マーケティングオートメーションとは何か?機能と導入のメリット

マーケティングオートメーション

1 マーケティングオートメーションとは?

従来、法人向けビジネス(BtoBビジネス)は、新規顧客の開拓にしろ、既存顧客への販売にしろ、営業組織中心で推進されることが大半でした。しかし、近年、BtoB分野においても、デジタルマーケティングの手法を取り入れることで、商談発掘のプロセスをシステム化し、コスト削減と売上アップの両方を狙うケースが増えています。

この商談発掘プロセスのシステム化において、中核的な役割を担うのが「マーケティングオートメーション」です。「マーケティングオートメーションシステム」と呼んだり、英語の「Marketing Automation」を略して「MA(エム・エー)」と呼ぶこともあります。このセクションでは、まずマーケティングオートメーションとは何か、いったい何ができるシステムなのか、確認しておきましょう。

目次
  1. マーケティングオートメーションとは?
    1. マーケティングオートメーションの定義とは?
    2. BtoCとBtoBの違いとは?
  2. なぜマーケティングオートメーションが必要なのか?
    1. 顧客の変化に対応した営業手法の変革(アウトバウンドからインバウンドへのシフト)
    2. 見込み客データベースの管理強化
    3. マーケティング機能の強化
    4. マーケティング業務のクラウド化
    5. One to Oneマーケティングの実現
    6. マーケティングオートメーション導入でどれくらいの効果が見込めるのか?
  3. マーケティングオートメーションの活用方法とは?
  4. マーケティングオートメーションに求められる機能とは?
  5. マーケティングオートメーションの運用方法
  6. マーケティングオートメーションの導入を失敗させないために
    1. マーケティングオートメーション導入に備えるために――マーケティングオートメーション導入・運用を成功させるために知っておくべき5つのポイント
    2. 導入後に後悔しないマーケティングオートメーションツール選び
  7. マーケティングオートメーション・ソフトの選び方
    1. 代表的なベンダーとその特徴の比較
    2. 結局、どうやって選ぶのがオススメなのか?
  8. マーケティングオートメーション事例
  9. マーケティングオートメーションをさらに学ぶために
  10. FAQ「ウチの会社にマーケティングオートメーションは必要なのか?」
  11. まとめ

1-1 マーケティングオートメーションの定義とは?

米国の調査会社によると、マーケティングオートメーションは、以下のように定義されています。

「マーケティングオートメーションは、メール、ウェブサイトの訪問者分析、リードスコアリング(注1)、リードナーチャリングキャンペーン(注2)、キャンペーン管理、レポート作成などの機能を、1つのソフトウェアに統合することで、マーケティングの業務を効率化し、営業とデータ共有を行うものである」(Raab Associates社)

(注1)リードスコアリング:リード(個人情報を取得済みの見込み客)の中から、ウェブサイト閲覧やメール開封などの行動を元に、提案や商談に進む可能性が高いリードを抽出する機能

(注2)リードナーチャリング:見込み客に対して、興味を高めたり、自社の優位性をアピールするコンテンツを送ることで、商談の見込み度合いを高める活動

専門用語が多いので分かりにくい部分があるかもしれませんが、要するに、マーケティング部門における「見込み商談作り」を効率化しつつ、営業部門に「有効商談」をどんどん渡すためのシステムだと考えればよいでしょう。それぞれの機能の詳細については、後ほど説明するので、ここでは「営業部門のために商談を増やす」ためのシステムだと理解しておいてください。

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出典:http://oursocialtimes.com/how-does-marketing-automation-work-for-small-businesses/
作図:イノーバ

1-2 BtoCとBtoBの違いとは?

マーケティングオートメーション・ソフトウェアには、BtoC(消費者向けビジネス)に強いものとBtoBに強いものがあることに注意してください。BtoCの場合は扱うリード数(メールアドレス数)がBtoBより大幅に大きくなるほか、オムニチャネル対応(ECサイト、店舗、ロイヤリティプログラム)などの機能が重要になります。本記事では、主にBtoBのマーケティングオートメーションを念頭に説明を進めていきます。

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2 なぜマーケティングオートメーションが必要なのか?

では、なぜ、今、マーケティングオートメーションが注目されているのでしょうか?その背景を説明しましょう。

2-1 顧客の変化に対応した営業手法の変革(アウトバウンドからインバウンドへのシフト)

第1の理由として挙げられるのは、従来型の商談開拓手法が限界に近づいていることです。インターネットの普及により、顧客は情報収集が簡単に行えるようになりました。わざわざベンダーを呼んで情報収集をする必要性が無くなってきています。以下のように、ベンダーにコンタクトするよりも前に、購買者の約6割は検討段階を終えているという調査結果が出ています。

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また、別の側面として、顧客企業における検討プロセスがトップダウン中心からボトムアップ型へシフトしているという点も見逃せません。トップダウンアプローチが有効だった時代には、キーマンのところに通って関係性を構築するのが、大変有効な手法でした。しかし、現在は商材も複雑化しており、トップダウンだけでは導入ができません。顧客企業は、担当者に検討させるボトムアップ型で導入を進めるのが一般的になってきています。顧客企業の推進リーダーは30代~40代がメインであり、業務が忙しいため、昔のように“御用聞き営業”を受けるのは好みません。むしろ、メールやウェブなどの効率的な方法で、必要な情報を提供してほしいと思っています。

比較的単価の安いBtoBの商材サービスにおいては、リストを買ってきて、上から順番に電話をかける、いわゆる、「テレアポ」を行っていました。しかし現在は、テレアポで商談につながる率もどんどん低くなってきていますし、若年層の営業担当者は効率の悪いテレアポを嫌がることもあり、多くの営業組織で、テレアポ頼みの商談開拓を変えたいというのが強いニーズとして現れています。

実際、以下の調査結果からも分かる通り、顧客は新規取引先の選定で、「役に立つ情報を提供してくれたかどうか」を重視しており、ただ営業を受けただけの会社というのは、あまり評価していないのが実態です。

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上記のような理由で、マーケティング機能を強化し、脱アウトバウンドを目指す会社が増えてきています。

 

2-2 見込み客データベースの管理強化

第2の理由は、見込み客データベースの管理の強化です。

これまで、BtoB企業では、商談情報を管理してはいたものの、見込み客のリストを整備し、それを管理・分析することまではできていませんでした。名刺情報は、営業担当者の机の引き出しに眠ったままになっており、それを組織として共有し、商談掘り起こしに活用することが未着手でした。

最近の注目企業がクラウド名刺管理のSansanです。テレビCMを盛んに流して、「早く言ってよ〜」と、名刺情報の重要性をアピールしています。その効果もあって、大手企業から中小企業まで名刺管理システムの導入が進んでいます。これは裏返せば、多くの企業ではいままで名刺を管理してなかったので、機会ロスが発生していたと言えるでしょう。

マーケティングオートメーションの得意技として、この見込み客データベースの管理というのが挙げられます。名刺管理ソフトは、名刺情報をデータベース化して、いつでも探せる、参照できるというのが特徴ですが、マーケティングオートメーションは、顧客情報の収集(業種、役職、ニーズの有無)などを収集できます。また、顧客別のウェブ行動などを分析し、リストの優先順位付けも可能です。

名刺管理のプロセスを一段先に進めて、「今すぐ客」を見つけ、それを営業部に渡すことが実現できるのです。

 

2-3 マーケティング機能の強化

従来、日本企業のマーケティング部門は、極めて限定的な役割しか持っていませんでした。ホームページを更新・改修する、展示会に出展する、製品やサービスのパンフレットを作るなどです。中堅・中小企業では、そもそもマーケティング部門が存在せず、別の部門の担当者が兼務しているという話もよく聞きます。

しかも、それぞれの業務が分断されており、効果がきちんと出ていないというケースも少なくありませんでした。「ホームページを更新・改修しても問い合わせがこない」「展示会に出展しても商談につながらない」「それらの原因分析をしようにも、予算も人材も無いので、手が打てない」。こうした声が聞こえてきます。そうして仕方なく、現状維持を続けてきました。

しかし、マーケティングオートメーションは、こうした状況を一変させることができます。ホームページからの問い合わせの増加や、展示会で獲得した名刺リストからの商談創出を、過大な人手をかけることなく実現できるのです。

例えば、今まではメルマガを書くのが大変なので、ほとんどほったらかしにしていた見込み客リストに対して、自動メルマガを配信できます。これをやるだけで、メルマガの開封率は大きく上がるし、商談化の率も高まります。また、苦労していた展示会の集客施策も、簡単に実行できるようになります。 

【コラム】展示会の費用対効果が悪くなる理由

最近聞くのは、展示会に出展しても全く商談につながらないという不満の声です。これはある意味当たり前で、根本的な理由があります。つまり、展示会に来る人のほとんどが、情報収集段階の「そのうち客」であり、いますぐ商品を購入したい「今すぐ客」ではないのです。ですから本来は、きちんとフォローアップして、ニーズを引き出して、商談化させる必要があります。

しかし、これまでは、展示会で獲得した名刺データをExcelにまとめ、営業部門に丸ごと渡して、「後はよろしく!」というケースが多かったのではないでしょうか。営業担当者は、毎月の売上数字を追っているため、「今すぐ客」を追いかけるので精一杯です。半年後、1年後に案件化するかもしれないという「そのうち客」は、追いかけられません。せっかく大きな手間と高いお金をかけて出展し、集めた名刺データは、こうして誰にもフォローされることなく放置され、どんどん腐っていってしまうわけです。

先日、筆者が訪問したあるお客さまは、展示会で獲得したリストを1年ごとに「捨てている(‼)」と話をしていました。なぜなら、古いリストは効果が無いと思い込んでいたからです。しかし、実際は、展示会リストは、1年後に商談化するものが多数含まれています。まさに“宝の山”を捨てているようなものです。

リストは育てるもの。商談は掘り起こすもの。そういう意識を徹底することが、マーケティング成功の肝だと言えるでしょう。

2-4 マーケティング業務のクラウド化

上記のような顧客課題に対応するため、次々とマーケティング関連の技術が生み出されつつあります。特に、ベンチャー先進国のアメリカでは、マーケティング分野のベンチャーが多数生まれ、それを既存の大手ソフトウェア会社が買収するという流れが確立され始めています。

以下の資料に示してある通り、米国におけるマーケティング分野の企業は次々と増加しており、2016年の段階で3500社にのぼっています。これは、クラウド技術が一般化したこと、ウェブの技術が進化し、顧客データの集積や分析が簡単になってきていることが影響しています。実際、米国企業では、マーケティング技術統括役員(CMT:Chief Marketing Technologist、チーフ・マーケティング・テクノロジスト)を置くべきだという主張が出ているほどです。

マーケティングオートメーションは、本記事の冒頭に示した定義にある通り、マーケティング業務に必要な機能をパッケージ化したオールインワンソフトウェアです。PCを買う時には、マイクロソフト社の「MS Office」を買っていたのと同じように、マーケティング業務を強化する際には、マーケティングオートメーション・ソフトを入れるというのが標準になりつつあります。

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出典:http://chiefmartec.com/2016/03/marketing-technology-landscape-supergraphic-2016/

 

2-5 One to Oneマーケティングの実現

最後に挙げられる理由は、ワン・ツー・ワン(One to One)マーケティングの実現です。One to Oneマーケティングは、その考え方自体は提唱されて久しいものです。セールスフォース・オートメーション(SFA)や顧客関係管理(CRM)ソフトウェアが流行したことがありますが、それらもOne to Oneマーケティングを実現するための取り組みでした。マーケティングオートメーションを導入し、1人ひとりの見込み客に対して、ニーズを把握し、個々人に合わせた課題解決策を提供する事ができるようになったのです。

米国で業績を上げている会社は既にマーケティングオートメーションを使いこなし、1人ひとりに合わせたアプローチを実現しています。日本企業も同じレベルのマーケティングが求められる時代が来ているのです。

2-6 マーケティングオートメーション導入でどれくらいの効果が見込めるのか? 

では次に、マーケティングオートメーションの導入効果について見ていきましょう。

マーケティングオートメーションの効果は色々ありますが、筆者は、その中でも一番大きいのは、質の高い「商談」を作り出し、それを営業部門に渡せること、いわゆる「商談創出」だとと考えています。

ここでいくつか、参考になりそうな統計情報を紹介しましょう。

  • マーケティングオートメーションを活用し、最も成果を出している企業は、商談数が約4.5倍に増加している。(商談創出効果) 出典:The Annuitas Group
  • リードナーチャリングを行ったリードは、通常のリードに対して、購入金額が47%高くなる。(単価アップ効果。商談の質が良くなる。) 出典:The Annuitas Group
  • リードナーチャリングが得意な企業は、商談数を1.5倍に増やしつつ、マーケティングコストも33%削減している。(商談創出効果、マーケティング業務の効率化) 出典:Forrester Research

 

また、興味深いことに、営業部門の業務効率化にも貢献するという点にも注目しましょう。これは、従来よりも質の高いリード(見込み商談)を創出できるからです。

  • マーケティングオートメーションを導入することで、営業の生産性を14.5%向上させ、マーケティングの人件費を12.2%削減できる。出典:Nucleus Research

いかがでしょうか? まとめると、マーケティングオートメーション導入により、商談創出、商談の単価アップ、マーケティングや営業部門のコスト削減を進めることができるのです。売上アップとコスト削減を同時に達成できるのが、マーケティングオートメーションの最大の魅力だと言えるでしょう。

以下は、米国で行われた調査で、マーケティングオートメーション導入によりどのような効果が得られたかを尋ねた結果です。商談創出や、キャンペーン(注3)の効果アップ、見込み客をセグメント分けできる点が挙げられています。

(注3)マーケティングオートメーションでは、「キャンペーン」という言葉がよく出てきます。これは、メールでホワイトペーパーを送ったり、セミナーに誘導したりなど、商談を作るために行う活動を指します。

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出典:DemandGen
作図:イノーバ 

3 マーケティングオートメーションの活用方法とは?

ここからはマーケティングオートメーションで具体的に何ができるのか、見ていきましょう。

マーケティングオートメーションの自動化の対象になるのは、大きく以下の4つの業務です。

(1)     見込み客の創出(リードジェネレーション)

(2)     見込み客の育成(リードナーチャリング)

(3)     見込み客の分類(リードスコアリング、または、リードクオリフィケーション)

(4)     見込み客のリスト管理(リード管理)

マーケティングオートメーションのソフトウェアを提供している企業は、カタカナ言葉を多用する傾向があるので、念のためにカッコ書きで併記しましたが、単なる用語なので、無理して覚える必要はありません。

では、1つずつ詳しく説明していきます。

(1)見込み客の創出(リードジェネレーション)

見込み客の創出は、商談創出の最初の段階です。従来は、リスト収集、リスト獲得などと呼ばれていた業務です。具体的には以下の3つの施策が中心になります。

  1. 展示会への出展やセミナーの開催
  2. 営業担当者の名刺交換
  3. ウェブサイトからの問い合わせや資料請求(オウンドメディア機能) 

マーケティングオートメーションによって、上記の業務の効率化が可能です。

ここで1つ注意していただきたいのですが、海外製のマーケティングオートメーションソフトの多くはオウンドメディア機能には対応しておらず、ウェブサイトからの問い合せや資料請求の件数を増やすことができません。これは、そうした海外企業の製品がメール配信機能を中心としたものであり、ウェブサイト管理のためのコンテンツ管理システム(CMS)機能を備えていないからです。(検索エンジン最適化(SEO)機能やランディングページ制作機能が実装されているとうたっている製品もありますが、現在の検索エンジンの潮流には対応しておらず、不十分というのが実情です。)

展示会や営業活動などで十分な見込み客情報を獲得できる場合は問題になりませんが、多くの会社は、予算が潤沢ではなく、高額な展示会に頻繁に出展するわけにはいきません。必然的に、ウェブサイトからの問い合せ獲得が施策の中心になります。自社の手持ちリードがどれくらいあるのか? また、今後、外部のリード獲得施策にどれくらいの予算を投じられるのかを検討し、ウェブサイトからの流入を強化すべきかどうか検討しておく必要があるでしょう。

なお、イノーバのマーケティングオートメーション・ソフト「Cloud CMO(クラウド・シーエムオー)」は、自社のマーケティング活動を行うなかで生まれたソフトであり、オウンドメディア機能を実装しています。

(2)見込み客の育成(リードナーチャリング)

見込み客の育成とは、顧客の対象に合わせて、適切なコンテンツをメールやブログなどで配信し、リードの見込み度合いを上げていく活動です。

ここにおいては、商談発掘のためにどのようなコンテンツを配信するのか、というコンテンツマーケティングの知識が欠かせません。詳細はこちらの記事(コンテンツマーケティングとは)を読んでいただくとして、コンテンツマーケティングの概要を説明すると、まず顧客のターゲットを分解し、業種、ニーズ、決裁権などの基準で、ペルソナを設計し、そのペルソナに合わせて、ニーズを引き出したり、自社の優位性をアピールするようなコンテンツを考え配信していく活動です。

海外製のマーケティングオートメーションの多くは、実は、ここのリードナーチャリング機能を中心に構築されており、とても複雑な配信シナリオを構築できるようになっています。しかし、多くの日本企業にとって、その機能をフルに使って複雑な配信シナリオを構築するのは、現実的ではありません。

したがって、マーケティングオートメーション・ソフトの検討に当たっては、自社のマーケティングスキルがどの程度あるのかというのを検討した上で、導入する製品を決めるのをおすすめします。最近は、ベンダーに言われるままに高価な海外製のソフトを導入したものの、配信シナリオが全く組めておらず、単なる“一斉配信メールソフト”と化しているという話をよく耳にします。毎月30万円もの利用料金を支払って、一斉配信メールを送るだけでは、笑うに笑えない結果になるでしょう。 

(3)見込み客の分類(リードクオリフィケーション)

見込み客の分類とは、リードの属性や興味の度合いに応じて、リードを分類し、確度の高いものだけを営業部門に渡すという活動です。リードの企業規模や業界は、自社のターゲット層にマッチしているか? 決裁権は持っているか? ニーズは十分に高まっているのか? などを判定します。

この見込み客の分類を行うには、大きく2つの機能があります。それは、閲覧履歴などに応じてリストを分割してメールを配信する「セグメンテーション」と、閲覧履歴に合わせて、見込み度合いの点数を付ける「リードスコアリング」です。

(4)見込み客の管理(リード管理)

見込み客の管理とは、リードの情報を管理して、正確で使いやすいデータベースにすることです。展示会で集めた名刺をデータ化して取り込んだり、名刺に記載されていない企業規模、業種、ニーズ、決裁権なのどの情報を取得します。また、Salesforce.comなどの営業管理のシステムと連携をして、営業部門に情報を渡すなどのプロセスも含まれます。

4 マーケティングオートメーションに求められる機能とは?

このようなマーケティングのプロセスを踏まえて整理すると、マーケティングオートメーションに求められる機能には、プロセスごとに以下のようなものがあります。

(1)見込み客獲得系の機能

  • オウンドメディア構築(集客目的の専用メディアを構築する機能)
  • SEO分析機能(検索エンジン経由で新規の問い合せを集めるための機能)
  • ランディングページ機能(ランディングページの制作や登録フォームの設定を行う機能)
  • SNS対応(SNSを管理運用する機能。SEO上の効果があるため必要)

(2)見込み客育成系の機能

  • メール配信(テキストメールやHTMLメールの制作や配信を行う機能)
  • キャンペーン管理(配信シナリオを組んで、メール配信を自動で行う機能)

(3)見込み客分類系の機能

  • リードスコアリング(見込み客の属性やオンラインでの行動を踏まえて、その有望度に点数をつけて、案件化のために絞り込む機能) 

(4)見込み客管理系の機能

  • 見込みリスト管理機能(見込み客の情報をデータベース上に保管・管理する機能)
  • ウェブサイト行動解析(オンラインでの個人の行動を解析する機能)
  • CRM/SFA連携(マーケティング活動と営業活動を連携させる機能)
  • 分析レポート機能(ウェブサイトへの流入、メール配信、問い合せ資料請求など、一連の業務成果を測定・レポートする機能)

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5 マーケティングオートメーションの運用方法

以下に、マーケティングオートメーションの運用の一般的な運用の流れを紹介します。

ステップ1:マーケティング戦略立案

自社の製品・サービスの強みやターゲット顧客のニーズを踏まえ、「どのような顧客を対象に」「どのような情報を」「どのような施策を通じて」「受注にどうつなげるのか」という戦略を考案します。

ステップ2:業務フロー設計

次に、マーケティングオートメーションの運用ルールを決めます。シンプルな運用の際には、特に、SFA(商談管理システム)との連携は行わず、見込み度の高い顧客の情報をメールやcsvの形で、営業部に連携します。最初は、システム連携を行わず、ライトに運用を開始するのも賢い選択肢です。

Salesforceなどのシステムが既に導入済みで営業担当者の人数も多い場合、あるいは、「インサイドセールス」と呼ばれる内勤の電話営業チームがいる場合は、何かしらのシステム連携ができた方がいいでしょう。多くのマーケティングオートメーションは、SFAとのAPI連携機能を提供していますので、それを利用することになります。(イノーバのCloud CMOもSalesforceとAPI連携が可能です)

ステップ3:コンテンツマーケティング企画

次にコンテンツマーケティングの「シナリオ」を企画します。ウェブサイトで見込み客情報を獲得するために、オウンドメディアやブログを通じた集客施策、リード情報を獲得するための登録フォームの設計、見込み客を育成するためのコンテンツ配信シナリオの設計などを行います。

以下は、イノーバが行っているコンテンツマーケティングの実例です。参考にしてください。

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ステップ4:コンテンツ制作

先のステップ3で設計したブログ記事、ダウンロード用のコンテンツ、メール配信用のコンテンツを制作します。コンテンツ制作は、手間とお金のかかる業務なので、自社にとって最も重要な顧客セグメントは誰なのか?を明確化し、そのターゲット層に、興味を持ってもらい(ニーズ引き出しコンテンツ)、自社の優位性をアピールし(競合優位性確立コンテンツ)、投資に値する商品・サービスであることを理解してもらう(ROI実証コンテンツ)ことを狙っていきます。

ステップ5:配信シナリオの設定

企画したシナリオをマーケティングオートメーション・ソフトで実行するために、配信シナリオを設定します。高機能なマーケティングオートメーション製品は、一般的に設定も複雑になっているため、設定が簡単にできるかどうかも選定時の大きなチェックポイントです。

ステップ6:実行後の分析とPDCAサイクルの運営

実行後は、レポーティング機能を活用して、効果を分析します。結果を踏まえて、シナリオを改良し、新たなシナリオへと生かします。

6 マーケティングオートメーションの導入を失敗させないために

上記の通り、大変便利なマーケティングオートメーションですが、きちんと準備をして導入を進めないと、失敗することになります。これは、マーケティングオートメーションに限らず、あらゆるIT製品に当てはまることだと言えます。

6-1 マーケティングオートメーション導入に備えるために――マーケティングオートメーション導入・運用を成功させるために知っておくべき5つのポイント

それでは、日本企業がマーケティングオートメーションツールを効果的に運用するために、どのようなことが必要なのかを見ていきましょう。

1. ウェブマーケティングのノウハウを持つ人材確保

マーケティングオートメーションは、マーケティング業務全般をソフトウェアを使って実行していくので、マーケティングの知識や経験の浅いスタッフの場合は、使いこなせないというリスクがあります。「検索エンジン対策やSNS対策」、「メールマーケティング」、ユーザーにアクションを促す「CTA(Call to Action:行動喚起)」の設計、効果測定などのノウハウが求められます。イノーバは、Cloud CMOを導入した顧客向けに4時間のマーケティング研修を提供しており、その後も定期セミナーを通じて、顧客をサポートしています。

2. 十分なリソースを確保する

マーケティングオートメーションの運用には十分なリソース、特に人材が必要であると言われています。米国のマーケティングオートメーション・ツールのベンダーMarketo社(マルケト)が推奨する、効果的に運用するための必要人員は、およそ6~7人(!)。そうです、6~7人です。

内訳は、マーケティングオートメーション運営責任者の他に、メールマーケティング、ランディングページ作成、効果測定、CRM(顧客管理)が各1人、マーケティング・コミュニケーション(マーコム)が2人という構成になっています。このうち、専任となるのは3人で、コンテンツやランディングページの作成に関しては、他部署からサポートを受ける形でもいいようです。(参考:How to Structure Your Marketing Automation Team for Success

しかし、多くの企業にとって、6~7人のチームを組織するのは現実的ではありません。特に、これからマーケティング機能を強化する組織にとっては、いきなりその規模の体制は作れないでしょう。少人数でも運用できるソフトかどうかというチェックポイントが重要になります。

3. リードスコアリングは万能ではない

マーケティングオートメーションツールの目玉機能として、ベンダーが宣伝する「リードスコアリング」。筆者も、前職時代に、「Predictive Revenue」という書籍で、リードスコアリングの存在を知ったときは、これは革命的な機能だと小躍りしたのを覚えています。

あれから8年。実は、イノーバではリードスコアリングはほとんど使っていません。また、米国のHubspot社も、社内ではリードスコアリングを使っていないことを明らかにしています。以下の講演記事で、詳しく説明してありますが、スコアが低いリードでも商談になることはあるし、スコアが高いリードでも商談にならない場合があるのです。

参考)リードスコアリングは意味がない?マーケティングオートメーションで失敗しがちなポイント

イノーバでは、リードスコアリングを使うよりは、直近でアクションを起こしているユーザーに対して、インサイドセールスが電話を掛けるというアプローチを取っています。「資料ダウンロードありがとうございます」、「セミナー申し込みありがとうございます」というごあいさつのコールを入れるのです。

このようにインサイドセールスでの接触を行う方が、単純なリードスコアリングよりもよほど効果的です。以下に参考資料を掲載します。実際、筆者が在籍していた楽天では、“5分ルール”というものを作って、資料請求したクライアントに電話で接触を図っていました。

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ソース:ShellBlack.com, LLC.
作図:イノーバ 

4. 十分な顧客リストが必要

米国では、企業がハウスリストを購入してビジネスに利用することが許可されています。ハウスリストとは、リードジェネレーションやナーチャリング、スコアリングにより収集した顧客情報のこと。日本では、こうした顧客情報の売買は個人情報保護法によって規制されているため、代わりに、展示会やテレアポなどでリストを獲得しないといけません。大手企業で既に数十万件のリストを持っているという企業であればいざしらず、多くの企業は数千件、数万件のリストしか持っていないというのが実情です。

展示会に頼らず、安価にリストを集めるには、ウェブサイトを活用したオンラインでのリード獲得を行う必要があります。しかし、メールマーケティングのオートメーションとして生まれた海外企業製のマーケティングオートメーション・ツールは、日米の法律や商習慣の違いから、顧客情報獲得のための機能を持たないのです。

5. メール配信のノウハウが必要

米国では、国土が広いことから、もともとダイレクトメールと呼ばれるはがきや封書を使って、商談掘り起こしを行うのが一般的でした。それが、リーマンショックがあった際に、コスト削減と効率アップを狙って、マーケティングオートメーションが普及し、メール中心のアプローチに変わってきました。

一方、日本では、メルマガを書くのが大変で運用できていない企業がほとんどです。商談が不足したときにセミナーに集客をかけたり、新商品が出た時に告知のメールを送るなどしかしてない。そんな企業が大多数なのです。

これは顧客から見れば、常に売り込みのメールしか届かない状態ですから、一般的に反応率が低いリストになってしまっています。(これを“コールドリスト”と呼びます。言い得て妙ですね。)

ここに、顧客が価値を感じるお役立ち情報を送って、信頼感を確立したり、ニーズを引き出すためのコンテンツを送って問い合せを増やしたり、競合他社との明確な差別化を訴求して受注率を上げるなどの活動が必要になるのです。

日本企業がマーケティングオートメーションツールを活用するには、自社のメールマーケティングの強化も視野に入れておくべきでしょう。

6-2 導入後に後悔しないマーケティングオートメーションツール選び

マーケティングオートメーション・ツールの導入を検討しているならば、まずは、米国で開発されたマーケティングオートメーション・ツールは「企業内でのマーケティング組織体制が確立され、経験や知識が豊富なマーケティング担当者が多い米国企業向け」に作られているということを念頭に置く必要があります。

そのうえで、自社が準備できる運用体制を考慮し、導入後に現実的に運用できるツールを選ぶのが大切です。特に、自社のマーケティングの体制がまだまだ十分ではない、自社サイトへの流入がそもそも少ないという企業が、マーケティングオートメーション導入後に現実的に運用するためには、以下のポイントを確認しましょう。

  • 顧客情報リストを持っていない、またはサイトへの流入が少ない場合は、顧客情報を得るための「集客機能」があること
  • Webマーケティングのノウハウやデジタルスキルを持つ人が社内に少ない場合は、「サポート体制」の有無を確認すること
  • 十分な数のスタッフを確保するのが難しい場合は、現実的に運用可能な「シンプルな機能」、もしくは、自社の課題によって必要十分な機能が選べる「選択性」があること

以上のような点に注意して、自社の課題や目的に適したツールを導入・運用することができたら、マーケティングの自動化は、よりあなたの近いところまで訪れるはずです。

7 マーケティングオートメーション・ソフトの選び方

では、マーケティングオートメーションが何かを理解し、導入のメリットや注意点が理解できたところで、具体的なベンダー選定に関して、説明しましょう。

7-1 代表的なベンダーとその特徴の比較

  • オラクル・クロスチャネル・マーケティング・プラットフォーム(Oracle Cross-channel Marketing Platform)

オラクル社のクラウド・マーケティングの主力製品(旧エロクア、Eloqua)で、イベントやセミナー、広告などで収集したリードから、有望度の高い見込み客を選び出し、営業担当者へ情報を渡すまでのプロセスを自動化するシステム。キャンぺ―ンマネジメントシステムからの進化形であるため、様々なキャンペーンの設定ができるのが特徴。日本での価格は非開示ですが、英語での資料によれば標準版で40万円程度からとなっています。

  • マルケト(Marketo)

2007年創業のマルケト社が設計・開発した製品で、リードナーチャリングとスコアリングが重視されています。リードに合った情報を適切なタイミングで発信でき、機能も充実。月額はスタンダードで215,400円となっており、機能追加には、モジュールを別途契約する必要があり。リード育成機能が強いのが特徴。

  • パードット(Pardot)

Saleseforce.com社が、Pardot社を買収し、自社のラインナップに加えた製品。機能的には、Marketoと同等と考えてよいでしょう。Saleseforce.com社が提供しているため同社のSales Cloudとの連携がしやすいイメージですが、他社ツールも連携可能なため、そこにこだわる必要はありません。リード育成機能が強いのが特徴。月額はPro版で24万円。

  • クラウド・シーエムオー(Cloud CMO)

イノーバが総額1.5億円をかけて開発したマーケティングオートメーション・ソフト。自社のマーケティングを行う中で、必要な機能を開発し、自社利用していたものを顧客向けに提供しています。リード育成やレポーティングなど一般のマーケティングオートメーションが実装している機能はもちろんのこと、オウンドメディア構築やSEO機能など、新規集客に強いのが特徴。

前述の通り、メールリストを一般に購入できない日本企業の利用を想定し、外資ツールに無い集客系の機能を充実させているのが特徴である。また、イノーバでは、自社で実践したマーケティングノウハウを元に、ソフトウェアの購入者に対して、マーケティング講座を実施しています。このため、社内にマーケティング担当者がいない、あるいは、マーケティング担当者はいるものの、知識や経験が不足している企業でも安心して導入いただけます。

一般に、外資系のソフトウェアの場合、機能が複雑なこともあり、導入時に別途コンサルティング会社と契約するケースが少なくありません。その場合は、ソフトウェア利用料の20~30万円とは別に、30~50万円のコンサルティング料金が毎月発生します。また、コンテンツ制作も必要となるため、さらに、毎月30~50万円がかかります。

それに対しCloud CMOの場合は、ソフトウェアのみで毎月8万円、そこにコンテンツ制作をバンドルしてもプラス毎月10万~30万円程度におさまるリーズナブルな料金設定となっているのが特徴です。

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マーケティングオートメーションの比較

以下にイノーバが作成したマーケティングオートメーションの比較表を掲載するので、参考にしてください。

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また、中立性を担保するという意味で、Software Adviceが公開しているマーケティングオートメーションの比較表も参考いただければと思います。

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ソース:Software Advice
作図:イノーバ 

7-2 結局、どうやって選ぶのがオススメなのか?

筆者が、前職時代にマーケティングオートメーションを検討した際に、まさに悩んだのが「情報がありすぎて、どう選んでいいのか分からない」ということでした。特に、マーケティングオートメーションは、カタカナの機能が多いことと、マーケティング業務にひもづいているため、具体的な利用シーンがイメージできてないと必要機能が判断できないという問題がありました。

「要するに、何を選ぶのか?」という問いに答えるために、役に立ちそうな資料を見つけたので、皆さまも参考にしてください。

以下の資料によれば、ざっくりと以下のように分かれていることが読み取れます。

  • Fortune 500企業(いわゆるグローバルの大企業)は、エロクア(Eloqua)
  • 大企業ではないが、グローバルに展開している場合には、マルケト(Marketo)
  • インバウンドでの新規リード獲得ならHubSpot(日本ならCloud CMOが一押しです!)

これは、筆者が研究した米国での利用動向にも合致しているので、信ぴょう性は高いと思われます。

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出展:Intelechy Group

8 マーケティングオートメーション事例

さて、ツールの選び方もイメージできたところで、マーケティングオートメーションの導入事例を紹介しましょう。特に、今回は失敗を避けてもらう意味で、「苦労した、失敗した」という事例を中心に紹介します。

事例1:ツールの設定が想像以上に難しく、面倒だった

リードスコアリング機能、ナーチャリング機能、CMS機能、SEO対策機能など、ハイスペックが売りのマーケティングオートメーション・ツール。しかし、各機能を活用するための的確な設計には、手間と時間がかかります。実際にあるツールを導入した企業では、「設定が面倒過ぎて、やる人がいない」という声も。

なお、海外のベンダーは、ツールの機能をアップデートして製品の価値を高めることをミッションにしているため、日本でのサポート体制がまだ十分ではありません。販売代理店が知識不足であることも多いので、外資系マーケティングオートメーション・ツールの導入時には注意が必要です。

事例2: 結局、一斉メールにしか使っていない

ツールの各機能の設定が面倒だった結果、結局は、一斉メールにしか使っていないという事態も数多く起きています。これでは、せっかく高いコストをかけても全く使っていないも同然です。マーケティングオートメーションでは、見込み客の購買検討段階やニーズに応じて、適切なコンテンツを、適切なタイミングで提供する必要があります。コンテンツが不十分な状態でツールだけ導入してしまうと、サイトへの流入も少なく、メールを一斉送信するだけになってしまうのです。

事例3:サイトに流入がなく、スコアリングに使えるデータがたまらなかった

サイトの訪問者や閲覧者が少ない場合は、スコアリングの対象となる顧客が少なくなります。ツール導入後、スコアがたまらないまま半年間経ってしまったというケースも。待てど暮らせど、スコアリングでリードにコンバージョンしたお客さんが現れない。ようやく「そもそも商品ページを見てくれる人が少なかった」ことに気付きました。この例では、まずサイトへのアクセスを増やす戦略を練らなければなりません。

事例4:コンテンツを作る手間が予想以上にかかった

マーケティングオートメーションにおいて、ツールの機能と同じくらい重要なのは、顧客のニーズに応じたコンテンツです。自社を知ってもらうためのコンテンツから、興味を持ってもらうためのコンテンツ、競合他社にない優位性を示すコンテンツまで、多岐にわたります。

米国で行われた調査でも、対象企業の70%が、マーケティングオートメーション・ツール運用のハードルとして「十分な量のコンテンツを適正なコストで準備すること」を挙げています(参照:リードスコアリングは意味がない?マーケティングオートメーションで失敗しがちなポイント)。優良なコンテンツをコンスタントに発信していくことにも、十分なリソースが必要なのです。社内でカバーできないときは、外部のスタッフを使うなど体制を見直す必要があります。

事例5:他部署との連携ができず、的確な設計ができなかった

日本企業では、マーケティング専門の部署や担当者が存在しないこともありますが、マーケティングやシステムの部署でマーケティングオートメーションを担当する場合には、自社商品やサービスが「誰に」「どのように」買われるかに詳しい営業部との連携を強化することが重要です。連携が弱いと、コンテンツの的が外れていたり、見込み客の評価軸を見誤ったりしてしまうかもしれません。営業担当者とよく相談して、リードジェネレーションやナーチャリング、スコアリングのための設計をすると、より作業の精度が高まり、効果的にツールを運用していくことができます。

事例6:一部の機能に依存しているため「やめるわけにはいかない」

現在、導入しているツールの機能を十分に使いこなしていなくても、メールの一斉送信など一部の機能に作業を依存しているため、「使うのをやめられなくなってしまった」という声もよく聞きます。また、他のツールへ乗り換えるのも面倒だからと、そのまま使い続けてしまう企業も。ROIが高くないまま、同じツールを使い続けるのは、企業にとって決して前向きなことではありません。自社や部署の課題や状況を把握して、再度、適切なツールの導入の検討をしましょう。

自社の状況や課題に合った製品を選ぶ

こうした状況に陥らないためには、「とりあえず使ってみよう」「有名だからこの製品にしよう」といった安易な考えではなく、自社の営業やマーケティングの課題をしっかり分析して、最も適した製品を選ぶことが重要です。

たとえば、見込み客のリード情報が数十万件とあってグローバル展開が前提なら「オラクル・クロスチャネル・マーケティング・プラットフォーム」、グローバル展開はしないもののやはりリード情報がたくさんあるなら「マルケト」や「パードット」、まだリード情報が数千件、数万件しかないなら、集客機能が充実しているイノーバの「Cloud CMO」をオススメします。マーケティングオートメーションの機能を最大限に利用するためにも、自社の分析をしっかり行い、有効な活用法が想定できる製品を選ばなくてはいけません。 

9 マーケティングオートメーションをさらに学ぶために

日本でのマーケティングオートメーションの導入は、今まさに進んでいる所で、導入事例やリード育成(リードナーチャリング)の手法もまだまだ未整備というのが実際のところです。比較検討するためには、ベンダーやコンサルティング会社のセミナーに参加して、情報収集をするのもオススメです。

また、マーケティングオートメーションには、コンテンツマーケティングの考え方が欠かせませんから、どのベンダーのツールを選ぶにしても一度、イノーバのセミナーや書籍を手に取っていただくことをおすすめします。

 イノーバが主催・共催するセミナーの一覧はこちら

「商品を売るな」日経BP社 (2014) 

10 FAQ「ウチの会社にマーケティングオートメーションは必要なのか?」

さて、よく聞かれる質問がマーケティングオートメーションが自分の会社に必要なのかという問いです。皆さまは「自分の業界は特殊だ」と思っていらっしゃるので、自分の業界には、マーケティングオートメーションは必要ないのではないか?と考えられることが多いようです。

しかし、マーケティングオートメーションは、BtoBマーケティングの基本を抑えて作られていますから、商談を作り出したい企業は、例外なくマーケティングオートメーションを導入すべきです。米国でも、BtoB企業の50%は、何かしらのマーケティングオートメーションを導入しているとの調査結果が出ています。

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ソース:Raab Associates
作図:イノーバ 

また、以下に業種別の導入意向の調査を示します。これらは、米国の調査ではありますが、参考になるかと思います。

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ソース:Software Advice
作図:イノーバ 

まとめ

このように、高度なマーケティング機能を実装したマーケティングオートメーションは、今後のビジネスの可能性を広げるものです。しかし、自社の状況を考慮せずに安易に導入・運用しても、十分な効果を上げることはできません。そのためには、マーケティングオートメーションとは何かをしっかり学び、自社のどのような課題を解決できるのかを考えることから始めましょう。

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