EC特化型アパレルブランド Everlane

EC(Eコマース)

エバーレーン(Everlane)というサービスを知っているだろうか?エバーレーンは、米国サンフランシスコ発のEC販売に特化したアパレルブランドである。彼らのビジネスはどういうモデルなのであろうか?以下、ご紹介したい。

EC特化型アパレルブランド Everlane

Everlaneは、EC特化型のアパレルブランドである。商品を自社で企画し工場から直接仕入れている。彼らは、リアルの店舗を一切持たず、販売はインターネットのみだ。EC版SPAである。

中間流通を省きコスト削減

彼らの特徴は、高級ブランドの品質を、低価格で提供しているという事だ。

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上記の図は、いままでのアパレルブランドのコスト構造と、Everlaneのコスト構造を比較したものである。Everlaneは、高級ブランドの小売価格が、製造コストの10倍にもなる事に着目した。彼らは、中間流通を省き、徹底的にコストを削減する事で、高級ブランドと同等の商品をより、安価に提供しているという。

バーニーズと同じ品質のTシャツを1200円で提供

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彼らがフォーカスしているのは、高級な生活必需品(“Luxury Necessities”) である。日本語風に言うと、ラグジャリー・ベーシックだ。シャツ、ネクタイ、バックなどのベーシックなアイテムではあるものの、ラグジャリーブランドと同等なハイデザイン・ハイクオリティを実現している。

「例えば、バーニーズで良いTシャツが売っていたとします。値札は4000円($50)ですが、製造コストはわずか480円($6)なのです。我々はバーニーズと同じ品質のTシャツを1200円で提供します。」

少量生産で全てを売切る

Everlaneは、生産量を少ロットに抑えている。例えば、会員数が10万人もいるにも関わらず、主力のシャツは1500枚しか生産しない。従来、アパレルブランドは多めに作って、余った在庫は期末のセールで売り切るのが一般的であったが、Everlaneはその逆を行っている。

そして、Everlaneは、毎月新しいコレクションをリリースし、少量生産で売切ってしまう。この方法をとる事で、無駄な在庫を削減する事ができ、消費者へ値引きとして還元する。

高級ブランドと同じ工場を活用する

彼らは、海外の工場ではなく、アメリカ国内の工場を利用している。品質が高く、小ロットでの生産が可能だからだ。

例えば、彼らはアメリカで最も伝統のあるネクタイの製造業者を見つけ契約を結んだ。11月限定で発売された蝶ネクタイは、わずか2800円($35)だが、ブルックス・ブラザーズで、専用ケース入りで販売されているのと同じクオリティだ。それ以外にも、小型のポーチ、タイプライターをモチーフにしたカフスボタン、ベーシックTシャツなど、いずれも価格を上回る品質で製造されている。

ソーシャルメディア利用した集客

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もう一つの特徴は、FacebookやTwitterの口コミ性を活用して低コストで集客をしている点だ。上記は、Everlaneの友人招待キャンペーンのページだが、ボタンひとつでFacebookやTwitterの友達を招待する事が出来る仕組みだ。招待した友達が増えて行くにつれ、無料のクーポンや送料無料特典などがもらえるようになっている。

ソーシャル・メディアを活用して集客コストを下げる事で、節約した分を値下げの原資として、消費者に還元している。安さが口コミを呼び、口コミが安さに繋がるという好循環を生み出している。

Everlaneのビジネスモデル

  1. 中間コストを省き、高級ブランド品質を低価格で提供
  2. ラグジャリーベーシックという新しいセグメントを狙う
  3. 少量生産で全てを売切る
  4. 高級ブランドと同じ工場を活用する
  5. ソーシャルメディア利用した低コストな集客

EC専業のアパレル販売の可能性とは?

どうだろう?EC専業のアパレル販売というのは、とても面白いモデルではないだろうか?

アパレルの生産は、中国や東南アジアなどに次々とシフトして行っているけれど、EverlaneのようにECを活用した直販のモデルを作る事で、まだまだ、国内の工場でしか対応できないような、高品質な洋服に対する需要を掘り起こす事が出来るのではないだろうか?

日本のアパレルはZOZOTOWNの一人勝ちになっているけれど、私は、EverlaneのようなSPA型のECが伸びる余地があると考えている。なぜなら、SPA型にする事で、独自の商品を低コストで提供する事が出来るからだ。

そして、このSPA型Eに欠かせないのがソーシャルメディアを活用した集客である。優れたビジネスモデルを構築できれば、ソーシャルメディアで口コミが広がり、低コストで集客する事が可能になる。

日本には、商品力を持ったブランドや高い技術を持った工場が多い。ECやソーシャルメディアを活用する事で大きなビジネスにつなげる事が出来るのではないだろうか?

記事執筆:(株)イノーバ。イノーバでは、コンテンツマーケティングのノウハウを詰め込んだ無料のebookや事例集をご提供しています。ダウンロードはこちらからどうぞ→https://innova-jp.com/library/


Source:Fast Company San Francisco Chronicle Techcrunch