メルマガ(メールマガジン)は、顧客に対してメールを使ってアプローチを行うマーケティング手法で、自社商品・サービスをアピールしつつサイトへの誘導などを行うことができます。
そんなメルマガの効果を測定する際に重要な指標となるのが「開封率」で、この数値を参考に効果の最大化を目指すことがポイントです。
メルマガを使って顧客へのアプローチを行うのなら、開封率を正確にチェックし、改善を図る施策を考案していくことが求められるでしょう。
そこでこちらでは、メルマガの開封率についての基本と、効果を高めるためのポイントを解説します。
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メルマガの開封率とは?
メルマガの開封率とは、「送信したメールをどれくらいのユーザーが実際に開封して見ているのか」を測定する指標です。
メルマガの開封率を可視化して比較・検証することで、自社の顧客に求められているメルマガの構成や内容を確認することができます。
一般的にメルマガの開封率は、各種ツールを使って「メール内の画像が表示されたこと」を確認して計測されるのが特徴です。
そのため画像を設定できるHTML形式のメルマガであることが開封率を測定できる条件となり、テキストのみのメールでは確認ができません。
メルマガ開封率の計算方法
メルマガの開封率は、以下の計算式で確認できます。
「(メールの開封数 ÷ 配信できた数)×100(%)」
例えば10,000通のメールを配信して、そのうち3,000通開封されれば、メルマガの開封率は30%です。
ポイントは、あくまでメルマガがきちんと顧客に届いた数を計算する点です。
メールアドレスの間違いなどで配信できなかったものは、計算式に含まないで開封率を求めます。
メルマガの開封率の平均はどれくらい?
メルマガの平均開封率は、アメリカのメール配信ツール「Mailchimp」によると、21.33%となっています。
配信に成功したメルマガのうち、約2割が実際に開封されている計算になっているのです。
メルマガ開封率は業界によっても異なりますが、だいたい15~25%程度が平均開封率となっています。
メルマガによるマーケティングを実施する際には、平均開封率を把握した上で、それを上回るための施策を考案することがポイントです。
メルマガの開封率を確かめる方法は?
メルマガの開封率を確かめるには、以下のような方法があります。
それぞれの方法を確認し、実際に自社のメルマガ開封率を計算してみましょう。
Google Analyticsなどの解析ツールを使用する
メルマガの開封率を確認するには、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを使うことがひとつの方法です。
Google Analyticsのアカウントを作成し、「Measurement Protocol」と呼ばれるツールを使用すれば、簡単にメルマガ開封率を計測できます。
Measurement Protocolを使うには、「Google Hit Builder」で必要な項目を入力し、専用のURLを生成します。
生成したURLをメルマガのHTMLに埋め込むことで、開封率をGoogle Analyticsで測定できるようになるのです。
メルマガの開封率は、Google Analyticsの「行動」→「イベント」→「ページ」から「合計イベント数」を確認することで把握できます。
メール配信システムで計測する
メルマガ開封率は、専用のメール配信システムを使うことでも計測できます。
メルマガ配信のために専用システムを用いている場合には、基本的にサービス内から開封率をチェックできるページが設置されています。
開封率以外にも、メール内のURLクリック率や誰がメールを開いたのかといった詳細まで確認できるのがメール配信システムの特徴です。
メール配信システムを使用するのに専門知識は必要ないので、メルマガに関するデータを簡単に確認できるのがメリットになるでしょう。
マーケティングオートメーションで計測する
マーケティングオートメーションツール(MAツール)を使うことでも、メルマガの開封率を確認できます。
マーケティングオートメーションツールには顧客のこれまでの行動履歴を保存することができるため、メルマガの開封率もデータの一部として扱うことが可能です。
マーケティングオートメーションツールはメール配信システムと違い、開封率やURLクリック率などメールに関するデータ以外にも、マーケティングに関する様々なデータを管理することができます。
例えば自社コンテンツへの訪問状況、性別、職業、年齢、現在の趣味など、個々の顧客が持つあらゆるデータをまとめて管理可能です。
各種データを活用して顧客をリードし、コンバージョンにつながる可能性を高めることができます。
そのほか、顧客の行動を数値化して、個別にスコアリングすることで自社にどれくらい興味を持つ顧客なのかを客観的に把握することも可能です。
CRMやSFAなど別ツールとの連携も可能なので、社内全体で収集したデータを有効活用できます。
メルマガだけでなくマーケティング全般の支援につながるのが、マーケティングオートメーションツールのメリットです。
メルマガ配信でみるべきKPI
メルマガを配信する際には、開封率以外にもみるべき指標がいくつかあります。
メルマガ配信後の効果をより正確に検証・分析するためにも、以下を参考に開封率以外のKPIをチェックしてみましょう。
送信成功率(到達率)
メルマガの配信時には、送信成功率(到達率)をKPIとして設定します。
メールアドレスが間違っていたり、既に使用されていないアドレスに配信したりすると、送信成功率が下がって無駄なリソースを割くことになってしまいます。
定期的に送信成功率を確認し、メルマガ配信先のリストを更新することがポイントです。
クリック率
メルマガの配信時には、クリック率も重要なKPIとなります。
クリック率とは配信したメールを開封した後、記載されているURLをクリックしたかどうかで計測されます。
メルマガの配信は開封してもらうだけでなく、そこから自社商品やサービスに興味を持ってもらうことが重要です。
クリック率を計測して、メルマガの記載内容が顧客の興味を引けているのかを判断し、必要に応じて改善を行っていきましょう。
コンバージョン率
メルマガ配信の最終的な目的となるコンバージョンの割合も、確認すべきKPIとなっています。
コンバージョン率とは、メルマガを配信する際に設定した目標を、どれだけ達成できているのかを確認する指標です。
コンバージョンは商品・サービスの販促を目的とする際には実際の契約数など、セミナーへの参加を目的とするなら応募フォームへの入力数などを参考にします。
まずは何のためにメルマガを配信し、どのような目標をコンバージョンとして達成するべきなのかを設定しましょう。
メルマガの開封率を高めるポイント
メルマガの開封率は、いくつかのポイントを参考に向上を促すことができます。
以下からは、メルマガ開封率が影響を受ける要素別に、開封率を高めるポイントを解説します。
件名
懸命に記載する文章を工夫することは、メルマガの開封率向上につながります。
件名はユーザーにメールの内容やメリットを一眼で伝えられる便利な項目になるため、以下のような工夫を加えることが考えられます。
①緊急性や希少性で特別感を演出する
メルマガの件名に緊急性や希少性を付与して特別感を演出することで、開封率アップを狙えます。
例えば「このメールをみた人限定!」「〇〇日までの特別割引開催中」など、期間や人を限定した内容であることを伝えるのがポイントです。
②具体的な言葉でメールの中身に興味を持ってもらう
メルマガの件名には、なるべく具体的な言葉や数値を使って顧客の興味を引くことも重要です。
「〇〇に関するお得な情報を紹介」ではなく、「〇〇に関するお得な5つの情報を紹介」にすることで、メールの内容をより具体的に伝えられます。
件名でメールの内容をなるべく明確にして、開封率の向上につなげていきましょう。
プリヘッダー
メルマガ開封率は、プリヘッダーの内容によっても左右されます。
プリヘッダーとは、受信したメールをプレビューした際に表示される冒頭部分のことです。
このプリヘッダーに以下のような要素をプラスして顧客の興味を引くことが、メルマガ開封率の向上につながります。
①冒頭で重要なポイントを伝える
プリヘッダーはメルマガの冒頭部分しか紹介されないため、内容の作成時点で冒頭に重要なポイントを持ってくることを意識します。
プリヘッダーに表示される文字数は数文字~数十文字程度なので、いかに簡潔に文章を組み立てて分かりやすく伝えるかが重要です。
例えば「〇〇をご検討中の方」や「〇〇が今だけお得」といった顧客へのアピールを、プリヘッダーに表示されるように調整してみましょう。
②件名では伝えきれなかったことを記載して補足する
プリヘッダーには、件名で伝えきれなかった情報を記載してメルマガの内容を補足することもひとつの手法です。
件名で「〇〇の人限定」と記載して、プリヘッダーで「〇〇の人に割引情報をお伝えします」といった形を取ることで、メルマガを開封するメリットを伝えやすくなります。
プリヘッダーと件名を上手く組み合わせることも、メルマガ開封率の向上につながるでしょう。
差出人
メルマガの差出人の項目に最適な情報を記載することも、開封率アップに貢献します。
配信先が「BtoB」か「BtoC」で差出人項目の記載内容は変わるため、顧客に合わせて適宜変更していくのがポイントです。
①BtoCの場合
BtoCの場合には、会社名や商品・サービス名を差出人欄に記載するのが一般的です。
怪しいメールやスパムでないことを伝えられるように、顧客が認知できている情報を記載するのがポイントです。
②BtoBの場合
BtoBで配信するメルマガの場合、会社名や商品・サービス名に加えて、担当者の名前を差出人欄に記載するのが有効です。
なぜならBtoBの場合、会社名や商品名・サービス名だけでは事務的な印象を与えてしまい、顧客に親近感を覚えてもらいづらくなります。
そこで担当者の名前を導入して、個別に対応しているという印象を残し、興味を持ってもらえるきっかけを作るのがポイントです。
担当者の名前を覚えてもらえればその後のマーケティングがやりやすくなるので、BtoBの場合には担当者の名前を記載してみましょう。
配信日時
メルマガを配信する日時も、開封率に影響する重要な要素です。
顧客がメルマガをみやすいタイミングを狙って配信することで、開封する機会を自然に作り出すことができます。
こちらも「BtoB」か「BtoC」かで最適とされる配信日時が変わるので、それぞれチェックしてみましょう。
①BtoCにおける最適な配信日時
BtoCに関しては顧客の属性によって変わりますが、基本的には金曜の夜から週末が最適とされることが多いです。
仕事が休みのタイミングでメルマガを配信することで、余裕を持って内容を検討してもらえるでしょう。
そのほか、自社サイトがもっとも閲覧されているタイミングを参考にして、メルマガの配信を行うこともひとつの方法です。
②BtoBにおける最適な配信日時
BtoBの場合には「平日の日中」が配信タイミングとしては最適で、特に火曜日の開封率が高くなっています。
配信の時間帯は通勤・出勤後「朝8時~9時前後」、昼休みに近い「昼11時~12時前後」、終業前の「夕方16時~17事前後」あたりが狙い目です。
配信方法
メルマガの開封率アップには、配信方法にも工夫を加えることがポイントです。
以下の3つの方法を参考に、より開封率が高まりやすい配信方法をチェックしてみましょう。
①A/Bテストで効果を検証する
メルマガの開封率アップを目指すには、「A/Bテスト」で効果を比較・検証することが重要です。
A/Bテストとは、いくつかのパターン別にメルマガや広告などを配信し、結果を比較してより効果の高いものを見極める方法です。
メルマガ配信では、例えば件名を複数活用したり、配信時間をずらしたりして、もっとも効果の出るパターンを解析します。
A/Bテストは全ての顧客に行う必要はなく、セグメントごとに少数のユーザーに絞って配信し、その結果を全体に反映させる形で問題ありません。
②セグメントメールを活用する
「セグメントメール」を活用することも、メルマガ開封率を高める結果につながります。
セグメントメールとは、メルマガの配信リストから特定の属性を持った顧客をピックアップして、その枠内だけにメルマガを配信する方法です。
より自社に興味のある顧客や、おすすめする商品・サービスのターゲットとなる顧客にあらかじめ配信先を絞り込むことで、開封率をアップさせられます。
③One to Oneメールを活用する
メルマガ開封率を高めるには、「One to Oneメール」を活用することもひとつの施策です。
One to Oneメールとは、個人の属性、行動、ニーズなどに合わせてひとつずつ作成するメールを指します。
例えば件名に顧客の名前を記載したり、特定の地域に住む人に向けて配信したりするのが、One to Oneメールの基本です。
個人に宛てられたメールとなるため、メルマガにありがちな機械的な印象を薄くなり、最後まで読んでもらえる可能性が高くなります。
メルマガ開封率を向上させてコンバージョンにつなげる
メルマガは有効なマーケティング手段のひとつですが、どれだけ内容を工夫しても、顧客に開封してもらわなければ成果につなげることができません。
この機会にメルマガ開封率の計測方法や、向上させるポイントを確認し、コンバージョンにつなげる準備をしてみましょう。
メルマガを有効利用するには、MAツールやメールシステムを利用することがおすすめです。
これからメルマガ配信をはじめる場合には、各種ツールをチェックして自社の環境に合ったものを導入してみてはいかがでしょうか。
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