マーケティングミックス(4P/4C)とは?BtoBの具体的な活用ポイントを紹介

BtoBマーケティング
マーケティングミックスとは何かご存じでしょうか。「4P」を知っていたとしても、実際にどのように活用すれば良いのか把握できているでしょうか。そもそもマーケティングミックスとは、企業のマーケティング戦略における「実行戦略」として位置付けられるものです。
本記事では、マーケティングミックスの基本からBtoB企業における具体的な活用ポイントを解説します。ぜひ参考にしていただき、自社の利益向上の一助としていただければと思います。
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マーケティングミックスとは何か
マーケティングミックスについて、その定義や位置付け、マーケティングミックスの要素とされる4P・4Cについて解説します。
マーケティングミックスの定義
マーケティングミックスとは、次のとおり、マーケティングのツールを組み合わせて市場から望ましい反応を引き出すことを目的とするものです。
<引用>
マーケティングミックスは、マーケティング戦略において、望ましい反応を市場から引き出すために、マーケティング・ツールを組み合わせることである。
</引用>
出典:マーケティングミックス|フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
これだけでは、マーケティングミックスを理解するには抽象的すぎる気がします。そのため、以降ではマーケティング戦略全体におけるマーケティングミックスの位置付けと、マーケティングミックスの要素である4P・4Cについて解説します。
マーケティング戦略全体における位置付けから理解する
マーケティング戦略全体における位置付けから、マーケティングミックスを理解していきましょう。マーケティング戦略の全体像は、次のようにマーケティングプロセスにあらわされることが一般的です。
1. 環境分析(内部・外部)
2. セグメンテーション(市場細分化)
3. ターゲティング(ターゲットの抽出)
4. ポジショニング(自社の立ち位置)
5. マーケティングミックス(実行戦略「4P/4C分析」)
6. 実行・評価
以上で挙げたマーケティングプロセスのうち、「2~4」については、マーケティングプロセスにおける基本戦略でSTP分析と呼ばれます。
関連記事:STP分析とは?BtoBにおける具体的な活用ポイントも解説
本記事では「5」のマーケティングミックス(実行戦略)をテーマとしています。マーケティングプロセスによる位置付けから、マーケティングミックスは、「基本戦略をベースとして具体的な実行戦略を策定するもの」ということが理解できるでしょう。
関連記事:【初心者向け】マーケティングとは?歴史からトレンドまで【網羅版】
4Pと4Cから理解する
マーケティング理論は日々議論され、進化を続けています。それはマーケティングが対象とする企業と顧客(市場)は常に変化をし続けているためです。一度確立された理論でも、時代を追って変化を迫られています。
マーケティング理論の変化は、本記事のテーマであるマーケティングミックスにも影響しています。具体的には、従来からあったマーケティングミックスの構成要素は、4Pと呼ばれる「企業視点」のものでした。しかし現在では、企業視点ではなく「顧客視点」で実行戦略を考える「4C」も重要視されています。
下図はマーケティングミックスにおける4Pと4Cの全体像です。
マーケティングミックス4Pと4Cの構成要素
以降では、マーケティングミックス4Pと4Cの構成要素について、具体的に解説します。
Product/Customer Value(製品/価値)
マーケティングミックスの構成要素の1つである「製品/価値」では、企業にとってどのような製品を提供するのか。顧客にとってどのような価値を提供するのかを組み立てます。
「どのような製品/価値」とは、具体的に次のような要素を考慮します。
● 生産体制
● 製品・サービス名
● パッケージ(包装)
● ブランディング
● 品質
● デザイン
● 希少性
● アフターサービス(保証)
Price/Cost(価格/経費)
マーケティングミックスの構成要素の1つである「価格/経費」では、製品・サービスの価格、顧客にとっての経費を設計します。単純な価格設定だけでなく、次のような要素も考慮します。
● 価格体系(買い切り型/サブスクリプション型など)
● 値引き
● 支払い条件(現金/クレジットカードなど)
● ポイント付与
● 支払い期限
● 製品ライフサイクル
なお、価格設定は企業経営における利益に直結するものです。そのため、損益分岐点なども考慮しなければなりません。さらに、価格は安ければ良いというものではなく、あえて高価格帯で攻める場合もあります。
Place/Convenience(流通/利便性)
マーケティングミックスの構成要素の1つである「流通/利便性」では、製品・サービスをどのように顧客へ届けるのかなど流通戦略を設計します。流通/利便性においても、次のような要素を考慮すべきです。
● 顧客に届くまでの時間
● オンライン/オフライン
● 直販/代理店
● 決済方法
● 問い合わせ方法
● 営業日
● 営業時間
● 在庫
Promotion/Communication(プロモーション/コミュニーケーション)
マーケティングミックスの構成要素の1つである「プロモーション/コミュニケーション」では、製品・サービスをどのように顧客から認知を得るのかを設計します。具体的な設計切り口を示します。ターゲットとする顧客に合わせて、適切な手段をとることが重要です。
● Webサイト
● マス広告
● 広報
● SNS
● 展示会
● セミナー
● イベント
● キャッチコピー
マーケティングミックス活用のポイント
ここまではマーケティングミックスの構成要素を解説してきました。以降では、企業が押さえるべきマーケティングミックスの活用ポイントを紹介します。
上位戦略との整合性を確保・確認する
冒頭でも述べましたが、マーケティングミックスはマーケティングプロセスにおける実行戦略に位置します。つまり、一貫性・整合性を確保していなければ意味がありません。
基本戦略を策定したうえで、基本戦略に沿わない戦術をおこなうことは誰もがおかしいと感じるはずです。そのためにも、STP分析などの上位戦略をきちんと実施しておく必要があります。
4P4Cそれぞれの要素間の整合性を確保・確認する
マーケティングプロセス全体との一貫性・整合性ももちろんですが、4P/4Cそれぞれの要素間にも整合性が必要です。極端ですが、1個5,000円のプレミアムなカップアイスを、低価格を強みとするスーパーに卸して流通を図ることには矛盾があります。
まとめ:上位戦略と整合性を確保しながらマーケティングミックスで具体戦略を設計する
マーケティングミックスは、STP分析で導いた基本戦略をベースとして、企業の具体的な実行戦略を策定するものです。その結果、市場・顧客から企業が望む反応を引き出すことが目的です。
4Pや4Cとは、マーケティングミックスを構成する要素(フレームワーク)です。本記事ではそれぞれについて、どのような切り口で実行戦略を組み立てていけば良いかを紹介しました。
もっとも留意すべきポイントは、上位戦略との整合性。さらに構成要素間との整合性です。ぜひマーケティングの実行戦略を策定する際に本記事をご活用ください。
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