リードをそのまま放置していませんか?ますます重要度が高まるリードナーチャリングの基本

コンテンツマーケティング

BtoB企業において、リードの創出はマーケティング担当者の大きな使命のひとつでしょう。ただし、獲得したリードを営業につないで終わり、というパターンも多いかもしれません。BtoBにおけるリードは、実はさまざまなステップを経て「育てて」いくもの。今回はその手法であるリードナーチャリングの基本についてご紹介します。

リードナーチャリングの意味

リードとは見込み顧客、つまり将来的に自社の商品を購入してくれる可能性の高い顧客のことです。BtoBの場合、新規リードとしての顧客情報は主に展示会やWeb広告、あるいはSNSを通じて入手されます。こうした獲得リードに適切な情報提供を行うことで購買意欲を高めること。これがリードナーチャリングです。メールや電話、セミナーの案内といったツールでアプローチがなされます。ナーチャリング(nurturing)は「育てる」という意味ですが、まさに営業担当が商談をすぐに行える状態まで育てるプロセスのことを指しています。

“営業にそのまま商談を渡す”に見るナーチャリングの重要性

リードの創出は「リードジェネレーション」と呼ばれ、BtoBマーケティングでももっとも重視される施策のひとつです。ただし、獲得に注目するあまりその先のプロセスが整えられてないということも考えられます。確かに獲得リードの増加は売上アップに必要なKPIですが、獲得したリードの成約率にも注目する必要があります。

新たに得られたリードをそのまま営業部門につないでも、実際にはすべての顧客とすぐに商談ができるわけではありません。むしろ、具体的な商談ができない可能性の方が高いと言えるでしょう。というのも、こうした見込み顧客は購買行動の初期段階にある場合も多いからです。そうした顧客はいきなり商品の詳細説明をされてもピンときません。このケースでは、営業は「見込みがない」とそのリードをあきらめるか、商談に入れるまで何度もコンタクトを続けるかになるでしょう。

この「マーケティングから渡された顧客にコンタクトしたが反応が鈍かった」という現象には、営業活動を考えるうえでの重要なヒントが2つ隠されています。

1つは、即商談に入れないからといって見込みがないわけではないということ。そしてもう1つが新規獲得リードをそのまま営業につなぐやり方は、明らかに効率が悪いということです。

リードナーチャリングを行うことで、最終的に自社からの購買につながるような顧客を初回の接触だけであきらめることがなくなります。これは、BtoBの購買プロセスが通常長期に及ぶことを考えると非常に重要なポイントです。というのも、リードナーチャリングによる長期的な「関係づくり」ができれば、リードを無駄にすることがなり、見込み数そのものの増加につなげられるからです。なおかつ、そうした長期の関係づくりという業務をマーケティングが担うことによって、営業はある程度購買の確度が高い顧客(ホットリード)との商談だけに集中できます。

関係づくりは前段階だけでなく後段階にも

さらに、ここで言う「関係づくり」は一旦自社の商品を購入した既存顧客にも適用されます。リピーターを育てることで定期収入を確保できるため、リードナーチャリングは単なる新規開拓だけにとどまらない総合的な営業効率の向上を目指すものと言えるでしょう。また、BtoBで特に重要となる顧客との長期の関係維持は、機会損失を減らすことにも貢献します。

リードナーチャリングにはカスタマージャーニーが欠かせない

すでに述べたように、顧客が商品の購買に至るまでには商品の認知から比較検討といった段階があり、これらは情報と接することで変化していきます。こうした顧客の行動・思考・感情の流れを可視化し、どのような情報と接して(タッチポイント)購買まで進んでもらうかを明らかにするのがカスタマージャーです。適切なマーケティング施策立案やコンテンツの作成、さらに関係者間での認識を共通化するツールとしても役立つため、リードナーチャリングを実施する際には必ず作成しておきましょう。

関連資料:カスタマージャーニーとは?意味とマップの作り方を徹底解説

リードナーチャリングが注目される背景

リードナーチャリングが重視されるようになった一番の背景はインターネットの普及にあります。従来と異なり、多くの購買担当者はインターネット上で自ら多くの情報を集められるようになりました。これは同時に、顧客がより多くの選択肢を持てるようになったということでもあります。そして、選択肢の増加は検討段階の長期化にもつながります。このようなターゲットには、もはや画一的な情報発信では効果はありません。多くの情報を持ち自社のニーズを詳細化させた顧客に対しては、1on1でのアプローチが求められるのです。

このような状況は決して最新始まったものではありませんが、2020年の新型コロナウィルス感染症拡大の影響から流れは加速しています。こちらの記事でもご紹介しているように、これまで主流だったBtoBマーケティングの施策である展示会が多くの国・地域で物理的に開催できなくなり、マーケティング活動のオンライン化が加速しています。これは結果として、購買担当者がさらに多くの情報を集めることにつながるでしょう。このような購買活動のオンライン化が加速するなか、顧客の段階を正しく見極め適切なタイミングでアプローチを行うリードナーチャリングはますます重要になってくるのです。

リードナーチャリングで使われる具体的な手法

リードナーチャリングで使われる代表的な手法には、以下のようなものがあります。

メルマガ

リードナーチャリングとしてもっともよく使われる手法がメルマガの配信です。コストをかけずすぐにでも始められ、なおかつ多くの顧客に一斉にアプローチできることも魅力でしょう。内容としては商品・サービスの情報だけではなく、業界全般の動向や世の中で話題となっている事柄に関連したトピックなども盛り込むとコンテンツとして役立ちます。自社が開催するセミナーの情報を伝え、さらなる情報収集を促すことも可能です。

→ メルマガについてはこちらもご参照ください。「メルマガはBtoBにも効果あり!知っておきたい活用の意義と効果的な送り方

ウェビナー

特に2020年の新型コロナウィルス感染症の影響もあり、多くのセミナーがオンラインで開催するウェビナーに移行しています。セミナーと違って足を運ぶ必要がないため、より多くの顧客に参加してもらうことが可能です。ウェビナーに参加する顧客は、情報収集の段階としてかなり深まってきていると判断できるため、リードナーチャリングのチェックポイントとしても有効でしょう。

→ ウェビナーについてはこちらもご参照ください。「今こそ取り組みたい!ウェビナーの重要性と運用の仕方

オウンドメディア

Webサイトやブログといった企業が自ら運営するオウンドメディアはリード獲得だけではなく、獲得後のリードに情報提供をするツールとしても強みを発揮します。特にオウンドメディアはコンテンツを集積させたデータベースとしての役割を担えるため、メルマガからブログ記事やe-bookのようなさらに詳細な情報ソースに誘導することも効果的です。

→ オウンドメディアについてはこちらもご参照ください。「今さら聞けないオウンドメディアの意味とは?

インサイドセールス

同様に、多様なソース(チャネル)を知らせることによって見込み顧客の情報収集を促すのがインサイドセールスです。これは「内勤の営業」という言葉に表されるように、電話やメールといった手段を使って顧客とコミュニケーションをはかるもの。商談に至るまでリードを育てていくのには長い時間がかかることもあるので、用意されたコンテンツを使いながら適切なタイミングで顧客にコンタクトを取るインサイドセールスの役割は、効率の面からも重要となります。

→ インサイドセールスについてはこちらもご参照ください。「インサイドセールスとは?これからの新しい営業の形

体系的な関係づくりで顧客にとって自社を常に身近な存在に

本記事で見てきたように、リードナーチャリングは顧客との関係づくりにほかなりません。これは、実は新しい考え方ではなく従来から営業パーソンが主に訪問によって行っていたことです。ある意味、一昔前の“できる営業”は顧客がカスタマージャーニーのどの段階にいるのかを的確に把握してそれに応じたアプローチをしていたと言えるかもしれません。ただし、従来のような営業スタイルはデジタルへの移行がますます進む現在ではもはや通用しません。そして、情報があふれ、ニーズが多様化する現在では営業活動はもはや営業担当者だけで完結するものでもないと言えるでしょう。これからの時代に効率的な営業活動を推進していくために、リードナーチャリングはなくてはならない手法なのです。