マーケティングオートメーションの成功・失敗事例とは

マーケティングオートメーション

インターネットの普及に合わせて、オンラインでのマーケティング戦略が企業にとって重要な存在となってきています。オンラインマーケティングを成功させるために、マーケティングオートメーションの導入を考えている企業も多いのではないでしょうか。

ですが、新たなマーケティングの手法に挑戦する前に成功事例や失敗事例を学んで、実際に自分の企業で取り入れる際の参考にしておきたいという方も多いはず。そこで本記事では、海外のマーケティングオートメーションの成功事例と失敗事例、およびマーケティングオートメーションを成功に導くポイントについてご紹介します。

海外のマーケティングオートメーション成功事例

アメリカではマーケティングオートメーションが2000年代前半から注目されています。企業の業種や規模に関わらず様々な企業がマーケティングオートメーションを取り入れて、業績の成長や改善に繋げています。

そんな企業の1つが、アリゾナ州でプールとスパの製造及び施工を手掛けているPresidential Pools and Spasという会社です。

夏は40〜45度の日が何日も続く砂漠地帯のアリゾナ州では、自宅の庭にプールを設置する家庭が多くあります。そのため、Presidential Pools and Spasには多くの顧客がおり、また日常的に多くの問い合わせが来ていましたが、それらは全て従業員が手作業で管理をしていました。

毎日のように来る問い合わせや顧客の管理などをさらに簡単かつ効果的に行いたいと考えたPresidential Pools and Spasは、マーケティングオートメーションの導入に踏み切りました。導入の一例として、見込み客が入力したフォームの内容に合わせてそれぞれの見込み客の興味や希望に合ったEメールを送信したり、過去に商品を購入した顧客にフォローアップの連絡を自動で送るように設定したりしました。

これらの試みのおかげで、新規の見込み客は400%増加し、見込み客が顧客になる確率が以前の2〜3倍に上昇しました。また、ある商品に興味を持っている見込み客に、Eメールを通してより高額な商品の購入を促すことにも成功し、結果的に10万ドル (およそ1,120万円) の収益を得ることにも成功したのです。

もちろん、Presidential Pools and Spasのような製造業だけでなく、他の業種でもマーケティングオートメーションは活躍しています。その一例が、オレゴン州を拠点とするバスケットボールチームのPortland Trail Blazersです。

Portland Trail Blazersは、チームの知名度をポートランド市からオレゴン州全体へと広げ、より多くのファンに試合観戦をしてもらうことを望み、マーケティングオートメーションの導入を行いました。

例としては、見込み客や顧客へのEメール開封の可否に応じて異なる内容のフォローアップメールを送信したり、見込み客が入力したフォーム内容を基に、「見込み客を購買可能性ごとに分類することができるようになりました。また、見込み客や顧客の年齢層や興味の度合いなどによって、異なるキャンペーンの開催も行いました。

その結果、シーズンチケットの再購入レートが96%に上昇し、シーズンチケット全体の購入率は前年に比べて9%上昇しました。また、見込み客へのEメールの開封率が45%上がり、単体の試合のチケット売り上げの30%増加にもつながりました。

さらに、マーケティングオートメーションはアメリカのみならずヨーロッパ各地の企業でも導入が進んでいます。フランスのシャンペーン地方にあるLes MolyneauxというB&B (Bed & Breakfastというスタイルの宿泊所) は夫婦で経営されていたため、宿泊客の対応や宿泊所のメンテナンスが忙しく、あまりマーケティングを行うことができていませんでした。

マーケティングにそれほど時間をかけずに宿泊者数を増やしたいという理由から、Les Molyneauxはマーケティングオートメーションを導入することにしました。

マーケティングの戦略として、ウェブフォーム入力で無料のプレゼントの進呈、Eメールによるより高額な商品の購入促進、ニュースレターやビデオメールの配信など様々な取り組みを実施しました。また、顧客が宿泊を終えた後も、イベントなどのEメールを送りリピート率の向上を図りました。

これらの取り組みの効果は大きく、Les Molyneauxでは見込み客が450%増加、顧客が3倍に増加し、結果的に収益の2倍増につながりました。また、見込み客の興味に合わせて行われるEメールの送信などのマーケティングは全て自動化されているため、仕事量が4分の1減少しました。マーケティングオートメーションの導入によって、Les Molyneauxはシャンペーン地方でNO.1のB&Bに成長を遂げたのです。

海外のマーケティングオートメーション失敗事例

ここまで、マーケティングオートメーションの成功事例をご紹介してきましたが、導入の仕方や戦略の立て方によっては失敗してしまうこともあります。失敗事例も学んでおきたいという方のために、以下では従業員40人、資産5百万ドル (およそ5億5千800万円) 以下の企業Aのマーケティングオートメーション導入の失敗事例についてご紹介します。

企業Aがマーケティングオートメーションに失敗した理由の1つに、見込み客を増やす手段がしっかりと構築されていなかったことが挙げられます。見込み客を惹きつけるためのコンテンツを大量に増やしたものの、その全てを企業のウェブサイト上で公開したため、見込み顧客はコンテンツをダウンロードするためのフォーム入力が不要となり、企業はリード情報を獲得する機会を失ってしまいました。

さらに、ウェブサイト上にもメール受信を希望するフォームなどが用意されていなかったため、結果としてウェブサイトへの訪問者数は増加したにも関わらず、期待していたほどの新規の見込み客数の増加にはつながりませんでした。

企業Aのもう1つの失敗の理由は、見込み客の育成をし損なったことです。個々の見込み客に合わせた異なる内容のフォローアップEメールやニュースレターを送らずに、見込み客全体へ向けた一律の情報を送っていたため、見込み客の商品に関する知識の増加や商品への興味の増大はそれほど見込めませんでした。その結果、見込み客のほとんどが顧客に変わることがありませんでした。

これらの理由から、企業Aの業績は期待通りに成長することなく、マーケティングオートメーションの導入は失敗してしまったのです。

マーケティングオートメーション導入を成功に導くためには?

 では、マーケティングオートメーションを成功させるためにはどのようなことに気をつけたら良いのでしょうか? 以下に3つのポイントをまとめました。

  1. ターゲットを決める

マーケティングオートメーションを成功に導く上で重要な要素の1つが、誰をマーケティングのターゲットにするか明確に設定するということです。年齢層、性別、職業、家族構成、趣味、生活習慣などに基づいて、商品やサービスを購入してほしい対象を決めましょう。

  1. ターゲットに沿ったコンテンツを豊富に準備する

見込み客の増加を狙うのであれば、マーケティングの対象を惹きつけるコンテンツをいくつも用意することが重要です。ウェブサイト上の記事やダウンロード用のEブックなどを作成し、ウェブサイトへのアクセスを増やしてウェブフォームの入力につながるような仕組みを作ります。

また、新規の見込み客にはウェブフォームの内容に合わせた情報や、商品やサービスについての教育的な情報を送り、顧客には過去に購入した商品やサービスに基づいた情報を送るといったように、それぞれの見込み客および顧客に合った内容のEメールやニュースレターを豊富に準備しましょう。

  1. 結果を分析し改善する

マーケティングオートメーションの精度を上げ成功率を高めるために、設定したマーケティングの方法が期待通りに機能しているかを確認することも大切です。特にマーケティングオートメーションの導入初期は、見込み客数は増加しているか、Eメールは開封されているか、売り上げは伸びているかなど、データを細かくチェックしながらアプローチの方法を工夫・改善するようにしましよう。

まとめ

マーケティングオートメーションは、大小関わらず世界中の企業で次々と導入が進んでいます。正しいツールを効果的に使用することで、見込み客や顧客の増加、収益の増大、仕事量の削減などが期待できます。ですが反対に、マーケティングのターゲットを設定したりツールを使用したりする方法を間違えてしまうと、期待通りのマーケティング効果は望めなくなってしまうかもしれません。

マーケティングオートメーションを成功に導くためには、マーケティングのターゲットを的確に絞り、そのターゲットに合わせたコンテンツを豊富に増やすとともに、マーケティングオートメーションの成果を複数回にわたってチェックし改善を繰り返していくことが大事だと言えるでしょう。

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