成果を上げる「型」がある!<2021年版>BtoB向けホームページ制作・運用完全ガイド&最新事例集

ホームページ制作

近年、BtoB企業がホームページを持つのはごく一般的なことになりました。多くの企業が自社ホームページを作成し、マーケティングや営業に役立てています。一方、「ホームページを立ち上げてはみたものの、思うように成果が上がらない…」という悩みを持つ企業も少なくありません。

実は、ホームページで成果を上げるためには、守るべき「型」があるのです。この記事ではBtoB向けホームページの制作・運用において抑えておくべきポイントを最新の成功事例とあわせてご紹介しつつ、BtoBホームページが守るべき「型」について考えてみたいと思います。

 

なぜ、ホームページを作るのか?

はじめに、ホームページを制作するにあたって、最も重要な点についてお話しておきましょう。それは、何はともあれ「自社がホームページを作る目的」を明確にしておくということです。

実際のところ、企業がホームページを作る目的は多岐に渡ります。知名度向上・ブランディングを目的とする場合もありますし、顧客に対して信頼感をアピールしたいという場合もあるでしょう。上場企業であればIR情報の公開が主な目的となるケースもあるかもしれません。また、ホームページをビジネスの拡大に繋げようと考える企業も少なくないことでしょう。

目的はどのようなものであっても構いませんが、重要なのは、それを具体的して関係者間で共有するということです。

目的が明確になっていなければ、適切な戦略は立てられません。たとえば、ブランディングが主目的なのか売り上げアップを重視したいのかでは、作るべきホームページの構成は異なりますし、立ち上げ後の運用において着目すべきポイントも変わってきます。

少なからぬ予算を投じてホームページの立ち上げやリニューアルに取り組むのであれば、「競合他社が持っているから」「デザインが古臭くなってきたから…」といった漠然とした理由で動き始めるのではなく、戦略構築に結び付けることのできる具体的な目標を立てましょう。目標が具体的になっていれば、ホームページの制作・運用におけるポイントはおのずから明らかになってきます。

以下、BtoB企業がホームページを作る目的として、代表的なものをいくつか挙げておきます。

 

1.売り上げアップに繋げたい

1つめは、ホームページを売り上げアップのために活用したいというケースです。

商材によって、Eコマースの仕組みを利用してホームページ上で直販をしたいという場合もあるでしょうし、資料請求やダウンロードを通じて見込み顧客情報を獲得したいというケースもあるでしょう。いずれにしても、ビジネスに直結する成果=コンバージョンの獲得が主な目的となります。

コロナ渦でオフラインの展示会出展などが制限されている昨今、ホワイトペーパーのダウンロードやウェビナーなどを用いた見込み顧客獲得施策を講じたいという企業は増加の一途をたどっています。

 

2.認知拡大に役立てたい

2つめは自社、あるいは自社製品の認知拡大を主目的とするケース。ホームページを、いわばPR目的で活用したいというニーズです。これはどちらかというとBtoC向けのコンシューマー製品を扱う企業や、BtoB商材の中でも比較的量販されるような製品を扱う企業に多いと言えるでしょう。もちろん、BtoB商材を扱う企業であっても、これを主な目的としてホームページを開設するケースはあり得ます。

この目的でホームページを立ち上げる場合、テレビCMや新幹線の電光掲示板、駅構内に貼られているポスター等に似た効果が期待されることになるでしょう。いわゆる「ブランディング」も、広義にはこの仲間に入ります。

 

3.顧客や株主の信用を獲得したい

3つめは、企業としての信用獲得を目的とするケース。昨今では、企業がホームページを持つのはごく当たり前のこととなりました。BtoB企業の担当者が商品選定などにおいて相手企業の調査を行う際、情報源としてもっとも多く活用されるのはホームページを始めとしたWebメディアであると言われています。また、株主やエンドユーザである一般消費者も、同様にホームページを重要な情報源として活用します。

会社概要や所在地、上場企業であればIR情報などの必要十分な情報が掲載された「きちんとしたホームページ」が用意されていれば、そうした訪問者の好感度を高めることができるでしょう。逆に、Webで検索した際にホームページすらヒットしないようでは、「いまどきホームページもない企業なんて…」と、顧客に不安感を抱かせてしまうかもしれません。

 

4.採用に役立てたい

4つめは、ホームページを採用活動に役立てたいというケースです。
昨今は就職活動にもインターネットが多用されていますが、学生が応募先企業について情報収集を行う際、真っ先に参照するのは企業のホームページだと言ってよいでしょう。そうした応募者向けにアピールするのも、ホームページ開設の目的となり得ます。

 

以上、ホームページ開設の主な目的を4つご紹介しましたが、これらはあくまでも例であり、必ずしも上記のいずれかを単独で目的としなければならないというわけではありません。たとえば、認知拡大と信用獲得の2つが主目的となる場合もあるでしょうし、上記に含まれない別の何かが目的となることもあるでしょう。いずれにしても、重要なのは「目的を明確にし、関係者間で共有する」ということです。

なお、昨今はインバウンドマーケティングの普及に伴い、1に述べた「売り上げアップ」を目的としてホームページを開設する企業が増えてきているようです。

 

ホームページのよくある失敗

次に、企業がホームページを開設・リニューアルする際におかしてしまいがちな、いくつかの失敗パターンについて見ていきましょう。

 

1.売り込み情報ばかり掲載してしまう

1つ目は、自社が顧客に伝えたいしたい「売り込み情報」ばかりを列挙した、いわゆる「カタログ型」のホームページを作ってしまうというものです。

会社情報や自社のビジョン、製品紹介などはホームページに必須のコンテンツではありますが、それだけでは会社案内のパンフレットと変わりません。「自社が伝えたいこと」よりも「顧客が知りたいこと」にフォーカスして、コンテンツを設計することが大切です。

「顧客が知りたいこと」というとやや漠然としていますが、具体的には、前述した「ホームページを作る目的」をもとにターゲット顧客のペルソナを策定し、ペルソナが求める情報をコンテンツに盛り込んでいくということです。

たとえば、商品販売や資料請求といった具体的なコンバージョンの獲得を主目的とするのであれば、ペルソナは商品を購入する人・資料請求をする人になります。この場合は、商品の購入・導入を検討するにあたって必要になる製品情報や価格表、事例紹介などが重要なコンテンツになり得ます。
一方、採用活動が主目的である場合、自社の業務内容、職場の様子、先輩従業員からのメッセージ等が喜ばれるでしょうし、ホームページを自社の信用度向上に役立てたいということなら、会社の沿革、企業理念、社会貢献への取り組みを伝えるコンテンツが求められます。

いずれにしても重要なのは、ターゲットユーザの立場に立って、どのようなコンテンツが必要なのかを考える姿勢です。

2.ホームページを更新しない

2つ目は、ホームページ開設後、そのままの状態で放置してしまうというもの。
ホームページはターゲットユーザとの接点ですが、市場は日々刻々と変化していき、ターゲットユーザが求める情報もそれにつれて変わっていきます。市場の状況と顧客のニーズを常にモニタリングし、必要に応じてコンテンツの見直しを行うことが大切です。
また、市場や顧客だけでなく、自社が提供する商品やサービスの構成が変更となる場合もあるでしょう。このような場合も、自社の販売戦略にあわせてホームページの構成を見直すべきです。

加えて、インターネットを取り巻く技術もめまぐるしい速度で変わっていきます。たとえば、昨今はスマホからインターネットを利用する人が増えましたが、ほんの10年前まではスマホの普及率をガラケーが上回っていて、スマホでホームページを閲覧する人は限られていました。それが2021年現在では、「スマホ版のホームページがなければ始まらない」といっても過言ではない状況となってきています。Web制作に関する新たな技術やツールも登場し、ホームページの使い勝手は10年前、20年前とは比べものにならないほど向上してきています。
そうした使い勝手のよいホームページを「当たり前のもの」と感じているユーザの目に、何年も前の古い技術で作られた使い勝手の悪いホームページがどのように映るかは、あえて申し上げるまでもないでしょう。

既に述べたとおり、ホームページ制作においては「ユーザ目線のコンテンツ設計」が重要ですが、どんなに素晴らしいコンテンツであっても、ホームページの使い勝手が邪魔をしてユーザに読んでもらえなければ何の意味がありません。ユーザが快適にコンテンツを閲覧できる最低限の「使い勝手」を整えておくことは、ホームページ運営における重要な戦略の一つです。

 

3.集客施策を行わない

3つ目は、ホームページを作ったものの集客施策を行わず、自然流入だけに任せて放置しているというものです。

どれほど立派な店をオープンしても、その店がそこにあることを知らなければ、お客は店を訪れることができません。ホームページも同様で、いくら素晴らしいコンテンツを揃えていたとしてても、そのホームページがあることを知らなければユーザはそこを訪れることができないのです。

独自ドメインを使って立ち上げたばかりのホームページは、いうなれば誰も足を踏み入れない山の中にポツンとたてられたレストランのようなものだと考えてください。ユーザに訪問してもらうためには、何らかの形でホームページの存在を伝えて誘致する必要があります。これが、一般に「ホームページの集客」と呼ばれる施策です。

ホームページの集客施策としてもっともポピュラーなのは、Googleなどの検索サイトで上位表示を狙うSEO(サーチエンジン最適化)でしょう。また、検索結果ページに広告を表示するリスティング広告やYahoo!Japanなどの大手サイトへのバナー広告出稿、最近ではTwitterやFacebookなどのSNSを活用した集客施策も普及してきています。

そうした集客施策の中から、自社の戦略に合ったものを選んで対策を行うことが大切です。

 

BtoBホームページの成功例

それではここで、BtoBホームページの成功例をいくつかご紹介しておきましょう。

 

■課題への気づきを誘発

KONECRANES | https://www.konecranes.com/ (英語)

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KONEGRANESはクレーンなどの機器の製造・販売を行うフィンランドの企業です。
KONEGRANESのホームページのポイントは、「課題への気づきを誘発する設計」。産業別のソリューション紹介、課題に応じた情報を提供するブログなどを用意し、ホームページを訪れたユーザが自ら課題に気づいてサービスの必要性を認識できるよう設計されています。

 

■課題別の解決策を探す

プラス株式会社ファニチャーカンパニー | https://kagu.plus.co.jp/

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こちらは弊社の顧客企業である、プラス株式会社ファニチャーカンパニー様(以下、プラス)のホームページ。オフィス家具・オフィスインテリアやオフィスの移転支援を専門とする会社です。
扱う商材が多岐に渡るため「課題から探す」というメニューを設け、顧客が抱えている課題から解決につながる製品・サービスを見つけやすい構成とされている点が大きなポイントといえるでしょう。

また、「お役立ちコンテンツ」としてブログやウェビナー動画、顧客インタビュー、アイデアブックなど様々なコンテンツを提供されている点、昨今の新型コロナウィルスの感染拡大において、いち早くリモートワークやオフィス縮小移転に関するコンテンツを提供するなど、タイムリーな情報発信を行っている点も参考になります。

 

■検討段階に応じたコンテンツを整備

株式会社トヨコン | https://www.toyocongroup.co.jp/

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こちらも弊社の顧客企業である、株式会社トヨコン様(以下、トヨコン)のホームページ。トヨコンは包装資材や物流機器の販売や包装設計、倉庫管理業務、および物流に関するシステムの開発などを手掛ける企業です。

トヨコンのホームページのポイントは、「自社の強み」「解決できる課題」「成功事例」「その他お客様の情報収集に役立つブログ等」「商品一覧」といったコンテンツが整備され、情報収集から具体的な購入・導入検討まで、顧客の検討段階に応じた情報が網羅的に用意されている点です。
また、コンテンツが多彩になるにつれて煩雑になりがちなサイト上の導線が、シンプルかつ分かりやすいナビゲーションで整理されている点も参考になります。

 

■メッセージを明確に伝える

東海バネ工業株式会社 | https://www.tokaibane.com/

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東海バネ工業株式会社は関西に拠点を置く企業で、金属ばね製品の製造・販売を行っています。
同社のホームページのポイントは、なんといっても「分かりやすさ」。トップページを開くとすぐに目に入るトップ画像を見れば、同社が何をする会社であり、誰のどんな課題を解決できるのかがたちどころに分かります。
ばねを探してたどり着いたユーザは「これだ!」と思うでしょうし、間違って訪問したユーザは「これじゃない」とすぐに気づくでしょう。また、鮮烈なメッセージでひきつけられた後も、検討段階に応じたシンプルなナビゲーションに従って、探している情報にスムーズにたどり着けるよう工夫されています。

更に、様々な種類のばねについて、用途や規格はもちろんちょっとした豆知識もあわせて紹介されている点は、同社の専門性をアピールするのに役立っています。なお、専門性のアピールという点では、併設の情報サイト「ばね探訪」の存在も見逃せません。

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BtoBホームページの『型』を知ろう

ここまでで、ホームページ作成において重要なポイントとおかしがちな失敗について説明した上で、ポイントをおさえたBtoBホームページの成功例をいくつかご紹介しました。他社の成功事例には参考にすべき情報がたくさん詰まっていますが、それらをただ真似るだけでは、自社にとって真に役立つホームページを作ることはできません。
そこで、ここからはBtoBホームページを制作する際にぜひ押さえておきたい『型』についてお話したいと思います。

 

前段で「ホームページは目的に応じて戦略的に作成すべし」という話をしましたが、そうは言っても、実際にはホームページとしてある程度決まった『型』があります。特に、BtoBのビジネスには「ターゲットが個人ではなく企業(の担当者)である」「製品の検討期間が長期に渡る」といった特徴があり、それゆえに、ぜひとも押さえておきたいポイントがいくつかあるのです。

以下でご紹介するポイントをきちんとおさえた上で、自社なりのアイデアを追加してホームページ戦略を練り上げてみてください。

 

1.カスタマージャーニーを意識する

前述のとおり、BtoBビジネスには「検討期間が比較的長期に渡る」という特徴があります。というのも、BtoBビジネスの顧客は、個人ではなく企業だからです。

企業が購入する商品は一般に高額となる場合が多く、かつ会社の予算を使って購入するわけですから、商品の選定も慎重に行わざるを得ません。検討開始から実際に購入に至るまでには数週間から数か月、場合によっては数年の期間を要することもあります。

また、事前の情報収集は企画部門、機能検討はユーザ部門、決裁者は経理部の部長…というように、様々な立場の複数の人が検討に関わるのが普通です。こうしたことを念頭におき、いつ、誰がどのようなアクションを起こすのかを可視化した上で、必要なコンテンツを網羅的に準備することが大切です。

 

2.入口コンテンツと導線設計

これは特に、コンバージョンの獲得を主目的としてホームページを運営する場合におさえておいていただきたい点ですが、BtoBホームページのユーザの大半は、トップページではなくコンテンツから流入するケースが大半であるということを念頭に置いておきましょう。

この場合にターゲットユーザとなる見込み顧客は「これからお客様になる人」であり、裏返せば「その時点ではあなたの会社のことを知らない人」です。

あなたの会社を知らない人は会社名で検索をかけてはくれません。彼らはその時点抱えている課題や悩みをキーワードとして検索し、そこでヒットしたコンテンツを経由してホームページを訪れるのです。具体的には、まずはブログや外部コンテンツサイトなどを訪問し、そこからナビゲーションをたどる形で関連ページやトップページに到達し、その後、サービス紹介や事例紹介、会社概要などのページを閲覧します。

この点を十分に意識した上で入口となるコンテンツを整備し、入口コンテンツからホームページへの導線設計を行いましょう。

 

3.BtoBのホームページに必要なコンテンツ

株式会社ITコミュニケーションズが行った調査(※)によれば、BtoBビジネスのユーザが製品やサービスを検討する段階で参考にしたコンテンツのトップ3は、「製品/サービス情報」「価格/料金表」「実績/事例情報」であるという結果が出ています。また、トップ3からは若干割合が落ちるものの、製品情報に関するダウンロード資料、会社情報なども、重要な参考情報として参照されていることが伺えます。

※出典:【BtoB商材の購買行動に関するアンケート調査】(https://www.it-comm.co.jp/media/201901171500.html

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この点を踏まえ、ターゲットユーザが求める必要十分なコンテンツを整備することが大切です。

 

<BtoBのホームページに必要とされる主なコンテンツ例>

コンテンツ

説明

お役立ちコンテンツ

ユーザが求める情報を提供し、流入を獲得するためのコンテンツ。

解決できる課題の明示

ユーザが抱えるどのような課題を解決できるかを明確に示すコンテンツ。

製品・サービス情報

自社が提供する製品・サービスに関する情報。

導入事例・成功事例

自社製品の導入事例や成功事例。可能であれば導入企業名を明記する。

信用を得る「会社情報」

社名、設立年月日、所在地、資本金、役員名などを記載した会社情報。

問い合わせ先

ユーザからの問い合わせ先として、電話番号、メールアドレス、あるいは問い合わせフォームなどを設置。

 

 

4.デザインはシンプル&信用度重視で

BtoBのホームページは「シンプル・イズ・ベスト!」。
企業の戦略によっても異なるため一概には言えませんが、基本的にBtoBのホームページに奇抜なデザインやあっと驚く仕掛けなどは不要です。ユーザは自分の抱える課題を解決する方法を探しているのであって、美麗なデザインや奇抜を見て目を楽しませたいわけではありません。

デザインに凝りすぎると導線が複雑になる恐れがありますし、見た目にこだわるあまりサイズの大きな画像を多用し、結果としてページの読み込み速度を著しく遅くしてしまうといった失敗例もしばしば見聞きします。

「大切なのはあくまでもユーザにとっての使い勝手の良さである」ということを常に念頭におき、シンプルで分かりやすく、かつ信用のおけるデザインを心がけましょう。

 

ホームページ開設はゴールではなくスタートである

さて、ここまでではホームページの開設・リニューアルにおいて留意していただきたい点について説明してきました。ここからはホームページの運用についてお話していきます。

ホームぺージ運用について語る上で改めて強調しておきたいのは、ホームページは開設(リニューアル)した地点がスタートであるということです。企業のホームページ制作はそれなりの大プロジェクトになる場合が多いため、オープンしたところでホッとしてそのまま放置してしまうケースが少なからず見受けられます。

しかし、せっかく制作したホームページも、適切に運用されなければ宝の持ち腐れとなってしまいます。
ホームページへの集客はできているか、集客したユーザは想定どおりの行動をとってくれているか、コンバージョンは獲得できているか、といった観点で定点観察を行い、うまくいっていない点については改善を繰り返すというPDCAを回しましょう。

 

ホームページ運営に伴って発生する作業には、以下のようなものがあります。

 

1.集客

ホームページへの集客方法としてポピュラーな手法には、SEO対策やリスティング広告、大手サイトへの広告掲載、SNS活用などがあり、いずれの手法にもそれぞれメリット・デメリットがあります。

一般に、SEO対策は大きなコストをかけずに実施することができ、かつ成功すれば長期的な効果が見込めると言われています。一方、SEO対策の効果が出るまでには比較的長い時間がかかるため、短期的に成果を上げたいのであれば、リスティング広告やバナー広告などの併用が推奨されます。

自社のファン層を作りたい場合は、SNS活用が有効です。ただし、SNSは使い方を間違えると炎上などのトラブルを招く諸刃の剣でもあります。企業としてSNSを活用するのであれば専任の担当者を置くなどして、腰を据えて運用するのが望ましいといえます。

なお、日本国内においてメジャーなSNSにはTwitter、Facebook、Instagramなどがありますが、主要ユーザ層的にBtoBビジネスと相性がよいのはFacebookだと言われています。とはいえ、商材の性質や利用目的によっては、TwitterやInstagramが役立つ場合ももちろんあります。自社のホームページ戦略に応じて、適切な媒体を選んで活用しましょう

 

2.ホームページ構成の改善

設計時に意図した通りの導線でユーザを導けているかを常にモニターし、うまくいっていない場合は設計やコンテンツを見直すなどの改善を行います。たとえば、コンバージョンの獲得を主目的としてホームページを立ち上げたのに肝心のコンバージョンが上がっていない場合は、データをもとに原因を探り、仮説を立てて必要な改善を施します。

モニタリングを行う際は、目的に応じて指標を設定し、設定した指標と実際の成果を定期的に比較して達成度合いを確認します。

 

ホームページ運用においてモニターすべき重要な指標には、以下のようなものがあります。

指標

説明

PV(ページビュー)

特定のページが表示された回数。

UU(ユニークユーザ)

一定期間内にページを訪れたユーザの数。同じユーザーが複数ページを訪れても「1」とカウントされる。

滞在時間

ユーザがページに滞在していた時間。

回遊率

一人のユーザーが一回の訪問の中でどれだけのページを閲覧したかを示す指標。

転換率(コンバージョン率)

ホームページを訪れたユーザのうち、どれだけがコンバージョンに至ったかを示す指標

 

3.コンバージョンの改善

資料請求や問い合わせなどの獲得を目的としてホームページであれば、想定どおりにコンバージョンが上がっているかを常に確認し、必要に応じて改善を行います。

コンバージョンが思うように上がらない理由は、一つではありません。ダウンロード資料に魅力がないのが原因かもしれませんし、資料請求フォームの使い勝手が原因でユーザが離脱しているのかもしれません。トップページから資料請求ページへの導線がうまく引かれていない、というケースもあるでしょう。

資料に魅力がないのであればコンテンツの見直しが必要ですし、フォームの使い勝手が問題なのであればEFO(Entry Form Optimization:入力フォーム最適化)などの施策を講じる必要があります。いずれにしても、まずは何が原因でコンバージョンが上がらないのかを明確にすることが大切です。前述した改善用のツールなどを用いて原因を探り、適切な施策を講じましょう。

 

ホームページ運用におけるツール

ここでは、ホームぺージの運用において使用するツールをいくつかご紹介します。
もちろん、ここでご紹介したすべてのツールを使わなければならないわけではありません。ホームページの目的や自社の体制などに応じて、必要なものを選んで活用するようにしましょう。

 

CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)

CMSはコンテンツの作成・管理を行うためのツールで、オープンソースのWordPressなどがよく知られています。

CMSを使うとブラウザ上で手軽にコンテンツを作成し、Web上にアップロードすることができます。全体の構造をCMSが管理してくれるため、統一感のあるホームページを作成できるというメリットがあります。また、理想的なHTMLコードを吐き出してくれるため、SEOに取り組むのであれば、必須のツールともいえるでしょう。

なお、非CMSで制作されたホームページをCMSに乗せ換えようとすると、少なからぬコストが発生します。CMSの導入を検討しているのであれば、ホームページ制作の段階からそのことを前提として業者選定を進めることをお勧めします。

 

Web解析/テストツール

Web解析ツールやA/Bテストツール、ヒートマップなどのツールを活用すると、科学的なデータに基づいて効率よくホームページを改善することができます。

Web解析ツールとしてポピュラーなのは、Google社が提供するGoogle Analyticsです。Google Analyticsは無償で利用できる上、ホームページのアクセス状況・ユーザ行動などを把握するために必要な機能が豊富に用意されています。

A/Bテストツールは、複数のデザインやコンテンツのうちどちらがより効果的かを比較するために用いるツールです。また、ヒートマップツールはユーザの視線の動きや離脱位置、ページ内のクリック位置などを可視化するためのツールです。

これらのツールは必須ではないものの、必要に応じて取り入れることで、より高度な解析が可能となります。

 

MA(マーケティング・オートメーション)

MAは、リード(見込み顧客)の獲得から育成までを自動化するためのツールです。
ツールの種類によって搭載されている機能は異なりますが、基本的にはホームページを訪れたユーザの行動履歴を管理し、スコアリングなどの手法を用いてユーザの状態に応じたコンテンツの出し分けを行い、ユーザのカスタマージャーニーを先に進める手助けをします。

ホームページにリード獲得の仕組みがすでにあり、自動化によってより効率的な運用を目指したいとお考えの企業にはお勧めできるツールです。逆に、そうした仕組みが構築されていないなら、MAを使いこなすのはやや難しいかもしれません。このような場合は、まずリード集めの仕組み作りから取り組むことをお勧めします。

なお、リードや顧客を管理するツールとしてはCRM(Customer Relationship Management::顧客関係性管理)やSFA(Sales Force Automation:営業管理自動化)といったツールも存在します。これらはホームページ運用に直接的にかかわるものではありませんが、最近はMAとCRM/SFAを連携させ、社内の顧客・見込み顧客情報をシームレスに管理しようという動きも活発化してきています。

ただし、一般にこれらのツールはそれぞれ異なる部門により運用されるケースが多く、部門間の連携が困難であるなどのトラブルも少なくないようです。

 

ホームページ制作・運用に関するコスト

続いて、ホームページを開設し、維持管理していくためにはどのようなコストが発生するのかを、ざっと見ていきましょう。

 

1.ホームページ制作にかかる費用

ホームページの制作にかかる費用は要件や手法によってピンキリで、一概にはいえません。

外部ベンダーに制作を依頼する場合、委託する範囲に応じて費用が変わってきます。すでにコンテンツが揃っていてデザインだけを委託するのか、コンテンツ開発もあわせて、それ以前の戦略設計の段階から入ってもらうのかによって、かかる費用はまちまちです。

まずは自社でカバーできる範囲と外注する範囲を明確にした上で、費用対効果を測ってみましょう。単に費用の高い・安いだけで判断するのではなく、提供されるサービスの内容・質に応じた価格であるかを見極めることが大切です。

2.維持管理にかかる費用

 

サーバ/ドメイン


ホームページを運用するためには、ホームページを配置・公開するためのサーバが必要となります。サーバの調達は、自社内に物理的に設置するいわゆるオンプレミスといわれる方法と、AWSなどのクラウドサービス上に設置する方法とに大きく分けることができます。
費用はやはりピンキリですが、訪問者数がさほど多くないのであれば、月額数百円程度で利用できるクラウドサービスもあります。

なお、ホームページのURLに自社ドメインを使う場合は、ドメインの取得・維持管理にかかるコストも見込んでおく必要があります。.comドメインなら年額数百円程度で取得・運用が可能ですが、co.jpなどの企業向けドメインは取得・運用コストが若干高額となります。

 

システムの監視

システム障害によるサーバ停止やトラブルなどを監視し、必要に応じて対応するための体制を整えておく必要があります。特に、グローバル展開をしている企業は24時間・365時間体制の監視体制を敷いておくことで、システム障害による機会損失を抑えることができます。

AWSなどのクラウド型サービスを利用する場合はクラウド運用会社が監視を行いますので、通常はこのコストは不要です。オンプレミス型で社内にサーバを設置する場合は、システム監視代行サービスなどを利用するのも一つの手です。

 

セキュリティ対策

企業のホームページは、いうなれば全世界に向けて開かれた「会社の入り口」のようなものです。悪意の訪問者による情報の盗聴や改ざんなどを防ぐためにも、常時SSL対応などのセキュリティ対策は十分に行っておきましょう。また、顧客への信用度を高める上で、SSL証明書を取得しておくことも重要です。

 

3.ホームページ運用にかかる費用

前段でも述べたとおり、ホームページ運用にかかる作業として集客施策と改善をあげることができます。

 

集客施策にかかるコスト

集客施策は大きくSEO対策と広告に分けることができ、SEO対策は、内製で行うのであれば発生するコストは人件費のみとなります。ただし、キーワードの選定やコンテンツの設計などには専門的な知識が求められるため、自社内での対応が難しい場合は、SEO対策に長けた外部業者にコンテンツ開発を委託することをお勧めします。なお、SEO対策を専門に手掛ける企業もありますが、中には安易なブラックハットSEOによる一時的な対策を提供するものもあるため、業者の選定にあたっては十分に注意が必要です

リスティング広告はWebブラウザさえあれば簡単に始めることができるため、比較的ハードルの低い集客施策だといえますが、適切なキーワードを選んで効果的な広告を出すにはそれなりの知識と経験が求められます。成果を出すまである程度長い目で見ることができるのであれば、社内に担当者を置いて育てていくのもよいですが、迅速に成果を上げたい場合は専門業者への委託も視野に入れましょう。

委託にかかるコストは、一般には月額のリスティング広告費用の2割程度が相場です(月額の広告費用が10万円の場合、広告運用手数料は2万円程度)。

なお、大手サイトへのバナー広告出稿などは、出稿先のサイトによって費用が大きく異なります。Yahoo!Japanのような大手サイトに出向するには数百万円からの費用が必要になりますが、業界ポータルなどであれば数千円~数万円程度で広告を出せることもあるでしょう。
露出したい範囲や予算に応じて、最適な媒体を選ぶことが大切です。

 

ホームページ改善にかかるコスト

ホームページ改善にかかるコストは、モニタリングや分析にかかるコストと実際の改善作業にかかるコストに分けられます。

モニタリング・分析は、Web解析やA/Bテストなどのツールを用いてホームページの運用状況をモニタリングし、モニタリング結果をもとに改善策を考える作業です。ツールは有償・無償ともに様々なものがありますので、自社の運用形態にあったものを選びましょう。

一方、改善作業はモニタリング結果をもとに、実際にホームページの改善を行う作業です。
こちらはデザイン変更やコンテンツの見直しなどが発生するため、場合によっては社内リソースだけでは対応が困難となることもあります。可能であればホームページ制作を手掛けた会社と運用契約を結んでおき、必要に応じて修正を依頼できる体制を整えておくとよいでしょう。

 

ホームページの成果はこう測る!

ホームページ運用を担当されている方なら、経営層から「運用レポート」の提出を求められた経験をお持ちかもしれません。

営利企業が行うあらゆる活動は、最終的に何らかの形で利益向上につなげる必要がありますが、これはホームページも同様です。どの程度のコストをかけてどのような効果を上げられたのか、いわゆるROI(Return on Investment:費用対効果)を常に意識しておく必要があります。

一般にマーケティング上のROIは、次のような式で計算します。

 

粗利(売上げ-売上げ原価)-販管費-マーケティング投資額]÷マーケティング投資額×100

 

ホームページ施策においては、最終的に期待する成果を何らかの形で数値化し、そのためにかけたコストと照らし合わせてROIを計算することになるでしょう。

たとえば、売り上げアップを目的としたサイトであればホームページ経由であがった売り上げが期待する成果になりますし、採用目的のサイトであれば、ホームページ経由での応募者数が成果となるでしょう。いずれにしてもホームページの目的に応じて定義した成果を粗利とし、すべての施策に投下したコストをマーケティングコストとしてROIを計算します。

このようにして導き出したROIをもとにホームページの成果を推し量ることになりますが、ここで一つ重要なのは、コストの回収までにかかる期間の設定です。ホームページはその性質上、開設やリニューアルを行ってから実際に成果が出るまでにある程度の期間を要します。具体的な期間はケースバイケースですが、一般的には2年~3年程度で初期投資コストを回収するようなスパンで考えておくとよいでしょう。「費用をかけた割に成果が上がらない」などと短絡的な判断を下されてしまわないよう、経営層にまでこの考え方を浸透させることが重要です。

 

ホームページを発展させる

最後に、BtoBのホームページにおける昨今のトレンドをいくつかご紹介します。

 

会員制サイト

会員制サイトは、ホームページ上に会員登録機能を設置し、ログイン前と後とで閲覧できるコンテンツが切り替わるタイプのサイトです。大手のポータルサイトやショッピングモールなどでおなじみの仕組みですが、BtoB企業のホームページでもこうした機能が取り入れられ始めています。

たとえば、卸売業を営む企業なら登録会員にのみ商品の下代を表示するといった活用方法もありますし、会員だけが閲覧できる特別なコンテンツを用意することでユーザの会員登録を促すといった使い方もあります。

 

 

サービスサイト

サービスサイトは、自社が扱う特定の製品やサービスにフォーカスし、プロモーションや情報発信を行うものです。製品情報はホームページにも掲載されますが、専用のサイトを設けることで、より分かりやすい入口をユーザに提供することが可能となります。

サービスサイトについては、以下のページで詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

 

BtoBビジネスのEコマース

日本のEC市場は頭打ちだと言われて久しいですが、そんな中、BtoBに関してはEC市場の拡大傾向が続いています。こうした流れをうけて、自社のホームページ戦略にサイトのEC化やECサイトの併設を組み込む企業も増えてきているようです。

BtoBのイーコマースとしてもっともポピュラーなのは、ビジネス用品や機械用部品などのオンライン販売でしょう。また、いわゆる問屋業を営む企業が小売店向けに卸売りサイトを開設するような例もよく見られます。

製造業においては、ホームページにEC機能を追加して受発注をオンライン化するというニーズも増えてきているようです。

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出典:令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)

 

 

ホームページはお客様との重要な接点である

以上、この記事ではBtoBのホームページの開設・運用をお考えの方に向けて、ぜひ知っておいていただきたい事項をご紹介しました。

本文中で何度も述べたとおり、BtoBのホームページを制作・リニューアルする際は目的を明確にして戦略を立て、あらゆる施策をその戦略に沿って進めていくことが大切です。

また、ホームページは未来のお客様との重要な接点であり、売上を生み出せるツールでもあります。ターゲットユーザであるお客様の視点を中心とした「ユーザファースト」の考え方を徹底しましょう。

 

なお、ホームページ戦略を立案し、戦略に沿って制作・運用を進めていくのは、実際にはそれなりにハードルの高い作業でもあります。自社内ですべてを回していくのが難しい場合は、Webマーケティングに詳しい外部のリソースの活用もご検討ください。

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