なぜいまマーケティングが必要?マーケティングに関する基本知識とメリット

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティング元年となった2014年を皮切りに、オウンドメディアを活用したマーケティング活動やソーシャルメディアを連携させたデジタルマーケティングの風潮がさらに高まりを見せています。

マーケティングという概念は、1950年頃に体系化され、われわれを取り巻く環境の変化とともに、マーケティング手法も進化してきました。近年は、デジタルとの融合によって、活動における定量情報が得れるようになったことで、マーケティング活動の効果を実感している企業も増えてきています。 

ここでは、改めてマーケティング活動の基本や意義を知りたい方に向けて、マーケティングの定義、マーケティング活動の目的やメリットについて解説します。

  

マーケティングの意味

マーケティングとは?

マーケティングとは、「企業がお客様に届けたい製品やサービスを、欲しいと思っているお客様の場所に的確に届けるためのプランを練り、実行すること」を指しています。これを実行するための調査や市場の環境分析のプロセスも含まれています。

多くのマーケティングの最終的な目標は、この活動を通して製品やサービスの売上を拡大することにあります。

 

事例を使って、マーケティング活動のイメージを膨らませてみましょう。

 

スターバックスは、マーケティング活動の成功事例としてさまざまなメディアで取り上げられている常連企業です。

決して安いとは言えない価格ですが、多くの消費者に愛され続けているのはなぜでしょうか?この理由は、マーケティング戦略にあります。

 

スターバックスは、創業当時、「豆や製法にこだわった美味しいコーヒー」を提供したいと考えました。

豆や製法にこだわった美味しいコーヒーは原価がかかるため、安くは提供できません。しかし、高くても美味しいコーヒーを飲みたいと思うお客様に届けるためのマーケティング戦略を考えます。

 

まず、それなりの価格でも抵抗なく支払えるターゲット層を設定します。スターバックスは、「都心で働くある一定の年収額を超えるオフィスワーカー」に販売することをイメージしました。

そんなオフィスワーカーは、どんなコーヒーショップを求めているでしょうか?

スターバックスの答えは、「仕事の合間や仕事帰りにふと立ち寄れ、美味しいコーヒーで一息つける快適でクリエイティブな空間」でした。音楽や家具、お店の雰囲気で環境を作り上げ、実現しました。

これが、今でも継続してスターバックスの強みとなっている「家庭でも職場でもない第三の場所」というコンセプトです。

 

次は、店舗の場所を考えます。どこであればオフィスワーカーは立ち寄りやすいか?

お店は仕事の行き帰りに立ち寄れる駅やオフィス街の中に設置し、オフィスワーカーが立ち寄りやすい場所が選ばれました。丸の内や六本木の外資系金融が入居する主要なビルの一階もしくは地下には必ずスターバックスが入っていますね。

 

次に、スターバックスの認知度を高める必要がありました。

スターバックスはここで独自の方法を選択します。スターバックスらしいちょっと高級感あるイメージを損なわないように、いわゆる大衆的な広告を出さないことに決めました。その代わりに、季節や国別の限定商品を販売し、プロモーション活動を行っています。

 

これらのマーケティング活動によって、スターバックスは市場における優位性を確立することに成功しました。高価格帯であっても、それにターゲット層が価値を感じれれば、売上を上げることが可能であるというマーケティング活動の事例です。

 

 

マーケティングのトレンド

マーケティングの歴史とトレンド

前述したように、マーケティングは、市場や環境の変化によって大きく変化してきました。これは、マーケティング活動の考え方や、プロセスにも影響を与えてきました。

 

マーケティング概念が、マーケティングの権威者フィリップ・コトラー氏によって体系化されてから、現在に至るまでのマーケティングトレンドの変化について図にまとめました。

図1.png

※マーケティング 1.0から4.0とは、フィリップ・コトラー氏によって付けられたマーケティングトレンドの流れです。

 

それでは、それぞれの時代のマーケティングトレンドについて簡単に解説していきます。

マーケティング1.0 「製品中心」

1950年以降、自動車産業第二次産業革命を皮切りにこの時代は始まりました。当時は、ものも情報も不足していたため、どんな製品も、作ったら作った分だけ売れる、大量生産・大量消費の時代です。企業が中心となって、製品を作っていたことから製品中心と呼ばれています。

 

マーケティング2.0 「消費者志向」

1970年頃には、だんだんと世の中にモノがあふれるようになり、消費社が製品やサービスを選ぶ立場に逆転します。時を同じくしてオイルショックが起き、経済は低迷、消費者の購買力は落ち、購買アクションがますます慎重になりました。企業は、消費者が欲している製品やサービスがなにか?と消費者の志向を考え、マーケティング活動に反映することが求められるようになりました。

 

マーケティング3.0「価値主導」

1990年頃から、インターネットが一般にも普及し、消費者は自ら情報を入手できるようになります。オンライン上で口コミやレビューを収集することで、これまで企業側からしか入手できなかった製品やサービスの情報を消費者同士で意見を交換しあい、比較・検討を行えるようになりました。また、先進国においては製品やサービスの機能や性能が優れていることは当たり前になり、消費者は、製品自体のクオリティだけではなく、製品やサービスを購入することで、自分がどんなベネフィットや価値を享受できるかという点が重要になります。これに付随して企業のビジョンや社会や環境への影響、意義が注目されるようになり、企業は、消費者になんらかの価値を提供することを目的にマーケティング活動を行うようになります。

 

マーケティング4.0「自己実現」

そして2010年ころから現在は、自己実現の時代と言われています。この自己実現という言葉は、マズローの5段欲求から来ています(下図参照)。消費者の物質的欲求はほぼ満たされ、ソーシャルメディアの投稿や「いいね」を通して、承認欲求欲も満たされるようになりました。その結果、我々は今、最後の欲求段階にある「自己実現」のフェーズに入っています。企業は、消費者がどういった自己実現を求めているかのニーズを顕在化し、製品やサービスを通して提供するマーケティング活動を行っています。

 図2.png

ITを駆使したマーケティング活動

マーケティング 3.0頃から、コーポレートサイトやECサイトでのマーケティング活動が盛んになってきたように、現代のマーケティング活動においては、デジタルが欠かせなくなっています。

デジタルマーケティングでは、ウェブ上から取得できる解析データから、消費者の動向やニーズを紐解き、次の一手をどうするかを、戦略的に考えることができるようになりました。マーケティングオートメーションツールなどの支援ツールは、消費者とウェブ上の接点を一つの顧客データに集約したり、蓄積したデータから顧客を購買ステップごとにセグメント化し、それぞれにあった情報発信やコンタクトを取ります。消費者の異なるニーズに対応するOne to Oneのアプローチが可能になりました。

無数に存在する潜在顧客や顧客にも、限られた人の力でアプローチすることが可能です。まだまだマーケティングチームのリソースが確保しにくい企業にとっても、ITを駆使したマーケティング活動は、効率的で魅力的なソリューションです。

 

 

なぜいまマーケティングが必要か?

世界では、こういったマーケティングの歴史をたどってきたわけですが、日本では、マーケティング活動が積極的に展開されてきませんでした。これによってどういった負の事象を明らかにし、マーケティング活動の必要性を解説します。

 

マーケティング活動をしないことによって起きた負のスパイラル

①製品クオリティが高い日本では、「製品中心」の考えを長く引きずりました。特に製造業では、消費者のニーズに耳を傾ける消費者目線のマーケティング活動にスムーズにシフトすることができていませんでした。その結果、プロダクト先行型と言われるスペック重視の情報発信やマーケティング活動がなされ、消費者の購買意欲を後押しすることができていませんでした。リーマン・ショックによる経済低迷もこれに大きく作用しています。一方で、海外などから安価でそれなりの品質を持った製品が流入し、日本の製品は競争力を失っていきます。

 

②安価な海外製品が流入したときに、日本はどういった戦略をとったか?マーケティング機能を持たない多くの企業は、価格、品質を下げて、市場シェアを広げる方向にシフトしました(コモディティ化)。これは、最も簡単に売上を上げる方法ですが、最終的には、他社製品やサービスとの差別ポイント、付加価値がなくなり、消費者にとって魅力的なものではなくなります。売上は上がりますが、利益は下がり、新しい製品開発などへの予算はカットされ、結果的に企業が継続的に経営することを困難な状況に追い込みました。

 

マーケティング活動を行うメリット

上記を踏まえて、マーケティング活動のメリットを解説していきます。

まず、マーケティング活動によって、上記の①②は改善することができます。

 

1. 企業と消費者のギャップを埋める

マーケティング活動では、市場調査、自社、外部環境の分析を通して、まず自社の現状を把握します。そして、消費者が求めている製品やサービスが何であるのか?消費者の悩みを解決する製品やサービスはなにか?ターゲット層の自己実現イメージはどんな像であるか?

消費者のインサイトを掘り下げていきます。このプロセスが、企業と消費者の間に存在するギャップを解消し、企業は、消費者が購買したいと思える製品の開発、価格設定、販路、販促を提案することが実現できます。

 

2. 価格戦略に依存しない市場での優位性の獲得

製品やサービス価値が消費者に魅力的で、自分にとって価値あるものであれば、消費者は価格に納得し購入に至ります。高額なイタリアブランドなどが売れ続けるのはそういった消費者の納得を得ているからでしょう。マーケティング活動で、製品が消費者に与える価値やどういった自己実現を行うのかを発信し、消費者の共感を得ることができれば、ロイヤリティの高い顧客を獲得することができ、価格に依存しない、市場での優位性を確立することができます。

 

3. 改善ポイントが浮き彫りに

製品やサービスを販売しても、売上が伸びず、打ち手もわからない。とりあえず値引きキャンペーンを実施して、広告をうってみよう!といった安易な販売戦略では継続性のある経営は困難になります。

マーケティング的視点で、自社、市場、競合、製品の販売戦略を分析していくと、ボトルネックとなっている問題点を解明することができ、解決策の考案が可能です。

 

4. 潜在顧客が獲得できる

自社の市場におけるポジショニングと市場のギャップを埋める過程で、今まで気づかなかった潜在的な顧客の層に気づくことがあるでしょう。潜在顧客の掘り起こし、獲得、育成、購買ステップの引き上げもマーケティングにおいて重要な活動の一つです。

 

5. コストを削減し、効果的に予算を使う

特にBtoBビジネスでは、マーケティングはコストパフォーマンスを上げる効果があります。というのも、BtoBビジネスでは、案件の単価が高額、かつ企業内での決定までのプロセスが複雑であるため、潜在顧客を顕在化させ、成約に至るまでの期間が長期化する傾向にあります。この長いプロセスが営業マンが人力で対応することは実際不可能でしょう。成約確度の高いターゲットに集中し、潜在顧客へのフォローアップもままならない状況です。

マーケティングは、この潜在顧客へのフォローアップを請け負います。デジタルメディアやマーケティングオートメーションなどのデジタルツールを駆使したマーケティング活動では、24時間365日対応可能な営業マンとなって継続したアプローチが可能です。

また、デジタルマーケティングでは、定量的に数値結果が明確に計測できるため、これまで効果測定や利益率などの検証が難しかったマーケティングやプロモーションの見える化が実現し、コストを効果的に使うことが可能です。

 

まとめ

マーケティング活動は上記のように多岐に渡りますが、自社にとってのマーケティングを行う意味やその目的、優先度を定期的に見直すことにより、自社のリソースや経営戦略に沿ったマーケティング戦略の選択が可能になります。

先述の通り、ITの進化によりデジタルマーケティングはスモールスタートも可能となっています。しかし、ITの利用を前提としたマーケティング活動だけを推進しても顧客のニーズを掴むことは困難です。マーケティングの基本である環境分析を行い、自社の製品やサービスにとってITの利用が効果的なのか否かを判断することがマーケティングを成功させるか否かを分けるポイントです。

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