ソートリーダーシップはマーケティングにどう効くのか

コンテンツマーケティング
最近のビジネスブログを読んでいると、「ソートリーダーシップ(thought leadership)」という言葉を目にすることがあるのではないだろうか?
これは、今の時代のマーケティングにおいて必要なものとされるが、一体どういう意味なのだろう。そして、実際どのようにマーケティングに効くのだろうか?
今回は、その辺りの疑問にお答えしたい。
目次
ソートリーダーシップとは?
自分の哲学や考え方を表明し、特定の分野やビジネスの世界などでリーダーシップをとっていく人または企業のことを、「ソートリーダー(thought leader)」と呼ぶ。そして、このソートリーダーの活動が「ソートリーダーシップ」と呼ばれるものである。
一般に、「ソートリーダーシップ」という言葉は、ただ単に「業界をリードする」ということ以上の意味を込めて使われる。具体的には、「特定の分野において将来を先取りしたテーマやその解決策を提示し、人々の間に議論を引き起こすような活動」を示す。
ソートリーダーシップをとる企業は、クライアントとの間でそのような議論を深め、共に未来を形作っていく。そして、その過程においてもっとも質の高い「thought(ソート:考え)」を発信することで、影響のあるポジションを獲得するのだ。
マーケティングにどう効く?
業界内で「ソートリーダー」として認められると、企業の信用度は高くなる。「エキスパート」としての存在感が増すからだ。そして、このことがマーケティングにも効いてくる。具体的にどう効くか、見ていこう。
「ブランドイメージの維持」に効く
今、企業の経営的観点から、レピュテーションマネジメント(会社の「評判」を自社の無形資産として管理すること)の重要性が指摘されている。
会社の業績を上げるためには、自社に対して良いイメージを持ってもらい、消費者の信頼を得ることが不可欠、というわけだ。
商品やサービスのプロモーションを行うマーケティング活動においても、まずはブランドのイメージを維持することが必要となる。その際に有効なのが「ソートリーダーシップ」である。
業界内で、「ソートリーダー」として認められれば、消費者や顧客からの信用が高まる。そして、従業員がソートリーダーとしての自覚を持ち始め、会社の評判を落とさないように行動するようになる。
何らかの原因で自社の評判が落ちて、莫大な費用を割くことになる前に、そうなる原因を極力減らすという「転ばぬ先の杖」的な意味もある。
「ターゲットオーディエンスとの関係構築」に効く
マーケティングにおいては、ターゲットオーディエンスとの関係を築き上げることが重要。ここでも、ソートリーダーシップが効いてくる。
ソートリーダーとしての豊富な経験と知識が人々に認められれば、膨大な時間と経費をかけて「こちらから」宣伝活動しなくとも、オーディエンスの側から近づいてきてくれる。ソートリーダーシップ自体が「PR」の役割を果たすことになるのだ。
このPRが最終的にはコンバージョンにつながっていく。ソートリーダーシップによって引きつけられたターゲットオーディエンスは、やがて見込み客へ、そして顧客となってゆく。
なかでも、自社の哲学や専門性に魅せられた一部の顧客は、ブランドのファンとなり、SNSなどを通じて広く社会に自社ブランドを広めてくれるようになるだろう。
「SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)」に効く
今日のデジタルマーケティングの世界で欠かせないSEO。ソートリーダーシップはここでも力を発揮する。
現在、Googleの検索エンジンはコンテンツの「内容」を評価するシステムを導入している。検索キーワードが多く含まれているばかりで内容の薄いコンテンツには見向きしないようになったのだ。
したがって、ソートリーダーならではの、価値の高いコンテンツをコンスタントに発信し続ければ、Googleの検索エンジンに評価されるようになる。業界の権威が発信する情報へのリンクなども有効だ。
「このサイト(あるいはブログ)に来れば、いつも有益な情報がある」とユーザーに評価されるような、ソートリーダーシップの感じられるコンテンツ制作を続けることがポイントとなる。
ソートリーダーになるには?
それでは、実際にあなたが、あるいはあなたの会社がソートリーダーになるにはどうすればよいのだろうか? ざっとまとめると、以下のようになる。
1. 準備 (自分自身の教育&他のソートリーダーたちとの交流)
ますは、業界のイベントに参加したり、リサーチを繰り返したりして、必要な知識を十分身に付ける。
他のソートリーダーたちとの交流を図ったり、彼らのブログを読んだり、ゲストブロガーとして自社サイトに招いたりする。
また、商品展示会などに参加して、情報収集を積極的に行う。
2. 実践 (価値の高いコンテンツを制作)
ブログやホワイトペーパーによってオーディエンスを教育することで、業界への興味を高めてもらい、自社の信頼性アップも狙う。
自社サイトのみならず、ソーシャルメディアにもコンテンツをアップし、拡散を狙う。
まとめ
当然のことだが、情報収集によって知識が増えれば、より深い洞察もできるようになり、質の高いコンテンツの制作が可能となる。それは、長い道のりだが、結果的にはそれが功を奏して、今回ご紹介したような形でマーケティングに効くのだ。
まずは、地道に情報を集め、ソートリーダーへの道筋をつけよう。今、業界でソートリーダーとして活躍している人も、一朝一夕に人々に認められるようになったわけではない場合もあるだろう。
「Rome was not built in a day(ローマは一日にして成らず)」
参考元:
6 Ways Thought Leadership Will Take Your Marketing To New Levels
How Thought Leadership Plays An Important Role in SEO
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