多言語SEOとは?海外進出、海外からの集客を実現するための対策を解説

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企業が新たな市場を求め海外展開を開始する、越境ECで海外向けの商品を日本から発信したいといったケースは年々増加しています。また、海外から日本に来る観光客向けに実店舗の情報を伝えたいといったケースも今後、増加していくでしょう。そうした際に必要となるのが、多言語対応が可能なWebサイトの構築です。しかし、通常のWebサイト同様に検索エンジンで上位表示されなければ見つけてもらうことはできません。そこで重要となるのが、1つのWebサイトで複数の言語が存在するWebサイトでのSEO対策である多言語SEOです。今回は多言語SEO対策の基本とポイントをお伝えします。海外進出、海外からの集客を検討している際はぜひ、参考にしてください。
目次
多言語Webサイトが注目を集める理由
そもそも多言語SEOが求められるのは、多言語Webサイトが増加しているためです。たとえば、経済産業省が発表した「電子商取引に関する市場調査(令和2年度)」によると、世界の越境EC市場規模は2019年の7,800億USドルから2026年には4兆8,200億USドルと約6倍以上の伸びになると予測しています。
参照:電子商取引に関する市場調査(令和2年度)103p|経済産業省
近年、新型コロナウイルス拡大の影響もあり、海外に拠点を持って海外進出を実施する企業自体は微減の状況です。ただ、オンラインでの取引や越境EC市場の盛り上がりから多言語Webサイトは大きな注目を集めています。
多言語Webサイト構築時に気をつけたいこと
多言語WebサイトでSEOを行う場合、Webサイトを構築する段階でいくつかの気をつけたい点があります。具体的には次のとおりです。
翻訳精度を高める
機械的な翻訳サイトで翻訳した文章は「直訳」となり、不自然な文章だったり、実際には意味が伝わらないケースも少なくありません。海外の人に対し正しく ? ? 情報を伝えたいのであれば、翻訳精度を高め、しっかりと伝わる内容にする必要があります。
ターゲット ? ? 国のWebサイトを研究しローカライズする? ? ?
各国の文化や慣習、法律などは必ず確認しましょう。また各国の同業他社のWebサイトを見てデザインやUIなど日本とは異なる点がないかを確認し、その国のトレンドに合わせることが重要です。
多言語Webサイトに対するGoogleのスタンス
多言語WebサイトでのSEOに対し、Googleはどのようなスタンスでいるのでしょう。ここでは、多言語Webサイトを運用するうえで知っておくべきGoogleのスタンス、評価について解説します。
Googleでは、基本的にWebサイトがどの言語、どの地域のユーザーに情報を発信しているのかをいくつかの方法で判別し、最適だと思われるユーザーに検索結果を表示させます。そこでまず理解しておきたいのが多言語と多地域の違いです。
多言語Webサイトとは、前述したように1つのWebサイトに複数の言語ページが表示されるものです。たとえば、日本企業が日本語と英語、中国語の3か国の言語を使ったページを用意しているWebサイトがそれに該当します。
これに対し、多地域Webサイトとは、言語は同じでも多くの地域を対象にしたWebサイトです。たとえば、イギリスの企業でアメリカやシンガポールなど地域は複数あるものの同じ言語の国に顧客を抱えているケースが該当します。
Googleは、多言語Webサイトでも多地域Webサイトでも基本的に検索ユーザーの言語と一致するページ、検索ユーザーが検索をしている地域のページを検索結果に表示させます。
ただし、単純に多言語Webサイト多地域Webサイトを構築するだけでは、それぞれのページがどの言語、どの地域に合わせて作られているかを検索エンジンは判断できません。そこで重要になるのが、多言語SEOです。
次項では、多言語SEOを実施するためのポイントについて解説します。
多言語SEO対策のポイント
越境ECや海外展開を検討している場合、一つの言語に絞ってWebサイトを構築したほうがSEO対策もしやすいのではと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、言語によって別のWebサイトを構築するのは2倍の手間がかかるため、現実的ではありません。
効率的な複数言語のWebサイト管理には、多言語化が必須であり、多言語Webサイトに適したSEO対策が重要となるのです。そこで、実際に多言語WerbサイトでのSEO対策を行う際のポイントについて見ていきましょう。
多言語Webサイトの管理を行う
- 言語のバージョンごとに異なるURLを使用する
Googleでは、Cookieやブラウザの設定でコンテンツの言語を調整するのではなく、ページの各言語のバージョンに異なるURLを使用することを推奨しています。具体的には、hreflang アノテーションを使用し、検索結果がページの適切な言語のバージョンにリンクさせるようにします。
- 複数の言語のバージョンがあることを Googleに知らせる
上述した、hreflang アノテーションのほかサイトマップなどを使用し、Googleに複数の言語のバージョンがあることを知らせます。
- ページの言語が明確にわかるようにする
Googleは、1つのページに複数の言語が表示されているとどの国、地域に向けたページであるかの判断がしにくくなります。たとえば、英語ページのなかに訳文として日本語も併記するようなケースです。特にコンテンツとナビゲーションは1つの言語だけで表記するようにしましょう。
- ページの言語をユーザーが切り替えられるようにする
たとえば、中国のように同じ国でも複数の言語があるため、同じ内容のページでも複数のバージョンがある場合、自動的にリダイレクトすることは避けなければなりません。検索エンジンがすべてのページをクロールできなくなるだけではなく、ユーザーも必要なページにたどり着けないリスクがあります。
複数バージョンのページを用意する場合、リダイレクトではなく、ハイパーリンクを設置して、ユーザーが自身で選択できるようにしましょう。
- 言語ごとのURLを使用する
URLに特定の国や地域の単語を使用する場合、国際化ドメイン(IDN)を使用するのもおすすめです。ただし、URLは必ずUTF-8エンコードを使用し、リンクはURLを適切にエスケープするようにします。
地域ターゲティングを実施する
多言語SEOの別のポイントとしては、地域ターゲティングの実施も効果的です。具体的には、GoogleサーチコンソールでWebサイトを表示する国を選択します。
また、URLやビジネスプロフィールの設定も重要です。Googleは地域を認識する際、国別コード・トップレベルドメイン、ビジネスプロフィールを参照しているため、地域ごとのURLを使用する。ビジネスプロフィールを正しく記載するなどは欠かさないようにしましょう。
ほかにも、Webサイトを置いているサーバーの場所も考慮が必要です。Webサイトを表示する国や地域に近い場所にあるサーバーのほうが高い評価を得られる可能性が高くなります。必須ではないものの、可能であればAWSのようなクラウドコンピューティングサービスを利用してWebサイトの構築をすることも検討しましょう。
多言語WebサイトでのSEOでもっとも需要なポイントはコンテンツのの「ローカライズ」? ? ?
日本語のWebサイトでもどれだけしっかりとSEO対策が行われていたとしても、肝心のコンテンツがわかりにくい、読みにくいものであれば意味がありません。多言語Webサイトでも同様で、もっとも重要なポイントはターゲット国に対して、言語の最適化はもちろん、その国の文化や習慣、法律などに合わせてコンテンツをローカライズすることです。機械翻訳だけに頼ることなく、現地の言語をよく理解している人に監修してもらう、人力の翻訳サービスを活用するなどできるだけ翻訳精度を高める施策を行いましょう。そのうえで初めてSEO対策を検討します。
SEO対策は、Googleが提唱する管理がおすすめですが、国によってはGoogleよりも現地の検索エンジンが利用されているケースも珍しくはありません。必ず現地の主要な検索エンジンを確認し、検索の傾向を把握することが、多言語でのSEO対策につながります。
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