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イノーバマーケティングチーム2024/02/03 20:23:402 min read

BtoB企業のためのホームページコンテンツ企画・開発のポイント

ホームページを構築するにあたって、デザインや使い勝手に気を配るのは言うまでもなく大切です。しかし、やはり何より重要なのは、ホームページの本体ともいえる「コンテンツ」。

どんなにデザインがおしゃれでも、中身のないホームページでは見込み客を惹きつけることはできません。逆に、本当に「欲しい」と思う情報がきちんと整備されてさえいれば、たとえ最先端のデザインでなかったとしても、見込み客を集めることが可能です。相手が求める良質なコンテンツを開発し、提供し続けることこそが、長い目で見てホームページの成果を高めていくための最良の策なのです。

とはいうものの、「見込み客が求める良質なコンテンツ」を安定して提供し続けるのはいうほど簡単なことではなく、いわゆる「コンテンツ不足」に悩む運営担当者は少なくありません。

この記事では、「よいコンテンツとは何か」ということをあらためておさらいしたうえで、企業のホームページに必須の「基本コンテンツ」、および集客・育客を見据えた「戦略コンテンツ」を開発するためのポイントについて考えてみましょう。

目次

 

なぜ「コンテンツ不足」に陥ってしまうのか

コンテンツ開発のポイントについてお話する前に、「なぜ、コンテンツ不足に陥ってしまうのか」について考えてみましょう。

「コンテンツが作れない」という悩みの背後には、「開発すべきコンテンツの全体像が把握できていない」という事情が横たわっていることが少なからずあるようです。

つまり、「作るコンテンツがない」のではなく、「そもそもどのようなコンテンツを作るべきか」が分かっていないのです。
これは、目的を明確にしないまま「とりあえずホームページを作ろう」と自社サイトを立ち上げてしまったような場合にありがちなことだといえます。

企業が顧客に商品やサービスを提供しようとするときは、「誰に」「何を」「何のために」提供するのかということをあらかじめ明確に把握しておかなくてはなりません。ホームページの場合も同様で、なにはさておき、自社の製品やサービス、およびターゲット顧客像をきちんと理解しておくことが大切です。

まずは、ホームページのターゲットのペルソナカスタマージャーニーマップを作成し、ターゲットが求めている情報を把握するところからはじめましょう。

関連資料:

 

ホームページに掲載すべき「基本コンテンツ」と「戦略コンテンツ」

ここからは具体的なコンテンツ開発のコツについて見ていきましょう。

企業のホームページであるコーポレートサイトに掲載するコンテンツは、業種・業態に関わらず必ず用意すべき「基本コンテンツ」と、自社の商材やサービス、ビジネスの形にあわせて設計する「戦略コンテンツ」の2種類に分けて考えることができます。

基本コンテンツと戦略コンテンツ.jpg

① 企業ホームページに必須の「基本コンテンツ」

1つ目の「基本コンテンツ」は「自社についての基本情報」を伝えるためのコンテンツで、次のようなものがあります。

会社紹介:
社名、本社や事業所の所在地、代表電話番号、社長の名前、設立年度や従業員数、年商などを記載します。BtoBの取引では特に重視されるページなので、正確な情報を分かりやすくシンプルに記載しましょう。また、可能なら会社の沿革も年表の形で掲載しておくと、顧客に安心感を与えるうえで役立ちます。

企業理念:
自社の持つ企業理念や将来へのビジョンなどを、分かりやすく記載します。企業理念やビジョンを公開することで、自社がどのような企業であり、ビジネスを営むうえで何を大切にしているのかを顧客に理解してもらうことができます。

事業内容紹介:
自社が営む事業の内容を記載します。「要するにどんなビジネスを手掛けている企業なのか」の全体像が読む人に伝わるよう、必要な情報を簡潔に記載します。

製品・サービス紹介:
顧客に向けて提供している製品やサービスの内容を紹介します。ホームページの目的が引き合いの獲得である場合、このコンテンツがいわばホームページの主役となります。次に紹介する戦略コンテンツすべての要となる部分ですから、必要な情報を漏れなく、分かりやすく記載することが大切です。

基本コンテンツの記載内容は、会社紹介のパンフレットなどに掲載される内容とおおむね一致します。表現方法に工夫の余地はあるものの、書くべき内容はほぼ決まっていますので、作成するのに悩むことはあまりないかもしれません。

基本コンテンツはとにかく「わかりやすく」

基本コンテンツを開発する際のポイントは、とにかく「わかりやすく」すること。演出は必要ありません。

見込み客である商品選定の担当者が情報収集を行うとき、まずは選定先候補となり得るいくつかの会社の情報を集めて一覧化することが少なくありません。

その際、一覧に記載されるのは、社名、所在地、連絡先、年商、従業員数、事業内容、設立年月日、サービスの特徴や提供価格……といった基本コンテンツに掲載される内容が主となります。

検索エンジン経由でサイトにたどり着き、「ここは候補になりうるかな?」と思ってもらえたとしても、上記のような情報をすぐに確認できないと、「よくわからないな」と候補から外されてしまうリスクがあります。

また、自社の基本的な情報を伝えると同時に、「安心して取引できるきちんとした会社である」という印象をアピールすることも基本コンテンツの重要な役割です。

テレビCMで名前が流れるような大手企業は別として、中小零細規模の企業のホームページを訪れる見込み顧客の大半は、その会社のことをほとんど知らない状況である場合が多いといってよいでしょう。「初対面の人の印象は最初の数秒で決まる」とよく言われますが、企業のホームページも似たようなものです。

信頼感を与えるために利用できる情報は積極的に使い、誠実さを感じさせるコンテンツを作るよう心がけましょう。

②顧客を惹きつけ、繋がるための「戦略コンテンツ」

もうひとつの「戦略コンテンツ」は、顧客を惹きつけ(集客)、惹きつけた顧客をリピータ化し、自社との関係を深める(育客)ために、戦略的に用意するコンテンツです。

集客用コンテンツ:
安定して潜在客や見込み客をサイトに集客するためには、商品名や商品カテゴリーの名前でネット検索したときに自社のサイトが検索エンジンの検索結果に出てくる必要があります。コンテンツSEOやSNSなど、流入の経路を確立するための戦略的コンテンツ配信が有効です。

また、商材ごとにオウンドメディアやマイクロサイトを作って、商品カテゴリーのキーワードで上位表示を狙うという手法もあります。

見込み客の情報を獲得するためのコンテンツ:
BtoB商材の販売では、見込み客の側でニーズが発生したタイミングで、いかに自社を思い出してもらい候補に入れるかが重要です。そのためには、自社の見込み客リストを充実させ、そこに対して定期的にメルマガやニュースレターを送るのが一般的です。

見込み客リストを充実させるために、ホームページ訪問者のメールアドレスや連絡先を獲得しましょう。ホワイトペーパーやeBookといった無料のPDF資料のコンテンツをホームページ上に掲載して、代わりに相手の連絡先を入力してもらうことで、常に見込み客リストが増えていく状態を作ることができます。

複数の社内担当者に向けたコンテンツ:
BtoB商材の購入においては、商品選定担当、決裁者、利用者など社内の複数の人間が購入の意思決定に関係します。商品を実際に導入してから利用する立場の人は商品の機能や仕様を知る必要があり、決裁者は費用対効果や業界での普及度を加味して検討したいなど、担当者ごとに意思決定をするために必要な情報が異なります。それぞれの担当者ごとのニーズに合わせたコンテンツの提供が必要です。

戦略コンテンツは、自社のビジネス戦略にあわせて開発する必要があります。産業機械を販売する会社と人材派遣業を営む会社とでは、提供すべきコンテンツは当然異なります。冒頭で述べたように、自社の製品・サービスとターゲット顧客について深く理解したうえで、「顧客が求めているコンテンツはどんなものか」を考えて企画・開発していく必要があります。

商材別コンテンツ企画のアイデア

顧客が具体的にどのようなコンテンツを求めているかは、前述のとおり自社の顧客理解を踏まえて明確にしていく必要があります。とはいえ、商材により大まかなパターンに分けて考えることは可能です。以下では、BtoB商材のタイプ別に求められるコンテンツのパターンを見ていきましょう。

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① 消費財

化粧品や文房具といった消費財のメーカーが小売店向けに運営するBtoBサイトでは、顧客がその製品を販売するために役立つ情報が求められています。製品についての具体的な情報はもちろん、製品のエンドユーザー(消費者)が製品を使用する際に役立つ豆知識などもよいコンテンツになるでしょう。

定期的に市場調査やモニター座談会などを開催し、その結果をコンテンツとして公開するのもよいアイデアです。また、ネットショップ運営者がターゲットなら、ECサイト上ですぐに使える販促用画像・動画素材などを提供するのもよいでしょう。

② 製造用部材

産業機械や部品といった製造用部材が商材の場合、顧客がもっとも知りたいのは「その商品は自社が必要としているものとマッチしているのか」ということである場合が多いといえます。どんなに便利で高機能な機械であっても、それが顧客のビジネスに役立つものでなければ、購入されることはありません。

従って、たとえば機械ならどのような用途に利用できてどんなメリットがあるのかを明確に伝える必要があります。また、ボルトやネジといった部品の場合、材質やサイズなどに関する詳細情報が必要となります。

なお、「ビジネスを営むうえで必ずしも必要とはいえないが、導入することで効率化などのメリットがある」というタイプの商材を販売する際は、導入によりどんなメリットがあるかをターゲット顧客に理解してもらうことが何よりも重要です。このケースにおける最良のコンテンツは「導入事例」ですが、これについては次の「IT・ソフトウェア」で詳しく説明します。

③ IT・ソフトウェア

IT・ソフトウェア業界が販売するのは、形のあるモノでなくソリューション、つまり顧客が抱える問題に対する「解決策」であることが多いといえます。

近年ではITがビジネスの必須要件となりつつあるとはいうものの、「なくてもなんとかなる」タイプのソフトウェア製品は少なくありません。このため、「導入するとどんなメリットがあり、どのような成果に繋がるのか」を理解してもらうことが何よりも重要となります。

生産財の項でも少し触れましたが、こういった場合に最適なコンテンツはいわゆる導入事例です。

ホームページ上で導入事例を公開すると、導入によってどんな効果が出るかを明確に伝えられるうえ、それがそのまま「実績」として顧客の目に映るため、二重の効果が得られます。

なお、事業立ち上げ直後で実際の導入事例が用意できない場合、自社が想定する導入シナリオをもとに架空の導入事例コンテンツを作成し、「ソリューション案」のような形で公開するのもひとつの手です。
ありもしない実績を「ある」と偽って創作の導入事例を公開するようなことはすべきではありませんが、「このような形で使っていただくと、こうした成果が出ます」ということを分かりやすく伝えるために、導入事例のようなスタイルを取るのは有効な手法です。

関連資料:【システム開発業界向け】セールス&マーケティングの変革のポイント

コンテンツのネタの探し方

大まかな企画のアイデアが固まったら、次は具体的にコンテンツの内容を詰めていきます。

たとえば、「うちが販売するのはソフトウェアだから、導入事例をコンテンツとして充実させていこう」という方針を定めたら、どのような導入事例をどんな形で提供するのかを考えていくわけですが、この段階では「具体的なネタ探し」に苦心するケースが見られます。そこでBtoB企業におけるコンテンツのネタの探し方を、いくつかご紹介しておきます。

① 社内でヒアリングする

1つ目は社内の各部門へのヒアリングを行うという方法。
「灯台下暗し」という言葉がありますが、良いコンテンツのネタは意外に身近なところに潜んでいることが少なくありません。

たとえば、商品開発担当部門からは製品開発にまつわる興味深い話を聞くことができるでしょう。顧客にもっとも近いところにいる営業部門からは、リアルなターゲット顧客像や実際に商品がどのように使われているかといった生の情報が得られます。サポート部門には、製品の利用に際して起りやすいトラブルや緊急対応の方法といった貴重な知見が眠っているでしょうし、製造部門からは製品へのこだわりを聞かせてもらえるかもしれません。

まずは社内の各部門に協力を仰ぎ、コンテンツのネタを探しましょう。

② 顧客にヒアリングする

2つ目は顧客へのヒアリングを行う方法。
顧客に関する情報は営業部門から得ることもできますが、直接顧客と対話できると、コンテンツ開発のよいヒントが得られます。特に、社名公開を前提とした導入事例コンテンツについては、実際に顧客から話を聴いて作成するのがベストです。

顧客へのヒアリングを行う場合、営業担当者の協力が必要不可欠です。営業担当者を飛び越えて直接顧客に連絡を取るようなことは、絶対にすべきではありません。営業部門が苦労して獲得した顧客との関係性が、コンテンツ開発のために悪化するようなことになっては元も子もありません。

顧客も営業担当者も多忙であることを念頭に置き、無理のない範囲で協力を仰ぐ姿勢を心がけましょう。

③ カタログなど既存の紙媒体のコンテンツを転用する

3つめは製品カタログなどからヒントを得る方法。
よく「ホームページを単なるカタログにしてはもったいない」と言われますが、これは「商品写真と価格だけを並べた無機質なカタログのようにすべきではない」ということで、「ホームページにカタログ情報を載せてはいけない」という意味ではありません。

前述した生産財を扱うBtoB企業などでは、カタログがそのまま立派なコンテンツとなる場合もあり得ます。
自社のカタログがすでにあるなら、それをベースにちょっとした説明などを追加していくことで、便利で役立つコンテンツを開発できるでしょう。

④ 競合他社を調査する

4つ目は競合他社のホームページを調査するという方法。
自社と同じような製品・サービスを提供する企業がどんなコンテンツを提供しているかを調査すると、よいヒントが得られます。

ただし、同じような商材を扱っていても、販売形態やビジネスの規模などによって提供すべきコンテンツに違いが出ることはままありますので、自社の方針をきちんと定めたうえで、あくまでも参考情報として参照して応用しましょう。

⑤ 他業界の取り組みを調査する

同じ業界のなかで調査をしても、コンテンツの新しいアイデアはなかなか見つからないかもしれません。ときには他業界のホームページを眺めてみることも大切です。意外な業界から、自社に応用できるヒントが見つかることもあります。

BtoCで競争が激しい業界では、新しい顧客を獲得し、既存の離脱させないために、常にさまざまな新しいコンテンツや広告の手法を競っています。他業界がどのような施策を行っているのか、顧客の立場で観察することで、関心がない人の注目を集めたり既存客のエンゲージメントを高めたりするコンテンツの示唆が得られるでしょう。

まとめ

以上、ホームページのコンテンツを企画・開発するときの基本事項と、コンテンツのネタ不足解消のアイデアをいくつかご紹介してきました。

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」と孫子も言っていますが、自社(のビジネス)と顧客を深く理解したうえで企画に取り組めば、おのずから「よいコンテンツ」が生まれてくるものです。

冒頭でご紹介した基本姿勢を踏まえつつ、自社ならではの工夫をこらして、顧客を魅了するよいコンテンツを開発していきましょう。

 

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