SFAを徹底解説!メリットから機能、失敗しないための導入方法までを完全ガイド

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「営業なら足で稼げ!とにかく多くの人に会えば売上は上がる」。

貴社はこのような従来型の営業スタイルに陥ってはいないでしょうか?現代ではこのような営業スタイルでは結果を出すのが難しくなっています。顧客は容易に情報を収集できるようになっており、数をこなすだけでなく自分にとって価値のある質の高い提案が求められるようになったからです。また、属人的な営業スタイルは、成果を個人に依存することになり、組織的に営業力を高めていくことが難しくなります。個人の能力に依存すれば優秀な営業マンが離職してしまうと、成果に与える影響が大きく売上が安定しません。営業部員個人にかかるプレッシャーや負担も大きく、モチベーションの低下につながる可能性もあります。

このような従来型の営業スタイルから組織的に成果を高めていくための有効なツールがSFAです。SFAとは営業支援システムのことで、営業活動を可視化してパフォーマンスを高める働きがあります。顧客や営業の状況を可視化すれば“どこに何を提案すればよいか”が検討しやすくなり提案力が高まりますし、情報が一元管理されるので報告業務の負担を減らして業務効率化も実現できます。

SFAは今では、大手企業から中小企業まで規模を問わず導入されています。しかし、SFAとはどんな製品でどのようなメリットがあるのかわからない、興味はあるがどのように導入を進めてよいかわからない、という方も多いようです。そこでここでは、「SFA完全マニュアル」と称して、メリットから導入方法まで徹底的に解説いたします。この記事を読めば、SFAの全体像が把握でき、自社に合った製品を見極めるだけの知見を得ることができるでしょう。

SFAとは?

SFAはSales Force Automation(セールス・フォース・オートメーション)の略で、日本語では「営業支援システム」といわれています。主に営業活動の効果性・効率性を高めるために開発されたシステムで、企業規模を問わず、世界中で導入されています。

SFAが管理する領域は、「顧客(見込み客)の管理」、「案件の管理」、「行動の管理」となります。

「顧客の管理」は、自社にどのような顧客または見込み客がいるかを可視化する機能です。営業活動の成果を高めていくには、まず顧客の管理を徹底することが原則となります。販売活動とは、顧客の悩み・欲求を解決することですから、どのような顧客がいるのかを把握していなければセールスはできません。受注率が低下してしまう大きな要因の一つに、自社の商品・サービスに関心の低い見込み客に営業時間をとられてしまうことです。顧客の属性や購買確度を把握しておけば、優良な見込み客にアプローチしやすくなります。

「案件の管理」は、案件の内容から、課題、提案期日、営業担当者等の情報を可視化する機能です。案件管理は、質と量の分析がポイントになります。まず質の視点とは、案件の成約確度のことです。すべての案件の見込が高いわけではありません。成約の可能性が高い案件を優先して取り組むことで受注率を高めることができます。SFAではすべての案件の成約確度を一覧化できるだけでなく、優先度の高いものだけを検索することができるので、営業マネージャーは営業部員が確度の高い案件にきちんと取り組んでいるかをチェックできます。量の視点とは、文字通り営業部員がかかえている案件量をさします。いくら案件の質が高くても極端に量がすくなければ売上は上がりません。また、部員によってバラつきがないかのチェックも必要です。これも、SFAなら各担当者の案件量を検索一つでチェックできます。

最後に、「行動の管理」とは、顧客や案件の情報をもとに、どのような行動をとるのかを記録していく機能です。顧客情報と案件情報で現状の営業活動が把握できますが、大切なのは現状把握をもとに次にどのようなアクションをとるかです。SFAには、案件に対してどのような提案をするか、いつまでに提案するかというスケジュール機能、さらに提案書をストックしておく機能などが搭載されています(製品によって機能は異なります)。

SFAのメリット

営業の成果を高める活動として「顧客の管理」、「案件の管理」、「行動の管理」の重要性と、それにSFAがどう有効なのかを解説しました。しかし、「わざわざSFAなんていれなくても、エクセルでもできるじゃないか」と疑問を感じる方もいると思います。ではなぜ、SFAが推奨するのか、そのメリットをみていきましょう。

  • 脱エクセル!営業活動に関する一切の情報を一元管理できる

情報を上手に活用するには、それがきちんと整理されアクセスがしやすくなっていることが前提です。営業活動に関する情報をエクセルで整理することも可能ですが、顧客・案件・行動のすべての情報をエクセルに落とし込んで運用していくのは想像以上の作業負担が発生します。

スタートアップ企業のように、顧客や案件が少ないうちはエクセルでも対応可能ですが、顧客・案件が増えるにしたがって作業負担も増加します。本来、顧客や案件が増えるほど管理の重要性が高まるのに、作業負担の増加から管理が手薄になってしまっては成果を高めていくことはできません。中には、管理する項目を減らしてエクセルで運用しているケースもありますが、アウトプットの質はインプットの質で決まるものです。顧客・案件の情報が不足していれば、それにもとづく行動の質も低くなるでしょう。

また、営業の成果を上げるのに必要なのは、当然ながら実際の営業活動です。管理や報告などの付随作業に時間をとられて、営業活動が少なくなるのは本末転倒です。

SFAなら営業活動に関するすべての情報を一元管理できます。必要な情報を確保しながら管理や報告の作業負担が軽減され、実際の営業活動により時間を使えるようになるでしょう。

  • 情報を共有して営業活動の属人化を解消できる!

組織的に営業成果を高める上で障害となるのが属人化です。属人化とは、営業活動が個人任せになってしまうことで成果に差がでてしまっている状態をいいます。属人化する最大の要因は、営業の状況を共有化する仕組みが構築されていないことです。営業部員も人間ですから、失敗を隠そうとするケースや自分のやり方にこだわることもあるでしょう。しかしそれを放置してしまうと、組織的にパフォーマンスを発揮することが難しくなります。

情報を共有する仕組みを構築して属人化を解消する点でもSFAは効果的です。口頭でどれだけ情報の共有やチームワークを訴えても、先述したように失敗を隠そうとする心理や営業方法へのこだわりから、情報共有を拒否することがあります。また、そもそもどのように共有すればよいかが明確になっていなければ、営業部員は共有のやり方もわかりませんし、必要性も感じないでしょう。SFAで情報共有をルール化すれば、良い意味で強制力が働き、自然に属人化を脱することができます。営業の状況を随時確認できるので、進捗ができていない営業部員に対してはすぐにアドバイスができるのでチームワークも育んでいけます。

役職ごとに異なるSFAへの期待と効果

会社は売上がなくては存続できません。その売上を獲得する営業活動は会社の要となる機能です。SFAは経営の根幹となる営業活動を変革していくものですので、現場の声だけで導入の意思決定をしてしまうと問題が発生する可能性が高くなります。例えば、現場のスタッフや営業マネージャーは「作業の負担が軽減され営業活動がしやすくなった」と思っていても、経営者が「エクセルで十分なのに無駄なコストだった」と思っていればスムーズに運用はできないでしょう。反対に、経営者が「管理が楽になって戦略もたてやすくなった」と思っていても、現場のスタッフが「こんな面倒な作業をやらせやがって」と思っていては活用されません。問題を回避してSFAを有効に活用していくには、経営者、営業マネージャー、営業部員のそれぞれの立場でSFAに求める期待と効果が異なることを十分に理解して意思決定を進めていくことが大切です。

経営者がSFAに求めること

会社の最高意思決定者としてSFAに求めるのは、主に中長期的なメリットになります。

  • 売上予測から経営戦略を導き出せる

戦略とは会社のありたい未来へ到達するためのシナリオ作りです。優れた戦略を立案するには、現状・過去を正確に把握することが重要です。SFAを導入することで、どの顧客でいくらの売上があるのか、見込み客はどれくらいいるのか、その見込み客にどのような提案をしているのか、などの現状をリアルタイムで把握することができます。忙しい経営者にとって、これらの情報を一つ一つ集めて整理する大変ですが、SFAならわかりやすく営業活動の現状が可視化されるので、経営戦略を導きやすくなります。

  • 教育コストを削減できる

成果を高めていくには営業部員への教育が欠かせません。営業ではOJT(現場による指導)が一般的ですが、先輩にあたる営業部員も忙しくて後輩や新人に十分な教育ができないケースや、教える営業部員の力量に差があり教わる側に能力差がでてしまうケースも多いようです。SFAを導入することで、具体的にどのように営業活動をしているのかノウハウを共有できるので、新人でも自主的に成長していくことができます。早期の戦力化が実現できれば、その分教育コストを削減できます。また、トップ営業マンのナレッジが共有でき、組織全体の営業力向上にも役立ちます。

  • マネジメント層の評価にも活用できる

現場のスタッフの評価は売上という明確な基準がありますが、マネージャー層はどれだけ現場のサポートをしたか、モチベーションを高めることができたかなど数値化しにくいため評価も難しくなります。SFAで営業プロセスを可視化することで、現状の課題とそれに対するマネージャーの具体的な行動も見える化できるため適切な評価をすることができます。

営業マネージャーがSFAに求めること

営業部の売上向上を求められる営業マネージャーにとって、SFAで営業活動全体の動きが把握でき課題を発見できることがポイントです。

  • 営業数字をリアルタイムで把握できる

SFAで情報を一元管理することで、営業数字をリアルタイムで把握することができます。営業活動はスピードが要求される場面が少なくありません。リアルタイムで数字を把握することで、問題に対してスピーディに対策を立てることができます。数字の把握が遅れれば、その分対策も遅れます。エクセルによる管理だと、リアルタイムで数字を把握しようとすれば毎回部員にヒアリングする必要があり現実的ではありません。どうしても、月に1回、早くても週に1回の数字把握になります。SFAで進捗ごとに数字の入力をルール化しておくことで、簡単アクセスで現状の数字を把握できます。

  • 全体の営業活動の状況や案件の商談状況を把握できる

SFAは単純に売上の結果がわかるだけでなく、なぜそのような数字となったのか活動のプロセスも可視化されます。結果だけみていても、その原因が把握できなければ解決策を立てることはできません。SFAを導入することで、顧客の構成や数、案件の商談状況を把握できるので次にどのようなアクションをとればよいかを発案しやすくなります。例えば、営業部全体で見込みの低い客へのアプローチが増えており受注率が低迷をしている、という場合、ターゲッティングや訴求方法を変える等の戦略的なアプローチが必要となります。営業部員によって成果にバラつきが出ている場合、成果のでている営業とでていない営業との差を分析して教育や営業ツールの追加等の対策が立てられます。さらに、極端に成果が落ちてきている営業部員がいれば、面談を設定して原因を探ることもしやすいでしょう。このように、SFAで活動のプロセスを可視化することで、成長のボトルネックとなっている事実を発見しやすくなり対策がたてやすくなります。

  • 営業部員の評価に活用できる

営業は一般的に外回りがメインの業務となります。定期的に商談に同行していても、個人の活動をすべて把握することは困難です。また、活動を把握するために毎日のように面談をしていては、営業活動の時間を奪うことになりかねず、効率的ではありません。SFAは数字だけでなく、商談の状況や訪問スケジュール、提案した資料の共有など、個人の活動を一元管理できる機能があるので、各営業部員の評価もしやすくなります。

現場の営業部員が求めること

現場の営業部員にとっては、個人の売上を上げられるツールであることを伝えるのが大切です。SFAを導入することで作業が最も発生するのは現場の営業部員です。「面倒なことをやらせやがって」と思われたは導入はうまくいきません。

  • 営業マネージャーから適切なフィードバックをもらえる

フィードバックの質はモチベーションに大きな影響を与えます。マネージャーからすれば多くの営業部員がいる中で個人に多くの時間を割けないという事情がありますが、表面的なフィードバックだと現場の営業部員に放置されている印象を与えてしまい、モチベーションの低下につながります。SFAにより、プロセスが細かく可視化されれば、それにもとづくフィードバックの質も自然に向上し、営業部員の売上向上につながることはもちろん、モチベーションの向上にもなります。

  • 報告時間の短縮

営業は報告までが仕事、とよくいわれますが、日々忙しく活動している営業部員ほどできるかぎり報告にかける時間を短縮したいと思うものです。SFAを導入する際の壁の一つに、現場の営業部員が手間がかかりそうで乗り気にならない点があげられますが、SFAで報告の方法やフォーマットが整備されることで一見面倒でも結果的に報告時間が短縮されることをきちんと伝えることが重要です。

  • 同僚の活動状況を把握できる

優秀な営業部員ほど、よりよい営業方法の吸収に貪欲です。また、成績がふるわない営業部員にとっては他者のやり方は成長のための貴重な情となります。営業の状況が可視化できるということは、ノウハウも可視化できるということです。SFAで優秀な営業部員はさらに成果を高めることができ、成績の良くない営業部員にはブレイクスルーのきっかけを与えることができるでしょう。

SFAの機能

SFAを導入することで、ボトルネックの発見による適切な営業戦略の立案や営業マネージャーによるフィードバックの質の向上による効果性の向上と、報告方法のルール化・フォーマット化による報告時間の短縮や情報の一元管理による効率性の向上が期待できます。それでは、具体的にどのような機能が備わっているのでしょうか。SFAの機能は大別すると、「顧客管理」、「案件・商談管理」、「行動管理」、「戦略立案補助機能」があります。

顧客管理機能

営業活動の基本は顧客の管理です。顧客が収益をもたらしてくれるわけですから、それを管理していないというのは収益のことを考えていないと言っているのと同じことになります。エクセルで顧客リストを作成している企業も多いかと思いますが、エクセルでは顧客が増えてくると入力作業が煩雑になります。また、単純に企業名や連絡先だけの基本情報だけ記録しておいても、その顧客にはどのような課題があるのか、取引実績はどんなものがあるのかなど、関係性が把握できる情報がないと次の一手は取りにくくなります。

SFAは顧客の管理機能が充実しています。基本情報(企業名、連絡先、住所、名刺、担当者とその役職など)はもちろん、取引実績や商談履歴なども残しておくことができます。情報を充実させられるので、引継ぎがしやすくなります。また、顧客情報を一覧化できるので、営業部員が重複してしまったり、新人が既存客に間違えてテレアポしたりといったミスを防止できます。

案件・商談管理機能

案件を管理する機能には、営業先の企業に関する情報、営業担当者、提案商品・サービス、企画書、商談の進捗、受注見込の確度、受注予定日、受注見込額など詳細に記録しておくことができます。営業マネージャーはこれらの情報がきちんと入力されているかで営業部員の積極性を評価できますし、適切なアドバイスもしやすくなります。

案件だけでなく、一つ一つの商談についても細かく管理する機能が搭載されています。案件管理に加えて、その案件を進めるための商談状況を把握することで、効果的な営業活動をしているかを把握することができます。どのような内容の話をしているのか、何をどのようにヒアリングしているのか、資料はどのようなものを準備しているのかなど商談状況を記録しておけば、営業ノウハウが蓄積されていきます。

案件管理と商談管理を進めて最も成果の高いプロセスを特定すれば、営業のベストプラクティスとして設定でき、他の営業プロセスの改善にも活用することができます。

行動管理

SFAは営業部員がより効率的に行動できるための機能が充実しています。営業プロセス管理やスケジュール機能などの行動の質を高める機能と、見積書や契約書等の営業ツール・ワークフロー機能に大別されます。

  • 営業プロセス管理

営業部員の営業プロセスを管理する機能です。テレアポのコール数やアポイント数、訪問数、提案商材数、受注率など、営業活動における行動と結果を数値化することができます。営業マネージャーが課題を発見するたにはもちろん、各営業部員は行動の成果を見える化されることでモチベーションを高めることができます。

  • スケジュール管理

行動量が少なくなるのは、具体的に「何を」、「どれだけ」、「いつまでに」を決めていないからです。スケジュール機能に顧客とのアポイントをはじめ、社内作業が必要ならそれはどんな作業か、いつまでに終わらせる予定なのかを記録することで行動量を伸ばしていくことができます。また、ほとんどのSFAがモバイル対応となっているので、外出時にもスケジュール作成が可能です。記録されたスケジュールは共有されるので、誰が何をする予定なのかを簡単に把握できます。

  • タスク管理

プロセス、スケジュールに加えて、具体的なタスクも共有しておけば、各営業部員がどのような課題を抱えているかがわかり、アドバイスもしやすくなりますし、タスクの量が営業部員によってバラつきがある場合は振り分けが可能です。各営業部員にとっても、今何をすべきかが明確になるので迷いなく行動できます。

  • アラート機能

納期に遅れてしまった・・、アポイントの日時を間違えていた・・、いつのまにか提案期日を過ぎていた・・、など、顧客への対応の遅れは時に致命的な影響を与えかねません。アラート機能とは、次に何をすべきかを伝えてくれる機能です。適切なタイミングでアラートをしてくれるので、“ついうっかり”を防止することができます。

  • 見積書・契約書

見積書や契約書のフォーマットが装備されています。担当者によって見積書や契約書のフォーマットが異なると、顧客に混乱を与えてしまいます。フォーマットが統一されることで、他の部員の見積書を参考にしやすくなり、共有に無駄な時間がかかりません。また、ワークフローとして手順が明確化できるので、見積書・契約書の作成時間を短縮できます。

  • 日報・週報

報告は営業の大切な仕事ですが、報告にかかる時間が長すぎると肝心の営業活動に影響を与えます。日本型のSFAでは日報・週報のフォーマットが完備されているものが多くあります。また、モバイルに対応しているため、会社に帰ってから日報・週報を作成する手間が省けます。

戦略立案補助機能

SFAを導入する目的は、現状を把握するだけでなく、その現状把握から何をすべきかを導き出すことにあります。SFAには、集計・レポート作成機能があります。例えば、直近で取引した顧客だけ抽出したい、成績優秀者だけの売上を確認したい、など、課題を把握するために様々な視点から分析することが可能です。

このようにSFAには営業支援のための様々な機能が備わっています。しかし、「機能が多すぎて使いこなせるかが不安」という方もいるでしょう。SFAは初めからすべての機能を使いこなさなくてはいけないわけではありません。使い方ばかりに目がいくと、利用することそのものが目的になってしまう可能性もあります。まずは自社の営業部隊にとっての課題を解決できる機能を使いこなし、その後にSFAをより有効に活用するために他の機能も取り入れていくツーステップ方式でも十分に活躍してくれます。

SFA導入の失敗パターン

SFAを導入することで、営業状況を可視化でき効果的な戦略を立案することができる、情報の共有が進みノウハウが蓄積される、報告作業のルール化・フォーマット化が進んで業務効率化になるなど、様々なメリットがあります。しかし、これらのメリットは導入がうまくいった場合のことです。残念ながら導入に失敗してしまうケースもあります。SFAの導入に成功して営業パフォーマンスを向上させるために、なぜ失敗してしまうのかを先に理解しておきましょう。

営業部員が入力してくれず、システムが定着しなかった・・

どのようなシステムでも活用されて初めて成果を出すことができます。SFAの失敗パターンの一つに、営業部員に再三入力を促しても実行されず、システムが放置状態になってしまうケースがあります。現場の営業部員は、目の前の売上を上げることに最も関心があります。管理することが重要であることが頭ではわかっていても、訪問や企画書作成等と異なり直接生産をうまない管理作業に時間を使いたくない心理が働きます。「面倒だからやりたくない。他に優先する仕事がある」となってしまうのです。営業部員をいかに巻き込むか、SFAの成功する上で最も大切なポイント一つです。

機能が複雑で使いこなせなかった・・

SFAは需要が高く、様々な製品がリリースされております。ベンダーは顧客の要望に応えて機能の強化・追加を継続的に実施しており、年々機能が充実されていっています。選べる製品が多く、機能も充実しているのは嬉しいことですが、その反面、機能が多すぎてどう活用してよいかわからない、という状況も生み出しています。

昨今のSFAにはスコアリング機能(顧客の購入確度を点数評価してアプローチの優先順位を決める機能)や、CRMやMAと連携して部署をまたいで顧客管理できる機能など、営業マネージャーや営業部員にスキルを要求する製品も多くなっています。

また、主に中小企業で情報システム部がない企業では、営業部でシステムを導入する必要があり、機能を使いこなす以前に導入そのものが難航して頓挫してしまうケースも多いようです。

費用対効果が見合わなかった・・

SFAには高額な製品も多くあります。1ユーザーあたり数万円という製品も珍しくありません。仮に1ユーザーあたり2万円とすると、20の営業部員がいれば月額で40万円の利用料が発生することになります。そのため、費用対効果があわないと導入を断念してしまうケースも多くなっています。

SFAの導入に成功するポイントとは?

様々な理由で導入に失敗してしまうケースを紹介しましたが、ではどうすれば導入に成功して営業成果を高めることができるのでしょうか。成功のポイントをみていきましょう。

一つめのポイントは、「SFAを導入する目的を明確にする」ことです。SFAを導入するのは、営業課題を解決するためです。例えば、営業能力に個人差がでているので解消したい、顧客や案件量が増えてきたので適切に管理して共有化したい、などがあります。自社の現状をよく分析し導入目的を明確にすることで、どのような機能が備わっている製品を選べばよいかが明確になるでしょう。

二つめのポイントは、「SFAの導入意義を伝える」ことです。SFAの導入は、経営者、営業マネージャー、営業部員と複数の階層にまたがる意思決定となります。どこか一つの立場で了解がとれていても、他の階層の協力が得られなければ導入失敗の可能性が高くなります。特に現場の営業部員は、日常的にSFAを利用する立場となります。十分な理解が得られなければ、活用されずに頓挫してしまうでしょう。できれば経営者からどの意義を十分に説明しておく必要があります。

三つめのポイントは、「コストパフォーマンスに優れた製品を選ぶこと」です。SFAに限らず、ビジネスでは費用対効果が求められます。一つめのポイントでSFAに求める機能を明確にしたら、なるべくコストパフォーマンスに優れた製品を選ぶようにしましょう。多機能で有名な商品でも活用する意思がなければ、その機能は無駄になります。コストパフォーマンスを重視するなら、必要な機能だけに絞って選ぶのも良いでしょう。

四つめのポイントは、「必要に応じてSFAのコンサルタントに依頼する」ことです。SFAの導入には情報システムに関する専門的な知識が必要な場合があります。情報システム部門が整備されていない場合、コンサルタントに依頼するほうが早く導入を進めることができるでしょう。また、SFAには様々な機能があります。導入目的の求める機能が備わっていることが前提ですが、それ以外の機能も使いこなせれば営業成果をより高められます。しかし先述したように、SFAには利用が難しい機能もあり、自社だけで完結するのが難しくなっています。そのような場合でも、コンサルタントと相談しながら運用していくことで、そのSFAが持っている機能を十二分に活かしていくことができるでしょう。

SFAとCRMの違い

SFAについて調べていくと、CRMという製品を目にすると思います。なかには、SFAとCRMが一体となった製品があったり、CRMの中にSFAの機能を有した製品があったりするので混乱する人も多いでしょう。実際、SFAもCRMも顧客管理を主体として販売活動を活性化させることを目的とするツールであることは変わりません。しかし、その開発背景は異なります。SFAとCRMの違いをよく理解し、自社の営業状況に合う製品を選ぶようにしましょう。

CRMとは?SFAとの違い

CRMは、「カスタマー・リレーションシップ・マネジメント」の略で、直訳すれば“顧客との関係を管理する”製品となります。SFAは営業支援のためのツールでCRM同様に顧客を管理することが主体ですが、開発目的が異なるため、システムを利用して何をするか、そのアウトプットに違いがでてきます。

SFAでは先述したように、顧客情報をベースとして営業成果を高めるために案件や商談情報の詳細の記録、営業部員の行動情報に関する記録などを管理していきます。一方、CRMは顧客との関係づくりを目的としているので、営業部門に限らずすべての顧客の情報をデータベース化して、関係づくりのためのメール機能やアンケート送信機能に重きを置いた設計となっています。SFAの利用主体は営業部ですが、CRMは他部署を巻き込みながらマーケティング部隊が主に利用するケースが多くなっています。

具体的な機能をみてみると、CRMの機能には、メール配信、キャンペーン情報の配信(セールのお知らせ)、キャンペーンの効果測定(クリック率やアクセス解析)、アンケート配信、SNSとの連携などがあります。主に顧客との関係づくりのための機能です。一方、SFAは顧客リストの可視化、営業日報、タスク管理、見積書作成、売上予測、データ分析レポートなどが主な機能です。このように具体的な機能をみてみると、その違いが明確になるでしょう。顧客管理という表面的な共通点だけで、意思決定をしてしまうと、自社の課題解決に合わない製品を選んでしまう可能性があるので注意が必要です。

SFAとCRMではどちらを選ぶべきか

SFAとCRMでは得意領域が異なります。全社的に顧客との関係性を構築する仕組みを構築したい場合はCRMがおすすめですが、営業部隊の活性化を主目的とするならSFAを選ぶべきでしょう。何を最も解決したいか、この場合も課題の優先順位を明確にしておくことが大切です。

しかし、CRMは全社的な取り組みとなるため、導入のハードルがより高くなるのも事実です。一定のマーケティング機能を有していなければ“宝の持ち腐れ”になってしまうでしょう。また、マーケティング機能と同時に営業機能も一定レベルを有していなければなりません。BtoB営業の場合、マーケティングで獲得した見込み客を営業に渡して、営業がセールスするというのが一般的な流れです。マーケティング機能があっても営業機能が低ければ、見込み客は集まっているのに成約ができないという状況になりかねません。SFAにはCRMとの連携機能がある製品も多いので、まずはSFAを導入し、その後に状況にCRMを導入するかどうかを検討することも可能です。

おすすめのSFAを比較

SFAを選ぶときに最も頭を悩ませるのが、数ある製品の中からどれを選ぶかです。SFAは世界的に需要がある製品だけに、その数も豊富です。多数の製品の中から選ぶことができるのはメリットですが、反面、何を選べばよいのかが難しくなっています。

そこで、機能性やコストパフォーマンスはもちろん、利用率や実際に活用した企業の評価も加味して、おすすめのSFA3製品を厳選。これを選べば間違いないという製品を紹介します。それを選べばよいかわからなくなったときは、参考にしてください。

SFAのオールラウンダー「Sales Cloud」

Salesforce社が提供するSFAがSales Cloudです。世界の中小企業から大企業まで規模を問わず、15万社以上・200万人以上に利用されています。製品の強みは、オールラウンドに機能がパッケージングされている点です。顧客管理はもちろん。AI機能を搭載しており、受失注分析から自動で見込み客を選定して営業担当者を割り出す機能まできめ細かく備わっています。他にも、グループウェアやCRMまで実装されているので、将来的にCRMを利用して管理していきたい場合にもおすすめの製品です。。また、多機能でありながら、ユーザビリティに優れた設計で感覚的にも理解しやすいので現場の営業部員にも評価が高いのも特徴です。。

プランは豊富で、使いたい機能によって細かく分けられているので、予算や求める機能に応じて選ぶことができます。営業部員が少ないときは基本プラン、増えてきたらプロフェッショナルプランと、状況に応じてプランを変更することが可能です。

一方、多機能で導入・運用にはITリテラシーが必要になるため、現場任せにしてしまうと定着しない可能性があるので注意が必要です。

顧客との良好な関係構築をサポート「Hubspot」

HubSpotは、Sales Cloudと同様に多機能SFAの代表的なモデルです。世界20か国以上で販売されており、スタートアップ企業から大企業まで規模を問わず利用されています。営業活動における顧客関係性および顧客定着率の強化を得意領域としており、生涯顧客価値(顧客が一生涯で自社にもたらす金額)を最大化させたい企業におすすめです。

HubSpotは4つのソフトウェアを柱としてサービスを展開しています。顧客情報の管理から追跡できるHubSpot CRM、マーケティングを支援するMarketing Hub、セールスを支援するSales Hub、カスタマーサービスを支援するService Hubの4つです。自社が求める機能に応じて、必要なサービスを一つまたは組み合わせて利用することができます。なかでも、HubSpotのベースとなるHubSpotCRMは完全無料で利用できるので、まずは試しに使ってみることができます。営業支援を主体に利用するなら、HubSpotCRMとSales Hubを活用すると良いでしょう。

多機能なので金額的な負担も大きいと思われがちですが、月額6,000円から利用できるプランもあり、コストパフォーマンスにも優れているといえます。

HubSpotは、顧客との関係構築を主軸とした製品です。そのため、訪問営業が主体の営業には向いていません。インサイドセールスが主体、もしくはこれから強化したい場合は最適なSFAといえます。

カスタマイズ性が魅力「kintone」

サイボウズ社が提供するSFAがkintoneです。日本製でフォローも充実しているので、SFAのビギナーも安心できます。製品の強みは、カスタマイズ性に優れていることです。案件管理や勤怠管理など、同社が提供するグループウェアと連携できるのが最大の魅力で、自社の求めるSFAにカスタマイズすることができます。すでにサイボウズ社のサービスを導入している企業や、自社の求める仕様にこだわりたい場合はおすすめです。

コストパフォーマンスも大きな魅力の一つです。必要な機能に絞っているので、プランも700円/人・月の低価格で始めることができます。

比較のポイント

SFAを効率的に比較するには、まず自社の導入目的を明らかにすることが前提です。その上で、下記の点をチェックしていきましょう。

  • 求める機能が備わっているか

SFA選びは、自社の課題を解決できる機能を有していることが重要です。求める機能が備わっているかどうかは、経営者、営業マネージャー、現場の営業部員の目線で必ずチェックするようにしましょう。一つの立場からだけで判断すると失敗する可能性が高くなります。

  • 使い勝手はよいか

SFAは経営者視点、営業マネージャー視点でも検討する必要がありますが、実際に活用するのは現場の営業部員です。どれだけ素晴らしい機能を有していても、使い勝手が悪いと利用されない可能性が高くなります。必ず現場のスタッフに試してもらうようにしましょう。

  • コストパフォーマンスは優れているか

求める機能が備わっている二つの製品があれば、より低価格のほうが購入候補になります。どれだけ多機能でも利用しなければ、それは無駄になります。求める機能が備わっているかでコストパフォーマンスを判断しましょう。

MAと連携してさらなる売上向上を目指す

SFAのメリットの一つに、同じ販売効率を高めるツールと連携できる点があります(製品により異なります)。CRMとの連携はその代表的な方法で、総合的に顧客管理を強化することができます。さらに、SFAが定着したらMAと連携することで、見込み客の集客から営業活動、顧客の管理まで販売活動全体を効率化できるでしょう。そうすれば、さらなる売上向上が業務負担を軽くしながら実現できます。

MAとは?

MAは、マーケティングオートメーションの略で、リード(見込み客)の獲得から興味関心の育成、優良な見込み客の抽出までを自動化するためのツールです。一般的に、販売活動において集客に最も労力がかかるといわれています。MAを導入することで、最も労力がかかるフェーズを自動化させることができます。

MAを導入する目的は、見込み客の獲得と興味関心の育成にあります。販売活動は、出会う、商品に関心をもってもらう、他社と比較してもらう、購買してもらう、という段階を踏んでいきます。販売活動に失敗する大きな要因の一つは、商品に関心をもってもらう段階をとばし、出会ってすぐにセールスをかけてしまうことです。しかし、興味関心を高めるために、すべての見込み客に訪問し続けるのは現実的ではありません。MAはあらかじめ設計したシナリオに沿って、見込み客に情報を自動で提供することで興味関心を育成していきます。MAにより、営業部員は購入確度の低い見込み客に時間を使うことなく、優先度の高い見込み客にアプローチができるようになります。また、自社の商品・サービスに関心の高い見込み客にアプローチできるので、モチベーションを維持しやすいのもメリットです。

MAの機能は、見込み客の情報を集めるリードジェネレーション、メール等で見込み客を育成するリードナーチャリング、リードジェネレーションとリードナーチャリングを通して得た情報で顧客を選別するリードクオリフィケーションに大別されます。どれも人的にこなしていると膨大な時間がかかりますが、MAはこれらをすべて自動化させることが可能です。

★MA(マーケティングオートメーション)に関する解説はこちらの記事も参考にしてください

マーケティングオートメーション(MA)とは何か?機能と導入のメリット

SFAとMAを連携させよう

SFAとMAはそれぞれ単体でも有効なシステムですが、二つを連携させることで、より成果を高めることができます。

販売活動を支援するという共通の目的がありますが、SFAとMAでは効果を発揮するフェーズが異なります。SFAは、顧客の購買段階における「比較する」、「購買してもらう」フェーズを顧客管理や案件管理等の機能でサポートします。一方、MAは「出会う」、「興味を持ってもらう」フェーズをメール配信等で自動化してくれるシステムです。つまり、SFAとMAを連携利用することで、出会いから購買まで、そしてその後の顧客管理までをシステムで自動化させることができるのです。

SFAが定着し、さらなる売上向上を実現した企業におすすめです。人員補充に頼らずにシステムの連携で新たな販売の仕組みを構築できます。

まとめ SFAで営業力を強化しよう

自社の営業力を高めるためにSFAがいかに有効かを解説してきました。

SFAを導入することで様々なメリットがあります。営業に関する情報を一元管理できるので現状把握がしやすく適切な次の一手を立案できること、営業プロセスをわかりやすく可視化して共有できるので教育コストの削減につながること、営業活動のプロセスを統一化できるので個人間での成果のバラつきを解消して組織的な成果を生み出せること、などがあります。

導入の失敗パターンを良く知ることも大切です。SFAで失敗するのはほとんど導入時点で自社に合った製品は何かを検討されていないことから生じます。SFAは経営の要となる営業機能に変革をもたらすものです。失敗パターンと導入の際のポイントをよく理解して、自社に最適なものを選んでいきましょう。

SFAが定着したら、CRMやMAを導入するのも有効です。販売活動全体を自動化でき、人的なアプローチではとても達成できない売上向上を実現できる可能性があります。

SFAで営業力を強化し、売上向上を実現させましょう。

▼SFAと合わせて活用したい、ABM(アカウントベース土マーケティング)の手法とツールの違いについてはこちらの記事から

営業から見れば当たり前?ABMが従来のマーケティングとは違う点