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イノーバマーケティングチーム2024/02/05 13:26:197 min read

国内外のオウンドメディア成功事例43選から学ぶ、効果的な運営戦略と注意点【BtoB/BtoC】


オウンドメディア運営における成功事例の重要性

成功事例から学ぶことの意義

オウンドメディアを運営する上で、他社の成功事例を参考にすることは非常に重要です。なぜなら、成功事例には、オウンドメディアを

効果的に運営するためのノウハウや戦略が凝縮されているからです。

例えば、自社と同じ業界や同じ目的でオウンドメディアを運営している企業の事例を分析することで、どのようなコンテンツが読者に響くのか、どのような運営体制が効果的なのかといった具体的なヒントを得ることができます。

また、成功事例を研究することで、オウンドメディア運営に関する新しいアイデアや発想を得ることもできます。他社の取り組みを見ることで、自社では思いつかなかった斬新な企画や、効果的な施策のアイデアが浮かぶかもしれません。

さらに、成功事例を参考にすることで、オウンドメディア運営における「ベストプラクティス」を学ぶことができます。どのような要素が成功に繋がっているのか、どのような点に注意すべきなのかを知ることで、自社のオウンドメディア運営の質を高めることができるでしょう。

実際に、多くの企業がオウンドメディア運営において成功を収めています。例えば、IT企業のA社は、自社の製品やサービスに関する有益な情報を発信し続けることで、見込み顧客からの信頼を獲得し、リード獲得に繋げています。また、製造業のB社は、自社の強みである技術力をアピールする記事を中心に発信することで、ブランド認知度の向上に成功しています。

このように、成功事例から学ぶことは、オウンドメディア運営において非常に重要なのです。

他社の事例を自社に適用するためのポイント

ただし、他社の成功事例をそのまま自社に当てはめようとしても、うまくいかないことがあります。なぜなら、各企業には独自の事情や強み、課題があるからです。

他社の事例を参考にする際は、自社の状況に合わせてアレンジすることが大切です。例えば、B2B企業とB2C企業では、ターゲットとする読者層が異なります。B2B企業であれば、業界の専門知識を深掘りした記事が求められるでしょうし、B2C企業であれば、一般消費者の興味を引くようなわかりやすい記事が必要でしょう。

また、自社の強みを活かすことも重要です。他社が成功しているからといって、自社にない強みを無理に打ち出そうとしても、説得力に欠けてしまいます。自社ならではの強みや独自性を活かしたコンテンツを発信することが、オウンドメディア成功のカギとなります。

さらに、自社の課題を意識することも大切です。例えば、認知度向上が課題である企業と、リード獲得が課題である企業では、打つべき施策が異なります。自社の課題を明確にした上で、それを解決するための施策を他社の事例から学ぶことが重要でしょう。

失敗事例から学ぶべき教訓

成功事例から学ぶことは重要ですが、失敗事例から学ぶことも 同じく重要です。失敗事例を分析することで、「やってはいけないこと」や「注意すべきポイント」を知ることができます。

例えば、ある企業は、自社の製品やサービスの宣伝ばかりに力を入れたため、読者から「販売促進のためのメディアか」と敬遠されてしまいました。このケースからは、「読者にとって価値のある情報を提供することが重要である」という教訓を学ぶことができます。

また、ある企業は、社内の担当者を決めずに各部署に丸投げしたため、コンテンツの質にばらつきが出てしまい、読者から見限られてしまいました。このケースからは、「オウンドメディア運営には専任の担当者と、全社的な協力体制が必要である」という教訓を学べます。

このように、失敗事例からも多くの学びを得ることができるのです。成功事例と失敗事例の両方を研究することで、オウンドメディア運営のポイントを網羅的に理解することができるでしょう。

業界別のオウンドメディア成功事例

それでは、具体的にどのような企業がオウンドメディア運営で成功しているのか見ていきましょう。ここでは、BtoBとBtoCの企業に分けて、国内外の企業の成功事例を紹介します。

  

国内BtoB事例

日本電気株式会社(NEC) /WISDOM - ヒトをつなぐ。ビジネスがつながる。

「まだ課題が明確になっていない」顧客との接点として、経営・IT・歴史をテーマにしたビジネスメディアを運営

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「WISDOM」は、幅広い製品をもつNECが製品の情報を必要とするユーザーとの接点しかないという課題をクリアにするために、将来の顧客になり得るユーザーとのコミュニケーションを目的として開設したビジネスポータルサイト。多岐にわたるトピックのなかでも、歴史からビジネスのヒントを学ぶ「歴史の変革者たち」やアメリカのトレンド情報を紹介する「米国発、ITトレンド」が人気シリーズになっています。

【成果】 メールマガジン購読者数 70万人, メディア換算効果 数億円

 

株式会社キーエンス /バーコード講座

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自動車、半導体、電子・電気機器、通信、機械、化学、薬品、食品と幅広い分野の製造業において、20万社以上の企業に測定機器、解析機器などを提供する株式会社キーエンス。

同社の運営するオウンドメディア「バーコード講座」では、バーコードの原理や選び方を紹介するというおもしろいコンテンツが発信されています。

バーコードについての記事コンテンツや無料ダウンロード資料を豊富にそろえており、オウンドメディア、ひいては同社の専門性への信頼感が醸成される、効果的なメディアです。

 

ナイル株式会社 /SEO HACKS

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BtoBのWebコンサルティング事業を展開するナイル株式会社は、SEOの基礎知識を学べるオウンドメディアを運営。

「Webマーケティング担当者」は近年になって確立された職種のため、未経験者が多いです。さらに、検索エンジンのアルゴリズムは頻繁にアップデートされているため、常に新しい情報が必要とされている領域でもあります。

そのなかで、Webマーケティング担当者の課題に常に答え続けることで見込み顧客との接触ポイントをつくることは、コンテンツマーケティングにおける基本のひとつです。本メディアはそれだけでなく、メールマガジンの配信にも力を入れており、見込み顧客の期待に常に応えようという姿勢が伝わってくる内容になっています。

 

株式会社ガイアックス /ソーシャルメディアラボ

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企業のソーシャルメディアの構築・運営・監視をサポートする株式会社ガイアックス。同社が運営する「ソーシャルメディアラボ」では、ソーシャルメディアマーケティングに関する情報を発信しています。

企業の目標を達成するためにSNSプラットフォームをどう使えばよいかのノウハウが紹介されており、Facebook、Twitter、LINE、Instagramの各サービスについての記事がとても充実しています。

 

株式会社テリロジー

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1989年設立の株式会社テリロジーは、海外のハードウェアおよびソフトウェアの輸入販売を中心に、ネットワークとセキュリティー上の問題を可視化し、課題解決のための技術やサービスを提供しています。

従来の主な施策だった広告や展示会の効果が芳しくないことから、オウンドメディアを導入した同社では、問い合わせ数を以前の3倍に増やすことができたそうです。

 

株式会社光コム

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「光コム」技術を用いた形状測定器などの製造・販売を手がける株式会社光コム。

担当の野田氏はCloud CMOを用いたオウンドメディア運営について、「手軽に、スピーディに記事を更新できるおかげで、本来のマーケティング業務に注力できるようになりました。」と話し、結果としても以前に比べ月間PVが約6倍、重要なキーワードについても検索1位を獲得したとのことです。

※Cloud CMOは2021年11月30日をもって販売終了しております

 

株式会社ニューズベース

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株式会社ニューズベースは、企業が、様々な目的を背景として、顧客、協力会社、社員及び社員家族とのコミュニケーションを取る最前線である「企業イベント」の企画・制作・運営を手掛けるプロデュース会社。

リスティング広告に限界を感じた同社は、サイトのリニューアルと同時にコンテンツマーケティングを導入しました。コンテンツの拡充によりPVの増加はもちろんこと、お客さんのニーズに応えたコンテンツは、営業の効率化にもつながっています。

 

株式会社サイダス

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クラウドベースの人材プラットフォーム「CYDAS.com」(www.cydas.com)を展開する株式会社サイダス。

競合他社に比べ情報発信に弱みがあり、新たな一手としてコンテンツマーケティングを導入。積極的なコンテンツの発信により、オウンドメディア経由の問い合わせ数は25%増加し、さらに外部メディアでも資料ダウンロードの上位を占めています。

 

株式会社デジタルスタジオ

海外向けのEC構築プラットフォームを提供する株式会社デジタルスタジオ。Live Commerceブログでは、まだ認知度が低いサービスの見込み顧客を「ECサイト運営のノウハウ」や「トレンド」などの記事で集客。ここから、メルマガ購読、サービス試用へつながる仕組みを構築しています。コンテンツマーケティングによって広告への依存度が下がり、CPA(顧客獲得単価)が格段に改善しました。

 

トライツコンサルティング株式会社

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トライツコンサルティング株式会社は、2012年10月に設立されたばかりのコンサルティング会社。企業のセールスプロモーションや営業スタッフの教育・研修サービスが強みです。

営業に関する質の高い情報を発信することで、信頼感を醸成したいと考え、コンテンツマーケティングを導入しました。

結果として、PV数の大幅アップやFacebookページのファンの獲得につながっています。

 

イルミナ

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遺伝子解析装置で世界トップのシェアを持つメーカー。ターゲットとなる大学や企業の研究者が関心を持つ最先端のセミナーをオンラインで開催、高い専門性を求めるユーザとの関係を構築しています。セミナーの動画や資料がアーカイブとして蓄積することで、さらなる来訪者増、販売促進につながっています。

 

サイボウズ株式会社/サイボウズ式

グループウェアの「サイボウズ Office」や「Garoon」、業務改善プラットフォームの「kintone」など、業務効率向上のためのソフトウェアを展開するサイボウズ。同社のソフトウェアは中小企業から大企業まで約25,000社に導入され、国内トップクラスのシェアを誇っています。

そんなサイボウズが、「新しい価値を生み出すチームのメディア」として発信しているオウンドメディアが「サイボウズ式」です。サイボウズ式では週に3回程度記事が更新され、業界人へのインタビューや業務効率向上のための各社の取り組みなど、IT業界の働き方や業務効率を見つめ直す記事が常に発信されています。

 

株式会社サイバーエージェント/ FEATUReS

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サイバーエージェントは「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンを掲げ、インターネットの広告事業、メディア事業、ゲーム事業、投資育成事業などを展開している企業です。AbemaTVやCygames、Makuakeなど多くの子会社を持っているので、サイバーエージェントの名前は知らなくてもサービスの名前はご存じのことでしょう。

サイバーエージェントが、公式オウンドメディアとして運営しているのが「FEATUReS」です。FEATUReSの発信目的は、採用の強化。社員のインタビューや企業文化の紹介、これからの技術に関する話など、サイバーエージェントで働くことの魅力が紹介されています。テック企業として多くの開発を行うサイバーエージェントでは、人材の確保がこれからの事業展開に大きく影響するのです。

 

Sansan株式会社/ MIMI

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ユニークなテレビコマーシャルで有名なSansanは、法人及び個人向けの名刺管理サービスを展開する会社です。同社は名刺管理サービスの他にも、請求書のオンラインシステムなどをリリースしていますが、法人向け名刺管理サービスでは国内トップのシェアを持っています。

Sansanが人材確保のために発信しているオウンドメディアが「MIMI」です。Sansanに興味を持つ就活生や求職者に向けて、社内文化や福利厚生にフォーカスした記事を多く掲載しています。事業の取り組みを紹介する「colums」、最新ニュースの「News」、社員紹介の「Members」、社内制度や文化を紹介する「Culture」など、情報がわかりやすく整理されたオウンドメディアになっています。

 

株式会社リクルートホールディングス/ Inside Out

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リクルートホールディングスは、求人広告やITソリューションなどのサービスを手がけるリクルートグループの持ち株会社です。現在リクルートグループはIndeedに代表される求人検索サイト運営の「HRテクノロジー事業」、さまざまな分野の求人募集メディアを運営する「メディア&ソリューション事業」、リクルートスタッフィングなどで人材派遣を行う「人材派遣事業」に分かれています。

「Inside Out」は、リクルートホールディングスが発信するコーポーレートブログ。「数字だけでは伝えきれない私たちのストーリーを、世界中のステークホルダーにお届けする」ことを目的に、HRテクノロジー、メディア&ソリューション、人材派遣の各SBU(Strategic Business Unit 戦略的事業単位)が、社内の取り組みや事業にかける思いを伝えるブログとなっています。

 

株式会社ベイジ/ Knowledge/baigie

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「BtoB企業のためのWeb制作会社」を自社Webサイトのトップに掲げるベイジは、戦略的なマーケティング思考と高度なクリエイティブデザインを両立させたWeb制作を得意とする会社です。にんべんやエレコム、相鉄不動産、KDDIなど、多くのコーポレートサイトを手がけた実績を持っています。

ベイジは「ベイジの社長ブログ」や、スタッフによる毎日の情報発信「ベイジの日報」など、いくつかのオウンドメディアを持っていますが、「Knowledge/baigie」は社員のマーケターやデザイナー、エンジニアが情報発信を行う、同社では一番新しいオウンドメディアです。マーケティングやブランディング、採用やスキルアップといった幅広い内容の記事が掲載され、さまざまな経営課題解決に迷う企業のためのヒントが発信されています。

 

株式会社LIG/ BLOG

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「デジタルクリエイティブでより良い世界を作る」をミッションとする株式会社LIGは、Webサイト制作やコンテンツ制作、ゲストハウス経営、教育、地方創生まで、さまざまな事業を手がけるユニークな会社です。主力事業はWeb制作とソフトウェア開発ですが、230名いる社員は個性のある人ばかりのクリエイター集団。そんな社員が、それぞれの手がける事業の情報や考え方を発信しているのが「BLOG」です。

カテゴリーは「Web制作」や「コンテンツ制作」、「ゲストハウス」、「コワーキング」等々、事業ごとにクリエイターやスタッフが記事を投稿しています。その内容はテクニカルな内容から、これが仕事?と思えてしまうことまでさまざまですが、たとえばWeb制作であれば案件のほとんどが、BLOGからの問い合わせで発生しているとのこと。LIGのBLOGは、クリエイターの発想を顧客にアピールするオウンドメディアとなっているのです。

 

株式会社ビズリーチ/ BiZHiNT

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ビズリーチは、管理職や専門職、次世代リーダー、グローバル人材などに向けた転職サービス事業を展開している企業です。求人の6割が年収800万円を超える募集で、稀少な人材と大手企業やヘッドハンターをマッチングする国内最大級のハイクラス転職サイトを運営しています。

そのビズリーチが、人事や採用に関わるヒントやニュースなどを配信しているオウンドメディアが「BiZHiNT」です。カテゴリは、人事やCEOへのインタビュー記事、生産性向上や働き方改革に関わるセミナー動画など多岐に渡ります。また、会員登録をすることで記事のブックマークなどもできるようになるなど、人事・採用のヒントを使い勝手よくストックしておけるオウンドメディアです。

 

株式会社PLAN-B/ PINTO!

SEOを中心に、Web広告、サイト制作、インフルエンサーマーケティングまでワンストップで提供する株式会社PLAN-B。

同社の情報発信メディア「PINTO!」では、企業のマーケティング担当者様向けに、SEOやコンテンツマーケティング、Web広告、Webサイト改善など、Webマーケティングに関連する最新情報や活用事例を発信。

現在では、月間のリード獲得数の多くが「PINTO!」から創出されているそうで、同社のマーケティング活動に欠かせないメディアに成長しています。

オウンドメディアの戦略設計から効果測定・改善までのサイクル

 

海外BtoB事例

Hubspot

自ら提唱するインバウンドマーケティングを実践 自社の成功事例で有効性を証明

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コンテンツマーケティングとほぼ同義であるインバウンドマーケティングと、実践のためのインラインサービスを提供する企業。ブログやホワイトペーパー、ウェビナーなどによって、創業から2年で月間訪問者数は30万人を超えるWebサイトに成長しました。

【成果】顧客1,400社、リードのうちWeb経由の割合 75%

 

SAP

自社製品を宣伝せず、経営者の疑問を解決するブログ記事で新規の見込み顧客を獲得

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世界第4位のBtoBソフトウェア企業。2012年、中小企業を中心に多くの見込み顧客を取り逃がしているデータに直面した同社はビジネスブログの運用を開始。経営者やビジネスパーソンが興味をもつ記事を配信しました。外部専門家のリソースを活用することで1日あたり18本の記事を更新し、開始2ヶ月でブログの立ち上げ費用の6倍を売り上げています。

【成果】 月間 40万PV、開始2ヶ月で立ち上げ費用の6倍の売上

 

Unbounce

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ランディングページ作成やA/Bテストツールを提供するUnbounceは、それらの施策についてのノウハウを余すところなく紹介するブログで大変有名になりました。

驚くべきはサービス開始前から、ランディングページなどについての需要喚起のためにコンテンツを制作し、オウンドメディアで発信していたということです。いまではランディングページに関することならUnbounceという確固たる地位を築くことに成功しています。

 

Freshbooks

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Freshbooksはスモールビジネス向けに、オンラインでの請求システムを提供するサービスを展開しています。面倒な月々の請求作業を助ける同サービスの浸透には、同社によるわかりやすいコンテンツの発信とオウンドメディアの活用がありました。

同社はユーザーのお悩みを解決するコンテンツから、事例コンテンツ、サービス導入を考える見込み顧客の背中を押すコンテンツなどを豊富にそろえることで、あらゆるニーズに対応しています。

 

Crunch

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イギリス南部の町に会計事務所を構えるCrunchでは、自社のブログを運用し、定期的に記事を発信しています。

彼らのメディアの特徴は、記事を4つの潜在顧客によってカテゴリー分けしているところです。具体的には、スタートアップ企業、中小企業、フリーランサー、独立業務請負人の4つのカテゴリーに分けコンテンツを発信することで、それぞれの潜在顧客が抱えがちなニーズを喚起することに成功しています。さらに、同メディアでは無料ダウンロード資料も提供しており、潜在顧客にCrunchを利用することで得られるメリットなどを想起しやすいような仕組みになっています。

国内BtoC事例

オーマイグラス株式会社 /OMG PRESS

オウンドメディアで業界の常識を覆す! 売れないはずのメガネ通販を拡大

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メガネのインターネット通販(EC)という新しい市場を切り拓いたパイオニア。オンラインで「メガネをテーマにしたライフスタイル誌」を創刊。記事を読むために訪問した見込み顧客に自然な流れでECサイトの存在に気づいてもらい、製品を手にとってもらうための工夫をちりばめています。

【成果】 月間読者数 17万人、ECサイト訪問者 32万人

 

株式会社マネーフォワード / MoneyForwardBizpedia

消費者向けの家計簿アプリや、個人事業主や中小企業、フリーランサー向けの各種会計ソフトを提供する株式会社マネーフォワード。

「MFクラウド」という同社のオウンドメディアでは、会計に関する記事を発信しています。

右サイドバーや記事下に設置したバナーに誘導することでリード(見込み顧客情報)を獲得する一方で、同メディアで詳細なコンテンツを発信し、見込み顧客の顧客化、顧客のロイヤルティ上昇につなげています。

 

Ovni

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「Ovni」は在仏日本人向けのWebマガジン。各地に住むジャーナリストが独自取材したコンテンツが発信されており、よりローカル色の濃い記事を読むことができます。世界一観光客の多いパリについての定番のコンテンツとは一味違った地域愛あふれるコンテンツは、多くの読者に愛されています。

一般社団法人ウェブベルマーク協会

被災校支援を目的として、ベルマーク教育助成財団、朝日新聞社、タグボート、博報堂、博報堂DYメディアパートナーズの5社で2013年に設立した一般社団法人ウェブベルマーク協会。

同協会は、広告の限界を感じオウンドメディアの運営を始めました。毎月25本ほどのコンテンツを発信しており、サイトの流入は運営以前と比べて約6倍に増加しています。

 

楽天市場/ソレドコ

インターネット関連サービスを展開する、楽天グループのネットショッピングモールが「楽天市場」です。国内EC流通総額のトップを誇る楽天市場には、5万店以上(2020年10月時点)の店舗があり、あらゆる分野の商品が販売されています。

「ソレドコ」は楽天市場が発信するオウンドメディア。「あなたの知らない沼がある」というテーマで、何かにハマっている人たちの、それぞれの「沼(記事)」が掲載されています。ジャンルはグルメからスポーツ、アウトドア、マンガや子育てまで多岐に渡ります。何かに夢中になる楽しさを消費者に伝え、楽天市場での購買意欲をそそる効果的なオウンドメディアと言えるでしょう。

 

コクヨ株式会社/ コクヨマガジン

文房具やオフィスファニチャー、事務機器などを製造販売するコクヨ。キャンパスノートやステープラー、リングファイルなど、学生時代から社会人になるまでコクヨの製品を使ったことのない人はいないことでしょう。

コクヨが日常と文具をもっとつなげていくために、ビジネスパーソンや学生さんに向けて配信しているオウンドメディアが「コクヨマガジン」です。「Life & Work」、「Idea」、「Interview」などのカテゴリーを通じ、文具を使う楽しさやちょっとしたライフハックを発信しています。

 

株式会社資生堂/watashi+

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資生堂は化粧品の開発・販売事業をメインとして、保育事業、教育事業、レストラン運営事業などを幅広く行っている企業です。資生堂が「化粧品や美容についての質問・お悩みに、さまざまな方法で答える」というコンセプトで運営しているオウンドメディアが「watashi+(ワタシプラス)」です。watashi+ではお化粧の最新トレンドからハウツー記事、キレイに役立つ情報が毎週月曜日に発信されています。また、オンラインショップや店舗情報、商品カタログなども見ることができる化粧品の総合サイトとしても活用されています。

 

花王株式会社/ くらしの研究

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花王は、化粧品や洗剤などの生活用品、衛生用品、健康飲料などを開発・販売する大手消費財化学メーカーです。花王が発信するオウンドメディア「くらしの研究」には、「若者」、「子育て」、「働き方」、「生活スタイル」などのカテゴリーがあり、生活研究家や料理研究家、管理栄養士などのスペシャリストが生活に関わるノウハウやアドバイスを掲載しています。プロが投稿する高品質なコンテンツは、花王のブランド力を向上させる、大切な役割を果たしています。

 

ライオン株式会社/ Lidea

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ライオンは、石鹸や洗剤、歯磨き粉などの生活用品、トイレやバスの衛生用品、医薬品、ペット用品などを開発・販売する大手生活用品メーカーです。ライオンは、暮らしに役立つ情報発信+Q&Aのポータルサイトとして「Lidea」を運営しています。Lideaにはライオンの開発研究スタッフや社内の専門家(暮らしのマイスター)が多く投稿を行っていますが、注目すべきは会員登録すると利用できる「はてなのコーナー」です。暮らしや衛生に関する質問に、暮らしのマイスターが専門家の目線で回答してくれます。また、ライオンの各商品で行われているキャンペーン情報の配信も好評で、新たな顧客を獲得できるオウンドメディアとなっています。

 

KDDI株式会社/ KDDIトビラ

KDDIは、auブランドのモバイル通信やブロードバンドインターネットサービス、企業向けのICTソリューションを提供する電気通信事業者です。「KDDIトビラ」は、ネットワーク技術を使った企業向けの製品情報から、新しい携帯のレビューやCM情報まで、KDDIのサービスを広く扱うデジタル情報マガジンとなっており、読み応えたっぷりな記事を通じてKDDIの安心・安全に向けた取り組みを紹介しています。

 

SMBC日興証券株式会社/ 日興フロッギー

SMBC日興証券は、三井住友フィナンシャルグループの証券会社です。同社が運営する「日興フロッギー」は、投資を学んで、体験し、資産形成をサポートする情報を発信するオウンドメディア。SMBC日興証券に入金して実際に株を買うまでの手順説明や、投資に関わるあらゆる情報を発信しています。特に「格言で学ぶ投資のオキテ」や「株主優待をもらおう」など、今までは敷居の高かった株式投資を身近に感じられるようなコンテンツを多く掲載しています。

 

海外BtoC事例

River Pools & Spa

リーマンショックで受注が1/3に激減した企業が顧客志向の情報で過去最高の売上を達成

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個人住宅向けのプールの設計・施工を行う企業。リーマンショックを機に、TVCMやリスティング広告の運用を10分の1に縮小し、見込み顧客にとって価値の高いブログや動画の制作にシフトしました。ユーザーの体験談や競合他社の特徴など、見込み顧客が知りたい情報を真摯に掲載することで、リーマンショック前のピークを超える売上を達成できました。

【成果】検索連動型広告の費用 50%減、ブログを30p以上読んだ顧客の成約率 80%

 

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質の高いブログ記事を通じて無名のベンチャーが難度の高い金融分野で信用を獲得

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個人資産の管理サービスを提供するベンチャー企業。フルタイムの編集スタッフと多くのフリーライターを雇い、若い世代をターゲットに資産管理に関連した質の高いブログ記事を発信。これによって多くの見込み顧客の信頼を勝ち取り、2年間で200万人のユーザーを獲得、この分野でトップ企業になりました。

【成果】利用者数 200万人、業界でトップ企業に成長

 

Red Bull

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「翼をさずける」エナジードリンクで有名なRed Bullですが、実はオウンドメディアの成功事例としても有名です。

運営するメディアでは、自社についてではなくスポーツ打ち込む若者をフィーチャー。彼ら一人ひとりを詳細に描き出したコンテンツを発信することで、オーディエンスに響くメディアに仕上がっています。オウンドメディア運用の一つの理想といえるでしょう。

 

Target /A Bullseye View

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Target社は、ウォルマートに次いで米国のディスカウント業界2位の企業。同社の運営するオンラインマガジンは「事実を見せろ、売るな」をコンセプトに、ユーザーにとって役立つサービスを発信しています。

トップページの下部では、写真のブックマークに特化したサービスであるPinterestを一面に並べているものの、売り込まれるという印象はなく、ユーザーを楽しませるという姿勢が伺えます。

 

Colby University / COLBY MAGAZINE

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コルビー大学は、メイン州にあるリベラルアーツを学べる大学です。

同大学はメインのWebサイトとは別に「COLBY MAGAZINE」を運営しており、主に生徒や教授による生の声を読者に届けています。全米でも比較的早い段階にマイノリティや女子生徒を受け入れた歴史がありますが、多くの記事からはリベラルな雰囲気をうかがうことができます。

受験生の増加はもちろんのこと、在校生や卒業生の愛校心やつながりの強化にも役立つため、大学にとってとても意義のあるメディアといえるでしょう。

 

Halstead Property

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HALSTEAD PROPERTは、ニューヨークの不動産企業です。同社の運営するブログでは、物件情報だけにとどまらず、どのような生活が送れるかを読者がイメージできるようなコンテンツを多く発信しています。

たとえば、実際に犬を飼って住むことが想像できるような記事や、物件に住んだ際に体験できる季節のイベント(ハロウィンなど)に関する記事などが提供されています。

これらは見込み顧客に興味関心をもってもらい、購買意欲を促進することのできる効果的なコンテンツであり、有効なオウンドメディアといえます。

 

Douglas Elliman / ELLIMAN MAGAZINE

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こちらも同じくニューヨークの不動産企業であるDouglas Ellimanは、「ELLIMAN MAGAZINE」というオンラインマガジンを発行し、世界のインテリアのトレンド情報を発信しています。

 

Four Seasons Hotels & Resorts /Four Seasons Magazine

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フォーシーズンズホテルではオンラインマガジンである「Four Seasons Magazine」を発行。カテゴリーが、「DISCOVER」「TASTE」「THRIVE」「KIDS & FAMILY」「BEST OF」「LOCAL SECRETS」「NEWSLETTER」で分けられており、旅行に行く人はもちろん、多くの人が読み物として楽しめる構成となっています。

一方で売り上げにつなげるための工夫も。たとえば「TASTE(食)」のカテゴリでは「ヨーロッパとアジアのミシュラン認定のシェフ特集」や「ビーチで食事するべき場所10選」など、読者の興味を惹きやすいコンテンツを発信していますが、細部にはツアーやホテルを予約するためのCTAをさりげなく挿入しています。

 

各事例に共通する成功のポイント

以上の事例に共通する成功のポイントは、以下の3つです。

  1. 読者視点に立ったコンテンツ作り
  2. 自社の強みを活かした独自のコンテンツ
  3. 継続的な情報発信と改善

読者視点に立ったコンテンツ作りとは、読者が抱える課題や悩みを理解し、それを解決するためのヒントを提供することです。自社の製品やサービスの宣伝に終始するのではなく、読者にとって価値のある情報を発信することが重要です。

また、自社の強みを活かした独自のコンテンツを発信することも大切です。他社にはない自社ならではの視点や切り口で情報を発信することで、他社との差別化を図ることができます。

さらに、継続的に情報を発信し、PDCAサイクルを回すことも重要です。一度作ったら終わりではなく、読者の反応を見ながら、常にコンテンツを改善し続けることが求められます。

これらの成功のポイントを抑えることが、オウンドメディア運営における重要な鍵となります。

 

成功事例から学ぶオウンドメディア運営

ユーザー視点に立ったコンテンツ設計

ペルソナの明確化と共感を呼ぶストーリーテリング

オウンドメディアを成功に導くためには、ユーザー視点に立ったコンテンツ設計が欠かせません。そのためには、まずターゲットとなるペルソナを明確にすることが重要です。

ペルソナとは、オウンドメディアの主要な読者層を具体的な人物像として想定したものです。年齢、性別、職業、趣味、悩みなどを詳細に設定することで、ターゲットを明確にします。例えば、「30代の女性会社員で、仕事と育児に忙しく、手軽に健康管理ができる方法を探している」といったように、具体的なイメージを持つことが大切です。

このペルソナを念頭に置いて、共感を呼ぶようなストーリーテリングを行うことが効果的です。ペルソナの抱える悩みや課題に寄り添い、それを解決するためのヒントを物語として伝えることで、読者の心に響くコンテンツになります。

例えば、健康食品を販売するB2C企業の場合、「忙しい毎日で健康管理ができない30代女性のために」といったストーリーを設定し、そのペルソナの日常にフィットするような健康管理の方法を紹介することが考えられます。記事の中で、ペルソナと似た境遇の登場人物を出し、その人物が商品を使ってどのように悩みを解決したかを描くことで、読者に感情移入してもらうことができるでしょう。

このように、ペルソナを明確にし、共感を呼ぶストーリーテリングを行うことが、ユーザー視点に立ったコンテンツ設計の第一歩となります。

自社の強みや独自性を活かした差別化

ユーザー視点に立ったコンテンツを作る上で、もう一つ重要なのが、自社の強みや独自性を活かした差別化です。

オウンドメディアは、自社の製品やサービス、ブランドに関連する情報を発信する場です。しかし、自社の宣伝色が前面に出すぎては、読者に敬遠されてしまいます。大切なのは、自社ならではの視点や切り口で、他社にはない価値を提供することです。

例えば、老舗の文具メーカーが運営するオウンドメディアの場合、同社の長年培ってきたノウハウを活かし、「文具の選び方」や「文具の歴史」といった切り口で記事を作成することが考えられます。他社が真似できない、自社ならではの専門的な情報を提供することで、オウンドメディアの存在価値を高めることができるでしょう。

また、自社の社風や価値観を反映することも、差別化につながります。社員のインタビュー記事や、社内イベントの様子をレポートすることで、他社にはない自社らしさを伝えることができます。

ただし、自社色を出しすぎるとプロモーション色が強くなりすぎるため、バランスが大切です。あくまでも読者にとって価値ある情報を提供することを第一に考え、その中で自然な形で自社の強みをアピールすることが重要だと言えます。

SEOを意識した戦略的なアプローチ

キーワードの選定とコンテンツの最適化

オウンドメディアを成功に導くもう一つの重要な要素が、SEOを意識した戦略的なアプローチです。せっかく良質なコンテンツを作っても、それが読者に届かなければ意味がありません。検索エンジンからのトラフィックを獲得するために、SEOの知見を活かすことが求められます。

SEOを意識する上で、まず重要なのがキーワードの選定です。オウンドメディアで狙うべきキーワードを適切に選ぶことが、検索順位を上げるための第一歩となります。

キーワード選定の際は、自社の製品やサービスに関連する言葉だけでなく、ペルソナの抱える悩みや課題に関連する言葉も重要です。例えば、前述の健康食品を販売するD2C企業の場合、「健康食品」というキーワードだけでなく、「ダイエット方法」や「腸内環境改善」といった、ペルソナが検索しそうなキーワードを選ぶことが有効でしょう。

また、選んだキーワードをもとに、コンテンツを最適化することも大切です。記事のタイトルや見出し、本文中に、キーワードを自然な形で盛り込むことで、検索エンジンに対してその記事の内容を伝えることができます。

ただし、キーワードを詰め込みすぎるとかえって検索順位が下がる可能性があるため、適度に行うことが重要です。あくまでも読者にとって価値のある情報を提供することが第一であり、キーワード対策はそのための手段の一つと捉えるべきでしょう。

情報発信の一貫性と専門性の追求

SEOを意識した情報発信において、もう一つ重要なのが、一貫性と専門性の追求です。

オウンドメディアは、企業の顔として、ブランドイメージを形作る重要な役割を担っています。そのため、情報発信においては一貫性を保つことが大切です。記事によってトーンやスタンスが大きく変わっていては、ブランドイメージが曖昧になってしまいます。

例えば、環境問題に取り組むNPOのオウンドメディアであれば、常に環境保護の視点から情報を発信することが求められます。記事のテーマや内容、言葉選びに至るまで、一貫した姿勢を貫くことが重要だと言えます。

また、専門性を追求することも、SEO対策として有効です。オウンドメディアの記事が、特定の分野に関する専門的な情報を提供していると、検索エンジンはそのサイトを当該分野の「専門サイト」と認識します。これにより、関連するキーワードで上位表示されやすくなると考えられています。

前述の文具メーカーの例でいえば、文具に関する専門的な知識をコンテンツに盛り込むことで、「文具のことならこのサイト」という評価を検索エンジンから得ることができるでしょう。

一貫性と専門性を追求することは、SEO対策というだけでなく、ブランド構築の面でも非常に重要だと言えます。メディアとしての信頼性を高め、ロイヤルなファンを獲得するためにも、一貫性と専門性にこだわることが求められます。

効果検証と改善を繰り返すPDCAサイクル

KPIの設定と適切な指標の選択

オウンドメディア運営において、もう一つ欠かせないのが、効果検証と改善を繰り返すPDCAサイクルです。オウンドメディアの目的を達成するために、適切なKPI(Key Performance Indicator)を設定し、継続的に改善を行う必要があります。

KPIの設定においては、オウンドメディアの目的に応じて適切な指標を選ぶことが重要です。例えば、ブランド認知度向上が目的であれば、PV数やユニークユーザー数、滞在時間などが重要な指標となるでしょう。一方、リード獲得が目的であれば、CVR(コンバージョン率)やCPA(顧客獲得単価)などが重視されます。

また、KPIは定量的な指標だけでなく、定性的な指標も取り入れることが大切です。例えば、記事に対するソーシャルでのリアクション数や、コメント欄でのユーザーの声など、数字には表れない反応も重要な判断材料になります。

KPIを設定する際は、現実的な目標値を設定することも重要です。過去のデータを参考にしつつ、達成可能な目標を立てることが、モチベーション維持にもつながります。

定期的な分析とデータに基づく施策の見直し

KPIを設定したら、あとは定期的にデータを分析し、施策の見直しを行うことが求められます。月次や週次など、適切な頻度で数値をチェックし、目標の達成度合いを確認します。

数値が芳しくない場合は、原因を分析し、打ち手を考える必要があります。例えば、PV数が伸び悩んでいる場合、記事の質が十分でない可能性や、プロモーションが不足している可能性などが考えられます。仮説を立てて施策を打ち、効果を検証するというサイクルを繰り返すことが重要です。

また、PDCAを回す上では、外部環境の変化にも目を配る必要があります。競合他社の動向や、検索エンジンのアルゴリズム変更など、オウンドメディアを取り巻く環境は常に変化しています。これらの変化に機敏に対応し、必要に応じて方針を変更することも求められます。

PDCAサイクルを効果的に回すためには、データ分析のスキルと、仮説構築力が必要不可欠です。データから課題を読み取り、打ち手を考える力を養うことが、オウンドメディア運営者には求められると言えるでしょう。

オウンドメディア運営の失敗事例と原因

ここまで、オウンドメディア運営の成功事例とそこから学ぶべきポイントを見てきました。一方で、オウンドメディア運営には失敗のリスクもつきものです。ここでは、オウンドメディア運営の失敗事例とその原因を分析していきます。

目的とコンセプトの不一致によるフォーカスの欠如

オウンドメディア運営が失敗する一つの要因は、目的とコンセプトの不一致によるフォーカスの欠如です。オウンドメディアの開設目的が明確でなかったり、目的とコンセプトがずれていたりすると、発信する情報が散漫になってしまいます。

例えば、ある企業が「ブランド認知度向上」と「リード獲得」の両方を目的にオウンドメディアを立ち上げたとします。しかし、記事の内容は会社の歴史や社風を紹介するものばかりで、製品やサービスの情報が少ない状態。この場合、リード獲得という目的からはずれたコンテンツになってしまい、十分な効果が得られないでしょう。

このような失敗を避けるためには、オウンドメディアの開設前に、目的を明確に定義することが重要です。そして、その目的に合致したコンセプトを設定し、コンテンツの方向性を決める必要があります。「ブランド認知度向上」と「リード獲得」など、複数の目的を設定する場合は、それぞれの目的に対して適切なコンテンツを用意することが求められます。

ターゲットの理解不足と発信内容のミスマッチ

オウンドメディア運営のもう一つの失敗要因は、ターゲットの理解不足と発信内容のミスマッチです。読者のニーズや関心事を十分に理解せずに記事を作成すると、読者に響かないコンテンツになってしまいます。

例えば、ファッションブランドのオウンドメディアで、高級志向の記事ばかりを発信していたとします。しかし、実際のターゲット層は、カジュアルで手頃な価格帯の商品を求める若者だったとしたら、ミスマッチが生じてしまいます。

このような失敗を防ぐには、ペルソナを明確に設定し、ターゲットの理解を深めることが重要です。ターゲットの年齢層や性別、ライフスタイル、価値観などを詳細に分析し、そのニーズに合致したコンテンツを発信することが求められます。

また、記事の企画段階で、ターゲットにとって本当に必要な情報かどうかを吟味することも大切です。自社の伝えたいメッセージとターゲットのニーズがずれていないかを常にチェックし、調整していく必要があるでしょう。

一方的な情報発信とユーザー視点の欠如

オウンドメディアは、企業からユーザーへの一方的な情報発信の場ではありません。ユーザーとのコミュニケーションを重視し、ユーザー視点に立ったコンテンツ作りが求められます。この点を見落とすことも、オウンドメディア運営の失敗につながります。

例えば、ある企業が自社の製品の機能や性能ばかりを記事で紹介していたとします。しかし、ユーザーが知りたいのは、その製品を使うとどんなメリットがあるのか、自分の生活がどう変わるのかといった情報です。製品の機能説明に終始していては、ユーザーの興味を引きつけることができません。

このような失敗を防ぐには、常にユーザー目線に立ってコンテンツを考えることが重要です。ユーザーの抱える悩みや課題を理解し、その解決につながる情報を提供することが求められます。

また、ユーザーとのコミュニケーションを大切にすることも重要です。記事に対するコメントやSNSでの反応を丁寧にチェックし、ユーザーの声に耳を傾けることが必要不可欠です。ユーザーからのフィードバックを次のコンテンツ作りに活かすことで、ユーザー視点に立ったオウンドメディア運営が可能になるでしょう。

運用体制の不備とコンテンツ品質の低下

最後に、運用体制の不備とそれによるコンテンツ品質の低下も、オウンドメディア運営の失敗要因の一つです。オウンドメディア運営は一時的な取り組みではなく、継続的な努力が必要とされます。しかし、社内の体制が整っていないと、徐々にコンテンツの質が低下してしまうことがあります。

例えば、オウンドメディア運営の専任者を置かず、他の業務との兼任で進めていたとします。すると、徐々にオウンドメディアの更新頻度が下がり、内容も薄くなっていく可能性があります。また、記事の執筆を外部ライターに丸投げしてしまうと、ブランドの世界観からずれたコンテンツが生まれてしまうかもしれません。

このような失敗を防ぐには、オウンドメディア運営の重要性を社内で共有し、適切な体制を整備することが重要です。専任の担当者を置き、社内の各部署から協力を得られる仕組みを作ることが理想的です。

また、コンテンツの品質管理にも注力する必要があります。記事の執筆は社内で行うのが望ましいですが、外部ライターを起用する場合は、ブランドの価値観や世界観をしっかりと共有することが大切です。校正や編集のプロセスを設け、品質の高いコンテンツを安定的に提供できる体制を整えましょう。

まとめ:オウンドメディア成功のための3つのエッセンス

オウンドメディア運営の成功事例と失敗事例を見てきましたが、ここからは成功のためのエッセンスをまとめていきます。

ユーザーファーストなコンテンツ設計

オウンドメディアを成功に導く第一のエッセンスは、「ユーザーファーストなコンテンツ設計」です。

ユーザーファーストとは、常にユーザーの視点に立ち、ユーザーにとって価値のある情報を提供することを意味します。そのためには、ペルソナを明確に設定し、ユーザーの悩みや課題を深く理解することが不可欠です。

その上で、ユーザーの関心事に合致したコンテンツを企画し、ユーザーの心に響くストーリーテリングを心がけることが重要です。単なる情報の羅列ではなく、ユーザーの感情に訴えかけるような記事を作ることが求められます。

また、ユーザーとのコミュニケーションを大切にし、ユーザーの声に耳を傾けることも重要です。コメント欄やSNSでのユーザーの反応をもとに、コンテンツの改善を図ることが大切だと言えます。

ユーザーファーストなコンテンツ設計は、一朝一夕にはできません。ユーザーの理解を深め、試行錯誤を繰り返すことが必要不可欠です。しかし、この努力を惜しまずに続けることが、オウンドメディア成功の大前提だと言えるでしょう。

自社の強みを活かした独自性の追求

オウンドメディア成功の第二のエッセンスは、「自社の強みを活かした独自性の追求」です。

オウンドメディアは、他社との差別化を図る絶好の機会だと言えます。自社にしかない強みや独自の視点を活かすことで、他社にはないオリジナリティを打ち出すことができるからです。

例えば、長年培ってきた専門知識やノウハウ、ユニークな社風や価値観など、自社ならではの要素を記事に盛り込むことが考えられます。他社が真似できない独自のコンテンツを提供することで、オウンドメディアの存在価値を高めることができるでしょう。

ただし、独自性を追求するあまり、ユーザーの興味から外れたコンテンツになってはいけません。あくまでもユーザーファーストが大前提であり、自社の強みはユーザーに価値を提供するための手段だということを忘れてはなりません。

自社の強みとユーザーのニーズをバランス良く組み合わせることが、オリジナリティあふれるオウンドメディアを作る秘訣だと言えます。

PDCAサイクルを回す柔軟な運営体制

最後に、オウンドメディア成功の第三のエッセンスは、「PDCAサイクルを回す柔軟な運営体制」です。

オウンドメディア運営は、一度作ったら終わりではありません。環境の変化に合わせて、柔軟に方針を変えていくことが求められます。そのためには、PDCAサイクルを効果的に回す必要があります。

PDCAサイクルを回す上で重要なのが、適切なKPIの設定です。オウンドメディアの目的に合致した指標を定め、定期的にチェックすることが不可欠です。数値の変動を敏感に察知し、改善策を打つことが求められます。

また、PDCAを回す上では、社内の理解と協力が欠かせません。オウンドメディアの重要性を社内で共有し、各部署の協力を得られる体制を整備することが理想的です。専任の担当者を置き、コンテンツの品質管理に注力することも大切だと言えます。

PDCAサイクルを回すには、一定の時間と労力が必要です。しかし、この地道な努力を続けることが、オウンドメディアを成功に導く近道だと言えるでしょう。

【コラム】オウンドメディアを通じて「ファンを増やす」ことの重要性

オウンドメディア運営において、最も重要なのは「ファンを増やす」ことです。一時的な集客ではなく、継続的に自社を応援してくれる熱狂的なファンを獲得することが、オウンドメディアの本質的な目的だと言えます。

ファンを増やすことは、ビジネス的にも大きなメリットがあります。自社のファンは、商品やサービスのリピーターになってくれる可能性が高いですし、口コミで自社の魅力を広めてくれるでしょう。また、新商品の開発やマーケティング施策にも、ファンの声を活かすことができます。

では、オウンドメディアを通じてファンを増やすには、どうすれば良いのでしょうか。

まずは、ユーザーファーストなコンテンツ作りに徹することが大切です。ユーザーの共感を呼ぶようなストーリー性のある記事を発信し、ユーザーとの絆を深めることが求められます。

また、オウンドメディアをきっかけに、ユーザーとのコミュニケーションを活性化させることも重要です。記事に対するコメントには丁寧に返信し、SNSではユーザーの声に積極的に反応することが大切です。ユーザーとの対話を通じて、ファンとの関係性を築いていくことが求められます。

さらに、オウンドメディア以外のチャネルも活用し、ファンとの接点を増やすことも効果的です。例えば、オウンドメディアの記事を題材にしたセミナーやイベントを開催したり、ニュースレターで読者限定の情報を提供したりすることが考えられます。オウンドメディアと他のチャネルを連動させることで、ファンとの関係性をより強固なものにすることができるでしょう。

私は、オウンドメディア運営の経験から、「ファンを増やす」ことの重要性を強く実感しています。コンテンツを通じてユーザーと深く結びつくことは、一朝一夕にはできません。ユーザーに寄り添い、地道にコミュニケーションを重ねる努力が必要不可欠です。

しかし、この努力を惜しまずに続けることで、やがて熱狂的なファンが生まれてくるはずです。自社のビジョンや価値観に共感してくれるファンと長期的な関係を築くことが、オウンドメディア成功の秘訣だと私は考えています。

【FAQ】


Q: オウンドメディアとは何か?
A: 自社で所有・運営するメディアのこと。Webサイト、ブログ、SNSなど。

Q: オウンドメディアが注目される理由は?
A: 自社の情報を直接ユーザーに届けられ、ブランディングや見込み客獲得に効果的だから。

Q: オウンドメディアの主な目的と効果は?
A: ブランド認知度向上、見込み客獲得、顧客ロイヤルティ向上など。事業目的に合わせて設計する。

Q: オウンドメディアに最適なコンテンツ更新頻度は?
A: 週1〜2回以上が理想。最低でも月1回は更新したい。

Q: オウンドメディアの運営体制はどのように構築すべき?
A: 専任の担当者を置き、社内の協力体制を整えるのが理想的。外部リソースも有効活用。

Q: オウンドメディアでのマネタイズ方法にはどのようなものがある?
A: 広告掲載、アフィリエイト、オリジナル商品の販売など。

Q: 自社コーポレートサイトとオウンドメディアの違いは何か?
A: オウンドメディアはユーザー目線のコンテンツ提供が主眼。コーポレートサイトは企業情報の発信がメイン。

Q: 外注せずにオウンドメディアを社内運営するコツは?
A: 社内でライティングスキルのある人材を発掘・育成。業務の一環として組み込む。

Q: オウンドメディアで発信すべき情報とは?
A: ユーザーの悩みを解決する有益な情報。自社の専門性を活かしたオリジナルコンテンツ。

Q: オウンドメディアを成功させるために必要なスキルは?
A: ライティング、SEO、データ分析、マーケティングの基本スキルなど。

Q: オウンドメディアの記事はどのくらいの文字数が適切?
A: 1記事1,000〜3,000文字程度。テーマに合わせて調整。

Q: 記事ネタが尽きたらどうすればよい?
A: ユーザーの声に耳を傾ける。競合サイトを参考にする。社内のアイデアを募るなど。

Q: オウンドメディアの記事にはどのような画像を使うべき?
A: 記事の内容に合った、見やすく適切な画像。無料・有料の画像素材サイトを活用。

Q: 記事のライティングは誰に任せるべき?
A: 基本は社内で対応。必要に応じて外部ライターを活用。

Q: 外部ライターに発注する際の注意点は?
A: ブランドの世界観を共有。方向性を明確に伝える。校正フローを設ける。

Q: 社内ライターのスキル向上のためには?
A: 社内勉強会の開催。外部講師を招いての研修。優れた記事の共有など。

Q: オウンドメディアを立ち上げるために必要な準備は?
A: 目的の明確化、ターゲットの設定、コンセプトメイキング、運営体制の整備など。

Q: オウンドメディア運営に必要な予算はどのくらい?
A: 規模や体制により異なる。記事作成、システム保守、分析ツールなどに予算を配分。

Q: グローバル展開する際のオウンドメディア運営のコツは?
A: 現地ニーズの把握。各国の文化・習慣の理解。現地スタッフとの協力体制の構築など。

Q: オウンドメディアの効果測定はどのように行うべき?
A: PV、UU、CVR、CPA、滞在時間など目的に合わせたKPIを設定。定期的に分析し改善策を実行。

Q: 短期的な施策と長期的な施策のバランスは?
A: 短期的な話題性も必要だが、長期的なファン獲得を重視。両者のバランスが重要。

Q: 炎上リスクへの対応策は?
A: 適切な運用ガイドラインの設定。コメント欄の管理徹底。迅速な謝罪と対応など。

Q: オウンドメディア運営に役立つツールは?
A: GoogleアナリティクスやSearchConsoleなどのアクセス解析ツール。コンテンツ管理システム(WordPress等)も有効。

Q: 社内の協力体制が得られないときは?
A: オウンドメディアの重要性を丁寧に説明。協力者を増やし実績を積み重ねる。トップダウンの理解も必要。

Q: コンテンツ企画のネタ出しで大切なことは?
A: ユーザー視点に立つこと。SEOも意識しつつ、独自の切り口を見つける。

Q: BtoBとBtoCでコンテンツ作りの違いは?
A: BtoBは専門性重視。BtoCは読みやすさ、共感性を大切に。ただし本質的なアプローチに違いはない。

Q: ユーザーアンケートの活用法は?
A: コンテンツの改善や新企画の立案に活かす。定期的に実施し、ユーザーの声を反映させる。

 

オウンドメディアの全体像を知りたい方は、こちらをお読みください。

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