
特に優良顧客だったと思われる層に絞り、手書きのメッセージを添えるなど、手間をかけたパーソナルな演出が効果を発揮します。オンライン施策へ誘導するQRコードの記載も有効です。
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(上質な紙を用いたカードや封書を想定) 当時、熱心にご活用いただいていた〇〇様のお顔を思い出し、 この度、〇〇様のように弊社の成長を支えてくださった大切なお客様だけを ご多忙とは存じますが、ぜひご参加をご検討いただけますと幸いです。 [QRコードを配置] またお会いできる日を、心より楽しみにしております。
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☝️宗像淳から一言アドバイス!
DMはコストがかかる分、デジタル施策との連携で効果を最大化させましょう。例えば、DMに記載したQRコードからのアクセスをMAツールで検知し、即座にインサイドセールスがフォローコールする。このオフラインとオンラインの連携が、眠っていた顧客と新たな接点を持つきっかけになります。
方法4:MA(マーケティングオートメーション)の活用
休眠顧客の掘り起こしというと、CRMツールがイメージされがちですが、MAツールも掘り起こし施策を効率化・自動化する上で強力な武器となります。休眠顧客がサイトを再訪問したタイミングを逃さず、自動でフォローメールを送るなど、人の手では不可能な、きめ細やかでスピーディーなアプローチを実現することが可能です。
以下に代表的なMAツールをいくつか紹介します。自社の状況や目的に合わせて最適なツールを検討してください。
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ツール名 |
特徴 |
主なターゲット |
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Salesforce CRMとの強力な連携が魅力。営業部門とのスムーズな情報共有で、商談化を促進。 |
Salesforce導入済みの中堅〜大企業 |
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高機能でカスタマイズ性が高い。複雑で大規模なナーチャリングシナリオを組むことが可能。 |
中堅企業〜大企業 |
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CRM・SFA・MAが一体となったオールインワン。無料プランから始められる点が強み。 |
中小企業〜大企業 |
☝️宗像淳から一言アドバイス!
MAは魔法の杖ではありません。重要なのはシナリオ設計です。「資料請求から3日後にメール、Web再訪問でインサイドセールスに通知」といったように、顧客の行動を起点とした緻密なシナリオを描けるかどうかが成果を分けます。ツールに任せるのではなく、ツールを使いこなすという意識が不可欠です。
休眠顧客の掘り起こしで陥りがちな3つの落とし穴
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💡この章のポイント! 多くの企業が、準備不足のまま画一的なメッセージを送るという失敗を犯しがちです。一度で諦めず、顧客に合わせたパーソナルなアプローチを継続することが、掘り起こしを成功させる上で重要です。 |
多くの企業が、良かれと思って実行した施策で失敗しています。ここでは、成果を遠ざける典型的な3つの落とし穴と、それを回避するための具体的な対策を解説します。

準備不足のまま、いきなりアプローチしてしまう
まず最もやっていけないのは、休眠顧客の定義やセグメント分けを怠り、手当たり次第にアプローチすることです。
無関係な情報を送れば迷惑がられ、二度と話を聞いてもらえなくなります。必ず事前にデータを整理・分析し、仮説を持ってアプローチすることを大前提にしましょう。
全ての休眠顧客に同じメッセージを送ってしまう
メルマガのような一斉配信のメッセージは、休眠顧客の心には響きません。「その他大勢」として扱われていると感じた瞬間、相手はメールを閉じてしまいます。
過去の取引内容や役職など、相手の状況に合わせてメッセージをパーソナライズする手間を惜しまないでください。
一度の施策で諦めてしまう
一度アプローチして反応がないからといって、その顧客を諦めてしまうのは早計です。相手がたまたま忙しかっただけかもしれません。
売り込み色を消した上で、接触する媒体やタイミング、切り口を変えて、最低でも3回はアプローチを試みるべきです。
休眠顧客に関するよくある質問
Q. 休眠顧客へのアプローチで最も効果的な方法は何ですか?
最も効果的な方法は顧客によって異なります。まずは低コストで始められるメール配信で反応を見て、関心を示した顧客(メールを開封、リンクをクリックなど)に対して電話で個別にアプローチするなど、複数の手法を組み合わせることが成功への近道です。
Q. どのくらいの期間にわたって取引がない顧客を「休眠」と定義すれば良いですか?
一般的にBtoBでは1年〜2年、化粧品や食品などのBtoCでは半年〜1年が目安とされますが、これは貴社が扱う商材の平均的な購入サイクルによって調整するのがおすすめです。例えば、数年に一度しか買い替えが発生しない高額商材であれば、休眠期間はより長く設定すべきでしょう。自社の顧客データを分析し、平均的なリピート購入の間隔を分析し、それを大幅に超えた顧客を休眠と定義するのが合理的です。
Q. BtoBとBtoCで、休眠顧客の掘り起こし方に違いはありますか?
はい、あります。BtoCではクーポンやセール情報といった直接的なインセンティブが響きやすい一方、BtoBでは担当者個人のメリットよりも、企業としての課題解決に繋がる情報提供(導入事例、業界レポート、セミナー案内など)が有効です。また、BtoBでは決裁プロセスが複雑なため、電話や訪問による丁寧な関係再構築がより重要になります。Q. 掘り起こし施策の費用対効果(ROI)はどのように考えれば良いですか?
休眠顧客の掘り起こしにかかったコスト(人件費、ツール利用費、DM発送費など)と、それによって得られた売上(リピート購入額)を比較して算出します。一般的に、新規顧客獲得の広告費などと比較してROIは高くなる傾向にあります。まずは特定のセグメントに絞ってスモールスタートし、成果が出た施策の予算を拡大していくのがおすすめです。
休眠顧客を掘り起こし、事業成長を加速させる
最後に、この記事で解説した「休眠顧客を再び優良顧客に転換させるための要点」を改めて整理します。理論の理解で終わらせず、ぜひ実践に移してください。
- 休眠顧客の掘り起こしは、再現性の高いテンプレートと失敗回避の知識が成果を分ける
- 成功の出発点は、データに基づいた顧客の定義、分析、セグメント分けにある
- メールや電話など、各手法のテンプレートを自社に合わせてカスタマイズすることが重要
- 「準備不足」「一斉配信」「早期の諦め」という典型的な罠を避ける意識を持つ
なお、この記事で紹介したノウハウを貴社のビジネスで具体的に展開するためには、経験豊富なパートナーの存在が役立ちます。
イノーバでは、コンテンツマーケティング支援を通じて、多くの企業の顧客との関係再構築をお手伝いしてきました。
もし、休眠顧客へのアプローチに本気で取り組みたいとお考えでしたら、ぜひ一度、私たちにご相談ください。