中小BtoB企業のホームページリニューアル、6つのポイント

ホームページ制作
BtoB企業のホームページには、一般消費者向けのホームページとは異なるポイントがいくつかあります。この記事では、BtoB企業のホームページリニューアルにおいて押さえておきたい6つのポイントを紹介します。
BtoB企業のホームページリニューアルのポイント
ホームページリニューアルには、「目的」「デザイン」「サイト設計」「コンテンツ設計」「移行時」「SEO対策」の6つのポイントがあります。BtoB企業はそれぞれのポイントで何に気をつければ良いか解説します。
1. 目的
ホームページリニューアルをする際には必ず、「目的・KPI(Key Performance Indicator:評価指標)の設定」と「関係者間の認識合わせ」を行います。
ホームページを設計する際には、もっとも重要な目的にあわせて全体をチューニングすることで成果を明確に見ることができます。それでは、BtoB企業のホームページリニューアルの目的は何に設定するべきでしょう?
中小規模のBtoB企業がホームページを運営する最大の目的は「見込み顧客から引き合いを取ること」にあるといえます。自社のホームページから問い合わせや資料請求が発生していない状況であれば、まずそれを目的として設定し、全体を最適化させていきましょう。
ホームページ制作に関する教科書では、企業のホームページの役割として「ブランディング」を挙げているものも多いです。しかし、まだ知名度の低い中小規模の企業の場合、ホームページではイメージやコンセプトを重視したブランディングよりも、新規客の獲得を優先するべきです。ホームページに集客し、商品の内容をわかりやすく伝えることで、会社の認知も同時に高まります。
そして、その目的に近づいているか調べる成果測定のためにKPIを明確化しておくことが大切です。
BtoBホームページのKPI設定においては、慎重に指標を選びます。消費者向けのECサイトでは、サイトからの購入がそのままゴール達成の指標となるケースがほとんどですが、BtoBビジネスにおいてはWebサイトからすぐに引き合いや問い合わせが生まれるわけではありません。
さらに、通常はホームページからの引き合いを受けたあと、資料を送付したり営業担当者が訪問したりして、段階的にビジネスが進んでいくのが一般的です。
問い合わせや引き合いの数、売上金額は、そもそもホームページだけで解決できる問題ではないので、KPIとして設定するのに向いていません。成果や問題点が見えにくく、改善につながりにくいです。
例えば、計測しやすく、成果や問題点が見えて改善につながりやすい指標としては、
- サービス資料請求数
- メルマガ登録数
- セミナー申し込み数
などがあります。
例)全体のなかのホームページのKPI
また、「ホームページリニューアルのゴールは何か」について、関係者全員で、事前に認識合わせを行うことが重要です。
関係者間の認識ズレは、デザインやサイト構成、コンテンツ設計といったあらゆる面のズレ・不一致として、いずれ顕在化してきます。事前に作成するホームページリニューアルの企画書などで、ホームページのゴールを強調しておくとよいでしょう。
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2. デザイン
BtoB企業のホームページのデザインには、まず第一に「信頼感」が求められます。
BtoB企業のホームページに訪れるのは、自社の業務に使用する商品やサービスを探している担当者。未知の取引先から商品を購入しようとする際にBtoB企業の担当者がまず気にかけるのは、「取引相手として信頼できるのか」ということです。
いかに商品やサービスがニーズにマッチしていたとしても、信頼のおけない企業と取引することはできません。少なくとも見る人に「きちんとした企業のようだ」と感じさせるデザインを適用するように心がけましょう。
3. サイト設計
サイト設計は「とにかくシンプルでわかりやすく」が原則です。
企業の担当者は商品・サービスの選定に際して、たくさんのサイトを次々に閲覧して比較検討用の資料を作成します。検討に当たって集める情報はおおむね決まっています。以下の情報が、わかりやすい場所に配置されているかどうかがひとつのポイントとなります。
- 商品・サービスの概要
- 企業規模(年商や従業員数)
- 本社や支社の所在地
- 連絡先(電話番号やメールアドレス)
- 営業時間
また、トップページには自社の強みや商品・サービスの特徴などを前面に押し出すべきです。トップページの一番目立つ場所に「企業理念」や「わが社のミッション」などが掲載されているケースがありますが、検索して初めて知った企業の理念に関心のある担当者は少数派です。
また、訪問者がサイト内で迷ったり離脱したりしないようにするには、導線設計は非常に重要です。ナビゲーションやメニューを綿密に設計しましょう。最近は動的なアクションを盛り込んだホームページも増えていますが、情報収集をする担当者の側からすると、トップページのグローバルエリアから必要な全ての情報にアクセスできるような、シンプルなホームページのほうが実はありがたい場合もあります。
4. コンテンツ設計
ホームページに載せるコンテンツ(情報)の設計に際して意識すべきなのは、企業の購買プロセスの複雑さです。
企業が何かを購入する際には多くの人が関与します。また、引き合いから購入までの間に長い時間を要することが少なくありません。
企業向け商材の購買プロセスは、「情報収集→候補先の選定→詳細調査→比較→交渉→成約」といった流れで進んでいきますが、それぞれのフェーズにおいて担当者が求める情報の種類や粒度が異なります。この点を踏まえて顧客行動を可視化し、必要なコンテンツを漏れなく整備していくことが大切です。
求められるコンテンツは商材により異なりますが、商品やサービスの利用シーンをイメージしてもらいやすい事例紹介は定番です。用途の明確な機械や部品などであれば、スペックが記載された商品紹介ページやカタログなども有効です。
もちろん、はじめから全てのコンテンツを網羅するのは困難でしょうから、その場合は優先度付けを行い、優先度の高いところから着手していきます。例えば、引き合いを受けたあとは営業担当者の訪問でカバーできるのであれば、ホームページではまず引き合いに至るまでのフェーズで求められるコンテンツの充実に力を入れましょう。
5. 移行時
最後に、ホームページの移行、および移行後の運用に関するポイントについて。
もし、法人でありながら現在「.com」や「.net」などのドメインでホームページを運用しているのであれば、リニューアルを機に「.co.jp」の取得を検討してみましょう。
「.co.jp」は日本国内に登記のある企業のみが取得できるドメインです。ほかのドメインに比べて取得時の難易度も料金も高くなりますが、ビジネス用サイトとドメインとして、相手に与える信頼度が向上します。
6. SEO対策
インターネット上で見込み客とのつながりをつくるために、SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)は必須です。商品名や企業名などのブランド名で検索されたときに検索順位で上位に上がってこないならば、取引先候補との出会いの機会損失が起こっていると考えるべきでしょう。
ホームページのSEOの内部対策としては以下のような方法があります。
- タグの内容を再確認する(titleタグ、altタグ、h1〜タグ)
- カテゴリーをツリー構造にする
- パンくずリストを設置する
外部対策としては、外部のドメインからリンクを張ってもらう「被リンク」が有効です。関連会社や知人からリンクを張ってもらう、メディアからリンクを張ってもらうためにプレスリリースを出すといった方法があります。詳しくはこちらから。
また、ブログを書くこともSEO対策に有効です。BtoB企業では、商品に関連する専門的な情報や最新情報、ユーザーの疑問に答えるような内容のブログがよいでしょう。
まとめ
以上、中小規模のBtoB企業のホームページリニューアルで注意するべき6つのポイントを解説しました。
- リニューアルの目的・KPIを明確にして関係者間の認識を合わせる
- 信頼感をアピールできるデザイン
- シンプルでわかりやすいサイト設計
- 複雑な購買プロセスに対応できるコンテンツ
- ドメイン取得
- SEO対策
これらのポイントに配慮し、売上につながるホームページづくりに取り組んでください。
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