本記事は、弊社CEO 宗像淳と、執行役員 平田継一郎の共著による書籍『いちばんやさしいAI時代のコンテンツマーケティングの教本』の第2章「ゼロから始める戦略設計」の内容をQ&A形式でお届けする特別企画です。
コンテンツマーケティングは、やみくもに情報を発信していても成果にはつながりません。成功のカギは、「誰に」「何を」「どのように」届けるかという戦略の設計です。
この記事を読めば、コンテンツマーケティングに取り組む目的の整理からペルソナ、ファネルの設計まで戦略の土台づくりを網羅的に理解していただけます。
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目次
TABLE OF CONTENTS
Q. コンテンツマーケティングの工程にはどのようなものがありますか?
A. 目的の設定に始まり、大きく分けて全部で6つのステップがあります。本記事で扱うのは、主にこの①~③の部分です。
▼コンテンツマーケティングの6ステップ

『いちばんやさしいAI時代のコンテンツマーケティングの教本』029ページ 図表06-2より
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①目的の設定 |
はじめにコンテンツマーケティングに取り組む「目的とゴール」を明確にする。 |
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②現状把握 |
現段階で自社にあるリソースや、競合と比較した際の自社の強みや弱みを整理し、客観的に今の実力を把握する。 |
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③戦略の設計 |
②現状把握によっておのずと見えてくる「目的やゴールとの差分やギャップ」を埋めるには、「誰にどのようなコンテンツをどのように届けるか」を明確にする。 |
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④コンテンツ設計 |
③で立てた戦略に基づいて、コンテンツのテーマや届け方を企画・設計する。 |
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⑤体制構築 |
チーム作りと仕組み化により、継続に運用していくための体制を作る。 |
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⑥効果測定 |
それぞれのコンテンツがどのような成果を上げ、マーケティング目的の達成にどう貢献したのか、見込み顧客の反応や費用対効果などの検証を行う。 |
Q. そもそもコンテンツマーケティングの「戦略」とは何ですか?
A. 「特定の目的や目標を達するための、資源の最適配分方針」と定義できます。
つまり、戦略を立てるには、その前に必ず「目的やゴールの設定」が必要になります。
Q. コンテンツマーケティングの戦略を考えたいです。何から取り組めばいいですか?
A. 戦略そのものから考えるのではなく、まずはコンテンツマーケティングに取り組む目的とゴールを明確にしましょう。
目的は企業によってさまざまですが、例えば以下のようなものがあります。
▼コンテンツマーケティングに取り組む目的例
- ブランド認知の向上
- 自社サイトのアクセス増加
- 新規リードの獲得
- 既存顧客との関係強化
- 業界内での専門性・信頼性の確立
Q. 目的を設定する上で大事なポイントは何ですか?
A. 「ビジネス上のどのような課題を解決してどうなりたいか」を考えましょう。
あなたは、コンテンツマーケティングによってどのような課題を解決しようとしているか、即答できますか?もし 課題が明確になっていない場合は、いったん立ち止まって自社の課題を整理し直すことをおすすめします。
例えば、Webサイトの流入が増えないという課題には、「自社やサービスのことを知っている人が少ないから」「自社のWebサイトに流入しうる検索キーワードが少ないから」「広告以外の流入経路がないから」など、いくつかの原因や背景が仮説として考えられます。
このように、課題の根本にある原因に目を向けることで、その後の戦略の道筋や施策の方向性が見えやすくなるのです。
Q. ペルソナとターゲットの違いは何ですか?
A. 簡単に言うと、ターゲットは方向を決めるもの、ペルソナは伝え方を考えるものです。
ターゲットは「どの市場・顧客層を狙うか」を定める戦略的な考え方で、業種や職種、規模などの条件で幅広く設定します。
一方、ペルソナは、そのターゲット層を代表する架空の人物を描き、「どのような悩みを持ち、どう伝えれば響くか」を具体的に考えるための素材です。
Q. ペルソナ設計に必要な要素は何ですか?
ペルソナの設計には2つの大事な要素があります。1つは属性情報(デモグラフィックス)で、もう1つは興味関心事(サイコグラフィックス)です。
これら2つの項目を網羅的に押さえることで、「誰に(Who)、何を(What)、どのように伝えるか(How)」という戦略の要素に沿った設計ができます。
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Q. 顧客の「態度変容」とは何ですか?
A. 態度変容とは、顧客が「課題を認識していない状態」から、「課題を認識し、行動を起こす状態」へと段階的に変わっていくことです。潜在層の顧客が顕在層になるプロセスそのものであり、コンテンツ設計の目的はこの「変化」を後押しすることにあります。
だからこそ、「顧客にどのような変化を起こしたいのか」という視点をもとにコンテンツを設計することが重要です。
▼ファネルで態度変容を整理する例
『いちばんやさしいAI時代のコンテンツマーケティングの教本』043ページ 図表10-2より
Q. 自社の商品や強みを効果的に伝えるにはどうしたらいいですか?
A. コンテンツを届けるうえで、自社や商品の強みを把握しておくことは大切ですが、「自社ができることは~」とそのまま伝えても、顧客には響きません。
顧客が求めている情報は「あなたの強み」ではなく、「自分の課題をどう解決してくれるか」です。「『自社が』提供できるもの」ではなく、「『顧客が』求めているもの」と主語をひっくり返して発想することが、コンテンツマーケティングの大事なポイントです。
▼主語による訴求の違い

『いちばんやさしいAI時代のコンテンツマーケティングの教本』037ページ 図表08-2より
まとめ
本記事では、コンテンツマーケティングを成功に導くための土台となる「戦略設計」の具体的なステップを解説しました。特に意識すべきポイントは以下の3点です。
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「目的と課題」の言語化から始める
単にコンテンツを作るのではなく、「ビジネス上のどの課題を解決したいのか」を明確にすること。目的(ゴール)を定めることが、成果につながる戦略の第一歩となります。
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「ターゲット」と「ペルソナ」の使い分け
狙う市場を定める「ターゲット」に対し、「ペルソナ」は抱えている悩みや興味関心まで深く描き出します。これにより、「誰に・何を・どう伝えるか」というコミュニケーションの質が圧倒的に高まります。
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「主語」を顧客にひっくり返す
自社の強みをそのまま語るのではなく、「顧客の課題をどう解決するか」という視点への転換が必要です。顧客の「態度変容」を促すためには、常に買い手の知りたいことを起点にした設計が欠かせません。
さらに深く体系的に学びたい方は、ぜひ『いちばんやさしいAI時代のコンテンツマーケティングの教本』をご覧ください。
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著者情報

株式会社イノーバ 代表取締役CEO
宗像 淳
福島県立安積高校、東京大学文学部卒業。ペンシルバニア大学ウォートン校MBA(マーケティング専攻)。
1998年に富士通に入社し、北米ビジネスにおけるオペレーション構築や価格戦略、子会社の経営管理等の広汎な業務を経験。MBA留学後、楽天で物流事業、ネクスパス(現トーチライト、博報堂DYグループ)でソーシャルメディアマーケティング事業の立ち上げを担当。ネクスパスでは、事業開発部長として米国のベンチャー企業との提携を主導した。
2011年、マーケティング支援会社である株式会社イノーバを設立、代表取締役に就任。日本におけるコンテンツマーケティング/BtoBマーケティングの第一人者として、15年以上にわたり5000社以上の経営課題やマーケティング・営業課題を分析し、幅広い業界で企業の事業成長に貢献。「事業を伸ばすには実行力が重要であり、実行力とは組織・人である」という哲学で、人にこだわった支援会社づくりに取り組んでいる。 2026年2月、最新刊『いちばんやさしいAI時代のコンテンツマーケティングの教本』(インプレス)を上梓。著書に『商品を売るな コンテンツマーケティングで「見つけてもらう」仕組みを作る』(日経BP社)、『いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本』(インプレス)。

株式会社イノーバ 執行役員 兼 マーケティング・ソリューションセールス統括
平田 継一郎
印刷会社・広告代理店でクライアントの販売促進(SP)の支援に始まり、HRTechベンチャーでBtoBマーケティングに従事。
2015年にコンテンツマーケティングに出会い、イノーバにジョイン。お客様との窓口として、コンテンツ制作ディレクション、マーケティングコンサルティングに従事した後、自社のマーケティング・セールス部門責任者を兼務している。
これまでマーケティング支援に携わった企業は業界を問わず400社以上。現場での豊富な支援経験を活かし、10年以上にわたり企業の事業成長に貢献し続けている。
2026年2月、イノーバCEO 宗像との共著『いちばんやさしいAI時代のコンテンツマーケティングの教本』(インプレス)を上梓。