【Saasのマーケティング】SaaS企業9割がコンテンツマーケティングを実施する3つの理由

コンテンツマーケティング

有益なコンテンツの発信を行い、顧客との信頼関係を深め、興味関心を高めてもらい、購入を経て最終的に自社のロイヤルカスタマーになってもらう。それが、コンテンツマーケティングです。近年はWebマーケティングの有効な手法として、自社のことをまだ知らない潜在層に向けたアプローチの1つとして取り組む企業も増えています。特に、新規顧客の開拓において、飛び込み営業やテレアポなどの負担の大きい営業手法に代わってWeb上でリードを獲得する効率の良い施策として注目を集めています。

 一方で、SaaS企業を中心として、既存顧客のLTV(生涯顧客価値)の最大化に向けたマーケティング施策の必要性も叫ばれています。サブスクリプションモデルのビジネスは月額など定額での課金となっているため、「使い続けてもらう事」が利益を生み出す前提となっています。そして、2019年現在、成長しているSaaS企業の多くがマーケティング施策として、コンテンツマーケティングを選んでいます。

なぜ、彼らは数あるマーケティング施策の中から、コンテンツマーケティングを選ぶのでしょうか?

 

【SaaS企業】250社のコンテンツマーケティング実施状況

 

 SaaS企業の89%がコンテンツマーケティング実施.png

Cobloom社の「The State of SaaS Content Marketing 2017」によると、2017年には、89%のSaaS企業がコンテンツマーケティングを実施していたことが分かります。

 SaaS企業がどんなコンテンツを発信しているか.png

また、オウンドメディアを持つSaaS企業の45%が問題解決型のコンテンツと自社製品のPRコンテンツの両方に注力して、情報発信をしていることも分かります。ちなみに、調査対象となった企業のオーガニックトラフィック数/月に関しては、1位はHubspotで約180万/月(2位は約60万/月)で、それ以下の企業25社のオーガニックトラフィック数の平均は4.5万/月 となっています。(2017年時点)

SaaS企業がコンテンツマーケティングに取り組む理由について考えてみます。

 

理由①「SaaS企業の新規のリード獲得に大きな力を発揮するマーケティング手法」

コンテンツマーケティングは新規リード獲得にとても効果的です。特にSaaSの場合、導入に向けて多くの情報収集が必要になります。サービスが必要な理由、導入のメリット、自社と同様の導入事例などです。そのような疑問に対する答えとなるようなコンテンツを自社サイトで発信していくことで、自分から売り込むことなく、向こうから見つけてもらうことができるからです。そして、読み手がコンテンツの閲覧を通じてニーズを高めていき、ダウンロード資料と引き換えにリード情報を提供してくれるのです。

 マーケファネル.png

イノーバのコンテンツマーケティングでは、まず、認知獲得(問題解決)系コンテンツを発信し、イノーバのことをまだ知らないが、マーケティングに課題を感じている見込み顧客に、自社の記事コンテンツを見つけてもらいます。次に、それを読んだ見込み顧客は、内容に価値を感じた場合、さらに詳しい情報を得ようとeBookをダウンロードします。この際に、新規のリード情報を獲得することができます。

では、次にコンテンツマーケティングで新規リードを獲得するまでのより具体的な事例を見てみましょう。イノーバでは、コンテンツマーケティング運用ツール「CloudCMO」を提供しています。ここでは、イノーバがコンテンツマーケティングを用いて、新規のリードを獲得しているプロセスをお見せいたします。

 アクティビティのキャプチャ.png

上記は、CloudCMOの実際の機能で、リードがCloudCMOの資料をダウンロードするまでの行動をトラッキングしたものです。時系列としては、下が過去、上に行くにしたがって新しい情報になっています。このリードはまず、『「リード」とは?』というコンテンツに、自然検索でたどり着いています。この記事には、下記の内容が最後の段落で述べられています。

『大量のリードに対するナーチャリング、クオリフィケーションの業務を人の手でやるのは限界があります。マーケティングオートメーションで単純作業を自動化し、戦略を練る時間を捻出することで、リードをより効果的に活用しましょう。』

ここでこのお客様は、マーケティングオートメーションに興味を持ったのだと推測できます。

次に『マーケティングオートメーションとは何か?機能と導入のメリット』というの記事を読んでいます。

そして、最後には、CloudCMOの資料(サービス資料)をリード情報と引き換えにダウンロードしています。

実際に、イノーバではこのマーケティング手法で600~800件/月のMQLを創出しています。コンテンツマーケティングは新規リード獲得に効果的だということが理解いただけたかと思います。

 

理由②「サブスクリプション型もコンテンツマーケティングもゴールはLTVの最大化」

サブスクリプション型ビジネスの目的は、LTVの最大化です。

 LTV = 顧客の年間取引額 × 収益率 × 顧客の継続年数

LTV(顧客生涯価値)の最大化のためには、この式にもあるように、長く、深く取引してもらう必要があります。つまり、自社の製品・サービスを活用して顧客に成功してもらい、自社への満足度が高い状態をキープしていかなければなりません。そして、LTVを最大化させるためには、コンテンツマーケティングが有効な手段となります。従来の「いかに安く効率よく新規顧客を獲得するか」という刈り取り型のマーケティング手法ではなく、顧客のニーズを育て、長期の関係性を築くことで、生涯にわたってもたらされる価値(LTV)を最大化するために有効なマーケティング手法と言えるでしょう。

 ホルン型ファネル.png

 

引用:https://tokumoto.jp/2019/03/30546/

先ほどの例からもわかる通り、コンテンツマーケティングは、SaaS企業の新規リードの獲得、受注に効果的な手法です。そのため、多くのマーケターが、新規のリード獲得のためにコンテンツをつくっています。もちろんそのこと自体は必ずすべき施策です。しかし、わざわざコンテンツの目的を新規顧客獲得のためと限定する必要もありません。

冒頭にも述べましたが、「有益なコンテンツの発信を行い、顧客との信頼関係を深め、興味関心を高めてもらい、購入を経て最終的に自社のロイヤルカスタマーになってもらう一連のマーケティング手法。」これが、コンテンツマーケティングの定義です。つまり、購入後にも顧客に対して価値あるコンテンツを提供し続け、成功に導き、ロイヤルカスタマーになってもらうことが大切です。そうすることで、契約更新につなげたり、アップセルにつながったりとLTVは向上します。

このように、LTV(顧客生涯価値)の最大化という目的が一致していることが、サブスクリプション型ビジネスのSaaS企業がコンテンツマーケティングを行う理由でもあると言えるでしょう。

 

理由③「カスタマーサクセスのためのコンテンツ」

 

既存顧客に対しても、価値あるコンテンツを提供し続け、最終的にロイヤルカスタマーになってもらうことが大切と述べました。では、どのようなコンテンツが既存顧客にとって価値のあるコンテンツなのでしょうか。

そもそも、サブスクリプションビジネスは、顧客の継続利用によって利益を出す仕組みのため、その製品・サービスを活用した顧客の成功がカギを握ります。ゆえに、顧客と伴走しながら、個々の課題に向き合い、解決し、成功に導くカスタマーサクセスの存在が求められます。しかしながら多数のクライアントを抱える企業にとって、企業それぞれに個別に対応するのは限界があります。顧客を階層的に3つに分類して、カスタマーサクセスの対応を分けているのが一般的です。

 カスタマーサクセス_3層.png

https://www.landscape.co.jp/marketing-blog/btob/4770.html

・ハイタッチ層

顧客価値が最も高い層。リテンション、アップセルを狙うために人手を使い、1対1の豊富なサポートを行う。

・ロータッチ層

顧客価値は低いが、数は多い層で、1対nで対応していき、適宜個別対応をとる。

・テックタッチ層

顧客価値はより低いが、数は最も多い層。1対nで対応する+テクノロジーでのみ接触する。これは効率的ではあるのですが、カスタマーサクセスの人員が十分ではない場合、課題もでてきます。ハイタッチ層には、徹底したフォローができる一方、工数もかかるため、全ての顧客に対して同様の対応ができるかと言えば、そうではありません。人員面、また時間の面でリソースも限られた中で、顧客の課題を解決していかなければならないのです。この課題を補うために、役に立ってくるのが、既存顧客向けのコンテンツです。

顧客の分類ができて、どのような状況の顧客が何に困っているのかという事が把握できているならば、事前に、コンテンツとして用意しておくことで対応のために費やされる人件費の削減が可能になります。また顧客は、すぐに自分で問題を解決したいと思うものです。コンテンツがあれば、わざわざ問合せをせずに、すぐに答えがわかるので、顧客の満足度は高まります。個別の対面での対応はなくならないにしても、効率は良くなります。さらに、コンテンツ化することで社内の知見の共有にもつながります。

 我々がおすすめするのは、既存顧客の取り組みフェーズに応じて、コンテンツを用意することです。

顧客の取り組みフェーズは、

オンボーディング→トレーニング→実践

と変化していきます。それぞれのステージごとに、顧客にとってのゴールを設定し、それを達成するためのコンテンツを用意しましょう。

 

① オンボーディング

[ゴール]

初回利用時に「このまま使い続けたい!」と思ってもらえる“体験”を提供すること。

 

[コンテンツ例]

・短い操作方法説明ビデオ

・ステップメール

・スタートアップガイド

・開発者の想い

 

② トレーニング

[ゴール]

自社のSaasの使用方法をマスターしてもらうこと。

たとえ、オンボーディングの段階で、一通り使用方法を説明しても、すべてを覚えている顧客はほとんどいません。このプロセスでは、Web上で大体の顧客がつまづくポイント、効果的なのに活用しきれていない機能などについてのコンテンツを再度発信する必要があります。

[コンテンツ例]

・使用方法を学べる体系立てたコンテンツ

・つまづきやすいポイントに絞ったコンテンツ

・実際のユーザーの活用方法

 

③ 実践

[ゴール]

顧客が成功する。

ここでの教育というのは、操作方法など基本的なものではありません。自社のSaasを用いて、どのように成果をだしていけばいいのか?このプロセスでは、成功のために顧客を教育していく必要があります。

[コンテンツ例]

・自社ノウハウの提供

・他社の成功事例

・自社セミナー

・ユーザー会

 コンテンツだけで顧客を成功に導くことは現実的ではありません。また、カスタマーサクセスだけで全ての顧客を成功に導くことも現実的ではありません。コンテンツをカスタマーサクセスのための武器として使うことで、顧客を成功に導いていくことが可能になります。

まとめ

コンテンツマーケティングもSaaSのビジネスモデルも目的はLTVの最大化。

コンテンツは新規リード獲得、既存顧客のロイヤルカスタマー化の両方に効果がある。

だから、世界のSaas企業の89%がコンテンツマーケティングを利用していると考えられます。

今後のビジネス環境はクラウドは当たり前、サブスクモデルの企業はさらに増えていくでしょう。

競合他社の後塵を拝さないよう、先手を打ち、コンテンツマーケティングの実践を検討してみるのもいいかもしれません。

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