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イノーバマーケティングチーム2024/02/05 11:01:191 min read

これから始める企業に贈る、「BtoBのWebサイトの作り方」

近年のBtoBのマーケティングにおいて、非常に重要な役割を果たすようになったWebサイト。この記事では、Webサイトの構築/リニューアルに取り組もうと考えているBtoB企業のマーケティング担当者に向けて、BtoB Webサイト構築のポイントを解説します。
 

WebサイトはBtoBマーケティングの必須ツール!

近年のマーケティングシーンにおいて、Webサイトが非常に重要な役割を果たしているのは疑うまでもない事実です。これはBtoB商材を扱う企業にとっても同様で、既に多くのBtoB企業がWebサイトの運営に乗り出しています。

BtoBマーケティングにおいてWebサイトの重要度が高まっている理由の一つとして、顧客企業における購買活動の変化を挙げることができるでしょう。
BtoB企業の営業活動というと、営業担当者が顧客企業を訪問する「御用聞き型」の営業スタイルを真っ先に思い浮かべる方があるかもしれません。しかし、インターネットの普及・ビジネスシーンにおけるインターネット活用が一般化したことを受け、購買に先駆けてオンラインで情報収集をする企業担当者が増加の一途をたどっています。

米国のForrester社が2019年に公開したレポートによれば、企業の購買担当者のうち60%が、主要な情報源として営業担当者を選ばないと回答しています。また、デジタルコンテンツのみに基づいて購入する製品を絞り込み、仕入れ先リストの選定を行えると回答した企業も、実に62%にのぼります。

BtoB企業にとって、Webサイトはもはやマーケティングの必須ツールになったと言っても過言ではないでしょう。

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図1:購買担当者の情報収集ソース(Forrester社調査より)

参考:https://go.forrester.com/blogs/welcome-to-the-b2b-marketing-renaissance/

 

BtoB Webサイトの種類

ところで、ひとくちに「BtoBのWebサイト」といっても、実際には目的によりいくつかの種類に分けられます。以下、BtoB Webサイトの主な種類をいくつか列挙してみましょう。

コーポレートサイト

企業の「顔」ともいえるWebサイトで、会社情報、組織図、企業理念や事業紹介など、企業の主要な情報が掲載されます。コーポレートサイトはWebマーケティングにおける「母艦」のような役割を果たし、セールスサイトや採用サイトなどの目的別サイトとの間に相互リンクが貼られます。

②採用サイト

採用応募者を主要ターゲットとする、従業員の採用を目的としたWebサイトです。前出のコーポレートサイトの一部として組み込まれる場合もありますが、独立したWebサイトとして作成されることも少なくありません。

IRサイト(株主)

株主や投資家に向けて運営するWebサイトで、自社の経営方針や会社情報、経営状況、財務状況といった情報を中心に掲載します。こちらも前出の採用サイト同様、コーポレートサイトの一部として組み込まれることが多いといえます。

サービスサイト

見込み顧客の獲得を主な目的として、自社の製品やサービスに関する情報を掲載するWebサイトです。主要なターゲットは見込み顧客や顧客となります。同様の目的で活用されるWebサイトに、LP(Landing Page)やオウンドメディアなどがあります。
 
いずれのWebサイトもBtoBマーケティング上、重要な役割を果たすものですが、本記事では④のサービスサイトにフォーカスして解説を進めます。

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図2:BtoB Webサイトの種類

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BtoB Webサイト構築のポイント

まず、BtoB Webサイトを構築する際に注意すべきポイントをいくつかご紹介します。

1.目的を明確にする

これはBtoBに限ったことではありませんが、Webサイトを構築する際に何より大切なのは、サイトの目的を明確にするということです。どのようなターゲットに向けてどのような情報を発信し、どのような成果を上げたいのか――これらを明らかにした上でKPI(Key Performance Indicator)を設定し、関係者間で認識を共有しておきましょう。
たとえば、「見込み顧客から引き合いを得ること」がWebサイトの目的なら、「資料請求数」「メルマガ登録数」「セミナー申し込み数」などがKPIとなります。

マーケティング施策のKPI設定については、以下の記事が参考になります。

参考記事|成功達成の道筋を一目でわかる地図にしよう!KPIツリーの基本情報と作り方

 

2.デザイン(ビジュアル面)


BtoB企業のホームページをデザインする上で、なによりも重視すべきなのは「信頼感」です。
Webサイトを訪れる訪問者の大半は自社の業務に使用する商品やサービスを探している担当者であり、彼らがまず気にかけるのは、「取引相手として信頼できるのか」ということです。
自社のイメージ戦略と照らし合わせた上で、信頼感を与えられるデザインを心がけましょう。

3.Webサイトの構造設計

BtoB Webサイトの構造は、「とにかくシンプルでわかりやすく」が原則です。
企業の担当者は商品やサービスを選定するにあたり、複数のWebサイトを訪問して比較用のリストを作成します。このため、「商品の概要」「企業規模」「所在地」「連絡先」「営業時間」など、比較に用いられる必須情報をわかりやすい場所に配置しておくことが重要です。

また、訪問者がWebサイト内で迷ってしまうことのないようナビゲーションやメニューを綿密に設計し、導線を工夫することも大切です。

BtoBサイトの設計手法については、下記の記事が参考になります。

参考記事|見込み顧客から問い合わせを創出するBtoBサイトの設計方法とは?

4.コンテンツ設計


BtoB Webサイトのコンテンツを設計する際は、見込み顧客の購買プロセスを意識することが重要です。

BtoB企業の購買プロセスは複雑かつ長期に渡り、複数の関係者がそれぞれの思惑をもってWebサイトを訪問します。たとえば、事前の情報収集担当者は、対象商品についての幅広い情報を求めていますし、最終的に決裁を下す部門責任者であれば、商品の価格や契約形態、サポート体制といったより具体的な情報を求めています。

こうした事情を念頭に置き、ファネルやカスタマージャーニー等を用いて顧客の購買行動を可視化した上で、必要なコンテンツをもれなく整備していきましょう。

なお、下記の記事でBtoB Webサイト制作の流れをご紹介しています。こちらもぜひあわせてご覧ください。

参考記事|BtoBサイト完全マニュアル―戦略から制作、運用まで、成果を生むWeb制作

 

BtoB Webサイトの集客施策

次に、BtoB Webサイトの集客施策について、ポイントを絞って解説していきましょう。

Webサイトは「構築すればそれで終わり」ではありません。構築した直後のWebサイトは、たとえて言うなら人通りのない裏道にひっそりと立つお店のようなもの。お客に訪問してもらうためには、看板を立てたり呼び込みをしたりして、「ここに店がある」ということを知ってもらわなければなりません。
BtoB Webサイトも同様で、しかるべき集約施策を行って、見込み顧客をサイトへと誘導する必要があります。

Webサイトの集客施策としては、以下のようなものがあります。

SEO

SEOはSerch Engine Optimization(検索エンジン最適化)の頭文字を並べたもので、Webサイトの構造やコンテンツ設計を最適化し、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで上位表示を狙うという施策です。

前述のとおり、昨今の購買担当者は、まずインターネット検索から情報収集を始めます。つまり、インターネット検索で見込み顧客との接点を作ることができなければ、勝負の土俵に乗ることすらできなくなってしまうわけです。

SEO対策には様々な手法がありますが、大きくはサイト内の構造やコンテンツの最適化による内部施策と、外部ドメインからのリンク獲得による外部施策とに分けられます。昨今では、見込み顧客のニーズを見据えたコンテンツを整備するコンテンツSEOという手法が、内部施策の一つとして注目されています。

コンテンツSEOについては、以下の記事もぜひご覧ください。

参考記事|ホームページ集客の王道! SEOの本筋「コンテンツSEO」とは

 

広告

前述のSEOは長期的な効果の見込める重要な施策ではありますが、着手してから成果が出始めるまでに若干時間がかかります。このため、短期間で成果を上げたい場合は、広告を併用することになります。

Web広告には、バナー広告、リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告、アフィリエイト広告など様々な種類があり、それぞれに適するシーンが異なります。自社の商材や見込み顧客層にあわせて、適切な広告を選択することが重要です。

比較的早く効果が出て、かつ幅広く活用できるのはリスティング広告でしょう。リスティング広告については、下記の記事が参考になります。

参考記事|費用は?どう始めればいい?リスティング広告 基礎知識&運用の流れ
 

SNS

LINEやFacebook、Twitter、YouTubeなどのSNSを利用して見込み顧客とのコミュニケーションをはかり、自社サイトへの集客につなげるという集客方法もあります。

かつては「BtoB WebサイトとSNSは相性が悪い」と言われていましたが、昨今では情報収集の一環としてSNSを利用する企業担当者も増え、一概にそうとも言い切れなくなってきています。
たとえば情報収集中の企業担当者向けにコンテンツサイトを運営している場合、新しい記事が追加されたことを、SNS上でタイムリーに告知することができます。また、展示会出展や新製品リリースなどのイベントをSNS上で発表すれば、新たな見込み顧客の目に触れる可能性も高まりまるでしょう。

BtoB企業のSNS活用については、まだこれといった王道パターンが確立されていませんが、自社製品の性質や見込み顧客の特性を正しく理解した上で、効果的な活用方法を模索してみましょう。
 

こんなBtoB WebサイトはNG!

最後に、BtoB Webサイトの構築において「絶対にやってはいけない」NGパターンを紹介しておきます。
 

商品情報だけをカタログ的に羅列

一つめは、商品スペックだけを羅列したカタログのようなWebサイト。
カタログを掲載すること自体がいけないわけではありませんが、カタログの内容をただ並べるだけでは、その商品が何を解決してくれるのかが訪問者に伝わりません。

特に、Webサイトの目的を新規顧客との接点作りとする場合、このNGパターンにはまらないよう注意してください。

専門用語・表現の濫用

業界に長くいないと分からない専門的な用語・表現を多用するのも、避けていただきたいNGパターンです。特に、Webサイトの主要な目的が新規見込み顧客の獲得である場合、せっかく訪問してくれた見込み顧客を逃すことにもなりかねません。

専門用語を使わざるを得ない場合は、Webサイト内に用語集のコーナーを設置することをお勧めします。各ページから用語集にリンクを貼ればSEOの内部対策にもなりますし、用語集自体も検索エンジンからの流入口となってくれます。

Webサイトの更新が滞る

Webサイトの内容如何にかかわらず、更新頻度が著しく低いWebサイトもNGです。商品やサービスの最新情報が掲載されていなければ、無駄な問い合わせ対応の発生、販売機会の逸失につながります。
また、「Webサイトの更新すら満足に行えない企業」という悪印象を訪問者に与えることにもなりかねません。Webサイトを開いたら定期的に更新し、古くなった情報に対してはこまめに修正をかけていきましょう。
 

成果を生むBtoB Webサイトを作り上げるには

以上、この記事ではBtoB Webサイトを構築する上でぜひ知っておいていただきたいポイント、および避けていただきたいNGパターンをご紹介しました。

Webサイトの構築・運営で成果を上げるためには、自社の製品と顧客を理解し、顧客が真に求める情報を提供し続けることがなによりも重要です。自社製品と顧客についての理解が十分ではないと感じる方は、制作に着手する前に、まずはそこから見直してみることをお勧めします。

 
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株式会社イノーバの「イノーバマーケティングチーム」は、多様なバックグラウンドを持つメンバーにより編成されています。マーケティングの最前線で蓄積された知識と経験を生かし、読者に価値ある洞察と具体的な戦略を提供します。