【基本】顧客を引き込むホワイトペーパーの書き方6つのポイント

コンテンツマーケティング

企業が自社のWebサイトで問い合わせを獲得するために欠かせないコンテンツの1つに、ホワイトペーパーがあります。

ホワイトペーパーとは、もともとは欧米で政府が政治に関する問題解決のために発行していた公式文書の呼称です。現代では、その由来の通り、企業がターゲット顧客層の悩みや問題に関するソリューションを伝える文章として制作されており、主にBtoB(法人向けビジネス)領域における企業のマーケティングツールとして重要視されています。

CMI(Contents Marketing Institute)がおこなった調査では、B2Bバイヤーの78%が購入時のリサーチにホワイトペーパーを参照するというデータ(B2B Enterprise Content Marketing: 2013 Benchmarks, Budgets, and Trends report )があるように、ホワイトペーパーは購買決定の重要な要素の1つです。また、新規見込み顧客を獲得したり、その見込み顧客を購買に向けて育成したりするためのツールとして使うこともできます。

日本ではあまり目にすることがありませんが、欧米ではホワイトペーパーに関する書籍が数多く発行されています。本稿では、欧米発のホワイトペーパーのベストプラクティスを紹介しましょう。

基本構成:5パラグラフの法則

5パラグラフの法則は、エッセイや論文を書く際の基本であり、ホワイトペーパーでもこの構成が標準的です。それでは、5つのパラグラフを構成する内容について解説していきましょう。

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第1パラグラフ:イントロダクション/要約

イントロダクションには2つの役割があります。第1の役割は、ホワイトペーパーの内容の一部を資料の冒頭で提示し、読者を引きつけることです。読者が最も気にする点は、「この資料は私のどんな問題や悩みを解決してくれるのか?」です。また読者は「私にどんな有益な情報を提供してくれるのか」も、早く見極めたいと思っています。第1パラグラフは、この2点を意識して記述しましょう。

第2の役割は、ホワイトペーパーを流し読みする読者に向けて、要約を提示することです。読者によってはホワイトペーパーの全文を読まずに、第1パラグラフのイントロダクションと最終パラグラフの結論だけに目を通す場合もあります。そうした読者も含めて、さまざまなタイプの読み手を意識し、読みやすさを高めるテクニックを駆使してライティングすることが最も効果的だとされています。

第2パラグラフ:問題提起

このパラグラフでは、読者が抱える問題や悩みを掘り下げ、彼らの深層心理を見極めます。読者に自分では意識していなかった課題を気づかせたり、共感を呼び起こしたりする文章を書きましょう。ここで読者の心をしっかりつかめば、この先のパラグラフであなたが提示する解決方法や、その解決方法を具体的に提供する自社製品への読者の納得感が高まります。

第3パラグラフ:解決策

ここでは、第2パラグラフで掘り下げた読者の問題や悩みに対する解決策を明示します。事実性の高さとロジカルである解決策、実際にあったケースを証左として読者の納得感を高めるようにしてください。解決策を淡々と書き連ねるだけではなく、ストーリー仕立てにする手法も有効です。読者の共感を高め、記憶に強く残すことができるでしょう。ストーリーテリングは、欧米ではライターに求められる重要なテクニックです。

第4パラグラフ:製品やサービス情報

このパラグラフでは、前段の第3パラグラフで示した解決策を実際に提供する手段として、自社の製品やサービスについて触れます。

ただし、読者である見込み顧客が現在、購買に至る道のりのどの位置にいるか(購買ステップ)によって、このパラグラフで自社製品・サービスをどこまで訴求するかを調整する必要があります。ここでは購買ステップを大きく2つに分けて、訴求の仕方を紹介します。

ⅰ 読者が購買ステップの認知段階/興味段階にいる場合

あなたの製品を読者が使うメリットや、事例、実際のユーザーの声などの客観的情報が有効です。事例や第三者の見解は、ホワイトペーパーやそれを提供している企業への信頼を高める効果があります。これは、この購買ステップにいる読者は客観的な業界情報を求めている傾向があるためです。

ⅱ 読者が比較・検討段階にいる場合

製品やサービスの細かいスペックを記述すれば、他社と比較するための有益な情報になります。ここでのポイントは、自社製品の優位性をアピールすることです。自社製品が他社に絶対に負けないスペックや、あなたの企業のポジショニングを説明するのも良いでしょう。そして、見込み顧客が得られるメリットについても明確に押し出す必要があります。

Forbes.comとTechTargetが実施した調査によると、調査対象者の42%が「ホワイトペーパーを購買意思決定の参考資料として使っている」と回答しています。つまり、数ある競合製品のなかから「なぜこの企業の製品を選ぶべきか」という理由付けは、読者側も求めている情報なのです。

第5パラグラフ:結論

「なぜこの解決策がベストなのか?」を読者が簡単に理解できるような文章が有効です。第1パラグラフで説明したように、イントロダクションとこの結論を読んだだけでも、ホワイトペーパー全体の内容が分かるようにしましょう。

巻末に必要に応じてつけるべき情報

・行動喚起(Call To Action)

ホワイトペーパーを作る目的の1つは、読み手に次の購買ステップに進んでもらうことです。どういった行動に移ってほしいか(Call To Action)を最後に明示することを忘れてはいけません。ページの最後に、「問い合わせページ」や企業のウェブサイト、ランディングページなどのリンクを貼りましょう。

・会社概要

自社についての記述は、読者の購買ステップに応じて記載します。認知段階/興味段階の読者にとって企業情報はさほど知りたい情報ではありません。一方で、比較検討段階に入っている読者にとっては、どういった企業なのかは購買を検討するにあたって必要な情報になります。

ターゲットを引き込む6つのポイント

マーケティングツールとして活用するため、企業はPDF形式でホワイトペーパーを用意し、ウェブサイトで読者がダウンロードできるように提供するのが一般的です。

ダウンロード時に入力を求めるフォームで、読者の企業名や所属部署、Eメールアドレスなどの情報を取得し、見込み顧客として自社データベースに登録します。そして見込み顧客が購買ステップを前に進むように育成に取り組みます。すなわち、見込み顧客リストの獲得は、企業にとって売上げ拡大の重要な第一歩と言えるでしょう。

ここからは、ターゲットである見込み顧客が思わずダウンロードしたくなるようなホワイトペーパーを制作するための実践的なテクニックを紹介します。

1. ホワイトペーパーのタイトル

ホワイトペーパーをマーケティングツールとして有効活用している欧米では、タイトルの記述を数パターンも用意してA/Bテストを重ねて、最も効果的な見出しを採用する企業もあります。ただし実際には、コピーライターでもない限り、ターゲット層の興味を引きつける印象的な見出しを考えるのは簡単ではありません。

以下は、見出しに盛り込むとクリック率が高まるテクニックです。ぜひ参考にしてください。

・「How to(~の方法)」
例:良いコンテンツを制作する方法

・実績を裏付ける数値データ
例:3,500社が導入しているオートメーションシステム

・読んでもらいたいターゲット層の役職
例:CMOに求められる5つのマーケティングスキル

・ターゲット顧客層の具体的なメリット
例:成約率を20%高める6つのテクニック/経費を10%削減するオートメーションシステム

ここで、ひとつ注意があります。

認知段階や興味段階にいるターゲットに向けたホワイトペーパーには、製品名は入れないほうが賢明です。「売り込みたい」という企業の気持ちが前面に出てしまい、読者を遠ざけてしまう傾向があります。

2. ストーリーテリング

本稿の前半でパラグラフの構成方法を説明した際にも触れていますが、ストーリーテリングは欧米のマーケティングにおいて重視されているテクニックです。近年は、コンテンツマーケティングにおいてそのテクニックが紹介されていることから、日本でも頻繁に耳にするキーワードになりました。

文章の内容が、ターゲットになる見込み顧客にとって他人事に聞こえるような内容では、購買意欲を引き起こすきっかけを作れません。

見込み顧客を取り巻く状況や背景、あなたの企業がその製品を開発した背景についても説明も加えることで、ホワイトペーパーの内容を読者は疑似体験できます。「これを実際に使ったら、私にどんなメリットがあるだろうか」など、製品を使うイメージを具現化することで、読み手が購買ステップを前に進む動機を創出しましょう。

3. 視覚的要素を高める

インフォグラフィックや図表を使用して、読者が視覚的に理解できるようにします。信頼できる第三者機関の図表データを挿入するのも有効です。

4. レイアウトの見やすさ

印象的なフレーズを抜き出して引用・レイアウトする「プルクオート」や、本文の横に別枠として囲み記事をレイアウトする「サイドバー」、箇条書きなどを活用しましょう。ただひたすら文字だけが並んだ紙面は見にくく、読者の「読みたい」という気持ちを奪ってしまいます。

プルクオートを使ってあなたが強調したい部分を読者に視覚的にインプットするテクニックや、サイドバーに詳細情報を付記することで、流し読みする読者にも重要な情報をアピールし、また、詳細情報を知りたい読者にとっても有益な情報を提供できます。

5. 行動喚起(Call to Action)

ホワイトペーパーを戦略的なマーケティングツールにするには、あなたが読者にとってほしい行動を明確なCTAとして記載することが重要です。企業サイトの製品情報ページや、ランディングページ、お問い合わせページ、デモページなど、読者への「道しるべ」を具体的に示します。ただし、認知段階の読者には、まず企業や製品について知ってもらうことが重要なので、CTAをしつこく記載しないほうが有益な場合もあります。

6. 理想のページ数

英文では4~25ページまでが読者が飽きないページ数と言われています。

購買ステップによって、読者が求める情報量が異なるので注意が必要です。具体的なページ数については次の章で紹介します。

購買ステップ別の構成ポイントまとめ

Forbes.comとTechTargetが企業のITマネジャーを対象に実施したアンケートによると、ホワイトペーパーをダウンロードする読者の目的は下記の通りです。

・業界のトレンド情報を知りたい (76%)
・製品やベンダーの情報を知りたい (69%)
・製品の比較に使いたい (50%)
・購入決定のための参考にしたい (42%)
・ベンダー選定のためのリスト作成 (33%)

この結果を見ると、ホワイトペーパーの読者の目的は単一ではなく、複数にわたることが分かります。その目的にあわせて、ホワイトペーパーの内容を意図的に変えることが、次の購買ステップへ進んでもらう成功要因です。

これまでの内容を踏まえ、3つのターゲットを事例に、ホワイトペーパー構成のポイントを以下の図にまとめました

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これは基本的な構成の一例です。
ターゲットのセグメントをより細かくして、特定層の読者によりパーソナライズしたホワイトペーパーを制作してもよいでしょう。

第2パラグラフから第4パラグラフのコンテンツは、ターゲットにとって有益な情報、価値ある情報を盛り込むことが重要です。

まとめ

ホワイトペーパーの読み手の目的に応じて、コンテンツの内容と構成を変えるべきだと理解いただけたでしょうか。読者の購買ステップによりって、求められる情報がなにかを掘り下げることも重要です。

ホワイトペーパーを購買決定の判断要素とする読者が半数を占めることから、ホワイトペーパーの内容と質が、企業の売上げに与える影響は少なくないといえます。他社のホワイトペーパーと比較する読者も多いので、コンテンツの質もさることながら、プロフェッショナルな構成や見せ方のテクニックも企業の信頼度を高めるために欠かすことができません。