商品やサービスの種類にもよりますが、100の言葉を使うよりも10秒の動画で多くのメッセージが伝わるケースも少なくありません。インターネットでの動画広告市場は年々増加を続け、2025年には1兆円を超えるとの予測もされています。そこで重要になるのが動画を使ったコンテンツの作成とそれに伴うSEO対策です。動画もテキスト同様、見てもらわなければどれだけ良質なものをつくっても意味がありません。今回は、動画を多くのユーザーに見てもらうためのSEOについて、具体的な対策をお伝えします。企業のWebサイト・広告担当者の方はぜひ、参考にしてください。
参照:サイバーエージェント、2021年国内動画広告の市場調査を発表|サイバーエージェント
動画SEOとは?
動画SEOとは、動画を含むコンテンツもしくはYouTubeやVimeoなどの動画共有サイト上での動画で検索結果の上位に表示させるための施策を指すものです。従来は動画共有サイトでの検索対策として動画SEOが求められましたが、近年ではGoogleやYahooの検索結果の上位にも動画が表示されるようになり、その重要性はさらに高まっています。
さまざまなコンテンツのなかで動画が見られるようになった理由
インターネットのコンテンツとして動画が見られるようになった理由はさまざまですが、なかでも主な物としては次の点が挙げられます。
- 動画サービスの増加
インターネットでの動画サービスといえば、YouTubeやニコニコ動画などがまず思い浮かぶかもしれません。しかし、最近ではTikTok、Instagramなど画像・動画中心のSNS、NetflixやAmazonプライムなどサブスクリプション型の動画サービス、NHK+やTVerのようなテレビの見逃し配信サービスなど多様化。さまざまなユーザーの要求に応えられるようになっています。
- 通信環境の整備
自宅でのWi-Fi環境の整備、ドコモやau、Softbankなどのキャリアのほか、格安SIM会社で大容量データが安く使えるようになりました。その結果、以前に比べ高いコストや手間をかけずに動画が楽しめるようになっています。今後、5Gの普及が進めば今以上に気軽にどこでも動画が閲覧できるようになるでしょう。
BtoB企業においても動画SEOが求められる理由?
従来、インターネット上の動画は、エンターテインメント系のものを個人で楽しむもしくはBtoC企業が広告として動画を作成するといったものが中心でした。しかし、現在ではBtoB企業においても動画が欠かせないものとなり、その結果、動画SEOも求められるようになっています。
2021年12月、株式会社SheepDogは、全国、20~49歳の正社員に対し、「YouTubeの仕事利用に関するアンケート」を実施。その結果、20~30代男性社員の約4割が仕事に関する調べものをする際、YouTubeを見ると回答しています。
参照:YouTubeの仕事利用に関するアンケート|株式会社SheepDog・ITツール比較サイト・STRATE[ストラテ]
このアンケートでは動画の内容までは触れていませんが、たとえば、新しいシステム導入を検討している際に比較動画を閲覧する。新しい取引先の情報を企業紹介動画で確認するなどが考えられます。ほかにも、既存システムの効果的な活用方法、業務効率化を進めるためのアイデアなど単純な広告以外にもさまざまな場面で動画は高い効果を発揮すると予測できるのではないでしょうか。
BtoB企業が動画SEOの実施で得られる主なメリット
BtoB企業でも動画が求められていることがわかったうえで、実際に動画SEOを実施して多くのユーザーにリーチできることでどのようなメリットがあるのかを見てみましょう。
- 認知度向上
BtoBの場合、動画を見てすぐに購入につながるケースは少ないため、まずは認知を得ることが重要です。そのため、通常検索以外に、YouTubeやInstagram、TikTokなど単純に露出できる場所が増えることは大きなメリットとなります。
- 通常検索でも目立つ
動画コンテンツは、検索するキーワードによりGoogleやYahoo検索の動画検索から見つけてもらえる可能性もあります。また、動画は通常検索結果でサムネイルが表示されるため、動画のないコンテンツに比べて目につきやすく、見てもらえる可能性も高まるでしょう。
- コンテンツ自体の質も高まる
動画コンテンツを通常ページ内に入れ、その動画が多く視聴されれば、検索エンジンは、そのページ自体のコンテンツの質が高いと評価します。その結果、特定のキーワードで上位に表示される可能性が高まるでしょう。
動画SEO対策の具体的な方法
動画のSEO対策は、通常のSEO対策と異なる部分もあり、知識がないままで対策をしても成果を上げるのは困難です。ユーザーのニーズを把握し、解決策となるコンテンツを作成する点では変わりませんが、ここでは、動画SEO対策な具体的な方法を紹介します。
Googleの動画SEOを理解する
Googleでは、動画をGoogleの検索結果に表示させるうえで必要なポイントを5つ紹介していますので、それぞれについて簡単に解説します。
- Googleが動画を検出できるようにする
Googleが動画を検出できるようにするには、<video>、<embed>、<iframe>、<object>といったHTMLの使用や、動画サイトマップの作成などを行います。
- 動画がGoogleのインデックスに登録されるようにする
Googleが動画を検出できても、インデックスに登録されないと検索結果に通常のタイトルリンクとしてのみ表示されてしまうため、動画のメリットを活かせません。インデックスに登録させるには、動画のサムネイルをGoogleに提供するか構造化データを使用する必要があります。
- Googleが動画コンテンツファイルを取得できるようにする
Googleが持つさまざまな動画機能に自身の動画を表示させるには、Googleが動画コンテンツファイルを取得できるようにしなければなりません。
そのためには、構造化データを使用し、Googleがサポートしているファイル形式で値を指定します。そのうえで、noindexタグやrobots.txtファイルでGoogleをブロックせず、クローラーがアクセスすることでサーバーに負荷をかけないようにし、一意の固定したURLでアクセスできるようにしておきます。
- 特定の動画機能を有効にする
Googleの検索結果上でプレビューを表示させたり、主な出来事に表示させたりできるようにするには、max-video-preview robots metaタグを使用して、プレビュー時間の設定をする。構造化データを適切に設定するといった操作を行います。
- 必要に応じて動画の削除・制限・更新を実施する
たとえば、特定地域にいるユーザーが検索した時だけ検索結果に表示させたい場合は、構造化データの設定で制限が可能です。また、検索結果から削除したい場合は、削除リクエストの送信をします。
参照:動画の SEO ベスト プラクティス|Google検索セントラル
ターゲットによりプラットフォームを替える
BtoB企業の場合、自社Webサイトのほか、YouTubeやFacebook、Twitterなどが効果的です。BtoCで若い人向けの商材を扱う場合は、InstgramやTikTokがよいでしょう。ただし、BtoB企業でも扱う商材によっては、InstagramやTikTokで認知を得られる場合もあるため、柔軟に対応させる必要があります。
ページ内容と動画内容を一致させる
自社Webサイトで動画を公開する場合、ページのテーマに沿った内容の動画を掲載します。また、社内で動画を閲覧できないケースもあるため、ページ内でどのような内容の動画であるかをテキストでも説明するようにしましょう。ほか、動画のサムネイルに説明を入れておくのもおすすめです。
BtoB企業でも積極的に動画を活用して認知度向上を目指そう
BtoB企業の商材は、認知から購入までの時間が長く、基本的に衝動買いはありません。そのため、他社との違いや自社商品のメリットを丁寧かつ適切に伝えていく必要があります。
動画は言葉だけで説明するよりも短時間でわかりやすく伝えられるため、まさにBtoB企業向けのコンテンツといえます。しかし、動画を作成すれば必ず見てもらえるわけではありません。今回紹介した動画SEOを施し、より多くのユーザーにアピールできるよう、積極的に動画の活用を進めていくことをおすすめします。
株式会社イノーバでは、BtoB企業のマーケティング支援に力を入れています。動画SEOを含めたデジタルマーケティング全般のご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。私たちが培ってきた知見とノウハウを活かし、貴社のマーケティング活動を強力にサポートいたします。
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FAQ
Q1: 動画SEOにおいて最も重要なことは何ですか? A1: 動画SEOで最も重要なのは、動画の内容とページ内容の一致です。検索エンジンは動画の内容を直接理解することができないため、動画を説明するテキストや関連性の高いページ内容があることで、動画の主題を認識しやすくなります。
Q2: BtoB企業で動画SEOを行う際におすすめのプラットフォームは? A2: BtoB企業の場合、自社Webサイトのほか、YouTubeやFacebook、Twitterなどが効果的です。ただし、商材によってはInstagramやTikTokでも認知を得られる可能性があるため、ターゲットに合わせて柔軟に選択することが重要です。
Q3: 動画SEOの効果を測定するための指標には何がありますか? A3: 動画SEOの効果測定には、動画の再生回数、平均視聴時間、視聴完了率、エンゲージメント(いいね、コメント、シェアなど)、動画からのWebサイト流入数などの指標が用いられます。これらの指標を総合的に分析することで、動画コンテンツの評価や改善点を見出すことができます。
Q4: 動画SEOに適した動画の長さはどのくらいですか? A4: 動画の長さは、伝えたい内容やターゲットによって異なりますが、一般的には2~3分程度が適しているとされています。ただし、YouTubeでは10分以上の動画が好まれる傾向にあるため、プラットフォームの特性も考慮する必要があります。
Q5: 動画SEOを行う際、動画のファイル形式で注意すべき点は何ですか? A5: 動画のファイル形式は、GoogleがサポートしているMP4、WebM、3GPP、MOVなどを選択することが重要です。また、動画ファイルのサイズが大きすぎると、ページの読み込み速度が低下し、SEOに悪影響を及ぼす可能性があるため、適切なビットレートと解像度で動画を作成するようにしましょう。