マルチタスクが脳や仕事の効率に悪影響を与えている

経営・ビジネスハック
仕事中、ついついFacebookやTwitterを見てしまう。という方は意外と多いのではないのだろうか? あるいは別々の仕事を行ったり来たりして、結局仕事が進まないという方もいるかもしれない。
近年、マルチタスクが仕事の効率性を下げるという脳科学の研究が報告されている。そこで今回は、マルチタスクがもたらす脳や仕事の効率への悪影響を考え、1つの作業に集中できる環境作りのポイントをご紹介しよう。
なぜ1つのタスクに集中できないのか?
最近の研究によると、「人間は、複数のタスクを処理している自分の姿に満足感を覚える傾向がある」という事が明らかになっている。複数の作業を同時にパパっとこなすビジネスパーソンに憧れている方もいるかもしないが、実はこの憧れは間違っている。
実際の研究においても、複数のタスクをこなす学生は自分自身では快感を覚えているが、1つずつ作業に集中した学生に比べてパフォーマンスが落ちることが確認されている。なぜこのようなことが起こるのだろうか?
複数のタスクをこなす時、脳はどう動いている?
スタンフォード大学で、コンピュータと人間の関係を研究しているクリフォード・ナス教授によると、複数のタスクを処理する際の脳の非効率性が確認されている。一般的に、複数のタスクを処理する際に脳は、下図のようにタスクごとに脳の処理能力を分割してしまう。
つまり、複数のタスク処理には脳の使用領域の切り替えが必要となるので、脳が各タスクに対してベストパフォーマンスを発揮することができなくなってしまうのだ。
1つのタスクに集中するための5つのアドバイス
それでは1つのタスクに集中するためにはどういった習慣が効果的なのだろうか?
1.ポモドーロテクニック
このテクニックでは、「25分間(=1ポモドーロ)集中して作業→5分間休憩→25分間作業→5分休憩→・・・→2時間(=4ポモドーロ)毎に15分?30分の休憩」というサイクルでタスクを消化していく。
人間の集中力の持続時間が、30分?90分の間で議論が分かれていることを考えると、ポモドーロテクニックの25分というのは確実に集中力が持続できる長さだと考えられる。
様々な対応を求められるビジネスパーソンにとって、90分1つの作業だけに集中するのは難しいが、25分というのは確保しやすい時間なのでオススメだ。
参考:集中力を極限まで高める方法! ポモドーロという考え方。
2.イヤホンで音楽を聞く
マルチタスクは脳の効率を阻害してしまうが、作業に使う脳と音楽を聞く脳の部分は、全く別の部分であることがクリフォード・ナス教授の研究で同様に確認されている。
イヤホンやヘッドホンを使用することで、周りの雑音も遮断できるので、集中する環境作るのにも役に立つ。もちろんどんな音楽でも良いというわけではない。作業に集中するためにも、聞き入ってしまう音楽は避けるべきだ。
ちなみにモーツァルトのクラシックは人間の集中力を高める効果が高いとされている。試してみてはいかがだろうか?
3.ブラウザのタブは1つだけ
これは単純な習慣だが、効果は高い。思い切って「ブラウザのタブは1つしか開かない」というルールを作ってしまおう。目の前の作業に集中するしかないので、驚くほど集中できる。
色んなことに手を伸ばしてしまう人は、「いろいろ手を伸ばしやすい環境」を自分で作ってしまっているケースが多い。仕事をしている時、あなたのブラウザのタブにFacebook・Twitter・メール・RSSなどが並んではいないだろうか?
4.毎晩次の日のタスクを整理する習慣をつくる
当日ではなく、前の日にタスクを整理しておく。この習慣は聞いたことがある人も多いと思う。まずは走り書きでいいので、タスクを書きだしてみよう。
書きだしたら、ぜひもう一工夫加えてほしい。書きだしたタスクについて、同僚・友達・家族…etc 誰でも良いので、そのタスクに対して10分程度ブレーンストーミングを行なってみよう。
ブレーンストーミングと言っても構える必要は全くない。例えば、「今度こういうブログ記事を書こうと思うんだ。このデータからヒントを得て、こういう構造の記事にすれば…」のように、「自分がなぜそのタスクを行うのか?」を簡単に説明するだけで十分だ。
もし上手く理由が思いつかない場合は、タスクの優先順位を下げることも可能だし、相手から有益なアドバイスをもらえることもある。何より自分の言葉でタスクを整理できるので、翌日そのタスクにスッと取り掛かることができるのだ。
5.1日に1度、仕事をする場所を変えてみる
ずっと同じ場所で仕事をしていると、どうしても集中力が欠けてしまう。休憩を取ったり、パソコンから離れてみても意外とリフレッシュしにくい。
どうしても集中できない場合は、カフェなどに場所を移して仕事をしてみよう。環境をガラっと変えることで、集中しやすい状態をもう一度作り出すことができる。
まとめ
すごく仕事をこなしているように見える人でも、意外とこのマルチタスクの罠に陥っている人は多い。1つの作業に集中し、各タスクにかける時間を最短化することで、結果的に効率は上がる。
企業やビジネスパーソンにとって、効率性は大きな差別化要因だ。仕事が遅い、もっと効率を上げたいという方は、ぜひ上記のアドバイスを実践してみてほしい。
記事執筆:(株)イノーバ。イノーバでは、コンテンツマーケティングのノウハウを詰め込んだ無料のebookや事例集をご提供しています。ダウンロードはこちらからどうぞ→https://corporate.clst01.innova-jp.net/library/
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