企業が継続的に利益を上げるために欠かせないリード獲得(リードジェネレーション)。しかし、BtoB向けSaaS企業の場合はターゲットの母数もそれほど多くないため、リード獲得には多大な苦労があるのではないでしょうか。一般的にBtoB向けSaaS企業のリード獲得にはコンテンツマーケティングが有効だといわれていますが、すべてを内製で賄うのは簡単ではありません。そこで今回は、BtoB向けSaaS企業のリード獲得が難しい理由を見たうえ、効率的にリード獲得を実現するポイントについてお伝えします。特にスタートアップのSaaS企業でリード獲得に課題抱えている経営者の方はぜひ、参考にしてください。
SaaS企業のリード獲得が重要な理由
まずはそもそもリード獲得とは何を指すのかについて、簡単に解説します。
リード獲得とは?
リードジェネレーションとも呼ばれるリード獲得とは、将来的に顧客になる可能性のある企業や人を獲得することを指すものです。リード獲得が実現すれば、自社の商品やサービスを購入してもらえる確率の高い企業・人に絞って施策を実施できるため、効率的な売上向上が可能になります。
SaaS企業のリード獲得が重要な2つの理由
リード獲得が簡単ではないのは、どの業種、どの企業であっても同様ですが、なかでもBtoB向けSaaS企業でのリード獲得が重要な主な理由は次の2点です。
1.スタートアップが多く、認知を得ることから始めなければならない
SaaS企業は、スタートアップが多いこともあり、リード獲得以前に認知獲得をしていないケースが少なくありません。すでに認知のかる企業であれば、商品やサービスにフォーカスした施策が可能です。しかし、スタートアップの場合、認知獲得から始めなければならないため、リード獲得のハードルはかなり高くなっています。
2.多くのSaaS企業は短期間での成長を求められている
特にスタートアップのSaaS企業の場合、資金調達にエクイティファイナンスを活用しているケースが少なくありません。エクイティファイナンスは返済義務がないというメリットはあるものの、急成長を求められるケースが多いため、短期間でのリード獲得が必須です。ただでさえ難しいリード獲得にスピードも求められるため、よりハードルが高くなっています。
SaaS企業業の「リード獲得」にコンテンツマーケティングが有効な理由
SaaS企業がリード獲得を実現するには、コンテンツマーケティングを始めとするインバウンドマーケティングが有効といわれています。主な理由は次のとおりです。
認知度がなくても気づいてもらえる可能性が高まる
インターネットを活用して検索をする場合、企業名や商品・サービス名をキーワードとする指名検索以外に課題点や不安点をキーワードに検索するケースも少なくありません。そのため、スタートアップで認知度がない企業でもあっても適切なコンテンツを作成・公開していけば、顧客に気づいてもらえる可能性が高まります。
顧客のステージに応じた対応が可能になる
まだニーズが顕在化していない顧客、競合比較をしている顧客など、顧客のステージに応じたコンテンツを作成することで、幅広い顧客の情報ニーズに対応可能です。リード獲得はもちろん、獲得後の関係性構築をするための施策(リードナーチャリング)も実施でき、検討期間の長いBtoB向けのSaaS商材であっても、効率的な施策を実行していけます。
オフライン施策と連携した際の効果が高まる
たとえば、いきなりSaaS商材を紹介するDMを郵送したり、電話によるアプローチを行ったりしても、リード獲得は難しいでしょう。しかし、業界紙や業界媒体などのオフラインからオンラインに誘導する。もしくはオンラインで関係性を構築してからオフラインでの展示会や商談につなげるなど、多様なアプローチがしやすくなります。
SaaS企業のリード獲得に欠かせないコンテンツマーケティングの具体的手法
SaaS企業がリード獲得を実現するために欠かせないコンテンツマーケティング。しかし、ひと口にコンテンツマーケティングといってもその手法は多様です。ここでは、ホリゾンタルSaaSとバーチカルSaaSに分け、それぞれに有効なコンテンツマーケティングの具体的手法を解説します。
ホリゾンタルSaaSに有効なコンテンツマーケティングの手法
ホリゾンタルSaaSの場合、バーチカルSaaSに比べターゲットが広いため、「面」でのアプローチが有効でしょう。具体的におすすめの手法は次のとおりです。
- 検索エンジン最適化(SEO)
さまざまなニーズに対応するコンテンツ作成を前提として、ユーザーに見つけてもらうためのSEO対策が有効です。まだニーズが顕在化していないユーザーに対してはビッグキーワード。すでにニーズが顕在化しているユーザーにはスモールキーワードを使ったコンテンツを作成・誘導し、リード獲得を目指します。
- ホワイトペーパーによる製品・サービス案内
自社の商品・サービスを認知し、興味を持ったユーザーに対してホワイトペーパーによる製品・サービス案内を実施します。ホワイトペーパーのダウンロードにメールアドレスの登録を求めれば、関係性構築につながるうえ、その先のウェビナーや展示会への招待も可能です。
- ディスプレイ広告の活用
特にまだニーズが顕在化していない顧客に広くアピールするには、各種メディアサイトを使ったディスプレイ広告活用が効果的です。ニーズが顕在化している顧客に対しては、ホワイトペーパーダウンロードへ直接誘導できるため、効率的なアプローチが行えます。
バーチカルSaaSに有効なコンテンツマーケティングの手法
ターゲットが限られるバーチカルSaaSの場合、ホリゾンタルSaaSに比べ、露出先を絞ったコンテンツマーケティングの実行が効果を発揮します。具体的な手法は次のとおりです。
- 業界紙・業界媒体へのニュース・記事提供
オンライン・オフライン問わず、業界紙や業界媒体を使い、ニュースや記事の提供、プレスリリースの発信を行います。多くの企業は自社が属する業界情報を常にチェックしているため、業界紙や業界媒体への出稿は、認知度向上、リード獲得に大きく貢献するでしょう。
- リスティング広告
バーチカルSaaSの場合、ディスプレイ広告ではターゲットが広くなり過ぎてしまい、コスト面でも効果的ではありません。それよりも検索エンジンを活用し、細かいキーワードで検索するユーザーにアプローチが可能なリスティング広告のほうが効果的です。
また、ホリゾンタルSaaS、バーチカルSaaSともに一つの施策だけでリード獲得を狙うのではなく、SNSやメールなども絡め複合的な施策実施も検討しましょう。
リード獲得につながるコンテンツマーケティングの手順
リード獲得を実現するためのコンテンツマーケティングを実際する際の手順について解説します。
1.目標設定、KPI設定
3ヵ月で50のリードを獲得する。半年で10件の商談を実現するなど具体的な数値目標を決め、それに応じたKPI設定を行います。たとえば、3ヵ月で50のリードを獲得するには、「100のコンテンツを作成する」「月間で5,000PVを獲得する」などKPIも定量的に設定することが重要です。
2.ターゲットの明確化
誰に対してコンテンツを提供するのか、ターゲットを明確にします。ポイントはペルソナの設計です。具体的なペルソナを設計することで、どのようなコンテンツを作成すればよいかも見えてきます。
3.カスタマージャーニーの設計
設計したペルソナがどのような行動を取るのかを考え、カスタマージャーニーを設計します。カスタマージャーニーの設計により、どの媒体(チャネル)を活用し、それぞれの媒体にどのようなコンテンツを設置すれば良いかが明確になるでしょう。
4.コンテンツの作成
ターゲットやチャネルに合わせたコンテンツの作成を行います。ポイントはチャネルごとにコンテンツに連続性を持たせること、一貫性を重視することです。継続的な関係性を構築するには、一つひとつのコンテンツがぶつ切れにならないように注意しましょう。
SaaS企業が効率的にリード獲得するには経験豊富な専門業者への依頼がおすすめ
SaaS企業が効率的にリード獲得するには経験豊富な専門業者への依頼がおすすめ
SaaS企業が効率的にリード獲得をするには、コンテンツマーケティングの活用が有効です。顧客のステージに応じた対応が可能になるうえ、継続的な関係性構築にも効果を発揮します。
そのため顧客の態度変容を促すためには、コンテンツを一つ作って終わりではなく、連続性かつ一貫性のあるコンテンツ提供が欠かせません。また、ペルソナがエンゲージメントしない低品質なコンテンツを量産しても成果は上がりません。顧客のステージに合った適切かつ有用な情報の提供が必須です。
ただ、コンテンツの質やつくり方、発信の仕方には高度な専門知識と経験が求められます。そこで、おすすめは実績豊富な専門業者への外注です。
イノーバではこれまで多数のSaaS企業のリード獲得支援を行ってきました。ペルソナ設計やカスタマージャーニー設計から、SEO対策やホワイトペーパー作成、広告運用まで、SaaS企業のリード獲得に必要な施策を包括的にサポート。SaaS業界に精通した専門チームが、貴社の事業成長に貢献します。
リード獲得にお悩みの際は、ぜひイノーバにご相談ください。SaaS業界のリード獲得ノウハウを結集し、貴社の課題解決と目標達成に全力を尽くします。
参考:リード獲得に関してはこちらの記事もぜひおよみください。
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業界別のリード獲得戦略についてのこちらの記事もご参照ください。