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イノーバマーケティングチーム2024/03/22 11:41:002 min read

BtoBオウンドメディア運用における注意点と、成功事例から学ぶべき教訓

じめに

BtoBビジネスでは、見込み客に興味を持ってもらうコンテンツを発信するオウンドメディア運用ができていないという悩みを抱えている方が多くいらっしゃいます。

そういった課題に対して、直接顧客とコミュニケーションを取る手段としてオウンドメディアの活用ニーズが高まっています。この記事を通して、BtoBビジネスにおける長期的な関係構築と信頼性の確立を実現するための効果的な方法と具体的な成功事例を紹介します。

オウンドメディアとは?

オウンドメディアは、企業や組織が直接管理し、自社のブランドメッセージや情報を配信する独自のメディアプラットフォームです。

オウンドメディアは、主にコンテンツマーケティングや情報提供の手段として利用されます。

オウンドメディアの大きな特徴は、企業がコンテンツの制作から公開、分析に至るまで全てをコントロールできる点にあります。

BtoBビジネスにおけるオウンドメディアの役割

BtoBビジネスにおいても、オウンドメディアは、顧客との長期的な関係構築とブランドへの信頼性を確立するという重要な役割を担っています。

BtoC商材と比較して、高価格帯のものが多いことから購入決定に至るまでの時間が長く、商品・サービスが複雑であることが多いことから、企業は潜在的な顧客に対して継続的に価値を提供し、製品やサービスへの理解を促進することがとても重要なプロセスになっているのが要因です。

例えば、企業が教育的なコンテンツや専門的な情報を提供することで、購入の意思決定をするまでの間に見込み顧客からの信頼を獲得することを目的に運用するケースもその一つに挙げられます。

 

BtoBオウンドメディアを運用すること得られるの5つのメリット

BtoB企業がオウンドメディアを導入することには5つの大きなメリットが存在します。

メリット1: ブランド認知度の向上

オウンドメディアを利用することで、企業は自社ブランドの認知度を大きく高めることができます。自社のウェブサイトやブログなどで定期的に情報を発信することにより、ブランドの存在感を市場に示し、潜在顧客の心に深く刻むことが可能です。これは特に新規顧客の獲得において重要な要素となります。

メリット2: リード獲得と顧客関係の強化

オウンドメディアは、リード獲得と顧客関係の強化に非常に有効です。質の高いコンテンツを提供することで、ターゲットとなるビジネス顧客に価値を示し、興味を引くことができます。これにより、見込み客が自社のプロダクトやサービスに関心を持ち、最終的には購入や契約につながる機会が増加します。

メリット3: 独自コンテンツによる専門性の強調

オウンドメディアを通じて独自のコンテンツを提供することは、企業の専門性や知識を強調する絶好の機会です。業界に関する深い洞察や独自の視点を提供することで、企業はその分野の権威としての地位を築くことができます。これにより、信頼性の向上とともに、競合他社との差別化を図ることが可能です。

メリット4: SEOによる長期的なトラフィックの獲得

良質なコンテンツは、検索エンジン最適化(SEO)に大きく寄与し、結果としてオーガニックトラフィックの増加につながります。このオーガニックトラフィックは、広告に依存するよりもコスト効率が高く、長期的に安定した訪問者数を確保するのに効果的です。高品質なコンテンツを継続的に提供することで、検索エンジンでの高いランキングを獲得し、新しい顧客の獲得へとつなげることができます。

メリット5: マーケティングコストの削減

オウンドメディアは、長期的に見るとマーケティングコストの削減に大きく寄与します。従来の広告や外部メディアへの依存を減らすことにより、広告費用を大幅に削減できます。また、一度作成したコンテンツは繰り返し使えるため、継続的なコミュニケーションコストも低減されます。企業は、オウンドメディアを通じて直接顧客とコミュニケーションを図ることができるため、中間コストを省略し、効率的なマーケティングが可能となります。

BtoBオウンドメディア運用時の注意点

オウンドメディアを立ち上げ、運用するにあたってはいくつかの注意点があります。

注意点を把握して運用することで、つまづく機会を減らしたり、思っていたより成果が出ないときにどこを見直せばいいのか明確になったりします。

注意点1: 初期投資にコストがかかる

オウンドメディアの導入には、初期投資が必要です。ウェブサイトの構築、コンテンツ管理システム(CMS)の設定、初期コンテンツの作成など、始めるための費用がかかります。

注意点2: 成果が出るまでの時間が長い

オウンドメディアは即効性があるマーケティング手法ではありません。SEOの効果が現れるまで、またコンテンツがターゲットオーディエンスに浸透するまでには、時間がかかる場合があります。そのため、成果を実感するまでには長期間の努力と忍耐が必要となります。

注意点3: 高品質コンテンツの維持にリソースが必要

高品質なコンテンツを継続的に提供し続けるには、適切なリソースの確保が必要です。これには、専門的な知識を持つスタッフの確保、定期的なコンテンツの更新、市場動向や顧客のニーズに即したコンテンツ制作などが含まれます。質の高いコンテンツは、単に時間と労力だけでなく、専門性や創造性も要求されるため、維持には相応の投資と管理が求められます。

注意点4: ターゲットの設定やターゲットからの関心を維持することが難しい

オウンドメディアの運用において、ターゲットとなるペルソナを適切に設定し、その関心を維持することは大きな課題です。特にBtoB市場では、ターゲットとする企業や業界が非常に特定的であることが多く、関連するニーズや関心が常に変化しています。そのため、適切なターゲットを定義し、彼らの関心に合わせてコンテンツを調整し続ける必要があり、これは継続的な市場分析とフィードバックの収集を必要とします。

注意点5: コンテンツの陳腐化を防ぐのに手間がかかる

市場や業界のトレンドは常に進化しており、これに適応することはオウンドメディア運営における重要な課題の一つです。特にBtoB市場では、技術の進化、規制の変更、経済状況の変動など、さまざまな外部要因がビジネス環境に影響を及ぼします。これらの変化に迅速に対応し、オウンドメディアのコンテンツを常に最新の状況に合わせて更新する必要があります。しかし、これには市場動向の継続的な監視と柔軟なコンテンツ戦略が必要となり、特に小規模な組織にとっては負担となる場合があります。

 

BtoBオウンドメディアの成功事例5選

BtoBオウンドメディアの成功事例は、その戦略と実施方法を理解する上で非常に有益です。以下に、特に注目すべき5つの成功事例を紹介します。

LIGブログ

https://liginc.co.jp/blog

株式会社LIGが運営する「LIGブログ」は、デジタルトランスフォーメーションやシステム開発支援を中心に、最新のテクノロジートレンドや業界のベストプラクティスに関する深い洞察を提供しています。このメディアは、特にデザイン、開発、マーケティング、経営戦略に関心を持つプロフェッショナルに向けて、具体的かつ実用的な情報を発信することで知られています。LIGブログの成功は、読者との強いコミュニティを構築し、定期的に高品質なコンテンツを提供することにより、訪問者のロイヤリティとサイトへの関与を深めることにあります。また、インタラクティブなコンテンツやユーザー参加型のイベントを通じて、読者の関心を引きつけ、長期的なエンゲージメントを促進しています。このような取り組みにより、LIGブログはブランド認知度の向上、新規顧客の獲得、そして最終的にはビジネス成果の向上に寄与しています。

 

経営ハッカー

https://keiei.freee.co.jp/

freee株式会社が運営する「経営ハッカー」は、会計、経理、人事、経営に関する豊富な情報を中小企業オーナーやスタートアップ経営者に提供しています。このメディアは、経営のデジタル化を推進するツールやサービスのレビュー、業務効率化のためのヒント、最新のビジネス法規制に関するガイドラインを特集しており、読者に実践的なアドバイスを提供しています。経営ハッカーは、コンテンツの質と関連性に重点を置き、読者が直面している実際の問題に対する解決策を提供することで、高い信頼性と利用者基盤の拡大を実現しています。この取り組みにより、freeeはブランド価値を高め、顧客との深い関係を築き上げ、ビジネスの成長を加速させています。

 

BOXIL magazine

https://boxil.jp/mag/

スマートキャンプ株式会社が運営する「BOXIL magazine」は、ビジネス向けのSaaS製品を比較・レビューすることで知られています。彼らの成功は、専門的な知見を活かした深い分析と、読者が直面する具体的な課題に対応するソリューションの提案に基づいています。SEO戦略にも力を入れており、検索エンジンでの可視性を高めることで、より多くの読者にリーチしています。この取り組みにより、BOXIL magazineは業界内での認知度を高め、信頼される情報源としての地位を確立しています。

 

Adobe Experience Cloud Blog

https://business.adobe.com/jp/blog/

アドビ株式会社の「Adobe Experience Cloud Blog」では、デジタルマーケティングの最前線に立つ企業として、マーケティングオートメーション、顧客体験管理、デジタルアセット管理など、幅広いトピックに関する深い洞察と革新的なアプローチを提供しています。このブログは、デジタルマーケティングの専門家や業界関係者に向けて、最新のトレンド、成功事例、実践的なノウハウを共有し、読者に価値ある情報を提供することで、業界内でのリーダーシップを確立しています。アドビのこの取り組みは、企業がデジタルトランスフォーメーションを推進し、顧客エンゲージメントを高める上で重要な役割を果たしています。

 

HubSpot日本語公式ブログ

https://blog.hubspot.jp/

 

HubSpot Japan株式会社が運営する「HubSpot 日本公式ブログ」では、マーケティング、セールス、カスタマーサービス、ウェブサイト管理に至るまで、ビジネス成長を促進するための総合的な戦略と実践的なアドバイスを提供しています。このブログは、業界の最新トレンド、成功事例、および実用的なツールを通じて、読者が自社のマーケティングとセールスの取り組みを最適化するのを助けています。HubSpotのコンテンツは、高いエンゲージメントとリード生成を実現するために、質の高い情報と具体的なアクションプランを提供しています。

 

その他、オウンドメディアの成功事例について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

 

事例研究:失敗したオウンドメディアの分析

事例から成功要因を学ぶことは重要ですが、よくある失敗ケースからその原因と教訓を探ることも成功への近道になり得ます。ここでは、これまで500社以上BtoB企業のマーケティング支援をしてきたイノーバが、出会ってきたオウンドメディアを運用している企業の失敗要因を紹介します。

失敗事例1: 戦略の欠如

オウンドメディアの戦略を設定しないと、目標が不明確になり成果の測定が困難になります。 例えば、問い合わせ獲得を目的としているのに、訪問者の興味を引くだけの一般的な情報提供型記事を制作してしまうと、目的を達成できません。

失敗事例2: ペルソナと実際の訪問者像の乖離

設定したペルソナ像と実際の訪問者が乖離すると、コンテンツがターゲットに響かなくなります。 これは、ターゲットに合わないキーワードや内容を選択してしまうことが原因と考えられます。例えば、BtoBの購買担当者を狙いながら、一般消費者や技術者向けの記事を作成してしまうと、目的のオーディエンスに届きません。キーワードや記事の内容を見直す必要があります。

失敗事例3: コンバージョンに繋がらない導線

コンテンツの質が低い、またはユーザーにとって魅力的でない場合、ユーザーの直帰率が上がり、コンバージョンの獲得につながりません。これは、多くのオウンドメディアが最終的な目標としている問い合わせや商談の獲得に影響を与える重要な問題です。コンテンツは、読者が興味を持ち、関連するアクションを起こすように設計されるべきであり、そのためには高い品質と関連性が必要です。さらに、ユーザーが回遊しやすいように関連記事へのリンクを設置したり、記事に関連するeBookやサービス資料への導線を確保することで、コンバージョンに繋がりやすくなります。このような工夫により、ユーザーのエンゲージメントを高め、ビジネス目標への道をスムーズにすることができます。

失敗事例4: コンテンツの質:重複含む

同じようなコンテンツを複数展開すると、ユーザーの関心を失い、オウンドメディアの魅力を低下させます。 SEO上でも、重複するコンテンツはランキングを下げる要因となり得ます。どのようなコンテンツを作成するかについては、慎重に管理する必要があります。

失敗事例5: 分析・改善の不足

コンテンツを作成したまま放置すると、その効果は時間とともに減少してしまいます。 定期的な分析をして、検索順位の変動やユーザーの行動を確認し、必要に応じてリライトやSEOの最適化を行うことで、コンテンツの鮮度を保ち、オウンドメディアの成果を持続させることができます。

まとめ

以上より、オウンドメディアはBtoBビジネスにおいて、ブランド価値向上、顧客との関係構築、リード獲得のための重要な戦略的ツールであることを解説してきました。

自社のオウンドメディア戦略を見直し、ターゲットペルソナに合わせた高品質なコンテンツを継続的に提供することで、BtoBビジネスの成長と成功に役立てていただければと思います。まずは、自社のペルソナを明確にし、そのペルソナに響くコンテンツを企画してみてはいかがでしょうか。

オウンドメディアの構築・運営については、コンテンツマーケティングのプロであるイノーバがお力添えできますので、お困りのことがあればぜひご相談ください。私たちが培ってきた知見とノウハウを活かし、貴社のオウンドメディア戦略を全面的にサポートいたします。

 

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オウンドメディアはカレー?

オウンドメディアは、カレーのようなものだと思います。

カレーを作るとき、たくさんの具材を用意し、時間をかけて煮込みます。そして、出来上がったカレーは、そのまま食べるのも美味しいですが、翌日の食事に活用することもできます。

例えば、カレーうどんにしたり、カレーパンに変身させたり。カレーの素材を活かしながら、別の料理に生まれ変わらせるのです。

オウンドメディアも同じだと考えています。

オウンドメディアで発信するコンテンツは、時間と手間をかけて作り上げた、味わい深いカレーのようなものです。そのコンテンツを、そのままオウンドメディアで提供するのも効果的ですが、メルマガやウェビナーという別の形式で提供することで、さらなる価値を生み出すことができます。

例えば、オウンドメディアの人気記事を、メルマガで特集として取り上げる。カレーを具材としてカレーうどんを作るようなものです。オウンドメディアの記事が、メルマガという新しい形式で読者に届けられ、より多くの人に読まれる機会を得られます。

また、オウンドメディアで扱ったテーマを、ウェビナーで深堀りするのも効果的です。これは、カレーをカレーパンに変身させるようなイメージです。オウンドメディアで提供した情報を、ウェビナーという形で、より詳細に、よりインタラクティブに伝えることができます。

そして、ウェビナー終了後は、そのウェビナーの内容を、オウンドメディアの記事にまとめる。カレーパンを食べた後に、そのレビューをオウンドメディアに書くようなものですね。ウェビナーとオウンドメディアが、相互に関連し合い、情報の価値を高め合うのです。

このように、オウンドメディアをカレーに見立てて、メルマガやウェビナーと連携させていく。それが、マーケターである私が実践している、オウンドメディア運営の戦略です。

カレーを作るように手間暇かけて作ったコンテンツを、様々な形に変化させて提供する。そうすることで、コンテンツの価値を最大限に引き出し、読者やユーザーに届けることができるのです。

オウンドメディア運営に悩んでいる方は、ぜひこの「カレー戦略」を参考にしてみてください。美味しいカレーを作るように、魅力的なコンテンツを作り、それを様々な形で提供する。それが、オウンドメディア成功への近道となるはずです。

 

オウンドメディアの全体像を知りたい方は、こちらをお読みください。

オウンドメディアの事例や活用法を知りたい方は、こちらをお読みください。

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株式会社イノーバの「イノーバマーケティングチーム」は、多様なバックグラウンドを持つメンバーにより編成されています。マーケティングの最前線で蓄積された知識と経験を生かし、読者に価値ある洞察と具体的な戦略を提供します。