コンテンツマーケティングの成功事例13選 - 事例から見る成功の秘訣

コンテンツマーケティング
近年、Web上での顧客獲得の手段として「コンテンツマーケティング」が広く浸透してきています。コロナの影響で拍車がかかり、これからコンテンツマーケティングに取り組もうという企業も急増していますが、注目度が増す一方で、実際は成果を出している企業ばかりではありません。
今回は、成功事例から、コンテンツマーケティング成功の秘訣を読み解きます。
イノーバでは、コンテンツ制作等も含め中長期的にサポートする、伴走型マーケティング支援サービスを提供しております。よろしければご参照ください。
そもそもコンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングとは、読者にとって価値のあるコンテンツの制作・発信を通して、見込み顧客のニーズを育成し、購買を経て最終的にはファン化させることを目指すマーケティング手法です。重要なポイントは、「価値あるコンテンツをつくること」「顧客を育成すること」「ファン化すること」の3つです。
コンテンツマーケティングで育成する顧客は、まだニーズが顕在化していない「潜在層」で、発信するコンテンツから自社の存在を認識してもらい、段階的に購買へと後押ししていきます。コンテンツマーケティングは、単一のツールや手法を意味するのではありません。それは、コンテンツを介した「見込み客の獲得」「育成」「成約」「リピータ・ロイヤルカスタマー化」という、段階的なマーケティングプロセスを構築する「概念」であり「考え方」です。
コンテンツマーケティングを理解するには、自社と同じ業界や近い業界の成功事例を学ぶのが近道です。
→詳しくは弊社記事「コンテンツマーケティングとは?潜在顧客に「見つけてもらう」仕組みをつくる」へ
コンテンツマーケティングの成功事例13選
BtoB
バズ部 - 株式会社ルーシー
Webマーケティング関連サービスを提供する株式会社ルーシーのオウンドメディアです。バズ部では、Webサイトでの集客・メディア運営で役立つマーケティングノウハウを重点的に紹介。Webマーケティング・コンテンツマーケティングの現場で、役立つ情報が充実しています。
バズ部では、実際のクライアントワークで実践されたマーケティングノウハウと成功事例を紹介することで、情報への信頼性と支持を得ることに成功しています。
サイボウズ式 - サイボウズ株式会社
グループウェアを提供するサイボウズ株式会社のオウンドメディアで、会社や組織のあり方、多様な働き方や生き方について発信しています。
自社製品に関連する記事は少なく、商品の売り込みよりもユーザーに有益な情報を配信して、メディアのファンになってもらい、企業を認知してもらう意図が感じられます。
企業を知ってもらうには、初めにコンテンツに興味を持ってもらわなければ、何も始まりません。
サイボウズ式では、インタビュー記事や漫画を取り入れた記事などで独自性を追求し、魅力あるコンテツづくりに力を入れています。その結果、メディアへの関心から企業を知ってもらう事に成功しています。
ナイルのSEO相談室(旧SEO HACKS)- ナイル株式会社
SEOコンサルティング、コンテンツマーケティング・コンテンツ制作代行、オウンドメディア運用代行サービスを行うナイル株式会社のブログです。企業や企業のWeb担当者をターゲットに、SEOで役立つ情報を中心に発信しています。
ナイル株式会社がSEOコンサルティングを提供しているため、情報への信頼性はもちろん、サイトを訪れたユーザーが、直接相談や問い合わせをすることで、案件の受注へもつながっています。
LIGブログ - 株式会社LIG
Webサイト制作、オフショア開発、コンテンツ制作などを手がける、株式会社LIGのブログです。
Webサイト制作は、参入障壁が比較的低く競合が多い割には、他社との差別化が難しい業種です。
そんな中、株式会社LIGはブログ運営で、企業の認知拡大とユーザーのファン化に成功しています。
執筆者は、LIG社員。記事内容は、会社の事業内容に関連するものから、面白コンテンツまで幅広いジャンルを扱うことで、アクセス数を確保しています。サムネイルのデザインは、専属チームが毎日制作しており、他社サイトとの差別化にもつながっています。
イノーバブログ - 株式会社イノーバ
手前味噌ですが、今ご覧いただいているこのブログは弊社イノーバのオウンドメディアで、BtoBのマーケティング担当者をターゲットにマーケティング・セールスに役立つ幅広い情報を定期的に発信しています。10年間のコンテンツマーケティングへの取組みのなかで改善を重ね、今では月間20万PVを誇り、有料広告での集客に頼らずに月300件以上の新規リード獲得を実現しています。
Money Forward Bizpedia - 株式会社マネーフォワード
株式会社マネーフォワードが運営する、中小企業の経営者や個人事業種をメインターゲットにしたオウンドメディア です。会計や確定申告、経費清算、給与計算などのバックアップオフィス業務効率化に役立つ情報を発信しています。
株式会社マネーフォワードは、経理や人事労務での面倒な作業を効率化するマネーフォワードクラウドシリーズを展開する企業です。社内に編集部を設置し、記事の品質保持のため、マネーフォワードクラウド公認メンバーの税理士や公認会計士などの専門家のサポートで、執筆や監修をしています。
企業の提供サービスと発信情報へのユーザーの高いマッチングが、多くの顧客獲得へつながっています。
BtoC
北欧、暮らしの道具店 - 株式会社クラシコム
株式会社クラシコムが運営する、メディア型ECサイトです。北欧や様々な国のインテリア雑貨、オリジナル商品ブランドアイテムを取り扱っています。
コンテンツは、社員が制作。コンテンツには営業色がなく、暮らしにまつわる商品とスタッフのエッセイ、美しい写真が紹介されています。もともと入社前からのファンで商品を愛用していたスタッフが多いことが商品の魅力を引き出す糸口になり、読者から共感を得られる情報発信につながっています。
SNSもECサイトと同じ世界観で統一。検索エンジンからSNSまで、全てのチャンネルに対応しています。
Lidea - ライオン株式会社
大手生活用品メーカー・ライオン株式会社が運営する生活情報Webメディア です。Lideaでは、日々の暮らしを豊かにする「役立つ」「楽しむ」「深める」体験を、読者に届けています。
「役立つ」では、暮らしに役立つオリジナル記事を数多く発信。商品と親和性が高く、検索結果上位に表示されるキーワード記事が多く、ページ内では関連する商品が紹介されています。ここでは、生活者が生活での困りごとをキーワード検索し、上位表示されたコンテンツから商品を認知・購買するという、自然でスムーズな流れができています。
「楽しむ」は、参加型のLideaポイントプログラムです。会員登録すると、記事へのコメントやいいね!などのアクションがポイントに還元され、たまったポイントを使ってプレゼントに応募できます。ここでは、読者から記事へのフィードバックを収集しながら、継続的な関係性を築く仕組みが構築されています。
「深める」は、ライオンの快適生活研究所に在籍する専門家が監修した記事で、専門知識を深められることです。各分野の専門家が監修した記事は、記事への信頼性や権威性も高めています。
トヨタイムズ - トヨタ自動車株式会社
トヨタ自動車株式会社のオウンドメディアで、香川編集長がトヨタ関係者に取材し、トヨタの真実を伝える構成です。
トヨタイズムでの編集長は香川編集長ですが、社内には別に専任の編集部と編集長が在籍、豊田社長と密にやり取りを行い、トヨタの内部事情を公開するコンテンツを制作しています。WebサイトやYouTubeはもちろん、テレビCMまでもオウンドメディアの延長とし、複数のプラットフォームが連携されています。
その目的は、見込み顧客の育成とファン化だけでなく、社内外へ「変革するトヨタ」の姿と思いを知ってもらうことです。
自動車業界では、「長期的に業界で主導権を発揮するには、自動車というモノを販売するのではなく、自動車での移動サービスを提供する環境を整えることが重要である」という問題意識が提起されています。この背景にあるのが、消費者ニーズが自動車の「所有」から「利用」へ変化していることです。
トヨタは、この変化に伴い「移動」を「サービス」と捉え、「自動車メーカー」から「モビリティカンパニー」への脱皮を進めています。「移動すること」をサービスと捉えると、個人用車だけでなく、バスのような公共交通もサービスに含まれることになります。
トヨタでは、ビジネスモデルの転換から異業種との連携も増加。社内にトップのビジョンを浸透させると共に、より幅広く社外にも変革するトヨタと社長の思いを発信する手段が必要となりました。
トヨタイズムは、消費者や連携パートナーにはトヨタの理念や変革する姿を理解してもらい、社内では企業文化を革新する推進力となっています。
SUUMOタウン SUUMOジャーナル - 株式会社リクルート
SUUMOタウンとSUUMOジャーナルは、株式会社リクルートが運営する不動産総合ポータルサイトSUUMOの同一ドメイン下で運営されている、住宅や暮らしに特化したオウンドメディアです。
SUUMOタウンは、住み替えを検討する人の「人と街のミスマッチをなくす」をコンセプトに、いろいろな街に関するあらゆる「知りたい」を発信。コンテンツの主な書き手や語り手は、その街で暮らす人・暮らした人です。コンテンツでは、人生の様々な局面で、書き手や語り手がその街に住んで感じたことや考えたことが主観的に語られています。街の様子がわかる写真も多数掲載され、「この街いいかも」「こんな街あったんだ」という、住み替えを検討する人が、街と出会う機会になっています。
SUUMOジャーナルは、住まい・暮らしのニュースやコラムなどが毎日配信されるWebメディアです。
成約までの検討期間が長い不動産のようなサービスでは、Webメディアへの定着率をあげることが重要なポイントになります。
SUUMOのお役立ち情報は、豆知識的な色合いが強いです。それに対して、SUUMOジャーナルの記事は、よくあるお役立ち情報以上のコンテンツ配信でユーザーの関心を高め、定着を狙っています。
土屋鞄製造所 - 株式会社土屋鞄製造所
株式会社土屋鞄製造所が運営するECサイトです。土屋鞄製造所は、高品質の革製品を製造する革製品ブランド。サイト内では商品が美術品のように紹介され、品質の高さが訴求されています。シーンごとに商品の使い方が写真で紹介され、ユーザーが自分で使う状況をイメージしやすいです。
土屋鞄製造所は、SNSでの発信も行っています。SNSの特徴は、製品と全く関係ない投稿が多いことです。SNSは、営業色がないため忌避されにくく、美しい投稿写真は印象に残ります。これらは、直接的に商品への購買意欲を喚起しませんが、何度も企業名を目にすることで、ブランディングや認知度向上が期待できます。
土屋鞄製造所では、普段コンテンツに触れている人が「鞄を買い換えたい」「革製品をプレゼントしたい」となった時に、「土屋鞄製造所」を候補に思い出す土壌を作り上げています。
くらしの良品研究所 - 株式会社良品計画
無印良品を手がける株式会社良品計画のオウンドメディアです。無印良品が重視するのは、無印良品の「理念」を発信し、それに「共感」してくれた人たちとつながり、「会話」することで、関係を深めることです。
くらしの良品研究所には、「衣服・食品・生活雑貨」に関するコラムや、地方で暮らす人々と、その取り組みを紹介する「ローカルニッポン」などのカテゴリ記事があります。ここでは、無印良品がかかげる「感じ良い暮らし」の実現に向けて、様々な視点から「感じ良い暮らし」とは何か?をユーザーが考え、無印良品の理念を感じとるきっかけを提示しています。
ユーザーと会話する場と、その声を反映したものづくりの仕組みを強化するのがIDEAPARKです。IDEAPARKは、ユーザーが新商品のリクエストを投稿できるコーナーです。IDEAPARKでは、ユーザーが投稿したリクエストにスタッフが直接返信して顧客とのつながりを深めるだけでなく、その声を商品に反映させることにも成功しています。
ライフネットジャーナルオンライン - ライフネット生命保険株式会社
ライフネット生命保険株式会社が運営する、人生と仕事とお金について考えるオウンドメディアです。
保険会社の運営ですが、人生・仕事・お金・健康など保険以外のカテゴリが多くあります。
保険は、人により必要とするタイミングに差があり、必ずしもすぐに必要となるサービスではありません。そのため、まず認知してもらうことに重点がおかれ、ブランディングを目的としたメディア運営となっています。
「ライフネットジャーナルオンライン」はもともと発行していた広報誌と別に発信していたブログを統合したものです。広報誌で一定の反響があったコンテンツをオンライン化すれば、費用を抑えられる上に効果が期待しやすいです。広報誌を発行していて、これからオウンドメディアを立ち上げようと考えている企業には参考になるポイントです。
まとめ
多数の成功事例をみてきましたが、コンテンツマーケティングには絶対的な正解というものはありません。
成功事例を参考にしながらも、市場の変化を見極めながら自社なりの改善を積み重ねていきましょう。
イノーバでは、伴走型マーケティング支援サービスを提供しております。「戦略策定・計画立案」から、「伴走支援」、各種コンテンツの「コンテンツ制作」まで幅広く、かつ中長期に渡ってサポートいたします。よろしければご覧ください。
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