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イノーバマーケティングチーム2024/03/18 3:50:241 min read

いま改めて確認したい、成果の上がるオウンドメディアの作り方

企業がBtoBマーケティングを行うにはさまざまな手法がありますが、その1つがオウンドメディアの運用です。ここでは、オウンドメディアが注目される背景や目的、効果的な作り方について、事例を交えながら解説します。

★オウンドメディアの基本的な解説については、まずはこちらの記事を参照ください

今さら聞けないオウンドメディアの意味とは?

オウンドメディアとは?

オウンドメディア(Owned Media)とは、企業が自社で「所有する(Own)」情報発信メディアのことです。企業が所有しているメディアなので、対象はかなり幅広く、企業ブログやECサイト、あるいは製品のパンフレットまで含まれます。この中で、マーケティング施策としてオウンドメディアと言った場合には、一般的にブログやウェブマガジンを指すことが多いでしょう。

近年、多くの業界でBtoBの購買活動がデジタルにシフトしてきており、購買担当者は営業担当者と話す前にインターネットで情報収集をすることが当たり前になっています。6割以上の担当者が第一情報源として営業担当者を選ばず、デジタルの情報だけで解決策の評価基準や仕入れリストの作成ができるというデータもあるほどです。

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【図1:BtoB購買担当者の情報収集スキルが向上している】

このため、企業のマーケティングとしては潜在顧客が検索する段階で自社を発見してもらうことが重要となります。ここで自社の情報をコンテンツ化したオウンドメディアが役立つのです。

こうした傾向は2020年に入ってますます強まっているといえます。というのも、新型コロナウイルス流行を受けて、営業担当者と直接接触をしないオンラインでの取引が加速しているためです。

オウンドメディアの効能

オウンドメディアによるメリットの第一は、検索で情報収集をするユーザの流入が見込めることです。当然、ここではSEO対策が必須になります。

また、企業がマーケティングにSNSを使うことも一般的になりましたが、SNSと比較してもオウンドメディアならではのメリットがあります。それは、一旦作成したコンテンツを自社の資産として半永久的に使えることです。SNSでは基本的に最新情報のみが露出することになります。つまり、過去のコンテンツで顧客を誘導できないため、常に更新を続ける必要があるということです。あるいは、広告を出稿する場合でも期間は限られています。これに比べると、オウンドメディアとして作ったコンテンツは常にインターネット上に存在し、検索ユーザの流入を得る資産となって残るのです。

オウンドメディアを作る目的

オウンドメディアの概要についてはわかりましたが、どういった用途で使われるのでしょうか。オウンドメディアを運用する目的はいろいろと考えられますが、リード獲得やブランディング、あるいは採用といった目的でも効果を発揮します。弊社イノーバは、特にBtoBリードを獲得するためのオウンドメディア運用についての豊富な知見を持っています。これから運用を初めてみたい、あるいはどういった効果があるのか知りたい、という方はぜひお気軽にご相談くださいね。

認知拡大だけでは片手落ちに

さて、多くの目的のために使えるオウンドメディアですが、注意しておきたいのはBtoBビジネスにおいてはある程度「型」が存在するということです。オウンドメディアはたしかに認知拡大に効果を発揮しますが、これがイコール売上アップにつながるかというと、実はそうでもありません。実際には、認知拡大の結果、PV(ページビュー)は多いけれど受注数が伸びていない、という状況は「BtoBマーケティングあるある」でもあります。こうした悔しい事態を避けるためにも、必ず「認知~興味関心~情報収集~比較検討」といったカスタマージャーニーに沿ってオウンドメディアを設計することが求められるのです。

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【図2:オウンドメディアの基本的な役割】

こちらの図にあるように、オウンドメディアは悩みがまだまだ曖昧な訪問者に気づきを与えるところから、基礎知識の提供、さらには商品を比較検討しているような段階の顧客にまで、段階に応じた情報を提供しなくてはなりません。このことからも、従来のように認知拡大だけに焦点を置いたSEO対策を行っても「片手落ち」となることがわかります。

加えて、情報の提供だけではなく、興味を深める導線を配置して顧客がジャーニーを進めることをサポートすることが大切です。オウンドメディア内でコンテンツを潜在層から顕在層にシフトできるような設計がうまくできれば、まさにベストといえるでしょう。このためには、つい始めてしまいがちな認知拡大のためのマクロなお役立ちコンテンツよりも、すでに課題や解決策が具体化した顧客向けが製品を選ぶ際の、より具体化されたコンテンツから作ることがコツです。言い換えれば、カスタマージャーニーを逆からなぞった方がコンテンツや導線の設計がひとりよがりな視点に陥らず、うまくいきやすいということでもあります。

オウンドメディアの作り方と運用手順

さて、こうしたオウンドメディアを作るにあたっては、具体的な作成と運用の手順についても知っておきたいところです。

オウンドメディアを作るには、企画から運用開始までに3か月ほどかかります。目的とKPIを設計し、実際のオウンドメディアを構築、さらに初期に公開するコンテンツを作ります。これら3つのステップそれぞれで1ヶ月を目安にすると良いでしょう。

また、運用にあたってはCMS(コンテンツマネージメントシステム)を利用するのが効率的でおすすめです。

ちなみに、SEOについての知識がある人の中には、ドメインは既存サイトと同じもの、すなわちサブディレクトリで運用する方が有利、という話を聞いたことがあるかもしれません。ドメインオーソリティという考え方に基づき、かつては正解だったのですが、最近ではGoogleのアルゴリズムが改善され、効果はなくなっています。新規ドメインでもそれほど時間がかからずに検索エンジンに認知され、短期間で上位表示されているケースも増えてきているので、オウンドメディアに別個のドメインを設定しても問題ないといえます。

コンテンツをどのように作る?

こうした作成・運用にも増して悩むのが、コンテンツそのものの作成です。自社の事業に関するものなので、やはり内製した方が社内ノウハウを生かしやすいでしょう。オウンドメディアの作成プロジェクトを通じて、改めて自社製品の強みや業界のトレンドを見つめ直すきっかけになることもあります。

ただ、そうは言っても現実的に充実したコンテンツを作るのは手間のかかる仕事です。社内リソースが限られている場合だけではなく、SEOのノウハウに乏しいといった事情でも外注を検討した方が良いでしょう。オウンドメディアで起きやすい失敗を回避したり、運用に関してのアドバイスを受けたりしながら進めることができます。

●コンテンツ作成に悩んでいる方はこちらもご覧ください:イノーバのコンテンツ制作サービス

業種別に見るオウンドメディアの成功事例

オウンドメディアを作るにあたっては、実際の事例を知っておくと自社で運用する際の参考になります。業種別にいくつか具体的な事例を見てみましょう。

印刷:共同印刷株式会社様

「Hint Clip

印刷業にとどまらずブランディングやマーケティングの分野でもサービスを展開する共同印刷株式会社。同社が2015年から運用するオウンドメディアが「Hint Clip」です。こちらは企業の販促担当者に向け、プロモーションやマーケティングに関する情報を発信するもので、6つのカテゴリに分類したコンテンツを週2回のペースで更新しています。同社のオウンドメディア運用のポイントは、従来フィールドセールスが中心であった新規顧客開拓を、インバウンド型にシフトし効率化していくための営業ツールとして活用すること。この目的に適った高品質のコンテンツを作るためには、「運営する側が、自社のサービスを十分に理解していること」が重要と言います。

オフィス移転・オフィス家具:プラス株式会社ファニチャーカンパニー様

カンパニーサイト

1948年創業の老舗総合事務用品メーカーのプラス株式会社。同社でオフィス家具やインテリアの製造・販売を手がけるファニチャーカンパニーでは、企業の総務担当や社員を対象に、オフィスデザインやオフィス移転の知識などをブログやお役立ち資料で発信しています。

2017年のサイトリニューアルを機会に「ユーザーファーストのメディア構築」を目指してコンテンツの充実を図り、月5本のペースでブログを更新。結果として1年後にはPV数・セッション数ともに約1.5倍にアップ、一般ワードからの流入も増加したことで案件獲得数も約5倍という成果を出しました。

加えて、オウンドメディアを営業活動にも生かしています。サイトでeBookをダウンロードしたユーザに架電を行うことで、すでに一定の興味と知識を持ったユーザに営業活動を行うという効率化を実現。eBookを営業資料として活用する社員も増えています。

→ より詳しい情報についてはこちらの記事もご参照ください。(イノーバ導入事例)

ICT(情報通信技術):京セラコミュニケーションシステム株式会社様

「とりもち」特設サイト

企業向けシステムの構築や通信インフラ事業を手がける京セラコミュニケーションシステム株式会社。同社では、2018年にコンテンツマッチングサービスの「とりもち」をスタート。これは同社にとってこれまでとは違う顧客層をターゲットとする新サービスだったため、新規顧客獲得となり、ここで特設サイトという形でオウンドメディアを構築し活用しました。ここでは、デジタルマーケティングの知見に特化した情報を発信。ターゲットを絞った的確なキーワードを定めてSEO対策を行った結果、サイトへの訪問数が4か月で約4倍になるという成果が現れました。また、これに比例して問い合わせ件数も増加していると言います。

バックオフィスクラウドサービス:SBIビジネス・ソリューションズ株式会社様

「Bizsol」

SBI ビジネス・ソリューションズ株式会社は、バックオフィス業務を支援するクラウドサービスや経理コンサルティングを提供している企業です。同社が運営する「Bizsol」では、経理担当者を主な対象とした、バックオフィス業務を効率化させるノウハウを発信しています。オウンドメディアを始めたきっかけは、製品サイトへのアクセス数が伸び悩んでおり、マーケティングを強化する打開策としてでした。このメディアでは約1年間にわたって毎月4回コンテンツの更新を行ったところ、アクセス数が1万PV超えを達成。継続することで確かな成果が出ていることを実感していると言います。

関連記事:「国内外のオウンドメディアの成功事例32選【BtoB/BtoC】」

顧客行動の変化を背景にオウンドメディアの存在感はさらに大きく

ここまでの内容を踏まえると、オウンドメディアの存在感はさらに大きくなっていくと考えられます。顧客行動の変化により、ビジネスに関する情報収集はますますインターネット上にシフトしています。企業がオウンドメディアで成果を上げるには、潜在層から顕在層、さらに商談へと進むようなカスタマージャーニーに合わせたコンテンツの設計が重要となります。

しかし、自社だけでオウンドメディアを作成・運用していくノウハウが十分でない場合も多いでしょう。そこで、専門業者の力を借りるのがおすすめです。株式会社イノーバは、多くの導入事例に裏打ちされたオウンドメディア作成・運用の豊富なノウハウを持っています。

イノーバでは、「効果重視のWebサイト制作」や「BtoBマーケティング伴走型支援サービス」を提供しており、オウンドメディアの構築から運用まで一貫してサポートしています。オウンドメディアの新規制作やリニューアルを検討されている企業様は、ぜひイノーバにご相談ください。経験豊富なプロフェッショナルが、貴社のビジネスの成長に貢献するオウンドメディア戦略をご提案いたします。

 

 

オウンドメディアの全体像を知りたい方は、こちらをお読みください。

オウンドメディアの立上げ方、始め方を知りたい方は、こちらをお読みください。

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株式会社イノーバの「イノーバマーケティングチーム」は、多様なバックグラウンドを持つメンバーにより編成されています。マーケティングの最前線で蓄積された知識と経験を生かし、読者に価値ある洞察と具体的な戦略を提供します。