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イノーバマーケティングチーム2024/03/08 7:45:39< 1 min read

ライフタイムバリューとは? BtoBでライフタイムバリューが重視される背景と、ライフタイムバリューに効果的な営業戦略を解説

既存顧客へ営業を掛ける目的は、既存顧客に自社製品・サービスを継続的に購入してもらい、それによる売上向上・拡大にあります。

その際に顧客データを踏まえて営業戦略を立てることは大切ですが、その上で既存顧客との取引開始から終了までの間に生じた自社利益を算出することで、以降も関係性を継続するにあたって、より自社利益を上げる施策の指標となります。

これを「ライフタイムバリュー」と言い、企業活動における重要指標のひとつとして注目が集まっています。

今回はライフタイムバリューの概要と、BtoBにおいてライフタイムバリューが注目される背景、ライフタイムバリューの向上につながる営業戦略について解説します。

LTV(ライフタイムバリュー)とは?

「ライフタイムバリュー(Life Time Value)」とは、日本語では「顧客生産価値」と訳されるマーケティング用語です。

このLTVは、ある顧客が企業と商品・サービスの取引を始めてから終えるまでの間に、その企業にどれだけの利益をもたらしたかを指す言葉であり、一度だけの取引で顧客との関係を終わらせずに継続的な取引を可能とすれば、LTVは高まっていきます。

つまりLTVを重視してマーケティング施策を進めれば、同じ顧客から何度も商品やサービスの購入が期待でき、企業収益の改善へとつながっていくというわけです。

これまで重視されてきたのは市場のシェアであり、ある年でのシェアがどのくらいかなどのある時点でモノやサービスが売れているかをおもに考えてきました。

しかし市場の成熟や競合の増加、クラウドサービスの出現などにより、新規顧客獲得には高いコストが掛かるようになり、そこから「既存顧客と企業との継続的な関係性のシェア」であるLTVを重視する考え方が生まれたのです。

LTV(ライフタイムバリュー)の計算方法

LTVを求めるための計算式は複数存在しており、「LTV=平均購買単価 × 購買頻度 × 継続購買期間」というように、顧客の平均購買単価と購買頻度、継続購買期間を掛けて求めることも可能です。

しかしこれは1社あたりのLTVを求める計算式なので、新規顧客獲得コストや顧客維持コストも考えることでマーケティング施策に反映可能な値を求めることができます。

例えば「LTV=(平均購買単価 × 購買頻度 × 継続購買期間) ? (新規顧客コスト + 顧客維持コスト)」といった計算式によって、新規顧客獲得コストと既存顧客維持コストのバランスを考えていくのです。

また、このLTVを用いることでCPA(新規顧客一人あたりの獲得コスト)の上限値を「上限CPA=(LTV) × (利益率)」の計算式で求めることも可能であり、新規顧客獲得コストを考える上での参考材料となります。

LTV(ライフタイムバリュー)が注目される背景

LTVが注目されるようになった背景には、「新規顧客獲得コストの上昇」、「CRMの重視」、「クラウドサービスの普及」などがあげられます。

特にCRMの重視によって、より顧客のニーズに合ったサービスや商品の提供が可能になったという点が、新規顧客獲得コスト上昇と共にLTVの注目度アップにつながっていると言えます。

ここではLTVが注目されるようになった背景を詳しく見ていきましょう。

新規顧客獲得コストの上昇

LTVの向上を重視してマーケティング施策を進めれば、新規顧客獲得に掛かるコストを抑えることが可能です。

新規顧客獲得に掛かるコストは既存顧客を維持するコストの5倍は掛かるとされており、さらに競合他社の存在や安価なサービスが台頭していることによって、新規顧客獲得の難易度は上がっているのが現状です。

ビジネスを発展させて経営を安定的に維持するためには、既存顧客との関係維持に努め、その売上から収益を得るほうが新規顧客を獲得するよりもはるかに効率的だとされていることが、LTVの重視につながった要因のひとつなのです。

CRMを重視するようになった

続いて挙げられるのは、CRMの重視です。

CRM(Customer Relationship Management)とは日本語で「顧客管理」を意味し、顧客との関係性をビジネスの中心的な要素として考え、顧客に対して企業が何をできるか重視するというマーケティング戦略です。

具体的には顧客の趣味嗜好や購入履歴、Webサイトへの訪問回数、ニーズ、意見などをデータ化し、それらの情報を分析しつつ顧客へ親身になることで、より顧客に合った商品・サービスの提供を可能にすることを言います。

このCRMの重視によって顧客との関係性を維持することから、安定的な収益を得るマーケティング施策であるLTVが重視されるようになったのです。

クラウドサービスの普及

最後に挙げられるのは、クラウドサービスの普及です。

サブスクリプション型契約であるクラウドサービスを展開する企業の数が増え、「顧客が買い切り型商品を利用する」というよりも「顧客が継続的にサービスを利用する」場面も多くなりました。

顧客が継続的に利用するサービスの展開は、顧客との継続的な関係維持を重視するLTVと親和性が高いため、特に重要性が上がっているともいえます

LTV(ライフタイムバリュー)アップのための営業戦略

LTVを引き上げるためには、「平均購買単価」、「購買頻度」、「継続購買期間」の向上、「新規顧客獲得コスト」と「既存顧客維持コスト」の削減が大切です。

これらの要素に対してどのような施策を取れば良いのかを具体的に見ていきましょう。
 

平均購買単価向上

顧客1人あたりの平均購買単価が上がれば、その顧客1人あたりのLTVも向上するようになっています。

そのため平均購買単価向上を図る必要があり、例えば顧客が本当に必要としていることは何なのかをCRMシステムに蓄積されたデータやお問い合わせの内容から判断し、商品やサービスに反映していくことが大切だと言えます。

顧客獲得・維持コストを下げる

例えば先に述べたCRMシステムを導入することで、顧客のデータ分析を短時間で終わらせることが可能となり、顧客獲得・維持コストを低下させることができます。

無駄なリソースを使わないようにすることもコスト削減には、必要だと言えるでしょう。

顧客維持率を上げる

顧客維持率の向上と言うと、営業職の手腕に掛かっているように思いがちですが、商品やサービスのサポート部署の対応も顧客維持率の向上には大切な要素です。

例えばサービスの導入後に何か問題が発生した場合や質問がある場合、顧客は質問窓口に問い合わせますが、ここで窓口側の対応が遅かったり、その質が悪かったりすると解約やリピート率の低下につながります。

また、営業の担当もサポート体制について顧客にしっかりと伝えておく必要があり、契約前の期待値と契約後の実際のサポートの乖離をなくすことで、顧客の満足度を高めることにもつなげられます。

そのためサポート体制の質向上と営業によるサポート体制の詳細な説明は、顧客維持率の向上につなげられると言えるのです。

購買頻度向上

同じ商品を何度も購入してもらうことでも、LTV向上につなげることができます。

過去の顧客データや競合データの詳細な分析を経て、常に顧客のニーズを重視した商品・サービスを提供するよう努めることで購買頻度の向上も見込めるでしょう。

まとめ

現在の企業と顧客の関係性は「顧客ひとりひとりと向き合う」ものへとシフトしています。

よって今後も既存顧客を重視し、ライフタイムバリューを指標のひとつに据えてマーケティングを進めることがより大切になってくると考えられます。

既存顧客との関係性やその維持コストを見直し、ライフタイムバリューを自社のマーケティング指標のひとつとして積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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イノーバマーケティングチーム

株式会社イノーバの「イノーバマーケティングチーム」は、多様なバックグラウンドを持つメンバーにより編成されています。マーケティングの最前線で蓄積された知識と経験を生かし、読者に価値ある洞察と具体的な戦略を提供します。