BtoBマーケターなら知っておきたい「ファネル」の基本

BtoBマーケティング

マーケティング戦略を立てる上で重要な役割を果たす「ファネル」。

この記事ではファネルとはどのようなもので、なぜそれが重要なのかをわかりやすく解説します。

そもそもファネルとは…

ファネル(funnel)はもともと液体をビンなどに移す際に使う「漏斗(じょうご)」を指す英単語ですが、マーケティングの世界では「マーケティング・ファネル(パーチェス・ファネル)」を指して使われるのが一般的でしょう。

マーケティング・ファネル(以下、ファネル)は顧客が商品やサービスを認知してから購入に至るまでのプロセスを表す図で、一般によく知られているのは、「AIDMA」という購買行動モデルに基づく次のような図です。この記事をお読みの皆さんも、おそらく一度はこのような図を目にしたことがあるのではないでしょうか。

認知から興味、興味から比較・検討…とプロセスが進むごとに見込み顧客が絞られて先細りになっていく様子が、じょうご(ファネル)の形によく似ていますね。

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【図1:ファネル(AIDMAモデル)】

AIDMAは簡単にいえば、消費者の購買行動を認知(Attention)→興味(Interest)→欲求(Desire)→記憶(Memory)→行動(Action)の5つの段階で考えるモデルです。見込み顧客が商品を認知し、認知した商品に興味を持ち、「買いたい」という欲求を抱き、対象商品を記憶にとどめた上で、最終的に行動(購買)に至る…という流れで購買行動を捉えています。

AIDMA自体はBtoC向けのモデルですが、BtoBではAIDMAをベースとした次のようなモデルがしばしば用いられています。

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【図2:BtoB商材のファネル】

 

なお、上記はあくまでも一般的な例で、実際のファネルは扱う商材や業種・業態により微妙に異なります。見込み顧客の購買プロセスを把握し、自社のビジネスに沿ったファネルを定義することが大切です。

関連記事:「購買行動モデル」の時代変化と今|株式会社イノーバ

なぜBtoBマーケティングにファネルが重要なのか?

BtoBマーケティングの戦略を考える上で、ファネルはとても重要な役割を果たします。というのも、近年になって昔ながらの訪問スタイルの営業が思うように効かなくなり、BtoBの購買担当者がWebで情報収集を行うのがごく一般的なこととなってきているためです。

一口に「情報収集」といっても、その実情は様々です。来期の企画に向けて情報収集を始めたばかりの企業もあれば、すでに競合他社製品との検討を進めている企業もあるでしょう。

前者と後者では求める情報の内容や粒度が違いますし、効果的な集客手法も異なります。たとえば、ファネルの上部、つまり事前の情報収集段階にある層は、商品に関する幅広い情報を求めています。こうした層に効率よくアプローチするには、情報提供コンテンツを活用したSEO対策が有効です。
一方、検討が十分に進んで「すぐにでも購入を検討したい」という企業が求めているのは、商品の機能や価格、購入後のサポート体制といったより具体的な情報です。このような層に積極したい場合は、リスティング広告などを利用してセールスサイトへ誘導し、問い合わせや見積もり依頼へつなげる方が高い効果が見込めるでしょう。

このように、とるべき施策はターゲットの検討度合いに応じてチューニングする必要がありますが、そのためには自社の顧客が辿る購買プロセスを正しく理解しておかなくてはなりません。

加えて、近年になって日本のビジネスシーンにマーケティングが浸透し、マーケティングの手法や利用できるツールが多様化してきているという状況があります。SEO、広告やSNSでの集客、CRMやマーケティング・オートメーション(MA)といった様々なマーケティング手法・ツールの中から目的に応じて適切なものを選択することは、昨今のBtoBマーケターが最低限備えておくべきスキルだといえるでしょう。このスキルを身に着けるためには、見込み顧客がどのようなプロセスで検討を進めるのかを理解しておく必要があります。

これらを手助けしてくれるのが、この記事でご紹介しているファネルです。ファネルはBtoBマーケティングを合理的かつ効果的に進める上で非常に重要なツールであると、イノーバは考えています。

ファネルとカスタマージャーニーはどう違う?

ところで、顧客の購買プロセスを図にプロットするツールとしては、カスタマージャーニー(カスタマージャーニーマップ)もよく知られています。ファネルとカスタマージャーニーにはどのような違いがあるのでしょうか?

顧客の検討度合い、すなわち「今、購買プロセスのどの段階にいるのか」を図示するツールであるという点で、両者は非常に似通っています。ただし、ファネルが購買プロセスの推移だけを示すものであるのに対し、カスタマージャーニーには「見込み顧客の態度変容」という観点が加わります。見込み顧客の検討度合いをある段階から次の段階へと進めるためにはどのような態度変容を促すべきか、そのためにはどのようなアプローチが必要なのか…といった情報が入るため、カスタマージャーニーはファネルと比べて情報量が多いということができるでしょう。

顧客の購買プロセスの全体像を把握する場合はファネル、各プロセスでどのような施策を取るべきかを検討する場合はカスタマージャーニー、という具合に、状況に応じて両者を使い分ける必要があります。ファネル3.png

【図3:ファネルとカスタマージャーニー】

参考:【無料Ebook】カスタマージャーニーとは?意味とマップの作り方を徹底解説|株式会社イノーバ

ファネル分析を施策改善に役立てる

では、ファネルは実際にどのような形でマーケティングに活用できるのでしょう?
ファネルを使うと、前述のように見込み顧客の購買プロセスを可視化して理解を深めることができると同時に、ファネル分析という手法を通じてマーケティング施策の改善に役立てることも可能です。

ファネル分析を用いて施策を改善する際は、ファネルの各ステップにおける見込み顧客数の推移を調査した上で、脱落が多く生じている箇所に対して重点的に対策を打っていきます。

たとえば各プロセスにおける脱落者の数が図4のように推移している場合、70人もの脱落が生じている興味→比較・検討へと進める部分の施策に問題があると仮説を立てることができます。この部分の施策を見直して重点的に対策していけば、効率よく改善に取り組むことができるでしょう。ファネル4.png

【図4:ファネル分析】

なお、上記はあくまでも単純化した例であり、実際には脱落者の数だけを比較して施策の成果を評価することはできません。実際にファネル分析を行う場合はファネルの各プロセスに自社の施策をマッピングした上で、予実の比較をベースとして判断を下すことになるでしょう。つまり、各プロセスで行う施策により何人の見込み顧客を次のプロセスへ進められるかをあらかじめ予測した上で、予想を大幅に下回る部分を重点対策候補とするようなイメージです。

たとえば、「興味」から「比較・検討」へと顧客の態度変容を促すために製品資料を配布している場合、資料の内容を見直すことが改善につながるかもしれません。「比較・検討」から「行動」の部分がボトルネックになっているのであれば、価格表を見やすいものに変更したり、製品価格やサポート体制を見直したりすることで、脱落者の数を減らすことができるかもしれません。

このように、自社の施策の成果をファネルとマッピングして可視化することで、自社が抱えるマーケティング上の課題を明確にすることができるはずです。

 

ファネルを制する者はBtoBマーケティングを制す!

以上、この記事ではBtoBマーケティングにおいて重要な役割を果たすファネルについて解説しました。ファネルの意味と役割、カスタマージャーニーとの違い、ファネルを用いた施策改善の手法について、理解していただくことができたでしょうか?

ファネルを理解して正しく活用することで、自社のマーケティング活動をよりよい形へと導いていくことが可能です。ぜひ皆さんも本記事を参考に、自社の施策をファネルにマッピングし、マーケティング活動の見える化と課題の抽出に取り組んでみてください。

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