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イノーバマーケティングチーム2024/03/08 8:14:599 min read

見極めるべきはコレだ!CMSを比較するための34の視点と使いこなすための知識集

CMSとは?Webサイト運営に欠かせないシステムの基礎知識

CMSの役割と必要性

CMSとは、コンテンツマネジメントシステム(Content Management System)の略で、Webサイトの構築・運用に不可欠なシステムです。ブログや企業サイト、ニュースメディアなど、さまざまなジャンルのWebサイト管理に活用されています。

CMSを使えば、HTMLやCSSなどの専門知識がなくても、記事の投稿や更新、デザインの変更などが簡単にできます。Webサイトの管理者は管理画面にログインし、直感的な操作でコンテンツの編集や更新を行えるのが大きな特徴です。

例えば、企業の広報担当者が新製品のプレスリリースを公開したいケースを想定してみましょう。CMSを使っていれば、ワードライクなエディタで原稿を作成し、「公開」ボタンをクリックするだけ。HTMLを1から書く必要はありません。

また、Webデザイナーがサイトのデザインを変えたい場合も、CMSの管理画面から、用意されているテンプレートを選択するだけで、サイト全体のイメージを簡単にガラリと変えられます。

もしCMSを使わない場合、こうした作業をすべて手作業で行うことになります。コーディングに時間がかかるだけでなく、人的ミスも起こしやすく、メンテナンスに膨大な工数がかかってしまうでしょう。

サイトの規模が大きくなればなるほど、CMSの重要性は高まります。数百、数千ページに及ぶコンテンツを、迅速かつ効率的に管理するには、CMSの力が不可欠だからです。

現在、ほとんどのWebサイトはCMSで構築・運用されていると言っても過言ではありません。自社サイトを立ち上げるなら、適切なCMSを選定し、活用方法をマスターすることが運営者に求められる時代となったのです。

CMSを導入するメリット

それでは、CMSを導入するメリットを具体的に見ていきましょう。

まず挙げられるのが、更新作業の効率化と分業化です。CMSを使えば、HTMLやCSSを書けない人でも、指定されたフォーマットに沿って、記事や画像を投稿できます。

例えば、企業サイトの製品紹介ページを作るケースを想定してみましょう。CMSを使えば、製品企画部門の担当者が画像とキャッチコピー、説明文を入力するだけで、ページが完成。デザインは制作会社に作ってもらったテンプレートが自動で適用され、見栄えのよいレイアウトに仕上がります。

もし担当者に製品知識はあるものの、Webページの作り方がわからない場合でも、CMSならサイトの更新に貢献できるわけです。それぞれの得意分野を生かした分業が可能になり、サイト運営の生産性は大きく高まります。

2つ目のメリットは、デザインの一貫性と変更の容易さです。サイトのデザインを変更する際、CMSなら数クリックで済む作業が、手作業なら膨大な手間になります。それも、1ページ1ページ、1か所1か所、すべて手を入れなくてはならないのです。

サイトのイメージを刷新したい場合や、ブランドロゴの変更に伴ってサイト全体の修正が必要になった場合。そんな時でも、CMSならテンプレートを変えるだけで、まとめて改修できるので、時間もミスも最小限に抑えられます。

例えば、創業10周年を迎えた企業が、それを機にコーポレートサイトをリニューアルしたいと考えたとします。色合いをガラッと変え、ロゴマークも一新。それに合わせて、各ページのレイアウトも修正したいと。こんな大規模な変更でも、CMSならわずかな工数で実現できるのです。

3つ目は、セキュリティ対策の自動化です。Webサイトを運営する上で、常に頭を悩ませるのがサイバー攻撃のリスク。改ざんやウイルス感染、情報漏洩など、ワンミスが高額な損害賠償に直結しかねない時代です。

その点、CMSには脆弱性を補完する仕組みが備わっていることが多く、セキュリティ対策をシステム側である程度自動化してくれるのが助かります。

例えば、WordPressには定期的に脆弱性の修正パッチが配布され、管理画面上にアップデートを促す通知が届きます。セキュリティホールをふさぐ最新バージョンに、ほぼワンクリックで更新できるわけです。

これを自前システムで行おうとすると、脆弱性情報の把握から対策までの膨大な工数が発生します。その点CMSなら、ベンダー頼みとは言え、低コストで一定のセキュリティを担保できるのは大きなメリットだと言えます。

CMSのデメリットと注意点

一方、CMSにはデメリットや注意点もあります。メリットとセットで理解し、適切に運用していく必要があるでしょう。

1つ目は、カスタマイズの制限と依存性です。CMSは使い勝手を重視するあまり、細かなカスタマイズができない場合があります。自社オリジナルの機能を盛り込みたい、他社にはない斬新なデザインを実装したいと思っても、できる範囲に限りがあるのです。

サイトをCMSに合わせる形になるため、どうしても依存度が高くなります。Webサイトを成長させる上で、CMSの制約が足かせになることは珍しくありません。

例えば、不動産サイトを構築するケースを想定してみましょう。物件検索機能に力を入れたいが、CMSの標準機能では物足りない。物件データを柔軟に管理したいが、CMSのデータベース設計が独自すぎて、外部システムと連携しづらい。こんな悩みを抱えるWebサイト運営者は少なくないのです。

2つ目は、機能の複雑さと習熟の必要性です。CMSは高機能である反面、覚えることも多く、使いこなすにはそれなりの学習コストがかかります。

社内の担当者全員がCMSを自在に扱えるようになるには、一定の教育期間が必要。機能が豊富な分、操作を間違えるリスクも高まります。設定の仕方を一つ間違えるだけで、サイトが表示されなくなったり、重大なセキュリティホールを作り出したりする可能性もあるのです。

例えば、EC-CUBEのようなECサイト構築用のCMSを使う場合、商品の登録から決済の設定、配送料の管理まで、覚えることが盛りだくさん。マニュアルを読み込む時間も惜しまず、トライ&エラーを繰り返しながら、少しずつ習熟度を高めていかなければなりません。

最後に、ソフトウェアのメンテナンス負担も忘れてはなりません。サイトの安定運用のためには、CMSの更新を定期的に行う必要があります。セキュリティパッチの適用はもちろん、新しいバージョンへのアップデートも避けては通れません。

バージョンアップの際は動作検証に加え、データ移行などの事前準備にも手間がかかります。ある日突然、管理画面にアクセスできなくなる、コンテンツの表示が崩れるといったトラブルは、Webサイト運営者にとって悪夢のようなものです。

こうしたデメリットを踏まえた上で、自社に適したCMSを選択し、適切に運用管理していく覚悟が求められます。楽な面ばかりでなく、大変な面にも目を向けて、長いスパンでCMSと付き合っていく心構えが必要不可欠だと言えるでしょう。

CMSにはどんな種類がある?3つのタイプと選び方

ここからは、CMSの主な種類を見ていきましょう。CMSは大きく分けて、オープンソース型、パッケージ型、クラウド型の3つに分類できます。

オープンソース型CMSの特徴

まずはオープンソース型から説明します。オープンソース型のCMSは、ソースコードが公開されており、誰でも自由に利用・改変できるのが特徴です。

代表的なのがWordPressで、Webサイト全体の4割以上がWordPressで構築されているというデータもあります。Drupalや、国産のa-blog cmsなども、この部類に入るオープンソースCMSです。

オープンソース型の最大のメリットは、無料で利用できる点。サーバーレンタル代とドメイン代を払えば、それ以外の導入コストは原則かかりません。低予算でWebサイトを立ち上げたい個人事業主や中小企業に最適のタイプと言えるでしょう。

さらに、プログラミングの知識があれば、ソースコードをいじって自由にカスタマイズできるのも魅力。テーマやプラグインを組み合わせ、サイトにオリジナリティを出すことも可能です。

例えば、面白い機能を備えた検索窓をトップページに設置したい場合。標準機能にはないけれど、誰かが作った便利なプラグインを使えば、コーディングいらずで実現する、といった具合です。

デベロッパー人口の多いWordPressなら、こうした拡張機能の種類も豊富。大半は無料で利用でき、公式プラグインの数だけでも5万以上に及びます。

一方で、オープンソース型にはデメリットもあります。ソースコードが公開されているため、悪意のあるハッカーに狙われやすい傾向があるのです。

脆弱性への対処は利用者側の責任。定期的にセキュリティアップデートを適用し、最新の脅威に備えなくてはなりません。

バージョンアップへの対応や、プラグインの選別など、セキュリティ対策には相応の手間とスキルが要求されます。対策を怠ると、改ざんやウイルス感染、データ流出などの危険にサイトをさらすことになるのです。

また、無料のオープンソースゆえ、サポート体制が手薄な点にも注意が必要です。不具合が起きても、すぐに助けを求められる相手がいないのが現状。ユーザー同士のコミュニティに参加するなど、自助努力でトラブルシューティングに臨まざるを得ないわけです。

こうしたリスクを天秤にかけた上で、無料のメリットを享受すると割り切れるかどうか。オープンソース型を選ぶ際のポイントは、そこにあると言えるでしょう。

パッケージ型CMSの特徴

次に、パッケージ型CMSについて説明します。パッケージ型CMSとは、ソフトウェア会社などが開発・販売する商用のCMSです。サーバーにインストールして利用するタイプのものを指します。

代表的なのが、国産の「Movable Type」や「NOREN」。海外製では「Sitecore」や「Acquia」などが、パッケージ型CMSの有名どころと言えます。

パッケージ型の最大の特徴は、安定性の高さでしょう。長年の運用実績に裏打ちされた信頼性は、オープンソース型とは一線を画しています。

各製品に最適化された専門的なサポート体制も、パッケージ型CMSの大きな魅力です。導入時のコンサルティングから、運用中のトラブルシューティングまで、ワンストップでサービスを受けられるのは心強い限り。

例えば、サイトのリニューアル時に、CMSの設計や移行作業をベンダーに任せられるのは大きなメリット。自社にノウハウがなくても、経験豊富な専門家の力を借りて、安心してプロジェクトを進められるわけです。

また、セキュリティ対策の充実度も見逃せません。パッケージ型なら、ベンダーによる脆弱性診断や修正パッチの提供など、オープンソース型よりもワンランク上の安全性を担保してくれます。

責任の所在が明確なのも、パッケージ型ならではのメリット。万が一、重大な不具合やセキュリティホールが発見された場合、ベンダー側が迅速に対処してくれるのは頼もしい限りです。

その一方で、パッケージ型CMSにはコストの壁も存在します。導入時のライセンス費用に加え、製品サポートを受けるための年間保守料が必要不可欠。長期的に見ると、無視できないコストになることは避けられません。

中小企業など、予算に限りのある組織にとっては、パッケージ型の採用ハードルは高いのが正直なところ。無料のオープンソース型と比べて、費用対効果を慎重に見極める必要があるでしょう。

また、独自のカスタマイズには制限がかかるのもデメリットの一つ。パッケージの枠内での拡張は可能でも、自由度はオープンソース型には及びません。

ベンダー独自の設計思想に基づいて作られているため、その制約から完全に自由になることは難しいのです。カスタマイズを進めるほど、パッケージ自体を改変することになり、バージョンアップへの対応が困難になる点にも注意が必要です。

このように、パッケージ型CMSは、安定性と手厚いサポートを武器に、一定の利用コストを覚悟の上で採用する、という位置づけになりそうです。中堅・大企業のコーポレートサイトなど、ミッションクリティカルなWebサイト運営に向いていると言えるでしょう。

クラウド型CMSの特徴

そして、近年急速に普及が進むクラウド型CMSについて解説します。クラウド型CMSとは、CMS機能をクラウドサービスとして提供するタイプのことを指します。

サーバーの調達・運用はサービス提供側に任せ、ユーザー企業は管理画面にログインするだけでWebサイトの運営が始められるのが特徴です。自社でシステムを構築・運用する必要がないため、「CMS as a Service」とも呼ばれています。

日本発のクラウドCMSとしては、「Ameba Ownd」や「イーブロ」などが代表例。海外勢では「Contentful」「Storyblok」「Strapi」など、ヘッドレスCMSと呼ばれる新世代のクラウド型CMSも台頭しつつあります。

クラウド型の最大のメリットは、初期費用の安さと導入のしやすさでしょう。サーバー構築の手間もコストも不要で、短期間でサイトを立ち上げられるのは大きな魅力です。

オンプレミス型のCMSなら、サーバーの調達からOS・ミドルウェアのセットアップ、CMSのインストールまで、専任のエンジニアによる長期間の準備が欠かせません。その点、SaaSならアカウント開設してコンテンツを入稿するだけで、最短1週間でサイトをローンチできるケースも珍しくありません。

例えば、日用品メーカーが新商品の告知サイトをオープンしたいとします。発売まであと1ヶ月しかない状況で、自前のリソースだけでは間に合わない。そんな時こそ、クラウド型CMSの出番です。

管理画面の使い勝手のよさも、クラウド型の大きな特徴。直感的な操作性にこだわって設計されているため、パソコンが苦手な人でも戸惑うことなく使いこなせます。

広報担当者や営業担当者など、現場の誰もがアクセスして情報発信できるのは、機動力の面でも心強い限り。トレーニング期間を最小限に抑えつつ、すばやくサイト運営に参加してもらえるのです。

一方、クラウド型にもデメリットがあります。それは、機能やデザインのカスタマイズ性の低さです。

サービスとして規格化されているため、自由にアレンジできる範囲が限られているのが実情。オープンソース型のような柔軟性は期待できず、サービス側の制約に従うことを余儀なくされます。

中には、HTMLやCSSの編集すら許可していないサービスもあるほど。差別化を図りたい企業にとっては、クラウド型では物足りなさを感じるかもしれません。

さらに、ベンダーの倒産リスクも無視できません。サイトを預けた先のサービスが、ある日突然終了してしまうことだって、なくはないのです。

クラウドならではのベンダーロックインの不安は、オンプレミス型より大きいと言わざるを得ません。サイトデータの移行性など、出口戦略もしっかりと立てておく必要がありそうです。

こうしたリスクを踏まえた上で、クラウド型CMSは、スモールスタートを切るのに最適解になり得るでしょう。中小企業を中心に、今後も利用シーンが広がっていくことが予想されます。

自社に適したCMSの選び方

ここまで、3つのタイプ別にCMSの特徴を見てきました。それでは、自社に適したCMSをどう選べばよいのでしょうか。

CMS選定の基本は、サイトの目的と規模から逆算して考えることです。まずは、作ろうとしているサイトのゴールを明確にすることから始めましょう。

コーポレートサイトなのか、メディアサイトなのか、ECサイトなのか。サイトの種類によって、CMSに求められる要件は大きく変わってきます。

例えば、記事の量産が必要なメディア運営には、コンテンツ制作に特化したCMSが適しているはず。一方、会員データなどの機密情報を扱うサイトでは、セキュリティ重視のCMS選定が欠かせません。

サイトの規模感をイメージすることも重要です。取り扱うコンテンツ量はどのくらいか。想定されるアクセス数はどの程度か。

大規模サイトを想定するなら、負荷分散に優れたCMSを選ぶ必要があるでしょう。逆に小規模なサイトなら、必要以上に高機能なCMSは避けたほうが賢明です。

次に考えるべきは、費用対効果とROI(投資収益率)でしょう。無料のオープンソースか、それとも有料のパッケージがよいのか。

導入コストを抑えたい場合は、オープンソース一択になるかもしれません。ただ、カスタマイズや保守運用にどれだけ社内リソースを割けるかを慎重に見積もる必要があります。

長期的な運用コストを視野に入れると、ある程度の初期投資は許容範囲内かもしれません。トータルコストで見た時に、最も効果的なCMSを選ぶことが肝要だと言えます。

また、サイトの将来的な拡張性も忘れてはなりません。事業の成長に合わせて、CMSも柔軟にスケールしてくれる必要があります。

数年後のリニューアルを見据えたら、独自カスタマイズが容易なCMSを選ぶのが得策かもしれません。バージョンアップへの対応力や、他システムとの連携のしやすさも、長期運用の観点からチェックしておくべきポイントです。

いずれにせよ、CMS選定は一朝一夕では決められません。自社にとって本当に必要な要件は何か。それが適う製品はどれか。関係者を巻き込んだ議論を重ねながら、十分に時間をかけて見極めていくことが重要だと言えるでしょう。

CMSの比較ポイント1:提供形態とコストパフォーマンス

前章で解説した通り、CMSにはオープンソース型、パッケージ型、クラウド型の3つに大別されます。それぞれの特性を理解した上で、自社に最適な提供形態を選ぶことが肝要だと言えるでしょう。

ここからは、CMS選定の際に欠かせない6つの比較ポイントを、より具体的に解説していきます。

まず取り上げるのは、提供形態とコストパフォーマンスの視点です。

ライセンス形態の違い

CMSのライセンス形態は、大きく分けて「買い切り型」と「従量課金型」の2種類があります。

買い切り型は、初期費用でライセンスを購入すれば、あとは追加費用なしで使い続けられる方式。パッケージ型CMSに多く見られます。

例えば、MovableTypeなら、サーバーライセンスを1度購入すれば、何年経っても追加の支払いは発生しません。長く使うほどに、費用を償却できるのがメリットと言えるでしょう。

ただし、バージョンアップ時に再度ライセンス費用がかかるケースもあります。無期限で最新版が使えるわけではない点には注意が必要です。

一方、従量課金型は、利用した分だけ料金が発生する方式。ページビューやアカウント数に応じて月額料金が変動するタイプのものが多くなっています。

初期費用が低く抑えられる半面、ランニングコストが変動するのが特徴です。サイトの成長に合わせて、柔軟に利用プランを変更できるメリットがあります。

主にクラウド型CMSで採用されており、Contentfulなら、月間APIコール数に応じた5段階の料金プランから選ぶ形式になっています。

買い切り型と従量課金型、どちらを選ぶべきかは、サイトの将来像によって変わってきます。アクセス数の増加が見込めるメディア系なら、従量課金型の方がスケーラビリティが高いと言えるでしょう。

逆にアクセス数の変動が少ない企業サイトなら、買い切り型の方が長期的なコストメリットを出しやすいかもしれません。

サイトの成長カーブをしっかりと読み、ライセンス形態の特性を見極めることが大切だと言えます。

もう1つ押さえておきたいのが、ユーザーアカウント数の制限の有無です。

中にはアカウント数に応じて料金が変動するCMSもあれば、無制限に利用できるCMSもあります。

サイト運営に携わるメンバーの多寡によって、どちらを選ぶべきか変わってくるでしょう。部署横断のWeb担当者が大勢いる場合、無制限プランの方が管理コストを抑えられるはずです。

逆に少人数の運営体制なら、アカウント課金制の方がムダな出費を避けられる可能性もあります。

いずれにせよ、ユーザー数の制限は見落とされが

いずれにせよ、ユーザー数の制限は見落とされがちなポイントです。サイト運営の実態に即して、慎重に見極めていく必要があるでしょう。

初期費用と運用費用の比較

次に、初期費用と運用費用の比較について解説します。

CMS導入時には、ライセンス費用だけでなく、構築・カスタマイズに伴う初期費用も発生します。オープンソース型なら無料とは言え、テンプレートのカスタマイズや、プラグインの開発費用などが必要になるケースは少なくありません。

例えば、WordPressでコーポレートサイトを制作するなら、デザインテーマの購入費用や、開発会社への業務委託費など、初期投資は100万円以上になることも珍しくないのです。

パッケージ型なら、製品の標準機能を使う分には、初期費用を抑えられる場合もあります。ただし、それなりのカスタマイズが必要なら、やはり開発費用は高額になりがち。

MovableTypeで1000ページ規模のサイトを構築する場合、カスタマイズ費用を含めると、500万円以上の初期投資が必要になることも。

クラウド型の場合、初期費用はインポート代行サービスの利用など、最小限に抑えられるのが魅力ですが、その分、月額利用料には注意が必要です。

Ameba Owndの企業プランCの場合、月額150,000円〜となっています(2021年12月時点)。サイトボリュームによっては、年間200万円以上の運用コストがかかってしまうこともあり得るのです。

初期費用を抑えられる代わりに、ランニングコストが高額になるケースは意外と多いもの。OpenCMSの月額36,000円(年間43万円)など、積み重なると無視できない金額になります。

長期的な費用対効果を見極めるなら、ライフタイムコストをしっかりはじき出すことが不可欠。5年、10年スパンの見積もりを立てて、導入判断の材料にすべきでしょう。

オンプレミスなら、サーバー導入費や保守費用、セキュリティ対策費なども考慮する必要があります。クラウドなら、トラフィック料金やアップグレード費用など、初期費用以外の変動要素にも目を向けておくことが肝心です。

費用対効果の判断基準

CMS選定における費用対効果の判断は、一朝一夕にはいきません。TCO(総保有コスト)を意識しつつ、中長期的なROI(投資収益率)を試算する作業が欠かせないのです。

TCOとは、導入コストに加え、運用・保守、バージョンアップなど、システムを保有する上で必要なコストの総額を指します。

表面的な価格の安さだけでCMSを選ぶのは賢明とは言えません。メンテナンス性の低さが、人件費の高騰を招いては本末転倒。セキュリティ対策の甘さが、インシデント発生時の損害賠償リスクを高めるのも得策とは言えないでしょう。

長期的な視点を持ち、表に見えないコストにもしっかりと目を向ける。それがTCOの本質だと言えます。

一方、ROIは投資に対する収益の割合を示す指標。CMS導入により、どれだけ生産性が向上し、売上アップやコスト削減につながるかを見積もる必要があります。

コーポレートサイトをリニューアルした結果、問い合わせ数が2倍になった。ECサイトを刷新したところ、購買率が10%向上した。

そうしたプラス効果を金額換算し、投資額と比較することで、CMS導入の成否を判定できるわけです。

もちろん、金銭的なリターンだけがROIではありません。ブランドイメージの向上や、顧客満足度のアップなど、定性的な効果も見逃せません。

投資判断の前提として、サイトの目標をしっかりと設定しておくことが何より重要。アクセス数、CVR(コンバージョン率)、顧客ロイヤルティなど、KPI(重要業績評価指標)を事前に定義し、達成度を測る物差しを用意しておくべきでしょう。

TCOの視点を持ちつつ、ROIを意識してCMSを比較選定する。費用対効果の高いCMS選びには、そうした複眼的なアプローチが求められます。

CMSの比較ポイント2:機能の充実度と柔軟性

CMS選定において重要な2つ目のポイントは、機能の充実度と柔軟性です。

自社に必要十分な機能を備えているか。それを自在にカスタマイズできる柔軟性があるか。満たすべき要件は多岐にわたります。

基本機能のチェックリスト

まずは、Webサイト運営に不可欠な基本機能が備わっているかを確認しましょう。

コンテンツ管理、つまり記事や画像、動画などを作成・編集・削除する機能は、CMSの大前提。ビジュアルエディタによる直感的な入力や、スケジュール機能による予約公開など、快適な運用を支える工夫の有無もチェックすべき点の1つです。

サイトのデザインを設定する機能も重要です。優れたCMSなら、数多くのデザインテンプレートが用意され、CSSによる細かな見た目の調整も可能なはず。

ヘッダーやフッターの差し替えをはじめ、レイアウトを自在にカスタマイズできるかどうかを見極めたいところです。

次に、ユーザー管理機能も見逃せません。サイト運営に携わるメンバーのアカウントと、付与する権限(ロール)を設定できる必要があります。

記事の作成はできるが公開はできない、画像のアップロードはできない、など、メンバーごとに操作権限を切り分けられると運用の自由度が増すでしょう。

セキュリティ対策に関わる機能も重要なチェックポイントです。

常時SSL化による通信の暗号化、二要素認証によるログインの強化など、システムとしての堅牢性を高める仕組みは、今や必須と言えます。CMSベンダーによる脆弱性診断の頻度や、緊急パッチの提供体制の確認も忘れずに。

拡張機能の豊富さ

拡張機能(プラグイン・アドオン)の豊富さも、CMS選定の重要な判断材料になります。

オープンソースのWordPressなら、5万種類以上のプラグインが公開されており、ほとんどのニーズに対応可能。コンタクトフォームやSEO対策、多言語化など、大半の追加機能をノーコードで実装できるのは心強い限りです。

一方、プラグインが乱立しているがゆえの弊害もあります。プラグイン同士の競合によって、サイトが表示されなくなるケースがしばしば発生。

しっかりとしたレビューと実績のあるプラグインに絞り、管理を怠らないよう注意が必要です。

パッケージ型のCMSの場合、独自のアドオンの種類は限られています。ベンダーが厳選した高品質なアドオンのみを提供している点は評価できますが、自由度の高さではオープンソース型に分があると言えるでしょう。

必要とする機能をどれだけカバーできるか。拡張機能のラインナップの幅広さは、CMS選定の大きなポイントだと言えます。

加えて、API連携の柔軟性も重要な比較軸の1つ。他システムとのデータ連携がしやすいCMSかどうかにも注目が必要です。

例えば、SHANON VIBITにはREST APIが用意されています。これにより、MAツールとの連携が容易になり、より高度なマーケティング活動が可能に。

Salesforceとの連携で、見込み客の獲得から商談の管理まで、一気通貫のオペレーションが実現できるわけです。

SystemSyncなど、API連携に特化したCMSも台頭しつつあります。柔軟なデータ共有ができるCMSを選べば、DXに向けた基盤づくりにもつながるはずです。

カスタマイズ性の高さ

CMSのカスタマイズ性の高さも見逃せない選定ポイントの1つ。テーマの改変だけでは実現できない、オリジナリティあふれるサイト設計を実現する上で重要な要素と言えます。

この点、オープンソースのCMSが優れているのは言うまでもありません。BIのための専用ダッシュボードを自作する、会員サイトに必要な独自の認証機能を盛り込む。そうした開発要件にも、比較的容易に応えられるのがオープンソースの強みです。

またWordPressなら、Child Theme(子テーマ)を使えば、オリジナルデザインを保ったままバージョンアップできるのも魅力。

一からの設計変更にも対応しやすく、サイトの成長に合わせた柔軟なカスタマイズが可能だと言えるでしょう。

一方、パッケージ型やクラウド型のCMSは、ベンダー側の方針に縛られるのが悩ましいところ。機能面の自由度は限定的で、外部との連携にも制約が多いのが実情です。

例えばHubSpot CMSの場合、HubSpotというプラットフォームの枠内でしか使えません。他のシステムと連携させるには、すべてHubSpot経由で実装する必要があり、自由度は高くないと言わざるを得ません。

自社の強みを存分に発揮するには、ユニークな機能開発やシステム間連携が欠かせません。将来を見据えた柔軟なカスタマイズができるかどうかは、CMS選定の重要な判断ポイントになるはずです。

マルチデバイス対応力

今やスマホからのアクセスがPCを上回る時代。CMSのマルチデバイス対応力は、選定の大前提と言えるでしょう。

この点、Drupalのレスポンシブデザイン対応は秀逸だと言えます。PCでもスマホでも、画面サイズに合わせて最適なレイアウトが表示されるのは強み。サイトの表示速度を高速化する仕組みも標準搭載しており、快適なモバイル閲覧を提供できるのが魅力です。

モバイル専用のページ生成機能にも注目したいところ。スマホならではのUX設計を施したい場合、PCとは別のテンプレートを用意できると運用の幅が広がります。 SOYCMS AdminのMobile Editionのように、スマホ向けの管理画面を搭載しているCMSもあります。外出先からでもコンテンツ更新が可能なのは心強い限りです。

AIを活用したサイト最適化機能も次々に登場しています。管理画面にアクセス解析データを集約し、効果の高いレイアウトをレコメンドしてくれる。そんな時代が、もう目前に迫っているのかもしれません。

スマホシフトは今後も加速することが予想されます。デバイスを選ばないサイト体験の実現は、CMS選定の際に外せない要件の1つだと言えるでしょう。

CMSの比較ポイント3:ユーザビリティと習熟のしやすさ

CMS選定で見逃せないのが、ユーザビリティと習熟のしやすさです。いくら高機能でも、使いこなせなければ意味がありません。

日々の運用負荷を最小限に抑えつつ、誰もがスムーズに使いこなせるCMSを選ぶことが肝要だと言えるでしょう。

管理画面のUIデザイン

まず評価したいのが、管理画面のUIデザインです。直感的に操作できるか、ビジュアルエディタは使いやすいか。日々の運用効率を左右する重要なポイントだと言えます。

この点、WordPressのダッシュボードUIは見やすく使いやすいと定評があります。記事の投稿や下書き保存、公開のフローもシンプルで、初心者でもすぐに慣れることができるでしょう。

メニューの配置や項目の命名も直感的で、目的の機能に迷わずアクセスできます。プラグイン管理画面の分かりやすさも秀逸。ワンクリックでのアップデートなど、管理作業の効率化に貢献しています。

一方、Drupalの管理画面は少々複雑な印象。慣れるまでに時間がかかるのは否めません。その分、きめ細やかな設定が可能な点は、上級者には魅力的に映るかもしれません。

ビジュアルエディタの使い勝手も見逃せないポイント。記事にテキストや画像を挿入する際、直感的な操作で行えるかどうかは、運用効率に大きく影響します。

この点、CMSによって差が大きいのが実情です。WYSIWYGエディタの出来が良いCMSを選ぶことで、コンテンツ制作の生産性を高められるはずです。

UIデザインの善し悪しを見極めるには、実際に触ってみるのが一番。導入前の事前検証は必須だと言えるでしょう。

日本語対応の有無

海外製のCMSを選ぶ際は、日本語対応の有無もしっかりとチェックしたいところ。

管理画面が英語だと、日本人スタッフの習熟に時間がかかるのは必至。専門用語の多さも相まって、運用の効率は大きく損なわれることになります。

その点、Movable Typeなどの国産CMSなら、そうした心配は無用。管理画面もユーザー向けマニュアルも、すべて日本語で提供されているのは心強い限りです。

WordPressも、日本語版の提供が開始されて以降、普及に拍車がかかりました。4万以上のプラグインが日本語対応しているのも、導入のハードルを下げる要因の1つと言えるでしょう。

また、日本語コミュニティの活発さも大切なポイント。トラブルシューティングに悩んだ時、日本語で解決策を共有し合えるコミュニティがあれば、心強いサポートになるはずです。

MovableTypeには、公式フォーラム「Movable Type ユーザーフォーラム」があり、活発に情報交換が行われています。こうしたユーザー同士の助け合いの場は、スムーズな運用に欠かせない存在だと言えます。

バージョンアップへの対応

CMS選定では、バージョンアップへの対応のしやすさも重要な判断材料の1つ。

セキュリティホールを塞ぐパッチ適用は必須の作業ですが、メジャーバージョンアップともなると、移行の難易度が跳ね上がります。

プラグインの互換性チェック、データ移行、動作検証など、事前の準備に相当な工数がかかるのが一般的。トラブルが起きれば、サイトの表示障害を招く恐れもあります。

こうしたリスクを回避するには、アップデートが容易で、安定性の高いCMSを選ぶことが重要です。

この点、a-blog cmsの「シームレスバージョンアップ」機能は注目に値します。管理画面上の簡単操作で、停止時間ゼロでバージョンアップが完了。ユーザー目線での使い勝手を追求した日本製CMSならではの機能だと言えるでしょう。

また、新機能追加の頻度と、それへの対応スピードにも目を向けたいところ。

数年ごとのメジャーアップデートサイクルが一般的な中、毎月新機能をリリースするContentful。ヘッドレスCMSの新星らしい、機敏な開発姿勢が光ります。

最新のWebテクノロジーを積極的に取り入れ、機能を進化させ続けるCMSを選べば、サイトの競争力を維持し続けられるはずです。

習熟の難易度

社内の担当者が使いこなせるかどうか。CMS選定においてこの視点は欠かせません。いくら高機能でも、習得に時間がかかるCMSは避けるべきでしょう。

オープンソースのCMSは、一般的に学習コストが高いと言われています。使いこなすには、HTMLやCSSの知識が必要不可欠。本格的なカスタマイズともなれば、PHPなどのプログラミングスキルも求められます。

一方、クラウド型CMSの場合、直感的に使える分、学習コストを低く抑えられるのが魅力です。例えばWordPressなら、オンラインチュートリアルを1時間ほど受講するだけで、記事の更新や公開までできるようになるでしょう。

とは言え、CMSの習熟には一定の時間がかかるのが常。どれだけ直感的に使えるCMSでも、1ヶ月〜3ヶ月程度の学習期間は見ておくべきです。

加えて、ドキュメントの充実度にも注目したいポイント。オンラインヘルプやチュートリアル、逆引きリファレンスなどが豊富に用意されていれば、利用開始直後の不安も和らぐはずです。

自社に合ったCMSを見極めるには、実際に利用シーンを想定したPOC(概念実証)が有効です。社内の担当者に実機を触ってもらい、感想を率直に聞いてみる。潜在的な不安やストレスを事前に洗い出すことで、後の運用トラブルを未然に防げるでしょう。

CMSの比較ポイント4:SEO対策と流入の獲得力

CMSを使う上で見逃せないのが、SEO対策への適性です。設計段階から検索エンジン対策を意識したCMSを選ぶことで、大幅なアクセスアップも狙えるはず。

サイトへの流入獲得力は、CMS選定の重要な判断材料と言えるでしょう。

SEOに有利な設計

まず確認したいのが、検索エンジンフレンドリーなHTML構造が吐き出せるかどうか。クリーンなコーディングがなされたHTMLは、クローラーにも読み取りやすく、検索順位の向上に直結します。

この点、MODXのテンプレートエンジンは高い評価を得ています。プラグインを駆使せずとも、SEOに最適化されたHTMLを出力可能。ソースの肥大化を防ぎつつ、ページの軽量化にも貢献してくれます。

パンくずリストやcanonicalタグの自動生成機能にも注目です。サイト内の階層構造を明示するパンくずリストは、クローラーの正しい巡回を促す上で重要な役割を果たします。

CMSが自動でパンくずリストを作ってくれれば、サイト運営者の手間を大幅に省けるのは言うまでもありません。

また、検索エンジンに優先的にインデックスしてほしいページを指定するcanonicalタグ。コンテンツの重複を避け、PageRankの分散を防ぐ有効な施策ですが、これをCMSが自動で挿入してくれれば、SEO効果は絶大だと言えるでしょう。

SHIRASAGIのように、BingやYandexにも対応したSEOタグ自動生成機能を備えたCMSもあります。日本だけでなく、海外からの流入も狙える点は魅力的と言えるでしょう。

メタ情報の最適化

titleタグやdescriptionタグなど、メタ情報の最適化もSEOには欠かせません。検索結果に直接影響するこれらのタグを、ページごとに柔軟に設定できるかどうかもCMS選定の重要なポイントです。

例えばWordPressなら、YoastなどのSEOプラグインを使えば、各ページのtitleタグやメタディスクリプションを自在に編集可能。キーワードの出現回数や文字数のアドバイスがリアルタイムで表示され、最適化の精度を高められるのが嬉しいポイントです。

同様にA-Blog CMSでは、ページごとのメタ情報をビジュアルエディタ感覚で入力できます。プレビュー画面でタイトルや説明文の表示イメージを確認しながら、推敲を重ねられるのは強みだと言えるでしょう。

記事に盛り込むべきキーワードの最適配置アドバイス機能も見逃せません。メインキーワードをタイトルや見出し、本文中に自然な形で織り交ぜることは、SEOの基本中の基本。

CMSが最適なキーワード配置をレコメンドしてくれれば、初心者でも効果的なSEOライティングが可能になるはずです。

メタ情報最適化の自動化は、今後ますます進んでいくと予想されます。最新のSEO支援機能を備えたCMSを選ぶことが、検索順位の向上への近道だと言えるでしょう。

サイトマップ生成と通知

Googleなどの検索エンジンに、サイトの構造を伝える役割を担うのがXMLサイトマップ。これを定期的に更新・通知することで、クロールの効率アップとインデックスの促進が期待できます。

大規模サイトともなれば、手作業でのサイトマップ更新は非現実的。アップデートのたびに自動生成してくれるCMSの存在は、サイト運営者にとって心強い味方だと言えるでしょう。

例えばWebRelease(ウェブリリース)なら、コンテンツの追加や更新に合わせ、サイトマップを自動で再生成。Google Search Consoleへの自動通知機能も備えており、インデックス率の向上に貢献してくれます。

一方、HubSpot CMSでは、サイトマップはデフォルトでは生成されません。開発者が別途XMLファイルを用意する必要があり、手間とコストがかさむのが悩ましいところ。SEOへの本気度が問われる部分だと言えるでしょう。

Webマスターツールとの連携も重要なポイント。Googleアナリティクスとのデータ連携が容易なCMSを選べば、アクセス解析とSEO施策のPDCAサイクルを効率的に回せるはずです。

ページ表示速度の高速化

2021年以降、Googleの検索アルゴリズムでは、Core Web Vitals(CWV)と呼ばれる指標が重視されるようになりました。ページの表示速度やインタラクティビティなど、ユーザー体験の質を評価する新たな基準の登場です。

 

サイトのパフォーマンス改善は、もはやSEO対策に欠かせない要素と言えるでしょう。表示速度を高速化する工夫が施されたCMSを選ぶことが、検索順位の向上につながります。

この点、Drupalのキャッシュ機能は特筆に値します。ページ単位でのキャッシュはもちろん、ブロック単位でのキャッシュも可能。パーツごとに効率的なキャッシュコントロールを行える点が魅力です。

加えて、Drupal 8以降では、BigPipeと呼ばれる先進的なレンダリング機構を備えています。ダイナミックブロックとスタティックブロックを分離し、読み込み優先度を最適化。ファーストビューの表示時間を大幅に短縮できるのが強みだと言えるでしょう。

画像の遅延読み込み(Lazy Load)機能も見逃せません。ページ内の画像を必要になった時点で読み込む仕組みで、初期表示の高速化に寄与します。バックグラウンドでの画像ロードは、サイト離脱率の低減にも効果が期待できるはずです。

そのほか、CSSやJavaScriptのMinify(圧縮)機能を備えたCMSも増えつつあります。ソースコードの容量を削減することで、ページ読み込み時間の短縮化を図れます。

ユーザー体験の最適化は、SEOの新たな勝負所と言っても過言ではありません。サイトパフォーマンスを追求したCMSの選択が、検索順位の向上に直結すると言えるでしょう。

CMSの比較ポイント5:サポート体制とコミュニティの充実度

CMS選定で見落としがちなのが、サポート体制とコミュニティの充実度。トラブル発生時の頼れる存在があるかどうかは、安定運用を左右する重要な要素だと言えます。

自社に最適なCMSを見極めるには、表面的な機能面だけでなく、サポート面の厚みもしっかりチェックしたいところです。

サポートの手厚さ

まず大切なのが、ベンダー側のサポート体制の手厚さ。問い合わせ対応の速さと丁寧さは、製品の品質を測る重要なバロメーターだと言えます。

この点、Movable TypeのMTOSS(Movable Type Open Source Support)は手厚いサポートで定評があります。メールでの問い合わせに加え、オンラインチケットシステムでの対応も行っており、ユーザーの細かな要望にも真摯に応えてくれるのが特徴です。

サイボウズGaroonも、手厚いサポート体制が魅力の1つ。平日の電話サポートはもちろん、チャットツールを使ったリアルタイムの問い合わせにも対応。管理画面には「ヘルプ」ボタンが常駐しており、オペレーターへのダイレクトな質問が可能です。

一方、オープンソースのCMSの場合、手厚いサポートを期待できないのが実情。基本的にはコミュニティでの自助努力が求められます。WordPressのフォーラムなどに質問を投稿し、ユーザー同士の交流の中から解決の糸口を見つけていく。そんな習慣が身につくまでには、それなりの時間を要するでしょう。

ベンダーサポートの厚さは、ユーザー企業の規模によっても選定ポイントが変わってきます。大企業なら手厚いサポートに対するコスト負担力があるでしょうが、中小企業の場合はコストパフォーマンス重視で選ぶことになるはず。

いずれにせよ、サポートの手厚さは、CMS運用の安心感を大きく左右する要因の1つ。重大トラブルの発生確率を最小限に抑えるためにも、ベンダー対応力の高さは見逃せない選定ポイントだと言えます。

ドキュメントの豊富さ

サポート体制と同様に重要なのが、ドキュメントの充実度合い。マニュアルやFAQ、ユーザーガイドなど、自助努力で問題解決に役立つコンテンツが豊富に用意されているかは、CMS選定の大きな判断材料と言えるでしょう。

まず、管理画面の使い方や、記事の投稿方法など、基本的な操作方法を解説したマニュアルは必須のアイテム。初期設定から記事公開までの一連の手順を、図解入りでわかりやすく説明してくれるガイドがあれば、導入のハードルは大きく下がります。

加えて、テンプレートのカスタマイズ方法や、プラグインの設定方法など、少し高度な内容を扱ったドキュメントの有無にも注目したいところ。カスタマイズの自由度を最大限に引き出すには、それなりのテクニカルライティングが不可欠だからです。

EC-CUBEの開発者向けドキュメントは秀逸の一言。データベース設計書、テンプレートエンジンの仕様書など、開発に必要十分な情報がすべて網羅されています。プラグインの開発手順書まで用意されているのは、さすがオープンソースの雄と言ったところでしょう。

Shopifyのヘルプセンターも充実度が高いと評判です。ECサイト運営で陥りがちな課題を、Q&A形式で分かりやすく解説。SEO対策、売上アップ、在庫管理など、ショップ運営に役立つノウハウが散りばめられており、ドキュメントを読むだけでECの基礎が身につきます。

そのほか、用途やシチュエーションごとにまとめられたTipsス集や、ユーザー同士の知見を集約したFAQなども重宝するはず。CMSを「自分のもの」として使いこなすには、ドキュメントを読み込む地道な努力が欠かせません。

ただ、ドキュメントはどれだけ豊富でも、体系的に整理されていなければ意味がありません。情報を探しやすい構成になっているか、内容が最新版に追随しているかなども確認したいポイントです。

コミュニティの活発度

ユーザーコミュニティの盛り上がりも、CMS選定の重要な判断材料の1つ。同じ課題を抱えるユーザー同士が集い、ナレッジを共有し合える場があるかどうかは、運用効率を大きく左右するからです。

オープンソースCMSの場合、コミュニティの存在は不可欠と言えるでしょう。WebサイトやSNSを通じて、日々活発な情報交換が行われている。ユーザー同士の絆の強さは、ソフトウェアの品質を物語る重要なバロメーターだと言えます。

例えばDrupalなら、世界50以上の国と地域に2600以上のユーザーグループが存在。地域ごとにイベントが開催されるなど、オフラインでの交流も盛んに行われています。日本でも「Drupal 勉強会」が定期的に開かれ、ユーザー同士の学び合いの場として機能しています。

Concrete5の「concrete5 コミュニティ」も注目に値するユーザーコミュニティ。フォーラムには、他では得られないようなノウハウが日々蓄積されています。海外のユーザーともつながれるのも、グローバルコミュニティならではの強みだと言えるでしょう。

一方、商用CMSの場合、こうした横のつながりは限定的。基本的にはベンダーサポートがユーザーの頼みの綱となります。コミュニティの厚みを武器に、日々の運用を乗り切っていく。そんなスタイルは、オープンソース文化の申し子とも言えるでしょう。

パッケージ型、クラウド型を問わず、ユーザー同士の活発な交流が行われているかは要チェック。コミュニティの充実度合いは、CMS選定の重要な判断ポイントの1つだと言えます。

制作会社の対応力

サポート面で見逃せないのが、制作会社の対応力。導入実績の豊富さはもちろん、トラブルシューティングの頼もしさも、重要なチェックポイントの1つです。

経験豊富な制作会社なら、ありとあらゆるシチュエーションを想定した導入計画を立ててくれるはず。要件定義の段階から、綿密なヒアリングを行い、的確なCMS選定の助言を与えてくれるでしょう。

加えて、データ移行やカスタマイズにおけるトラブル対処にも、よほどの知見がないと太刀打ちできません。想定外の事態にも冷静に対応し、適切な解決策を提示してくれる頼もしさは、制作会社選びの大きなポイントと言えます。

また、多様なカスタマイズ事例を持つ制作会社を選ぶのも賢明な選択だと言えるでしょう。自社のさまざまな要望にも、柔軟に対応してくれる可能性が高いからです。

オリジナル機能の開発実績や、他システム連携の成功事例など、制作会社の過去の仕事ぶりをしっかりとチェック。信頼できるパートナーを見つけることが、CMS運用の成否を分けることになるはずです。

CMSの比較ポイント6:セキュリティの堅牢性

CMS選定で絶対に見逃せないのが、セキュリティ面の堅牢性。サイバー攻撃の脅威が増す中、どれだけ安全性の高いCMSを選べるかは、サイト運営の生命線と言っても過言ではありません。

情報漏洩やデータ改ざんなど、致命的な被害を招くリスクを最小限に抑えるためにも、セキュリティ対策の充実度は入念にチェックしたいところです。

脆弱性診断の頻度

サイバー攻撃の手口は日々巧妙化しており、過去に安全とされていたシステムにも、次々と新たな脆弱性が発見されるのが実情です。「いまは大丈夫」では済まされない。常に最新の脅威に目を光らせ、継続的に脆弱性を洗い出していく不断の努力が求められます。

優れたCMSなら、定期的な脆弱性診断を欠かさないはず。より正確に言えば、日々刻々とコードの分析が行われ、脆弱性の芽を摘む地道な活動が行われているべきです。

加えて、発見された脆弱性に迅速に対処し、パッチを提供するスピードも重要。放置すればするほど、攻撃の危険度は増すばかり。リスクを最小限に抑える意味でも、ベンダーの機敏な対応力には注目したいところです。

例えばEC-CUBEの公式サイトでは、判明した脆弱性の情報を積極的に開示。深刻度に応じて「重要」「注意」などのレベル分けがなされ、具体的な対処方法まで明記されているのは好印象だと言えるでしょう。

SHIRASAGI(シラサギ)も、脆弱性情報の開示に積極的なCMSとして知られています。過去に報告された脆弱性の一覧が、経緯や対処法まで含めて誰でも閲覧可能。オープンソースならではのオープンな体質が、セキュリティ面の信頼を高めていると言えます。

ブラックボックス化しがちなセキュリティ事情を、ユーザー企業に対して可視化する姿勢。それこそが、攻撃に強いCMSに求められる重要な資質だと言えるでしょう。脆弱性対策の透明性は、CMS選定の大きな判断材料の1つに数えられます。

ログイン認証の強度

セキュリティ対策で欠かせないのが、ログイン認証の強度。いくら堅牢なシステムでも、甘い認証基準では、不正アクセスの格好のターゲットになりかねません。

そこで注目したいのが、二要素認証(2FA)への対応状況です。パスワードに加え、SMSやメールなどのワンタイムコードを用いて本人確認を行う方式。ログイン時の強固な本人確認が可能になり、不正アクセスのリスクを大幅に低減できるのが特長です。

Drupal、WordPress、Movable Typeなど、メジャーCMSの多くが、二要素認証に対応済み。プラグインを利用すれば、比較的容易に導入できるのは心強い限りです。

最近ではリスクベース認証(RBA)を採用するCMSも増えつつあります。ログイン時のIPアドレスや利用端末、アクセス時間帯などを分析し、リスクに応じて認証レベルを変える仕組みです。

いつもと違う端末からのアクセスなら、追加の認証を求める。そんな柔軟な対応が可能になり、利便性とセキュリティのバランスを取りやすくなります。導入の敷居はやや高いものの、検討に値する先進的な認証方式だと言えるでしょう。

また、ブルートフォース攻撃への対策状況も要チェック。総当たり的にパスワードを入力し、不正ログインを試みる悪質な手口への備えは万全でしょうか。

一定回数ログインに失敗したら、アカウントをロックする仕組みは最低限必要。加えて、前回ログイン時のIPアドレスと照合し、急激な変化があれば警告を出す。そんなログイン監視の仕組みがあれば、よりいっそう不正アクセスへの抑止力が増すはずです。

アクセス制御の精度

サイトへの不正アクセスを防ぐには、ログイン認証だけでは心もとない。アクセス元IPアドレスを制限するブラックリスト方式や、逆に許可するIPアドレスを限定するホワイトリスト方式など、よりシビアなアクセス制御が求められます。

WordPressなら、IP制限プラグインを使えば、数クリックでブラックリスト/ホワイトリストの設定が可能。社内のみのアクセスを許可したり、海外からの接続を遮断したりと、柔軟な運用が可能になります。

EC-CUBEも、IPアドレス制限機能を標準搭載。管理画面へのアクセスを、特定のIPアドレスからに限定できます。機能としてはシンプルながら、防御の第一歩としては十分な効果が期待できるでしょう。

また、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)との連携がしやすいCMSも増えつつあります。不正なリクエストをルール化し、自動でブロックしてくれる頼もしい存在。

Movable TypeならMTSAFE WAF、WordPressならSiteGuard Liteなど、有力CMSには専用のWAFが用意されているのも心強い限りです。

さらに、不正アクセスをいち早く検知するIDS(不正侵入検知システム)の存在にも目を向けたいところ。サーバーへの不審なアクセスを監視し、リアルタイムにログを解析。脅威になり得るIPアドレスをいち早く特定し、ブロックリストに自動追加してくれる優れものです。

SiteGuardの不正アクセス検知機能など、CMSに特化したIDSも各社から登場しつつあります。アクセス制御とセットで導入することで、不正アクセス対策はより万全になるはずです。

改ざんやデータ損失への備え

サイバー攻撃の中でも最も警戒すべきは、改ざんとデータ損失でしょう。コンテンツの書き換えや削除は、サイト運営者にとって致命的なダメージになりかねません。

そうした事態への備えとして、CMSのバックアップ機能には注目したいところ。コンテンツデータを定期的に外部ストレージに保存し、いざという時に早期復旧できる環境を整えておくことは運用の大前提だと言えます。

バックアップの設定が容易なCMSを選ぶのが得策と言えるでしょう。WordPressなら、BackWPupなどの優秀なバックアッププラグインが多数公開されています。クリック数回の直感操作でバックアップスケジュールが組める手軽さは、うっかりミスを防ぐ意味でも重要だと言えます。

また、バックアップデータのリストアがスムーズに行えるかも肝心。サーバーやデータベースに異常が起きた時、速やかに復旧できる環境が整っているかをチェックしておきたいポイントです。

NetCommons(ネットコモンズ)の場合、バックアップ&リストア機能が管理画面に装備済み。ワンクリックで簡単にバックアップが作成でき、同様にリストアも容易に行えます。もしもの時の保険として、頼もしい味方になってくれるはずです。

バックアップの保管先にもこだわりたいところ。オンプレミスのストレージでは、ローカル障害時の危険性が拭えません。できればクラウドストレージとの連携がしやすいCMSを選ぶのがおすすめです。

AWSやAzure、Google Cloud Storageなどとスムーズに連携できれば、可用性の高いバックアップ環境を構築できるでしょう。中にはバックアップ先をマルチクラウド化できるCMSもあり、冗長化の選択肢が広がっています。

こうした備えがあれば、いざ有事の際にも慌てずに済むはず。改ざんやデータ損失のリスクに負けない、強靭なサイト運営を実現するためにも、CMSのバックアップ機能は軽視できない選定ポイントだと言えます。

人気CMS15選の比較一覧

CMS名 提供形態 主な特長
WordPress オープンソース 世界シェアNo.1。豊富なプラグインとテーマ。初心者にも扱いやすい管理画面。
Movable Type オープンソース/パッケージ 国内シェアトップクラス。高いセキュリティと拡張性。エンタープライズ向け。
Drupal オープンソース 高機能×高セキュリティがウリ。大規模サイトに最適。習熟に時間が必要。
TYPO3 オープンソース ヨーロッパ発のエンタープライズ向けCMS。柔軟性が高く、大規模サイトで実績多数。
Joomla オープンソース 世界シェア2位のシンプル設計CMS。コンポーネントの組み合わせで高い拡張性。
concrete5 オープンソース 直感的な管理画面が特長。編集しながらプレビューできるインラインエディタが便利。
EC-CUBE オープンソース 国産ECサイト構築プラットフォームの定番。豊富なプラグインと高いカスタマイズ性。
a-blog cms オープンソース 国産シンプル志向のブログCMS。テンプレートエンジン採用で高いデザイン性。
CMS Made Simple オープンソース 軽量でシンプルな管理画面が魅力。スモールスタートを切るのに最適。
MODX オープンソース デザインの自由度が高いことがウリ。PHP知識のある開発者に人気。
SHIRASAGI オープンソース Ruby製の国産CMS。自治体サイトでの採用例が増加中。
WebRelease パッケージ エンタープライズ向け商用CMS。ワークフロー機能が充実。
HeartCore クラウド フロントエンドに特化した、ヘッドレスCMSの先駆け的存在。
Sitecore クラウド/パッケージ 統合DXPの雄。パーソナライズ機能や多言語対応が秀逸。
Magento オープンソース/クラウド 大規模ECサイト構築に最適。高度なパーソナライズ機能を誇る。
 

 

コラム:CMS選びを成功に導く3つのヒント

自社に合ったCMSを見極めるコツ

CMS選定を成功させるには、自社の目的と規模感をしっかりと見定める必要があります。「とりあえず人気のCMSを選べばいい」という安易な考えは禁物。メジャーCMSでも、自社にマッチしなければ意味がないのです。

サイトのゴールとターゲットを明確にした上で、求められる機能を洗い出すことから始めましょう。現状の課題や将来の拡張性も踏まえ、優先順位をつけながら要件定義していくことが肝要だと言えます。

加えて、自社のリソース感も大切な判断材料。技術力のある人材が社内にいるのか、教育に割ける時間はどのくらいか。オープンソースを自力運用するだけの体力があるのか、それともクラウドの利便性を優先すべきか。

コストパフォーマンスの観点も忘れてはなりません。初期費用とランニングコストのバランスを見極め、中長期的な投資対効果を試算する。TCOの視点を持ちつつ、無理のない予算感でCMSを選ぶことが賢明だと言えるでしょう。

いずれにせよ、CMS選定は社内の関係者を巻き込んだ議論が不可欠。各部門の意見を集約しながら、納得感の高い選択を目指したいものです。そのためにも、情報共有と合意形成のプロセスを丁寧に踏んでいくことが何より重要だと言えます。

制作会社選びで気をつけたいポイント

CMS導入の成否は、制作会社選びにかかっていると言っても過言ではありません。単に技術力があるだけでは不十分で、自社の課題を理解し、的確な提案ができるパートナーを見つけることが肝要だと言えます。

まずは制作実績の豊富さを確認したいところ。類似業種や同規模のサイト構築事例が多数あれば、安心感は高まります。ポートフォリオを入念にチェックし、品質の高さとノウハウの蓄積度合いを見極めましょう。

コミュニケーション能力の高さも重要な選定ポイントです。要件定義の段階から、懇切丁寧に意見交換してくれる姿勢があるか。専門用語を平易に説明し、ユーザー目線に立った提案ができるか。相互理解なくしてプロジェクトの成功はあり得ません。

見積もりの詳細度にも注目です。安易に丸めた概算ではなく、工数の根拠を明示した積算が示されているか。料金の内訳が不透明では、後々のトラブルの火種にもなりかねません。

また、セキュリティ対策やサポート体制の手厚さも大切な選定基準と言えるでしょう。定期的な脆弱性診断の実施や、緊急時の迅速な駆けつけ対応など、サービスレベルの高さを確認しておくに越したことはありません。

加えて、マーケティングの専門性の高さにも目を向けたいところ。SEOを念頭に置いた情報設計やコンテンツ制作など、集客の視点を持ち合わせているかどうか。Webサイトは「作って終わり」ではなく、成果を生み出して初めて価値があるのです。

制作会社選びは、単なる外注先探しではありません。最適なCMSを選定し、有意義なサイト構築を実現するための、頼れるアドバイザーを見つける作業だと言い換えられるでしょう。二人三脚でゴールを目指せるパートナーこそ、真に必要とされる存在なのです。

失敗しないCMS導入のための心構え

CMS導入は、Webサイト運営における重要な岐路だと言えます。それだけに、事前の入念な準備と、関係者の強いコミットメントが欠かせません。

まずは目的と目標を社内で共有することから始めましょう。サイトを通じて実現したいゴールは何か。具体的にどんな成果を狙うのか。キーパーソンだけでなく、全社的な意識合わせが必要不可欠です。

その上で、移行スケジュールを綿密に立てることが重要です。コンテンツ企画、デザイン制作、システム開発など、フェーズごとに詳細なタスクを洗い出し、時間軸に落とし込んでいく。並行して、ターゲットユーザーを見据えたマーケティング戦略の策定も欠かせません。

さらに、社内の推進・運用体制の整備も急務の課題だと言えるでしょう。誰がどの領域を担当するのか、明確な役割分担を決めておく必要があります。ガバナンスルールの策定や、教育プログラムの用意など、運用フェーズを見越した備えも大切になってきます。

加えて、移行を機に、既存コンテンツの見直しを図るのも賢明な選択肢の一つ。必要な情報は残しつつ、不要なページは思い切って削除する。サイトの目的に沿った、メリハリのある情報設計を心がけたいものです。

CMS導入は所詮、通過点に過ぎません。その先にあるゴールを見据え、PDCAサイクルを回し続けることこそが、真の成功への道だと心得ておくべきでしょう。一過性のプロジェクトではなく、息の長い取り組みであることを、関係者全員が自覚することが何より重要だと言えます。

自社PR: CMSの導入ならイノーバにお任せください

イノーバの3つの強み

私たちイノーバは、企業のWebサイト制作に求められるテーマ全般をサポートする、総合的なパートナーです。CMS設計・開発・カスタマイズの技術力と、SEOとコンテンツマーケティングのノウハウ。さらには、柔軟な開発体制とスピーディーな対応力。この3つの強みを生かし、お客様のビジネス課題の解決に全力で取り組みます。

イノーバは、CMSを使った柔軟なサイト構築に実績があります。ヒアリングを重ね、お客様のニーズを的確に汲み取ることから始め、最適なCMS選定と、ターゲットユーザーに響くデザイン設計をご提案。必要に応じたカスタマイズ・機能開発にも柔軟に対応し、お客様だけのオリジナルサイトを実現します。

また、SEOとコンテンツマーケティングの知見を結集し、サイト公開後の運用もトータルにサポート。キーワード選定から、記事企画、外部メディア展開まで、集客につなげる総合的な施策をご提案します。アクセス解析を基にした効果検証を継続的に行い、より成果の高いサイト運営を全力でバックアップします。

スケジュールやコストの制約が厳しいケースでも、スピード感を持って対応することがイノーバの信条。柔軟な開発プロセスと、俊敏なコミュニケーションで、お客様のご要望にきめ細かく対応します。プロジェクト管理の隅々まで目を配り、サイト運営の成功まで、誠心誠意を尽くすことをお約束します。

豊富な導入実績

イノーバは、これまで多くの企業のCMS導入を手がけてきました。大手企業のコーポレートサイトから、中堅・ベンチャー企業のブランドサイト、会員数十万人規模のメディアサイト、年間流通額数億円のECサイトまで、あらゆる領域で豊富な実績があります。

A社のコーポレートサイト制作では、WordPressをベースに、お客様独自の製品データベースと連携する機能を開発。多言語対応にも取り組み、真のグローバルサイトを実現しました。

B社のオウンドメディア運営では、Drupalをフル活用。記事のライフサイクル管理や、ユーザー属性に応じたレコメンド機能など、高度なCMS設計によって、優れたユーザー体験を創出しています。

C社のECサイト構築では、大規模な商品データベースに対応するため、Magentoを採用。フロント側の表示速度にこだわりつつ、バックエンド側の操作性も追求。売上アップに貢献する「稼げる」サイトを実現しました。

その他、Movable TypeによるメンバーシップサイトやLPの制作など、イノーバならではの視点と技術力で、多様な案件にチャレンジし続けています。蓄積したノウハウを糧に、お客様の成功に向けて、ともに歩んでいくことが私たちの喜びです。

CMS導入の無料相談を随時受付中

イノーバでは、CMS導入に関する無料相談を随時受け付けています。Webサイト運営の課題解決に向けて、経験豊富なコンサルタントが課題をヒアリング。最適なCMSをご提案し、具体的な導入プランや見積もりのご提示まで、ワンストップでサポートします。

「サイトが古くなってきたので、刷新を検討している」
「コンテンツ更新の負荷を下げたい」
「ECサイトを立ち上げたいが、何から手をつければよいかわからない」

そんな皆様の疑問やお悩みに真摯に耳を傾け、実効性の高い解決策をご提示します。ヒアリングは無料。お気軽にお問い合わせください。貴社のWebサイト運営を、イノーバの技術力と知見で、全力でサポートいたします。

まとめ:比較を重ねて、最良のCMSを見つけよう

紹介してきた通り、CMSには実にさまざまな選択肢があります。それぞれに長所と短所があり、自社に最適解を見つけ出すのは容易なことではありません。

オープンソースか、それともパッケージか。クラウドサービスの利用も視野に入れるべきか。技術的な要件をクリアできるか、セキュリティに不安はないか。コストパフォーマンスは見合っているか。

判断すべきポイントは多岐にわたります。関係各所の意見を集約しながら、時間をかけて比較検討を重ねることが肝要だと言えるでしょう。

単に機能面だけでなく、ベンダーやコミュニティの充実度合いにも目を向ける。制作会社のサポート力や、カスタマイズの柔軟性も重要な選定基準です。

決して単純な選択ではありませんが、自社の目的に適ったCMSを見つけ出すことは、これからのサイト運営を大きく左右する岐路だと言えます。投資対効果を見極めつつ、腰を据えて検討を重ねていく覚悟が問われているのです。

また、CMS導入は通過点に過ぎません。インストールしてサイトを公開したら終わりではなく、そこからが本当の始まりだと言えるでしょう。

アクセス解析を重ね、ユーザーの声に耳を傾ける中で、サイトはゆっくりと、しかし着実に進化していきます。システムありきではなく、あくまでユーザーファーストで考えることが重要だと言えます。

CMSはツールでしかありません。それをどう活用し、どんな成果を生み出すのか。運営者の戦略と創意工夫が、サイトの明暗を分けることになるのです。

比較検討を繰り返し、最良のCMSを見つけ出すこと。そして、それを土台に、ユーザーに愛されるWebサイトを育てていくこと。

CMS選定は、果てしない旅の第一歩だと言えるでしょう。読者の皆さんが、最適解を見出し、実り多き道のりを歩んでいかれることを心から願っています。

 

読者が抱えるお悩みにお答えします!CMS選定のよくあるQ&A

Q. 予算が少ないけどCMSは導入できる?
A. 無料で利用できるオープンソース型のCMSがおすすめです。ただしサーバーやドメインの費用は別途必要になります。

Q. 本当に更新作業は楽になるの?
A. HTMLの知識がなくても、直感的な管理画面で簡単に更新できるのがCMSの大きな魅力です。

Q. デザインの自由度が低いと聞くけど本当?
A. テーマの選択肢が豊富なCMSを選べば、ある程度の自由度は確保できます。プラグインを使えば、さらに幅が広がるでしょう。

Q. プログラミングができなくても大丈夫?
A. 基本的な更新作業は、プログラミングスキル無しでも対応可能です。高度なカスタマイズが必要な場合は、専門家に相談しましょう。

Q. 独自ドメインは使えるの?
A. 多くのCMSで独自ドメインに対応しています。サーバー契約時に設定作業が発生する場合があります。

Q. 会員制のサイトを作れる?
A. 会員管理機能を持つCMSを選べば、ID・パスワードによるログイン認証付きのサイトを作れます。

Q. ECサイト
A. EC-CUBEやMagentoなど、ECサイト構築に特化したCMSを利用することで、本格的なネットショップ運営が可能です。

Q. メルマガ配信もCMSでできる?
A. CMSとメール配信システムを連携させれば、サイトコンテンツをメルマガで配信できます。プラグインで実現できるケースが多いです。

Q. ブログ機能にはどう対応する?
A. WordPressなどブログ向けのCMSを選ぶのが手っ取り早いですが、プラグインを使えば他のCMSでもブログ機能を追加できます。

Q. 多言語サイトの構築は難しい?
A. WPML(WordPress)やMTML(Movable Type)など、多言語プラグインを用意しているCMSが増えています。比較的容易に構築できるでしょう。

Q. スマホ対応もCMSで実現できる?
A. レスポンシブデザインのテーマを選べば、CMSでもスマホフレンドリーなサイトが作れます。

Q. 表示速度が遅くなるというデメリットは?
A. CMSの設計次第では確かにパフォーマンス面の課題もありますが、キャッシュ機能などを活用すれば、ある程度は解消できます。

Q. セキュリティ対策に不安があるけど大丈夫?
A. 定期的なアップデートとパッチ当てを怠らなければ、それほど心配する必要はありません。CMSごとのベストプラクティスを確認し、適切に運用しましょう。

Q. バージョンアップは何年ごとに必要?
A. 新しい脆弱性への対応などを考えると、最低でも年1回のバージョンアップは必須と言えます。

Q. CMSのデータ引っ越しはどうすればいい?
A. エクスポート/インポート機能を使えば、比較的容易にデータ移行ができます。プラグインを使う方法もあります。

Q. 自社でCMSを構築するメリットは?
A. 完全なオーダーメイドで、自社の要件に100%マッチしたCMSが作れます。ただし開発コストと時間は覚悟が必要です。

Q. ヘッドレスCMSとは何か?
A. コンテンツ管理(バックエンド)とコンテンツ表示(フロントエンド)を分離したアーキテクチャのCMSです。APIを介してコンテンツを配信するのが特長で、柔軟なサイト構築が可能になります。

Q. AIを活用したCMSの最新動向は?
A. AI搭載により、コンテンツのレコメンドやレイアウト最適化を自動化するCMSが登場しつつあります。まだ発展途上の分野ですが、今後の動向には注目が必要でしょう。

 

上場企業で使われているCMSのシェア

データプライバシー・コンサルティングなどのサービスを提供する株式会社DataSignが2020年に行った「上場企業CMS調査」によると、日本の上場企業(3,680社の公式企業サイト等を調査)で使われているCMSのシェアは以下の通りでした。  

CMS比較_表1-1

【出典】 DataSign Report 上場企業 CMS調査 2020年9月版

※同社の発表したデータから上位10製品を抜粋

CMS比較_グラフ1

※同社の発表したデータ上位10製品から構成比のグラフを作成。6位以下はCMSの名称と構成比率を割愛

 

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