【事例あり】企業の顔とも言えるコーポレートサイト、その重要な役割を読み解く

BtoBマーケティング

企業サイトの複雑化や掲載情報の多様化を受けて、コーポレートサイトを独立させる企業が増えています。一つの企業が複数のWebサイトを運営することは一見手間のようにも思えますが、それでも独立したコーポレートサイトが増える背景には、どのような理由があるのでしょうか。

コーポレートサイトの役割や分割させることによるメリット、また必要なコンテンツなどをまとめてご紹介しましょう。

コーポレートサイトとは、そもそもどんな役割を持つサイト?

スマートフォンやタブレットなどモバイル端末の普及、またSNSやWebマーケティングなどによるデジタル環境の変化を受けて、企業のWebサイトには多種多様な人が訪れるようになりました。顧客や取引先企業の担当者、株主や投資家、採用希望者などはその代表例と言えるでしょう。

企業のWebサイトへのアクセス数は増えるのは望ましいことですが、運営側が知っておくべきは、彼らはそれぞれ異なる情報を求めてWebサイトを訪れているという点です。

例えば顧客や取引先企業の担当者であれば、製品やサービスの情報、他社製品と比較した際のストロングポイント、その価格などが掲載されているページを訪れるでしょう。また、株主や投資家の場合は財務状況など投資の判断に必要なIR情報、会社概要の役員情報・資本金・従業員数などを閲覧します。採用希望者は業績や従業員数などの基本的な企業情報はもちろん、企業の事業内容や社内の雰囲気、どんな人が働いているかなどのコンテンツに興味があると考えられます。

企業サイトを訪れる人と、求める情報をさっと書き出してみましたが、改めて見るとその複雑さに驚いた人も多いのではないでしょうか。このように、企業サイトに求められる情報は多岐にわたり、閲覧する人によってその傾向は大きく異なります。

こうした背景もあり、近年企業Webサイトのトレンドとなっているのが、訪問者別にサイトを作り分けるという動きです。
多岐にわたる情報を一つのサイトに詰め込んでしまうと、メニューや階層が増えすぎて、かえって分かりにくいサイトになってしまいます。製品のスペック情報を調べたくてサイトを訪れたのに、それがどこにあるのか分からないようでは、サイトからの離脱を招くどころか、販売機会の損失にもつながりかねません。

こうしたことが起こらないよう、訪問する人ごとにサイトを分けて制作し、必要な情報を絞って載せることでユーザーにとって分かりやすく、必要な情報にたどり着きやすいサイトを構築しているのです。

企業サイトの区分はさまざまですが、一般的には以下のように作り分けられていることが多いようです。

コーポレートサイト

 

企業情報を発信するためのサイト。株主や投資家、取引先などに対し、会社概要や事業内容、業績、財務状況などのIR情報を公開し、会社の信用を獲得することが主な目的となります。ターゲットから信頼を得ることを目的としているため、サイトデザインや文章、コピーなどは固めになる傾向にあります。

採用サイト

企業の採用活動のために解説されるサイト。業務内容や業績などの基本的な情報はもちろん、社内の雰囲気やどんな人が働いているか、どのように業務に取り組んでいるかなど、採用後の働き方をイメージできるようなコンテンツが求められます。特に近年は採用活動の重要性が見直されていることもあり、各社とも制作には力を入れていることが多いようです。

サービスサイト

企業が提供している製品やサービスの情報を伝えるためのサイト。一般消費者や顧客、企業の購買担当者などに向けて、自社製品のメリットや価格などの情報を提供します。また製品やサービスに関連するコンテンツを掲載したり、SNSやWeb広告からの流入先として使用したりすることも多く、潜在顧客とのタッチアップや新規顧客の獲得、ユーザーの育成といった役割も持っています。近年の企業サイトのトレンドであるブランディングサイトも、広義ではこのサービスサイトのひとつといえます。

イノーバでは、企業サイトにおいてサービスサイトを立ち上げる動きがなぜトレンドしているのか、そのメリットや役割について詳細に説明した資料をご用意しています。サービスサイトについて詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。

【徹底解剖】 BtoB企業におけるサービスサイトの仕組みやメリットとは? | innova

作り分けが企業サイトのトレンド、それぞれの役割は?

このように、ユーザーやステークホルダーに合わせて作り分けるのが近年の企業サイトのトレンドになっています。

具体的には、どのように制作すればいいのでしょうか。コーポレートサイト、採用サイト、サービスサイトそれぞれの事例をご紹介しましょう。

コーポレートサイト事例:日清食品ホールディングス株式会社

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【出典】日清食品ホールディングス株式会社

まずは日清食品ホールディングス株式会社のコーポレートサイトです。同社の主力商品でもあるインスタントラーメンの製造過程をコミック調で伝えるユニークなビジュアルで他社との差別化を図り、固い雰囲気になりがちなコーポレートサイトに親しみやすさを感じさせています。

モバイル端末などの各種デバイスなどへの対応やプレスリリースなど情報の検索性にも力を入れており、ユーザーの使いやすさにも配慮されています。

コーポレートサイト事例:株式会社資生堂

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【出典】株式会社資生堂

化粧品を主力商品とする資生堂らしく美しさにこだわり、企業イメージを想起させるようなコーポレートサイトになっています。トップページはメインビジュアルと上部のメニューのみというシンプルさ。メニューにカーソルを合わせると豊富なメニューがポップアップで表示され、必要な情報に少ないクリックでアクセスできるような作りになっています。

またコンテンツも、資生堂の技術を紹介する動画や美について語るイベント案内など独自の情報が充実しており、サイトを訪れた人に自社の取り組みを伝えようとする意欲が感じられます。

採用サイト事例:株式会社良品計画

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【出典】株式会社良品計画

日本国内はもちろん、世界中に店舗を展開する株式会社良品計画の採用サイト。無印良品らしいシンプルで美しいデザインをそのままサイトに落とし込んでいます。

メインビジュアルには採用希望者が最も目にする機会の多い、店舗で働く従業員の姿を据え、同社で働くことをイメージしやすい作りになっています。サイトをスクロールさせると、同社が現在取り組んでいる団地再生や商品開発に関するプロジェクトストーリが展開。また従業員の紹介ページが続くなど、採用希望者が求めるコンテンツをしっかりとまとめています。

採用サイト事例:アンファー株式会社

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【出典】アンファー株式会社

ヘルスケア関連商品を数多く手がけるアンファー株式会社の採用サイト。一般的に企業サイトはその企業のイメージを想起させる写真をメインイメージに据えることが多いのですが、同社はトップページをQ&Aカードで埋め尽くすという独創的なビジュアルです。

就職活動中の学生が感じる疑問を、かなり率直に答えているのでコンテンツとしても面白く、回答者も明記しているので信頼性も高まります。Q&Aカードの数も非常に多く、これを読むだけでも同社の雰囲気や考え方が垣間見えそうです。

サービスサイト事例:日本マクドナルド株式会社

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【出典】日本マクドナルド株式会社

ファーストフードでおなじみの日本マクドナルド株式会社のサービスサイト。新商品やキャンペーン情報をトップページのメインビジュアルとし、時間帯ごとのメニューを掲載するなど、ユーザーが求めているであろう情報をかなり絞り込んで掲載しているのが特徴的です。

スクロールしていくと職業体験やプレイランドなどの子供向け情報や品質保持へのこだわりなど、安心して利用できる情報提供に力を入れています。ユーザーが欲しいと思われる情報に優先度を付けて、かなり綿密なリサーチのもとにコンテンツを選んでいることがうかがえるサイトです。

サービスサイト事例:株式会社ブリヂストン

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【出典】株式会社ブリヂストン

ブリヂストンはタイヤメーカーとして有名ですが、実はそれ以外に自転車やスポーツ用品、化工品などさまざまな製品を取り扱っています。そのため、同社ではメインの商材となるタイヤのみを別のサービスサイトに分けて運営しています。

タイヤは季節や用途によって種類が分かれているだけでなく、車種によるサイズ展開も幅広く、ユーザーにとっては分かりにくい商品です。こうした商品に対して、タイヤに関する情報を提供をきめ細かに行い、最終的には全国の販売店への来店を促すことに重点を置いた構成になっているのが特徴です。

 イノーバ サービスサイト事例

国際航業株式会社様

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【出展】国際航業株式会社様 「エネがえる」サイト

国際航業株式会社は、航空写真測量のパイオニアとして1947年に創業しましたが、近年、安心で安全なまち「グリーン・コミュニティ」の実現を目指して複数の新規事業チームを立ち上げています。そのなかの一つであるデジタルエネルギーチームは太陽光・蓄電池経済効果診断サービス「エネがえる」をリリースしました。

2016年4月の電力自由化が始まったことにより、「エネがえる」のニーズは大きくなる一方で、当時は『エネがえる』と競合するサービスが無かったこともあり、市場がまだ十分に温まっていませんでした。そこでイノーバのCloud CMOスタートパックを利用してサービスサイトとして「エネがえる」特設サイトをリニューアルしました。

Cloud CMO導入以前は月1,2件ほどだけだったサイトからの問い合わせ件数は、多い時で週5,6件にまで急増しました。また、月間の問い合わせ件数はCloud CMOスタートパック導入前後の数値を比較すると、その差は10倍以上にもなります。

詳しくは導入事例 国際航業株式会社様をご覧ください。
 

 

 

ここまでさまざまな企業のサイトをご覧いただきましたが、コーポレートサイト、採用サイト、サービスサイトに込められるメッセージは大きく異なることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

これだけの多様なメッセージを一つのWebサイトに詰め込むのは現実的ではなく、ともすればターゲットに伝えたい情報がうまく伝わらないという事態にもなりかねません。サイトの種類やターゲットに合わせてサイトを作り分けることで、伝えたいメッセージをより的確に表現し、ユーザーにとっても役に立つ有益なサイトが構築できるのです。

コーポレートサイトに必要なコンテンツは?

主に株主や投資家、また取引先に向けて企業情報を発信する役割を担うコーポレートサイト。具体的には、どのようなコンテンツが求められるのでしょうか。代表的なものをまとめてみました。

1. 会社概要

コーポレートサイトを制作する上で必ず掲載しておきたい情報です。サイトを訪れるユーザーはこの会社概要を確認するために訪れるケースも少なくありません。会社名、代表者名、所在地(地図)、資本金、設立、事業概要、取引銀行、役員名などの情報を、分かりやすく表にまとめて掲載しておきましょう。

2. お知らせ(ニュースリリース)

新製品やサービスの情報、業績報告など企業からのお知らせも必ず用意しておきたいコンテンツです。コーポレートサイトは更新頻度が低くなりがちなので、最低限ここだけでも定期的に更新することをおすすめします。

3. お問い合わせフォーム

企業の連絡先は会社概要にも記載しますが、それとは別にサイトを訪れたユーザーからの意見や連絡を受け取る窓口を用意しておきます。企業ポリシーにもよりますが、電話とメール(フォーム)の両方を用意して、どのようなユーザーにも対応できるようにするのが基本です。問い合わせ数が多い企業では「製品・サービス」「採用」など問い合わせ内容ごとに窓口を分けるのもいいでしょう。

4. 個人情報保護方針

いわゆるプライバシーポリシーと呼ばれる項目です。お問い合わせフォームを設置する関係上、ユーザーに個人情報を入力してもらうことになるため、個人情報保護方針を明示する必要があります。

5. 製品・サービス紹介

製品・サービス内容をステークホルダーに向けて紹介します。コーポレートサイトでは情報量が多くなりすぎないよう、どのような事業を行っているかを紹介する程度に留め、詳細は説明はサービスサイトへ誘導するようにするといいでしょう。

6. 採用情報

採用希望者に向けて採用情報を掲載します。こちらも製品・サービス紹介と同様に基本的な情報を掲載するだけに留め、社員紹介や事業紹介など詳細なコンテンツは採用サイトへ誘導するようにするといいでしょう。

7. IR情報

上場企業であれば、株主、投資家に向けたIR情報も必ず掲載するべきコンテンツの一つです。投資家向けの代表メッセージ、業績・財務情報、決算短信などのIR資料、コーポレートガバナンスなど掲載情報は多岐に渡るため、あまり情報量が多い場合はIRサイトを別に用意するのも一つの方法です。

コーポレートサイトは企業サイトのハブの役割を担う

これまで説明してきたように、企業サイトにはさまざまな種類のものがあります。その中で、コーポレートサイトに求められるのはどのような役割なのでしょうか。

まず求められるのは株主や投資家、取引先などに対して企業情報を提供するという役割です。具体的には会社概要や事業内容、業績、財務状況などのIR情報がそれに該当します。
また、労働環境の改善や環境への取り組みなど、コンプライアンスやCSRに関わる活動を発信していくのも重要な役割の一つです。製品やサービスに直接関係しなくても、企業イメージを大きく左右する事柄であり、ひいては業績や商品の売上にも関わってくるでしょう。

このほか、サイトの機能面で言えばサービスサイトや採用サイトなどへの誘導も重要な役割の一つになると考えられます。これまで紹介したように、企業サイトは今後も複雑化、多様化していくことが考えられます。コーポレートサイトはその中心的な存在として、ユーザーを目的別サイトへ誘導するハブのような役割を担っていくでしょう。

複雑多様化する企業サイトの中で、その顔ともいえる役割を担うコーポレートサイト。企業のイメージを左右する重要なサイトであり、その重要性は今後ますます高まっていくといえるでしょう。