【講演レポート】 受注率を高める! BtoBマーケティング&セールスの“新3点セット”とは?

顧客管理/名刺管理

これまで、BtoB(法人ビジネス)のマーケティング&セールスにおける“3点セット”といえば「テレアポ・展示会・ドブ板営業」だった。しかし、現代のBtoB購買者の行動特性や、彼らが置かれた環境を考えれば、もはやこの“旧3点セット”では勝ち抜けない――。

2016年11月8日~9日に東京都内で開催されたデジタルマーケティングのイベント「Web担当者Forum ミーティング 2016 秋」(主催:インプレス Web担当者Forum)に、イノーバ代表取締役社長CEOの宗像 淳が登壇。これからのマーケティング&セールスに絶大な効果をもたらす“新3点セット”について語りました。本稿では、その講演内容をレポートします。 

3点セットとは? 求められる背景を理解しよう

今日お話するBtoBマーケティング&セールスの“新3点セット”とは、(1)コンテンツマーケティング、(2)マーケティングオートメーション、(3)インサイドセールスです。皆さまも最近よく耳にされているキーワードかもしれません。これらをうまく組み合わせれば、非常に大きな効果が得られます。

ただ、この3つはそもそも何なのか。どうやって使いこなしていくのか。日本では比較的最近に紹介された手法であり、まだ混乱もあるようです。本日はそこを整理し、使いこなしの要諦を解説します。

その本論に入る前に、”そもそもの、そもそも“について触れておきます。実は、日本の企業にはこれまであまりマーケティングの概念がありませんでした。かつての日本は景気が非常に良く、経済成長が続いており、市場は伸びるというのが当たり前だったんです。競合他社を見ながら良い商品をつくるということで、事業をやってこれました。

ただ、その結果、いまどうなっているか。日本の企業は営業利益がすごく低い。たとえば米国の企業だと、製造業なら営業利益が10%くらいなければ、もう営利企業としておかしいんじゃないかという話になります。ところが日本企業は営利益が2%や3%というのがザラです。にもかかわらず、低いどころか、むしろ悪くない水準だと見られたりする。

とんでもありません。冷静に見れば、これはすごく効率が悪い。高く売れていないか、売るために無駄なお金を使ってるか、あるいはその両方か。いずれにしても、営利企業としてあまり健全とは言えません。

日本全体がそうなんだから、別にいいじゃないか。もしかしたらそう考えるかもしれません。でも、そうは言っていられないんです。

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1985年と2015年における世界の経済規模と、その成長率に貢献している地域を分析した。経済規模はこの30年で10倍弱まで拡大している。ただ、1985年当時、世界の経済成長を引っ張っていた米国・欧州・日本は、2015年を見るとまったく成長していない。取って代わり、中国を含むアジアが成長のけん引役に躍り出た。(出典:INTERNET TRENDS 2016, Kleiner Perkins Caufield & Byers (KPCB)

この調査結果が示す通り、30年前と現在では、状況が違います。米国企業も欧州企業も、アジアに死に物狂いで参入してきています。そうしないと、成長できないからです。

日本の企業はどうでしょう。そろそろ海外に出ないとマズいねって言い始めたり、既に海外に進出している企業なら、もっと海外展開をうまくやろうと見直してる段階だと思います。ですが、海外の企業と競争するなら、残念ながらあまり時間はありません。アジアで戦える体制をすぐにでも作らなければ、今までモノ作りで培ってきた強みが活きない時代に、すぐに突入します。商品は良い。技術は良い。でも、売るところが弱いままだとマズい。あらためて、これを認識する必要があります。

コンテンツは“新3点セット”の基盤

では、「売る」ところをどうやって改善するのか。そこで重要な役割を果たすと私が考えるのが、本日の主題である”新3点セット“です。コンテンツマーケティング、マーケティングオートメーション、インサイドセールス。まず、これら3つについて順番に、「そもそも何なのか」を説明しましょう。

1つ目は、コンテンツマーケティングです。見込み客を、彼らに役に立つ情報を記事や動画などの形にまとめた“コンテンツ”によって集めて、コンテンツを消費してもらいながら自社の商品やサービスに対する興味を高めてもらい、買ってもらえる状態までもっていく手法です。

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実は、コンテンツは、2つ目にお伝えするマーケティングオートメーションでもカギになります。今はマーケティングオートメーションのツールがすごく注目されていて、導入する企業も増えていますが、実はツールを導入しただけでは問題は何も解決しません。導入して気づくのは、「あれ、配信するコンテンツが無いぞ」なんです。去年から今年にかけて、「高価なツールを導入したんだが、コンテンツが無いので困っている」というお客さまの相談を当社で受けています。そうした企業に共通するのは、高価なツールを単に一斉配信メールの手段としてしか使えていないという実情です。

閑話休題です。コンテンツマーケティングでどういう成果が得られるのでしょうか。当社(イノーバ)が自社で実践している結果を公開しましょう。だいたい月間に5万人くらいが当社のコンテンツにWebでアクセスしていて、そこから当社の製品・サービス資料や、ホワイトペーパー、eBookなどのダウンロードが月間1000件ほど発生します。このダウンロードの際に、個人情報を入力していただいています。 

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“旧3点セット“の1つ、展示会では、1回の出展で名刺を500枚といった規模で集めると思います。当社のコンテンツは、毎月それに匹敵する見込み顧客の情報を、自動的にもたらしてくれるのです。

しかも、このように個人情報を取得した見込み客を、そのまま右から左で営業部門に渡すわけではありません。コンテンツを使って見込み客を“育てる”活動をします。そこでは、見込み客に段階的に自社に興味を持ってもらうためのコンテンツ設計が肝要です。

イノーバの実例で説明すると、コンテンツ接触者にとって一番ハードルが低い入り口は、メールマガジンの登録です。メールアドレスだけ入れてください、という形でメルマガ読者になってもらいます。次がコンテンツマーケティングの入門eBookです。コンテンツマーケティングに興味が出始めた段階の方から、もっと詳しい個人情報を提供してもらいます。そして、コンテンツマーケティングを実践したいという方には、事例集や実践ガイドのようなeBookに触れていただき、最後は、セミナーに参加して資料請求や個別相談会、問い合わせに結実します。 

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コンテンツマーケティングについて、さらに詳しく解説した記事はこちら

商談創出のコスト効率を高めるマーケティングオートメーション

“新3点セット”の2つ目はマーケティングオートメーションです。これは、大きく3つの要素からなります。

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第1に、見込み客の創出(リードジェネレーション)。簡単に言ってしまえば、リスト作りです。リスト獲得の手法は、それこそ展示会への出展から、広告や、検索エンジン対策(SEO)などさまざまです。マーケティングオートメーションは、それらリストの獲得経路ごとに、リード(見込み客情報)を管理することができます。

第2に、見込み客の育成(リードナーチャリング)です。これは、実はすでに説明したコンテンツマーケティングの手法そのものです。コンテンツを使ってお客さんの検討の段階をどんどん進めていきます。そのプロセスの実行を自動化するのがマーケティングオートメーションの機能です。

見込み客の中で、皆さんの会社に興味が出ているけども、まだそれが一番だと思ってない人に、一番だと理解してもらう。購入したいと思ってるけども、上司を説得できないなと考えている方に、上司を説得する方法を教える。これが、リードナーチャリングです。

マーケティングオートメーションのツールを使えば、あらかじめ設定した筋書きにそって、見込み客一人ひとりの段階に応じて自動的にメールを送り、段階に応じたコンテンツを見てもらうようにすることで、見込み客が成約に向かって勝手に育っていくような状態になるので、それを指して「マーケティングオートメーション」と呼んでいます。

マーケティングオートメーションの第3の要素は、見込み客の点数付け(リードクオリフィケーション)です。集めて、育成している数多くの見込み客の中で、成約につながる可能性が高い集団はどれか。それを見極めてアプローチしなければ、無駄足ばかりで営業の効率を高められません。その見極めを自動化するのが、リードクオリフィケーションです。

これら3つの要素によって、マーケティングオートメーションがもたらす効果は、商談件数の増加と、その商談を作り出すのにかかるコストの低減です。米国のレポートでは、営業部門に渡す商談の件数が1.5倍に増え、それらの商談を作るコストが1/3に減るという数字が出ています。 

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出典:Forrester Research
http://hy.ly/blog/marketing-automation-for-multifamily-getting-started/ 

これは本当にもったいないんですが、日本の会社で本当によくある話なんです。リストの件数はたくさん持っているけれど、テレアポだったり、半年に1回のセミナー案内ぐらいしかしておらず、ほったらかし状態。久しぶりにメールを送ったところで、久しぶりに電話をしたところで、リストに入っている見込み客が反応するわけはありません。

でも、見込み客の段階に応じた興味に合わせて、役に立つコンテンツを定期的に送っていたり、次に説明する「インサイドセールス」から定期的なコミュニケーションを重ねていれば、見込み客にとって皆さまの会社の信頼度が段違いに高くなります。

手持ちのリストに対して一斉配信のメルマガを送るのではなく、特定の条件でリストを分類(セグメンテーション)して、その「特定の彼ら」に向けて用意したメールを送るだけで、開封率やクリック率が10倍になることが、ごく当たり前に発生します。そこからの商談化も、一斉配信しかしていない場合に比べて5倍、10倍に高まるというのが現実に起きるんです。

リストが単なる名前やメールアドレスの羅列にしか見えてなかったのが、実は商談の宝の山だった――そう視界がひらける。これが、マーケティングオートメーションの重要なところです。

マーケティングオートメーションについて、機能や導入のメリットなど詳説した記事はこちら

売り込まない電話営業――それがインサイドセールス

次に、“新3点セット”の3つ目、インサイドセールスについて説明しましょう。外来のカタカナ言葉で、日本語で表現すれば、「内勤の電話営業」になります。その本質を捉えつつ、もっと分かりやすく言えば、「売り込まない電話営業」です。

売り込まない電話営業とは、どういうことでしょうか。インサイドセールスが担う役割は大きく3つ。1つ目は、見込み客と会話ができる関係性を作ること。2つ目は、自社の商材を提案するに当たって、会話する相手がその組織におけるキーマンかどうか確認すること。3つ目は、いわゆるBANT条件、すなわち予算や導入時期、ニーズの有無などを確認することです。“売り込み”ではありません。

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電話営業というと、多くの方はテレアポを思い浮かべるかと思います。ちょっと乱暴な言い方になりますが、テレアポは何かしらのリストにとにかく上から順に電話していって、「こういう商品があるんですが、興味ありますか?」「無いです」。「興味ありますか?」「無いです」。これを、それこそ1000件やって、10件でもアポイントがとれたらラッキーというアプローチでした。

仮にアポイントがとれても、もともと興味があまり無い状態の見込み客ですから、受注率も1~2割に満たない水準にとどまっていたと思います。

インサイドセールスは、その真逆なんです。たとえば、当社では、見込み客の方が製品やサービスの資料をダウンロードした時に、5分以内に電話することを目標にしています。なぜ5分か。5分以内なら、まだ席に座っているんです。それで、お客さまに「ダウンロードありがとうございます」とお礼を述べて、「ダウンロードしてくださった背景は何ですか」と尋ねれば、お客さんの情報が分かります。

これは本当に面白いんですが、会話して距離が縮まると、お客さまがいろいろ教えてくれるようになります。「今、御社はどちらの会社の製品を使われてるんですか」と聞くと、教えてくれます。「何か不満や課題はありますか」と尋ねると、また教えてくれます。「その製品の置き換え検討時期はいつですか」と言うと、やはり教えてくれるんです。

このインサイドセールスの効果を考えてみてください。外勤の営業担当者はどれだけがんばっても、1日に数件しか客先訪問ができません。担当者はどうしても自分の回りやすいところに出かけるので、本当は見込みがあって成約のチャンスがあるはずなのに会っていない見込み客が、実はたくさんいます。

ところがインサイドセールスなら、1日に30~50件の見込み客と会話ができる。乱暴な計算ですが、生産性は外勤営業の10倍くらいを叩き出せます。もちろん、1件あたり短ければ数分、電話で会話するインサイドセールスと、対面で会って話す外勤営業の重みは違います。ただ、会いに行っても、相手がまったく興味を持っていないのに、とにかくアポをとって、とにかく毎月1回1時間会うといった営業活動は、生産的ではありません。興味が高まってるお客さまにだけ外勤の営業担当が会うという仕組みを作れば、受注の効率は飛躍的に高まります。

従来の営業活動とは一線を画す新しい営業の形であるインサイドセールスについて詳しく紹介する記事はこちら

3点セットの組み合わせ方

ここまで、新3点セットの構成要素それぞれについて説明してきました。コンテンツは見込み客の検討段階を進めて買ってもらうためのシナリオ作りであり、マーケティングオートメーションはそれを支援し、リストの絞り込みを自動化するツールです。さらに、その出力を営業部門に橋渡しするのがインサイドセールスだというイメージで捉えてください。

それでは、これら3つを、どう組み合わせて、どう着手・導入していけばよいのでしょうか? 繰り返しになりますが、ツールを先に導入してしまうと、コンテンツが無くて一斉配信メールを送ることになります。これは非常にもったいない。先にコンテンツを作るか、ツール導入と同時並行でコンテンツも一緒に用意するか、いずれかの手を打たなければツールへの投資が活かせません。

これは、いわば車の両輪です。マーケティングオートメーションとコンテンツマーケティングは両輪なので、両方そろえば大きな効果が出ます。インサイドセールスは、マーケティング部門と営業部門の橋渡し役になるので、取り組み段階としては上級になります。ただ、やはり営業部門も含めて効率化を図っていくのであれば、手を抜かずに注力すべきパーツの1つです。

  1. まずコンテンツマーケティングをしっかり実践し、個々のリードの付加情報を厚くする
  2. そうして付加した情報を元に、マーケティングオートメーションによってリードを分類する
  3. その上でインサイドセールスが、分類されたリードのかたまりごとに異なる関係構築の活動を展開し、育成した上でフィールド営業にリードを渡す

図を使って説明します(下図)。見込み度合いの高い順番にリードをA、B、Cというかたまりに分類し、このピラミッド全体を大きく育てていくのがコンテンツマーケティングであり、マーケティングオートメーションであり、インサイドセールスの活動です。ここでのポイントは、「1.顧客の分類・育成」と「2.営業プロセスの分業」です。

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Webで問い合わせを増やすサービスをパッケージ化して提供

最後に、イノーバが提供する新たなサービスについて紹介させてください。これまでも当社は、マーケティングオートメーション・ツールとコンテンツ制作サービスの両方をワンストップで提供しており、それが大きな特長でした。今般、その価値をさらに強化すべく、その2つをパッケージ化したサービス「オウンドメディア オールインワン・パック」を投入しました。

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マーケティングオートメーション・ツールについて説明しますと、一般に2つの種類があり、皆さま選定に悩まれています。実は、判断基準はシンプルです。もしリストをたくさん持っていて、主にそのリストから見込み客を育成するのに使いたいのであれば、メール配信機能を中核に据えたツールを選べばよいのです。展示会などで名刺を数多く集めるスタイルであれば、そのタイプがおすすめです。

そうではなく、展示会にはそれほど出展せず、どちらかと言えばWebを使って見込客を集めてリストを獲得したいという場合は、それに対応できるツールを選ぶ必要があります。当社のマーケティングオートメーション・ツール「Cloud CMO」は、このタイプに該当します。

Cloud CMOの特長は3つ。第1に、Webサイトに人を集める仕掛け。オウンドメディアを簡単に開設し、集客をかけることが可能です。記事ページを手早く制作・公開でき、検索結果での上位表示やSNSからの流入が期待できます。オールインワン・パックなら、イノーバが独自のノウハウでSEO効果の高い記事コンテンツを制作し、供給します。

第2に、来訪した方にメールアドレスなどの連絡先を提供してもらえるような機能です。ここにもイノーバのノウハウを惜しみなくつぎ込んでいます。なんとなくサイトを作っても、来訪者のメールアドレスを取得できる割合は絶対にあがりません。Cloud CMOは、それを踏まえたサイト構築が可能です。さらに、オールインワン・パックなら、皆さまが獲得したい見込み客の属性に合わせた記事コンテンツも、イノーバが提供します。

第3に、そうして獲得した見込み客を顧客化・リピーター化を図れる仕組みです。見込み客にメールを送って情報提供する機能自体は、マーケティングオートメーション・ツールならいずれの製品でも備えています。ただ、高額なツールであれば、より高度な仕組みが用意されていますが、「使いこなせば効果は大きい。ただ、複雑であり、簡単ではない」ということは事前に認識しておく必要があります。Cloud CMOは月額8万円と安価に使える上に、コンテンツごとの効果を分析する機能を備えているところに独自性があります。

オールインワン・パックなら、このツールとコンテンツ供給をまとめて月額相当で10万円台から提供しております。当社のビジョンは、「国境も、常識も超える“マーケティング&セールス”をつくり続ける」こと。今回の新サービスはまさにこのビジョンに沿ったものです。Webマーケティングを、集客にとどまらず、問い合わせや売上を増やす効果的な手段へと進化させる。これを提供することで、皆さまのビジネスに貢献いたします。

オウンドメディア オールインワン・パック」について、さらに詳しくは下記より資料をご覧ください。