人はなぜシェアをするのか?人間心理で紐解く「シェアの動機」

コンテンツマーケティング

人にシェアされるコンテンツは、どう作ればいいのだろうか?

ソーシャルメディアマーケティングの重要性が高まる現代において、これは多くのマーケターにとって、喫緊の課題と言えるだろう。

しかし、人が“シェア”をするメカニズムは、未だによく分かっていない。

それゆえ多くのマーケターは、「なんとなく有用性が高そう、なんとなく流行りそう」という理由で、コンテンツを作ることに終始してしまっていると思う。

そこで今回は、心理学の観点から消費者がシェアするモチベーションを明らかにする。

そして、その情報を踏まえた上で、人のシェアしたい気持ちを呼び起こすコンテンツの6つの特徴を、具体的な事例と共に紹介していこう。

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人はなぜシェアしたくなるのか?

まずは、人がコンテンツをシェアする動機を一緒に見ていこう。米国の著名な新聞社であるNYタイムズは、「人はなぜシェアするのか」というテーマに、心理学の観点から迫った調査結果を発表した。

今回は、その資料を参考にして、人がコンテンツをシェアする3つの大きな動機について説明していく。

1.他人に教えたい

人は良いものを見つけると、他人に教えたくなる。有益だと思った記事、声を上げて笑ってしまう写真、思わず涙してしまった動画、コンテンツの形は様々だが、人は自分が良いと思ったものは人に教えずにはいられない。

調査によると、実に94%もの人が価値のあるコンテンツ、面白いと思うコンテンツを他人に紹介したいと答えている。

2.自分を表現したい

人はコンテンツをシェアすることで、自分が何者かを表現したい。自分が何に興味があるのか、自分は何を知っているのかを表現することで、他人に評価して欲しいという願望が、人をシェアに駆り立てるのだ。

調査によると84%の人が自分を表現するためにコンテンツをシェアしていると回答している。

3.友人との関係性を維持したい

人は情報を共有することで、友人との関係性を維持したいと思っている。同じものに感動し、熱狂することで、直接会う機会が無い友人とも親密な関係を維持したいと考えているのだ。

調査の結果、78%が友人との関係を維持するためにコンテンツをシェアしていると述べている。

以上が、人がコンテンツをシェアする主な動機である。コンテンツ作成の際には、自社が作るものが、消費者のどの願望を刺激するかを考えながら作業を進めて欲しい。

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シェアされるコンテンツの特徴

先ほど紹介したシェアの動機を参考にする形で、シェアされやすいコンテンツの特徴を紹介しよう。

世界でもトップレベルのビジネススクールとして知られる、ペンシルバニア大学ウォートン校のマーケティング学准教授であるJonah Bergerは、シェアされるコンテンツは皆、以下に挙げる6つの特徴のどれかを有していると述べている。以下、順に説明していこう。

1.自分が特別であると感じさせる

人は、自分が優れた人間であり、選ばれた人間である、ということを示したいものである。しかし、それを自分一人の主観のみで主張しては、周りの反感を買いかねない。

そのため、人は客観的にそれを証明してくれるものを欲しがる。ならば、私たちはそれを示せるコンテンツを用意してあげれば良い。

その良い例としてLinkedInを挙げよう。ビジネス特化型SNSとして知られるLinkedInは、ユーザーに対して「数あるユーザーの中から、厳選してあなたにこのオファーを出しています」といったメッセージを送る。これにより、ユーザーは客観的に担保された、自分が特別だという証拠を手にする。そのため、気兼ねなくそれをシェアしてくれるのだ。

2.感情に訴える

人の感情に訴えかけるコンテンツはシェアされやすい。前章で説明したように、人は何に心を動かされたかを他人に伝えたいことに加えて、それを他者にも共感して欲しい生き物だからだ。

この効果を示すいい例として、タイのCMを説明しよう。

どうだろう。あなたの心にも今、これを誰かに伝えたいという気持ちが湧いたのではないだろうか。

3.有益である

形式は何であれ、有益なコンテンツはシェアされやすい。人は自分にとって有益だと感じたものを他人に教えたいと思うからだ。これも前章で説明した、人の性質から説明できる。

4.人の目に触れる

人の目に触れるものはシェアされやすい。人は、他人が持っているものに、興味、安心を覚えるからだ。これをソーシャルプルーフと言う。これは、売れるものはますます売れ、シェアされるものはより一層シェアされるという現象を説明してくれる。

この事実からも分かるとおり、シェアを促すには、コンテンツを消費している人を「見ている人」、つまり、コンテンツ消費者の周辺の人々を意識することが必要となる。

製品の事例になってしまうが、アップル社のMacBookに載っているリンゴのロゴが、閉じたときにユーザーの方を向いていないのは、開いたときに周囲の人にとって良い向きに映るようにするためである。

これにより、知らぬうちに、周りの人にシェアしたい気持ちを喚起しているのである。

5.鍵刺激により思いださせる

コンテンツをシェアしてもらうためには、まず人の意識に浮かぶ必要がある。その際の有効な手段は鍵刺激を用いることだ。その良い例としてRebecca BlackのFridayを紹介しよう。

彼女が2011年に発表したこのFridayは同年「最悪な歌」という低評価から、逆に人々の注目を集め、一時はYoutubeで1億6000万回以上も視聴されるコンテンツとなった。

これは、質の悪いコンテンツが力を持つソーシャルメディアの一面を示しているが、このコンテンツがこれだけ人々の間で話題となったのには他にも理由がある。それはこの曲名だ。

「Friday=金曜日」。この名前が、毎週金曜日が訪れる度に鍵刺激となり、人々の意識に浮かぶ。それが彼らに、このコンテンツを視聴させ、シェアさせる。これが、この曲がここまで話題になったもうひとつの理由だ。実際に記録を調べると、当時視聴数が最も伸びたのは金曜日であることが分かっている。

6.ストーリーがある

人は、ストーリーのあるコンテンツをシェアしやすい。これは、各国の神話が長い時を超えて未だに残っていることから正しいと言える。なぜなら、これらは口伝でシェアされ続けたため、今でも残っているからだ。

そうであれば、これを使わない手はない。この良い例として、TOYOTAのCMシリーズ「TOYOTOWN」を紹介しよう。

このようにストーリーにすることで、興味を持ってもらい、他人にも教えたいという気持ちをかき立てているのだ。

以上が6つの特徴だ。これらを全て備える必要はないが、多ければ多いほどシェアされる可能性は高まる。参考にしていただきたい。

まとめ

いかがだっただろうか。人がシェアするコンテンツを作るにはどうすれば良いか?

その「カギ」は、人の心理に注目することにあることがお分かりいただけたかと思う。

次にコンテンツを作る際には、ぜひとも上記の点を参考にして、人々の共感を呼ぶものを作ってみて欲しい。

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記事執筆:(株)イノーバ。イノーバでは、コンテンツマーケティングのノウハウを詰め込んだ無料のebookや事例集をご提供しています。ダウンロードはこちらからどうぞ→https://innova-jp.com/library/

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参考元:
Why Do People Share Content?
Why Things Catch On: The Science of Why People Share
SIX STEPPS TO CREATING CONTAGIOUS MARKETING CONTENT
Subway, Google And Target Are Top Brands For Social Currency

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