【完全マニュアル】ホームページリニューアルを成功させるための8つのステップ

ホームページ制作

この記事を読んでいる方は、「自社のホームページをそろそろリニューアルしたいなあ」と考えているかもしれません。「なんとなく見飽きてきた」「問い合わせや売上が思うように上がらない」「競合他社がホームページのリニューアルを行った」「ブランディングに力を入れたい」など、リニューアルを考えるきっかけとして、さまざまな理由が挙げられるでしょう。

日々進化するWebテクノロジーや、Webデザインのトレンド。コーポレートサイトでも、ECサイトでも、ホームページには賞味期限があります。制作してから一定の時間を経ると、どこか古臭く見えたり、使い心地がほかのサイトに比べて悪かったり、情報が整理できなくなったり、いつかリニューアルのタイミングがやってきます。

しかし、ホームページをリニューアルするためには、ノウハウが必要です。リニューアルをして、より悪くなってしまったということは意外とよくあるケースなのです。知見の浅い制作業者に任せきりで、適切でない手法でリニューアルを実施してしまうと、取り返しのつかないことになる場合も。

また、社内で予算を確保するためには、適切な理由付けが必要でしょう。この記事では、ホームページリニューアルについての理解を深めて、リニューアルを成功させるためのすべてを紹介します。

目次

ホームページリニューアルの意義とメリット

ホームページをリニューアルすることのメリットとは、具体的にどのようなものでしょうか。社内での稟議を通すためにも、リニューアルすることの意味をしっかりと考えておかなければ、プランニングはできません。まずは、現状のホームページの問題点を整理することから始めましょう。

現在のホームページの問題点とは?

リニューアルをすることによってメリットが得られる状況として、下記のようなケースが考えられます。自社のホームページがどれかに当てはまっていれば、リニューアルについて積極的に考えてよいでしょう。

見た目(デザイン)が悪い、または古い

ホームページは企業の顔ともいえます。ある程度の制作期間を経ると、Webデザインのトレンドとのずれが生じて、いつしか古く見えてしまうことも。特に、スマートフォンの普及以来、急速にWebデザインのトレンドは変化していて、現在進行系でさまざまなスタイルのデザインが現れています。一概にいえませんが、5年も経てばトレンドは大きく変わっていると考えてよいでしょう。

なぜWebデザインは、たった数年で古く感じられてしまうのでしょうか。最も大きな理由は、閲覧環境の変化です。例えば、PCディスプレイの解像度が高まれば、それに応じてWebサイトの幅は広がってきました。同様に、ネット回線の通信インフラが整うにつれ、画像や動画をより豊富に使うデザインが増えました。そして、スマートフォンが普及した現在は、大きなPCディスプレイでも、小さなスマートフォンの画面でも、快適に閲覧できることが求められています。

このようにデザインのスタンダードが変わっていくと、スタンダードを満たさないホームページ、例えば幅の狭いホームページなどは、自然とユーザーに古臭さを感じさせてしまうのです。

また、業界のトレンドではなく、もっと身近な視点で考えると、競合他社がホームページリニューアルをした場合などは顕著に自社サイトが古く感じられるはず。営業エリアが同じ競合だけではなく、業界のリーダーカンパニーの動向などにも注意しておきましょう。

機能性が相対的に古く、部分的な改修では限界がある

デザインに賞味期限があるのと同様に、機能性も相対的に老朽化します。機能面での問題点とはどのようなものが挙げられるでしょうか。

例えば、インターネットブラウザのバージョンが更改されていくにつれ、旧来のコーディングではレイアウトが崩れてしまう場合があります。どのブラウザがどれくらい使われているのかという割合をブラウザシェアといいますが、ブラウザシェアの変遷によって、ホームページの機能面の見直しが必要になることが多いです。Internet Explorerでは問題がなかったのに、Google ChromeやFirefoxでは正常に動かないといったケースも。

最近は目にすることも少なくなりましたが、FLASHはiPhoneなどのiOSデバイスでは閲覧ができません。FLASHに依存したホームページの場合は、HTML5など代替される方法での大幅なリニューアルが早急に必要といえるでしょう。

また、WordPressやEC-CUBEといったオープンソースのソフトウェアを使用している場合、長く放置するとセキュリティ上の問題があります。システムのリニューアルやそれに応じたフロントエンドのリニューアルが必要になるケースも多いです。いま一度、自社のホームページで使用しているシステムが最新の状態で保たれているかを確認してみましょう。

コンテンツ構成が煩雑になってきた

長くホームページを更新していると、ページが増え、コンテンツの構成が複雑化する場合があります。熱心にコンテンツを作成していても、ユーザーからすると、いつの間にか求めている情報をなかなか見つけられない不親切なホームページになっていることも。

複雑化してしまったコンテンツを整理するためには、ナビゲーションの改善といったマイナーな対処ではなく、ホームページ全体の構成を見直す必要があるでしょう。

問い合わせや売上といったコンバージョンやアクセスの減少または頭打ち

自社サイトのKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)は何でしょうか。一般的なコーポレートサイトであれば、問い合わせ数、資料請求数のいずれか、ECサイトであれば売上やアクセス数、ブログやニュースメディアであればアクセス数や1セッションあたりのPV数といったところでしょうか。ホームページが年齢を重ねるにつれて、どこかでこれらの指標がピークを迎え、減少傾向に変わる、あるいは頭打ちしてしまうといった場合があります。

商品やサービスの情報を更新する、自社ブログを更新する、コンテンツを追加する、このような既存サイトの枠組みのなかでできる努力をしてもKPIが好転しない場合、サイトのコンテンツ構成やユーザビリティといった根本的な問題を抱えていることが考えられます。コンテンツ構成の刷新やUI(ユーザーインターフェイス)やデザインの見直しとなると、部分的な改修ではなく、ホームページリニューアルが必要です。

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ホームページリニューアルのメリットとは

自社のホームページをいま一度見直して、前述のような問題点のいずれかが当てはまる場合は、リニューアルをおすすめします。とはいえ、リニューアルは既存の問題点を解決して、マイナスベースをゼロベースに上げるだけではなく、やはりプラスに持っていきたいものです。リニューアルを行って得られるメリットとはどのようなものでしょうか。

デザインの刷新とブランドイメージの向上

最大のメリットとして挙げられるのは、やはりデザインの刷新による企業イメージの向上といったブランディングに関わる効果です。ホームページは、企業とユーザーをつなぐブランドコミュニケーションの最初で最大のタッチポイントであり、プラットフォームといえます。

モバイルデバイスの発達により、商品やサービスとユーザーとの出会いが「FMOT(First Moment of Truth)」から「ZMOT(Zero Moment of Truth)」へ変遷したように、Web上でのブランディングは非常に重要です。

ただ、印刷物と大きく異なるのは、Web上での表現には技術的な制限があること、またドッグイヤーのペースで変わっていくトレンドがあることです。リニューアルをする際には、しっかりトレンドを取り込んでいきましょう。

  • FMOT:店頭で初めて商品と出会う瞬間
  • ZMOT:店頭で商品を購入する以前の、ネット上で購買の意思決定をする瞬間

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機能性の向上

リニューアルによって、フロントエンド(ユーザーが閲覧するホームページの表側)とバックエンド(ホームページの管理画面)の両方の機能性向上を図れます。

例えば旧来の静的ホームページの場合、更新のたびに制作業者に発注する必要がありました。しかし、WordPressといったCMS(Content Management System:コンテンツマネジメントシステム)を導入すると、ホームページはバックエンドからWeb上で更新できるようになります。本格的な自社ブログの構築や、コンテンツの柔軟な編集が可能です。

コンテンツマーケティングに取り組むための基盤としても、CMSは必須といえます。まだ導入していない場合は、早急に導入し、発信性の高いホームページにリニューアルするべきです。

フロントエンドにおける機能面のリニューアルでは、プッシュ通知への対応やEFO(入力フォーム最適化)の導入をはじめ、なによりUX(ユーザーエクスペリエンス)を高めるためのナビゲーションの高機能化や検索性の向上を実現できます。スマートフォンサイトがない場合は、スマートフォン向けのサイトを新たに設けて、UIをスマートフォン向けに特化させるだけでも大きな改善が可能です。

コンテンツの再構成と再価値化

古くても堅実に更新を重ねてきたホームページにありがちなのが、コンテンツの複雑化です。熱心に積み重ねてきたコンテンツも、リニューアルのタイミングで整理整頓が必要。ホームページの財産ともいえるコンテンツの構成を見直して、磨きをかけたり、その価値をさらに高めたりできるのがリニューアルの醍醐味でしょう。

SEOの改善

「リニューアルすることがSEO的によい」という意味ではなく、リニューアルの機会でないとホームページ全体のSEO施策を見直すことは非常に難しいということです。

日々変わっていくGoogleのページ評価基準に対応するためには、最新のマークアップを採用すること、モバイルフレンドリーな構造にすること、また内部リンクの構造の見直しをすることなどが挙げられます。いずれもホームページ全体のHTMLの文書構造に関わることであり、マイナーな修繕では対応できないのです。

リニューアルによって、検索順位を左右するホームページの土台作りをやり直すことができます。土台作りに成功すれば、今後追加していくコンテンツの評価も高まるため、その効果は雪だるま式に影響すると考えられるでしょう。

失敗しないホームページリニューアルの進め方

いちからホームページを作るわけではないにもかかわらず、ホームページリニューアルは意外と時間とエネルギーがかかるプロジェクトです。また、コンセプトやKPIの策定、業者の選択などを誤ると、リニューアルをしても成果が上がらない、つまり失敗に終わってしまうことも十分に起こりえます。

ここからは、失敗しないためのホームページリニューアルの進め方について、ステップごとに順を追って説明します。

1.    現状分析とリニューアルコンセプトの策定

まず取り組まなければならないのは、現状のホームページの問題点を把握することです。問題点を認識し、何をどのようにリニューアルすべきか、リニューアルコンセプトを策定します。

現状の問題点を探るには?

自社のホームページをリニューアルしたいと考えたきっかけは何でしょうか。そのきっかけが問題点を発見する糸口に違いありません。売上やアクセス、デザイン、機能など、前述のとおりさまざまな要素が考えられますが、漠然とした問題認識を深掘りし、リニューアルコンセプトを導き出しましょう。

まずは、自社のホームページを分析するツールを利用します。

Google アナリティクス

Google アナリティクスは、いわずと知れたGoogleが提供している無料のアクセス解析ツールです。多くのホームページが導入しているので、きっと自社のホームページにも導入されているのではないでしょうか。

Google アナリティクスでは、アクセス数やユーザーの詳細な傾向や属性を知ることができます。もし導入されていれば、リニューアルを機にデータを念入りに分析してみましょう。

アクセスしてきたユーザーの情報であれば、例えば下記のような情報を知ることができます。

  • アクセス元の地域、デバイス、年齢や性別、関心のあるカテゴリなど
  • 人気があるコンテンツ
  • 流入元のチャネル(検索エンジン、ソーシャルメディア、他サイトなど)

はたしてターゲットとしているユーザーにリーチできているのでしょうか。また、アクセスを集めているコンテンツは、自社が訴求したいコンテンツでしょうか。自社が求めているアクションをユーザーに喚起できているでしょうか。

例えば、問い合わせフォームが設置されているページへのアクセスが多いにもかかわらず、問い合わせが少ない場合、入力フォームのユーザビリティ(機能)に問題があるかもしれません。あるいは、訴求したいページの滞在時間が非常に短く、離脱率が高い場合は、そのページのファーストビュー(デザイン)に問題があると考えられます。

このように、アクセス分析はたくさんの示唆を私たちに与えてくれます。次に紹介するGoogle Search Consoleとあわせて利用して、リニューアルコンセプトの立案にいかしましょう。

Google Search Console(グーグルサーチコンソール)

Google Search Consoleは、Google アナリティクスと同じく、Googleがホームページ運営者向けに提供しているサービスです。以前はGoogle ウェブマスターツールと呼ばれており、そちらのほうが耳馴染みのある方も少なくないかもしれません。

Google Search Consoleは、主にホームページがGoogleからどのように認識されているかを教えてくれます。例えば、下記のような機能があります。

  • リッチスニペットの表示確認(リッチスニペットとは検索結果に、画像や著者名などを表示させる特殊な記述のこと)
  • ホームページの改善点の提案(HTMLマークアップ、URLの正規化、モバイルフレンドリー対応など)
  • 検索エンジンからの流入キーワード
  • 内部リンクや被リンクの状況
  • インデックス状況(インデックスとはGoogleの検索結果に掲載されること)
  • サイトマップの登録(検索エンジンのためのサイトマップ)
  • クローラーへのクロール依頼(クローラーとは、検索結果に掲載するためにホームページを訪問し、情報を収集する自動巡回プログラムのこと)

Googleからの改善提案を受けられる非常に重要なツールですが、このなかでも最も有効な機能は、検索エンジンからの流入キーワードを確認できることです。どのような検索キーワードでユーザーが自社のホームページにたどり着いたかを知ることは、すなわちユーザーのニーズを知ることでもあります。

一方、望んでいないキーワードでアクセスされていたり、望んでいるキーワードでのアクセス数がふるっていなかったりといった問題点も発見できるでしょう。

リニューアルコンセプトの策定にWebマーケティングの視点を

現状のホームページの問題点を整理したら、どのようにリニューアルをするべきか、コンセプトを策定します。このコンセプト立案は社内稟議においても、業者への案件説明においても、プロジェクトの立脚点として重要な作業です。

コンセプトとして決める必要があるのは「リニューアルの目的」と「ターゲットペルソナ」。まずはこの2つでよいでしょう。具体的なゴールの設定は次のステップで行います。

「目的」と「ターゲット」を決めるためにはどうしたらよいのでしょうか。いま一度、自社のホームページのポジショニングを洗い直すために、Webマーケティングの手法を取り入れましょう。

この際に有効なのは、マーケティングでよく使用される思考フレームワークです。いくつかのメジャーなフレームワークを紹介します。これらを活用して、リニューアルに求められることを深掘りし、現状に即したターゲットに狙いを絞りましょう。

3C分析

3C分析は、外部環境と自社を分析し、市場のなかで自社をいかに差別化していくかという戦略を練るために有効なフレームワークです。3Cとは、Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)を表しています。それぞれの要素を分析し、自社だけが持つ強みを発見することが可能です。

  • Customer(顧客):自社の顧客やその傾向およびニーズ、市場の規模や展望を分析し、潜在顧客の像を浮かび上がらせます。
  • Competitor(競合):競合他社のマーケットシェアや、強み、弱みを把握することで、自社のシェアの獲得やプレゼンスの確立における策を考えます。
  • Company(自社):自社の売上高やマーケットシェアなどの客観状況を把握し、自社の強みと弱みを認識します。
4P分析

4Pとは、Product(製品)、Price(価格)、Place(立地・流通)、Promotion(広告・販売促進)を意味します。これらは自社で変更や改善ができる要素であり、それぞれを分析することで、自社の方向性や今後の展開を見出していきます。一例としては、下記の4Pそれぞれの視点でマトリクスを作り、競合他社と比較するとよいでしょう。

  • Product(製品):製品の品質、機能、品揃え、ブランドイメージ、こだわりなど、自社と他社の製品やサービスの差を考えます。強みを見出して差別化を図るべきか、他社の強みに対抗していくのか、比較すると戦略が見えてくるでしょう。
  • Price(価格):価格が高いか、低いかは、競合のプライシングによりますので、相対的な評価となります。値引きやキャンペーン戦略が有効なのか、またブランディングにより高価格のほうが売れる商材なのか、安い価格で売り出したほうが売れるのかといった視点で考えましょう。さらにECでは、配送料のわかりやすさと金額設定、送料無料のキャンペーンの有無なども焦点となります。
  • Place(立地・流通):店舗であればアクセスはよいか、ECであれば配送は迅速かといった点で他社と比較してみましょう。また、地域性の強いビジネスの場合は、ホームページ上で地域性がしっかりと打ち出されているかも検討が必要です。例えば、ターゲットとなるビジネスエリアの地名を、ページタイトルなどの重要なSEO要素に含むだけでも効果があります。
  • Promotion(広告・販売促進):一般的な4PでのPromotionは、ホームページはもちろんのこと、チラシや営業訪問、新聞広告などを含みます。Webマーケティングに絞って考えるなら、リスティング広告やバナー広告、ネイティブ広告、動画広告、SNS広告といった広告媒体が挙げられます。さらに、バイラル(口コミ)も立派なPromotion要素です。つまり、TwitterやFacebook、Instagramといったソーシャルメディアでの露出や拡散は重要であり、コンテンツマーケティングとしてのブログやオウンドメディアもPromotionとして大きな役割を果たします。またECであれば、主にWebマーケティングに特化した視点で考えるとよいでしょう。自社に必要な広告要素をピックアップし、他社の広告戦略と比較分析します。

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具体例で考える!リニューアルコンセプト策定の流れ

Google アナリティクスやGoogle Search Consoleのデータを利用して、現状の問題把握をしたうえで、3Cと4Pを使った自社のポジショニングや強みを洗い出すと、おのずと自社のホームページのあるべき姿が見えくるのではないでしょうか。

仮に具体的な例を挙げてみます。

化粧品メーカーA社のケース:2010年にホームページ(ECサイト)開設

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化粧品メーカーであるA社は、2010年に現在のECサイトを開設。ターゲットを20〜30代の女性とし、当時の人気美容製品を主に打ち出したビジュアル展開で、デザインにこだわりましたが、予算の都合でCMSは導入しませんでした。

■直近数年で問い合わせが減少傾向に

新製品の発売の際にキービジュアルを更新したり、プレスリリースを出したりするなど、数ヶ月に1回の更新ペースを維持してきましたが、ここ数年はアクセスが完全に頭打ちしています。また、ECサイトからの売上はここ数年、減少傾向に。

■Google アナリティクスで発覚したスマートフォンユーザーのアクセス数

Google Analyticsのデータを分析してみると、平均滞在時間が非常に短く、新規会員登録ページの離脱率も高いことが判明。さらにデータを見ていくと、アクセスユーザーのほとんどは製品のターゲットである20〜30代の女性であり、スマートフォンからのアクセスが50%近い割合でした。

■スマートフォン非対応による機能的問題の発覚

実際にスマートフォンから自社ホームページにアクセスしてみると、ページが画面からはみ出ており、非常に見づらい状態。また、新規会員登録ページや購入者情報の入力ページにたどり着いたとしても、入力フォームへの入力が困難でした。

■Google Search Consoleの導入

アクセス分析の結果を受けて、Google Search Consoleを導入。すると、Googleからモバイルフレンドリーではないという警告が届き、いくつかの対応策が提示されました。モバイルフレンドリーでないページは、モバイルデバイスからの検索の際に順位が低下する場合があります。

■検索キーワードから見えたユーザーニーズ

また、流入ユーザーの検索キーワードを調べてみると、意外に旧製品名の検索が多いものの、トップページから旧製品ページには動線がなく、ユーザーのニーズとのギャップが発覚しました。

■現在のホームページの問題点を整理

このような分析から、現状のホームページの問題点は、スマートフォンに対応していないこと、商品ラインナップのページ作り、ナビゲーションなどにあることがわかりました。

■3C分析を行って判明した新製品群の競争力の弱さ

問題点を踏まえて、3C分析を実施。すると、ターゲットとしているユーザーは、20〜30代の女性でブレがないことを再確認しました。しかし、競合他社の製品展開やGoogle Search Consoleによる検索キーワード、新製品の売上から総合的に判断すると、新製品の競争力が弱く、旧製品群のブランド力が依然として非常に強いことがわかってきました。

■4P分析を行う

A社は自社店舗を持っていませんが、非常に強力な販売網を有しており、競合他社より優位にあります。プライシングに関しては、他社よりもやや高めですが、ブランディング方針として値下げをする予定はありません。製品に対する品質に自信はありますが、やはり販促活動や販売戦略に関しておろそかではないかという指摘がありました。

また、数年前にTwitterアカウントを開設したものの更新を怠っていたためにフォロワー数は増えておらず、リスティング広告も制作業者に任せきりな状態。他社に比べて、社内にWebマーケティングのノウハウが圧倒的にないことが見えてきました。

リニューアルコンセプトの策定

これらを総合し、ホームページリニューアルの目的は、「アクセスおよび問い合わせの数を増やすこと」「スマートフォンに対応させること」「人気が根強い旧製品群も訴求すること」「ホームページと連携して、ソーシャルメディアを活性化すること」と設定しました。

2.    リニューアルのゴール設定

さて、大きなコンセプトが策定できたところで、具体的なゴール設定をしましょう。リニューアルをすることによって、何がどのように改善されるべきなのか、指標を設定しておく必要があります。これを設定していないと、リニューアルをしても明確な効果測定ができません。定点的に効果観測をして、PDCA(Plan:計画、Do:実施、Check:評価、Action:改善の頭文字)サイクルを回しながら、マイナー修正によってサイトメンテナンスを行っていくのが効果的です。

マーケティングにおいて、このような指標のことをKPIと呼びます。KPIは必ずしもひとつである必要はなく、むしろ多段階に設定しておくとよいでしょう。

問い合わせ数の向上を目的としたリニューアルの具体的なKPIの例

  • 最重要KPI:コンバージョン=問い合わせ数(資料請求、購入など)、サイト全体のアクセス数(UU数)、CVR=コンバージョン率(問い合わせ数÷サイト全体のアクセス数)
  • そのほかのKPI:問い合わせページの離脱率、人気商品ページのアクセス数、狙った検索キーワードからの流入数

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3.    制作業者の選定

コンセプトやゴール設定が決まったら、実際にホームページのリニューアル作業を行う制作業者の選定を始めます。既存ホームページの制作業者との関係が良好であれば、現状の問題点を提起して依頼してもよいでしょう。

ただ、制作業者によって強みと弱みがあり、相場感もさまざまなので、リニューアルを機にほかの業者に見積もり依頼や提案依頼をしてみるのは有益です。制作業者を選定する明確な基準を定めるのは難しいですが、いくつかの注意点を挙げます。

相見積もりは必須。ただ、制作費用だけを選定基準にしてはいけない

見積もりは必ず複数の制作業者に依頼し、比較検討しましょう。リニューアルに限らず、ホームページ制作の費用は相場感があってないようなもの。なぜなら、制作業者の制作スタイルによって、見積もりやプロジェクトの規模が大きく変わるからです。

例えば、ディレクター以外は外注をする制作業者と、インハウス(社内)で制作スタッフを抱えている制作業者があります。後者はデザイナーとマークアップエンジニアを兼任できるスタッフを抱えている場合も。また、紙媒体の斜陽化により、グラフィックデザインからWebデザインに転向したプログラマーが社内にいない制作業者も増えています。それぞれ人件費やタイムコストが異なるため、業者によって見積書の項目もさまざまです。

さらに、オプション的な機能を含んでいる見積もりと、含んでいない見積もりがあります。安いと思って依頼をしたものの、いざ納品されてみると思っていた機能がなかったということも起こりかねません。

価格だけを判断基準にはせず、提案内容を精査しましょう。また、前述のように制作体制について確認しておくことも重要です。

制作業者の強みを見極める

制作業者には個性があります。デザインが強い、プランニングが強い、コンテンツマーケティングが強いなど、提案書を吟味して各業者の強みを見極め、リニューアルコンセプトにふさわしい制作業者を選びましょう。特に、デザインには業者ごとの強い個性が出ます。費用の安い業者を選んで、こちらの希望するデザインを依頼するよりも、希望するデザインのテイストに近い業者を選ぶほうが満足のいく仕上がりになるでしょう。

営業だけではなく、ディレクターとのコミュニケーションを重視する

制作業者の営業担当者だけではなく、実際に制作に携わるディレクターのコミュニケーションスキルを重視しましょう。制作が始まると、制作業者の窓口は営業担当者から制作のディレクターにバトンタッチされます。自社のリニューアルプロジェクトの担当者と制作業者のディレクターとの相性は重要です。発注を確定させる前に、ディレクターと会う機会を設けておけるとよいでしょう。

4.  プランニング

制作業者を選定後、いよいよ具体的なリニューアルのプランニングを制作業者と進めていきます。制作業者への見積もり依頼時にある程度のリニューアルコンセプトは伝えているはずなので、業者側からの提案書のブラッシュアップと精緻化を行うことになります。

どのようなポイントを検討していくべきか、具体的に説明しましょう。

KPIを達成するための戦略策定

社内で設定したKPIを達成するための戦略を立てます。専門家である制作業者と相談して、目標のKPIを達成するための具体策を考えます。

サーバー、ドメイン、システムの見直し

サーバーやドメインの変更、システムのリニューアルや新規導入など、インフラ面を検討します。

サーバーの変更:
新しいシステムを導入する際に、現在のサーバーの仕様が要件を満たしていない場合などに変更が必要になります。ドメインのDNS設定も新たにする必要があり、後述しますが、該当ドメインのメールアドレスの設定なども変更しなくてはなりません。

ドメインの変更:
リニューアルに際しドメインも新しくする場合は、リダイレクトの設定など、SEOに配慮したさまざまな施策が必要です。

システムのリニューアルや新規導入:
CMSなど、既存のシステムのリニューアルやバージョンアップ、あるいは新規導入に際しては、サーバーの変更が必要な場合があります。

コンテンツ構成の見直しとサイトマップの作成

ホームページリニューアルの作業において、コンテンツの見直しは重要なプロセスのひとつ。あくまでリニューアルなので、既存のコンテンツを更地化してしまうのではなく、整理整頓をして、上手にいかしていきたいものです。

アクセス分析でユーザーの行動フローや既存の人気コンテンツを探る

リニューアルコンセプトを策定するプロセスを振り返ってみてください。アクセス分析を利用すれば、既存ホームページの人気コンテンツや、潜在ニーズ、また行動フローの問題点がわかります。

既存の人気コンテンツは残しましょう。また、こちらが訴求したいのにアクセスを獲得できていないページは改善が必要です。どうしてそのページの集客が失敗しているのかを分析して、対応策を考えましょう。

コンテンツの分類や階層をわかりやすく整理整頓

豊富なコンテンツはホームページの財産でもあるため、リニューアルだからといって不用意に削除していくことはおすすめしません。ただ、情報が多いことによって、ユーザーが必要な情報にたどり着けないことが最大の問題です。

コンテンツは適切に分類されているでしょうか。あるいは、分類はされていても、階層が何段階にも深くなっていないでしょうか。ユーザーが目的のページに最小限のクリック数でたどり着けること、そして迷わないことを意識して整理整頓しましょう。

ただし、コンテンツの全体量があまりに多い場合は、リダイレクト(旧ページから新ページへの転送)が煩雑になるため、注意が必要です。

サイトマップの作成

コンテンツの構成案が決まったら、サイトマップを作成します。ホームページリニューアルにおけるサイトマップの作成は、新規のホームページ制作時のものとはまったく異なった意味を持ちます。

ホームページリニューアルにおけるサイトマップは、新ホームページのサイトマップと旧ホームページのサイトマップを並べてリストアップし、どのページがどのページにつながるのかを計画することが必要です。

EFO(入力フォーム最適化)の検討

ホームページリニューアルのKPIはケースバイケースですが、入力フォームはどのような場合においてもユーザーと自社をつなぐ重要なコミュニケーションプラットフォームです。せっかくユーザーが問い合わせページにたどり着いても、入力の手間で離脱してしまうことは、世界中のホームページ運営者の悩みでしょう。

EFO(入力フォーム最適化)は、ユーザーにストレスを与えがちな入力フォームをできる限り使いやすくしようとする施策のこと。例えば、下記のような入力支援が挙げられます。ぜひリニューアル後のUX向上のために導入を検討しましょう。

  • 郵便番号を入力すると、住所が自動入力される
  • 入力エラーがある場合にチップが現れたり、フォームの色が変わったりするなど、エラーが発生している個所をわかりやすく表示する
  • ページ遷移をせずに、入力エラーを知らせる

制作内容調整後の最終的な見積もり

業者選定時の初回提案において、おおまかな見積もりが提出されているはずなので、この時点で社内の稟議はすでに通っているでしょうが、プランニングが進むにつれ、実際の制作費用は必ず増減します。コンテンツの構成が決まればホームページのおおまかな仕様も確定してくるので、最終的な制作費の見積もりを制作業者に依頼しましょう。

スケジュールの決定

最終見積もりとあわせて、スケジュールを確定します。制作業者の納期と自社の希望納期をすり合わせ、双方が合意できるところで設定しましょう。リニューアル作業においては、一般的なホームページ制作と同様に、依頼側が準備しなければならないデータや資料が少なくありません。自社が担当しなければならない作業の分量を把握しておくとよいでしょう。

5.  ワイヤーフレーム制作

制作作業は、ワイヤーフレーム制作からスタートします。ワイヤーフレームとは、Webサイトのレイアウトのことです。ナビゲーションやキービジュアル、メインコンテンツの位置などをおおまかに決めていきます。

UIの追求

レイアウトを決めるこのステップで、ホームページのナビゲーションや動線が決まるため、ワイヤーフレームの制作はすなわちUIの決定でもあります。まだデザインされていないレイアウト枠ですから、一見するとまだまだホームページの形は見えてこないように感じますが、このステップでUIについてはデザイナーと相談しながらしっかりこだわりましょう。ただし、制作方式によっては、ワイヤーフレームの段階を踏まない場合もあります。

レスポンシブデザイン or スマートフォンサイト独立型

リニューアルにおいて、スマートフォンやタブレットといったデバイスへの対応方法を決める必要があります。大きく分けると、レスポンシブデザインか、スマートフォン用のページを用意するかの2択です。

レスポンシブデザインは、閲覧するデバイスの表示幅によってデザインが伸び縮みします。ひとつのページで、すべてのデバイスに対応できる点がメリットです。ひと口にスマートフォンといっても、その表示幅は多種多様。したがって、どのような表示幅にも柔軟に対応できるレスポンシブデザインはデザインの主流となっています。

一方で、スマートフォン用に独立したページを設ける場合は、スマートフォン用に特化させたコンテンツ作りが可能です。スマートフォンのインターネットブラウザは、PCのブラウザに比べて新しいバージョンのシェアの高さが特徴。ひとつのページですべてのデバイスをカバーするレスポンシブデザインでは、古いPCのブラウザへの配慮が必要ですが、スマートフォンサイト独立型であれば、新しいWeb技術を楽に取り入れることができます

しかし、制作の手間や更新性を考えれば、レスポンシブデザインに分があることは否めません。リニューアルの目的に応じた判断をしましょう。

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6.  デザイン制作

ワイヤーフレームが決まると、ホームページのデザイン制作が始まります。デザイン制作については、基本的にワイヤーフレームをもとにデザイナーが提案します。依頼側は、デザイン案がリニューアルコンセプトに沿っているか検討するとよいでしょう。

近年のトレンドとしては、比較的シンプルなWebデザインが好まれるようです。これには美的感覚の変遷というよりも、より機能性を伴ったデザインへと洗練されてきた経緯があります。

スキューモーフィズムからフラットデザインへ

Apple社のiPhoneが世に登場したころのアプリアイコンの立体的なデザインを覚えているでしょうか。グラデーションを多用し、立体感や光沢といった質感を表現したスキューモーフィズムというリッチで装飾的なデザインが流行しました。

その後、2013年にリリースされたiOS7から、スキューモーフィズムの要素を排したフラットでシンプルなデザインのアイコンに刷新。これはフラットデザインと呼ばれ、新たなWebデザインの潮流となりました。

フラットデザインからマテリアルデザインへ

機能性を重視したUIとしてフラットデザインは広まりましたが、装飾的な要素を排したことで、UIの低下を招いてしまいました。例えば、要素と要素の差がなさすぎて、どこがリンクボタンかわからないといったような問題が起きたのです。このようなデメリットを解決するために生まれたのが、マテリアルデザインです。

2014年にGoogleが提唱しはじめたマテリアルデザインは、フラットデザインのシンプルさを残しながらも、要素に影を付けて、デザインに奥行き(立体構造/重なり/レイヤー構造)を加えました。これによって、要素と要素の関係性やクリックできる場所がひと目でわかるデザインを実現できるようになりました。

マテリアルデザインは、レスポンシブデザインとの相性もよく、すべてのデバイスに親切なデザインです。業界やターゲットによってデザインの嗜好があるため、一概によしあしを決めつけることはできませんが、リニューアルを機会に、この最新のデザイン手法を取り入れてみるのもよいでしょう。

7. コーディングおよびシステム構築

デザインが完成すると、最後の工程としてコーディングを行います。家を建てるときに例えるなら、デザインが設計図や3Dパースで、コーディングは実際の建築作業といったところです。デザインという図案を実際のWebページに起こしていく作業になり、コーディング作業の一貫としてシステムの構築も含まれます。

また、旧ホームページのページにアクセスしたときにエラーが出ないように、リダイレクトと呼ばれる新ページへの転送手続きも行います。

8. 納品

コーディングが完了すると、多くの場合、テスト用サーバーなどにアップされたページを依頼側がチェックします。問題がなければ本番サーバーにアップロードし、公開をもって納品とされます。

チェックポイントとしては、下記のような点が挙げられます。

  • Google Chrome、Firefox、Edge(Internet Explorer)、Safariといった主要なインターネットブラウザで、デザインどおりに表示されているか
  • iPhoneおよびAndroid端末でデザインどおりに表示されているか
  • リンクミスがないか
  • 誤植がないか
  • マウスを乗せたときの仕掛けなどが予定どおりに動作するか
  • Google Search Consoleで警告が出ないか(公開後に確認します)
  • Googleの検索結果に掲載されている旧ページにアクセスしたときに404エラーが出ずに、新ページに転送されるか(公開後に確認します)

さあ、これでリニューアルプロジェクトは完了です。リニューアル後のメンテナンスについては後述します。

ホームページリニューアルの提案書、企画書の作り方

ホームページリニューアルの流れを理解したところで、効果的な提案書や企画書の作り方について触れておきましょう。ここでは、リニューアルコンセプトを策定したあとに制作業者からの見積もりを受けて、社内で稟議を通すための企画書の作り方におけるポイントを紹介します。

ホームページリニューアル企画書の作り方

手元には相見積もりをとった複数の制作業者の企画書や見積書がずらり。そのうえ、提案書の構成は業者によってそれぞれです。どうすれば、社内プレゼンを成功させられるのでしょうか。制作業者の提案書のポイントをうまくまとめてみましょう。

制作業者の提案書を上手にまとめるには?

制作業者からの提案書は、ときに専門用語が混じり、そのまま社内で共有することは難しい場合があります。技術的な要素を省き、次のポイントをまとめるとよいでしょう。

  • コストの見積もり
  • おおまかな納期
  • 問題解決の手段
  • 提案書に記載されたワイヤーフレームなどのビジュアル提案
  • 制作業者の制作実績の一部

業者選定のプロセスで複数の制作業者の情報を社内検討用にまとめるには、上記くらいの項目に収めなければ情報過多になります。

ホームページリニューアルの費用

社内稟議やプロジェクトの予算確保といったプロセスにおいて、やはり最も気になるのはホームページリニューアルにかかるコストです。ホームページリニューアルの相場はどれくらいなのでしょうか。

前述のとおり、ホームページ制作の費用は計上の方法が制作業者によってさまざまで、相場と一括りにできる目安がありません。2015年11月に株式会社Misocaが下記のようなページで、全国のホームページ制作業者の料金表をまとめています。このページを見てもわかるように、やはり費用感はばらばらです。

参考:WEBデザインの見積り料金まとめ【2015年】|mitsumolist

ただ、リニューアル案件に関しては、既存のホームページの制作費がひとつの目安になるでしょう。例えば、既存のホームページがスマートフォンに対応していなく、CMSも導入されていないとします。そうすると、もともとの分量のリニューアルをしたうえで、レスポンシブデザインへの対応やCMSの導入というコストがかかってきますから、制作当初のコストよりは高額になる可能性が高いといえるでしょう。

Webページの制作作業そのものが日々複雑化している背景もあり、コストの削減には一定の妥協が必要になるケースも少なくありません。既存のホームページにかかった費用を当初の予算として、そのなかでできることを制作業者と相談していくのが正攻法ではないでしょうか。

ただし、画像素材やテキスト原稿などを上手に使いまわすことで、ライティングや画像素材購入費を節約することも可能です。

ホームページリニューアルの注意点

メリットの多いホームページリニューアルですが、デメリットや注意点はないのでしょうか。実は、少なからず注意すべきポイントがあります。

業者変更の際には権利関係を確認

既存のホームページの制作業者とは別の業者にホームページのリニューアルを依頼する際には、画像素材やテキスト、Webページそのものの権利が自社に帰属しているかを、制作時の契約書などで確認しておきましょう。念のため、旧制作業者にも別業者にリニューアルを依頼することを伝えておいたほうがトラブルを回避できます。

ドメイン変更のリスク

ドメインもブランドイメージを形成するものであり、こだわりたいポイントです。しかし、別段これといったタイミングもなしに、おいそれとは変更できないもの。ホームページリニューアルを機に思い切ってドメインを変更する場合は、さまざまなリスクを理解しておく必要があります。

SEOにおける注意点

ドメインを変更して新ホームページを開設し、何も対策を行わずに旧ホームページを削除したとします。すると、検索結果にインデックスされている旧ドメインのページにユーザーがアクセスすると、当然ですが404エラーが出ます。

いくら別のドメインで同様のページを用意したとしても、リダイレクトという転送処理を行わなければ、旧ページが保有していたSEOの効果が新ページに引き継がれることはありません。

SEOでは、ドメインの年齢(取得してから経った年月)が評価されるといわれています。いくら問題があったからといっても、旧ドメインが培ってきたSEOのメリットを捨ててしまうのはもったいないもの。旧ドメインのページから新ドメインの該当ページに、301リダイレクトという処理が行われるようにしましょう。これにより、新ページに旧ページのSEO効果が引き継がれるとされています。

社内のメール設定

ドメインを変更した場合、旧ドメインのメールアドレスも新しいドメインのメールアドレスに移行したほうがよいでしょう。この場合、新規のメールアカウントを作成のうえ、社内の各PCなどのデバイスに新規設定を行う必要があります。旧ドメインのメールアドレスの設定は残しておく、あるいは新メールアドレスに転送されるようにするなどの対応もしなければなりません。取引先への周知もしっかりと行いましょう。

名刺やパンフレットなど紙媒体の刷新

ドメインの変更は、ホームページのURLやメールアドレスが記載されているあらゆる資料や媒体の刷新を必要とします。名刺やパンフレットなど、紙媒体の修正が必要です。ドメインを変更する場合は、こういった対応にかかるコストも想定しておきましょう。

URL正規化の注意点

ドメインを新規に用意した場合、SEO施策の一貫としてURLの正規化を行う必要があります。例えば、「http://www.innova-jp.com」と「http://innova-jp.com」というURLがあるとしましょう。これらは同じ「innova-jp.com」というドメインのページであり、アクセスすると、同じコンテンツが表示されます。

このようにひとつのホームページに重複したドメインが設定されているのは、どちらがオリジナルかわからないのでSEO的によくありません。「www」の有無いずれかをオリジナルとして、検索エンジンに認識させる必要があります。

この作業はGoogle Search Consoleで行うことが可能です。また、Webページのマークアップにおいて「canonical」リンクの設定を行うことでも対応できます。制作業者に確認しておきましょう。

リニューアル後にやるべきこと

最後に、ホームページリニューアル後にやるべきことを紹介します。リニューアルをして終わりではありません。ホームページの運営は、地道なPDCAの繰り返しです。理想のホームページに近づけて、目標のKPIを達成できるように、適切なメンテナンスをしていきましょう。

プレスリリースの出稿

ホームページをリニューアルすることは、ブランドイメージの刷新や顧客に対するアティチュードを表明するよい機会です。リニューアルのコンセプトや理由、今後の自社の展望といったメッセージをプレスリリースとして配信しましょう。

ソーシャルメディアでの告知

TwitterやFacebook、Instagramといったソーシャルメディアは拡散性が高く、話題性のある情報はスピーディーに伝播していきます。ぜひ自社のソーシャルメディアからホームページリニューアルのお知らせを配信し、プレスリリースと同様に、リニューアルに込めたメッセージやビジョンを発信しましょう。

KPIをモニタリングして、PDCAを回す

目標としているKPIを常に監視しましょう。リニューアル後の経過を観察しながら、改善点を発見してPDCAサイクルを回し、マイナーチェンジやA/Bテストなどを行います。リニューアルをして完成ではありません。目標KPIを達成し、次なる目標の設定を目指しましょう。

身近なユーザーへのヒアリング

アクセス分析やコンバージョンのモニタリングも重要ですが、ユーザーがホームページから受ける素朴な印象も貴重な情報です。家族や知人、取引先などに、リニューアルされたホームページの感想をヒアリングしましょう。

サイトの順位が下がったら……

リニューアルを行ったあとに検索エンジンでの順位が下がったという事例は数多くあります。Googleの検索基準は非公開ですから、その理由のすべては明らかになっていませんが、順位低下を引き起こしやすい原因として挙げられるのがリダイレクトミス(リダイレクト漏れ)です。

リニューアル前のページからリニューアル後のページに適切にリダイレクトがなされていない、旧ホームページのページにリダイレクト忘れがあるといったミスが順位低下を招くと考えられています。このような問題を防ぐために、ホームページリニューアルの手順で紹介した「サイトマップの作成」で新旧のページリストを漏れなく作成し、リダイレクトの設定を正確に行う必要があるのです。

最後に:ホームページリニューアルを失敗させないために

ホームページリニューアルは、新規でホームページを制作するよりも、はるかに複雑なプロジェクトです。せっかく時間と費用をかけたリニューアルを失敗させないためには、何に気をつければよいのでしょうか。

まず、しっかりとプランニングを行うことです。場当たり的に制作を進行していくと、ホームページリニューアルは失敗してしまいます。特に、旧ホームページのボリュームが多い場合は、入念な準備が必要です。納期を急がず、プランニングに時間をかけ、制作業者とのコミュニケーションを密に行いましょう。

次に、コンテンツの更地化をしないことです。すべてを一新するのではなく、人気のある既存コンテンツはなるべく残して上手に新ホームページに使いまわし、旧ホームページから適切にリダイレクトを行いましょう。

同様に、ドメインについても不用意に変更をしないことをおすすめします。リダイレクトの設定いかんにかかわらず、同一ドメイン内のリニューアルに比べると、やはりリスクを伴うもの。どうしてもドメインを新しくしたい場合は、ブランディングとマーケティングの視点を天秤にかけ、制作業者の意見を聞いたうえで判断しましょう。

これらのことを意識して、ホームページリニューアルを成功に導きましょう!

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