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イノーバマーケティングチーム2024/03/08 8:25:341 min read

CVRの改善に効果的!ABテストの実施手順や対象項目をまとめました

Webマーケティングにおいて集客や売り上げの向上を目指すためには、定期的にサイトの改善を行うことが重要です。わかりやすく見やすいページを作ったつもりでも、実際にサイトを使うユーザーから見ればいまいち使い勝手が悪いと感じてしまうケースは少なくありません。

こうした場合に、サイト改善の効果的な方法としてよく使われているのがABテスト(A/Bテスト)です。言葉から、なんとなくAパターンとBパターンを比較する方法ということは想像できると思いますが、具体的に何を比較するのか、どのような場面で効果的な方法なのかしっかりと理解できているでしょうか。この記事では、ABテストを行う目的やテスト対象にするべき項目、効果的な取り組み方など、ABテストを実施する前に知っておきたいことをまとめました。

そもそもABテストとは何か

ABテストとは、ページの一部分だけを変えたテストパターンを用意し、どちらがより効果的かを検証するためのテストです。具体的にはメインビジュアルやバナー、CTAボタンのコピーなどに対して行われ、A、B、Cパターンのように同時に3パターン以上を検証することもあります。

カンプやデザイン案の形で確認するのではなく、検証部分だけを変えたサイトを実際に公開し、ユーザーを同数ずつ誘導してよりCVRやCTRに寄与するパターンを見つけ出すことができるのが大きな特徴です。

ABテストはコーポレートサイトやECサイト、キャンペーンサイトなどどのような種類のサイトに対しても有効ですが、有効性が数字に表されるため、特にWebマーケティングとの相性がよく、Googleアナリティクスなどのアクセス解析と組み合わせることでより大きな効果が得られる手法です。また、Webサイトだけでなくサイト以外の広告やメール施策の検証的にも用いられることがあります。

ABテストはなぜ効果的なのか

ABテストが効果的とされるのは、実際にテストパターンを公開し、どちらがより効果的にコンバージョンにつながるかを数値的に検証できる点にあります。

Webサイトを運営していると、バナーやCTAボタンのデザイン、コピーなどでどちらがいいかを判断しなければいけない場面は多々あります。しかし、似たようなデザインやコピーに対してどちらがいいかを的確に判断するのは、たとえ経験があっても簡単なことではありません。例えばCTAボタンのコピーとして「無料で資料請求」と「もっと詳しく知りたい」のどちらが効果的かは、サイトのつくりや商材、ターゲットのリテラシー、心理状況など複合的な要因に左右されるものです。

こうした場合でも、CTAボタンのコピーだけを変えた2パターンのサイトを用意し、実際に公開してみれば、どちらがよりコンバージョンを集められるか一目瞭然です。 担当者はこうしたい、上司はこうしたいといった社内の個々人の意見に惑わされることなく、あくまで結果を軸に議論が進められるため、より効果的なサイトの構築に役立ちます。

またサイトの一部分だけを変えて公開するため、わずかなコストで実施できるのも大きなメリットといえます。大きな費用をかけずに、効果的にCVRやCTRの向上を見込めること。それがABテストが効果的だと言われる大きな理由なのです。

ABテストはどんな場面で使える?

ABテストは実際に、どのような検証に使える手法なのでしょうか。検証すべき対象と項目をまとめてみました。

ABテストに取り組むと効果の高い対象の具体例

1. トップページ

一般的にトップページはサイト中で最も多くのセッションを獲得できるページのため、それだけABテストを行う効果も高くなります。トップページには多くの要素がありますが、ユーザーの離脱が多い場合はメインビジュアルやメインコピー、メニューの位置など、またコンバージョンが少ない場合はアクションボタンなど、課題に合わせてテストを行うといいでしょう。

2. ランディングページ

トップページと同様、ランディングページもユーザーが最初にアクセスすることが多く、他に比べて多くのセッションを獲得できるページです。資料請求や会員登録などコンバージョンに直結しやすいページのため、CTAボタンなどユーザーのアクションにつながる要素を中心に、テストを実施するといいでしょう。

3. メールマガジン

ABテストはWebサイト内のページだけでなく、メルマガに対しても有効な手法です。件名やテンプレートのほか、文字量やボタンデザインなど、メール内の一部を変えたものを同数のユーザーに送付し、どちらがより反応を得られるか検証してみましょう。

4. 広告

リスティング広告やバナー広告などのWeb広告に対してABテストを実施するケースもあります。この場合もトップページやランディングページと同じように、コピーの一部(バナーの場合はビジュアルの一部も)を変えて、どちらがより効果的かを検証するといいでしょう。

ABテストの対象となる項目の具体例

ABテストの対象となる項目には、次のようなものがあります。いずれの場合も、正しく検証するために1項目だけを変えたものを用意してテストするようにしましょう。

  • 文言:キャッチコピーや言い回しなど
  • デザイン:CTAボタンの形、ページの色など
  • 要素の配置:バナーの設置個所、リンクの設置個所など
  • 要素の有無:写真の挿入の有無、フォーム項目の数など

ABテストを行う手順

1. 目的を決める

ABテストはデザインやコピーの良し悪しを決めるためのテストではなく、CVRを改善するためのテストです。そのため、事前にサイトが抱えている課題や改善したいポイントを洗い出し、どのようなコンバージョンを獲得したいのかを明確にした上でテストを実施する必要があります。

目的がトップページからの遷移率を向上させたい場合と、サイトの離脱を防止したい場合とでは、当然ながら改善するべきポイントは異なります。マーケティング戦略上、サイトの何を改善したいのかを明らかにした上で取り組むことで、より効果的なABテストが実施できるでしょう。

2. 仮説を組み、テストする変数を決める

ABテストを行う目的が明確になったら、次はサイトの何を変えるべきか仮説を立て、テストするべき変数を決めます。最初はいろいろな項目を変えて見たくなりますが、あまりテスト項目が多すぎると準備も大変になり非効率です。「ユーザーはきっとこちらのコピーのほうがボタンを押したくなるはずだ」などのように仮説を立て、テストする項目を決めます。

この際に重要なのは、変数を1つに絞ることです。例えばCTAボタンの色とコピーを変えたものを2パターン用意しても、実際には色が良かったのかコピーが良かったのかを切り分けることができません。変数はできるだけわかりやすいものを、1つだけに絞ったほうが効果的にテストできます。(※例外として、複合的にいくつかの要素をテストした方が効果的なこともあります)

3. テストユーザーを同条件で分ける

ABテストを正確に実施するためには、テストユーザーの条件を同じにすることが重要です。例えば、初めてサイトを訪れるユーザーと、すでにリピーターとなっているユーザーとでは、サイトから受ける印象は大きく異なります。同様に、オーガニック検索からの流入したユーザーと、ブログやSNSなどから流入したユーザーでは嗜好が異なることも予想されます。ABテストはすべてのユーザーを対象にして行うのではなく、セグメントごとに特定のグループに向けて実施したほうが、正確なデータが取れるケースが多いとされています。

4. ABテストツールを使い、設定する

ABテストは手動で計算することも可能ですが、「Googleオプティマイズ」や「Googleアナリティクス」のABテスト(ウェブテスト)機能を使うことでより手軽に実施できます。これらのツールはいずれもGoogleから無償で提供されていますが、テスト対象となるユーザーの選択ができるなど、一般的なABテストには十分な機能を備えています。

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5. 2つのパターンは同時に同期間テストする

ABテストは2つのパターンを同時に、同期間テストする必要があります。例えば休日と平日ではユーザーの動きは異なります。また同様に、祝日やイベントが近い場合や、季節が異なる場合もユーザーの行動は変わると考えられます(特に季節の変わり目など)。わずかな期間の違いでも結果に大きく影響することがあるため、テストを実施する日数や期間はしっかり揃えるようにしましょう。

ABテスト実施時の重要なポイント

ABテストの目的はしっかりと絞る

より効果の高いサイトを求めて、ページ内のあらゆる要素をテストしたいと考える人もいるかもしれませんが、実施にかかる手間や期間を考えると非現実的です。現在進行しているWeb戦略において改善するべきポイントを明確にし、優先度の高いポイント、もしくは最も効果の出そうなポイントに注力してテストを実施することをおすすめします。

もし、どのページからテストを実施すればいいか迷うことがあれば、トップページもしくはランディングページから始めてみるといいでしょう。この2つのページはPV数も多く、ユーザーの目に触れる機会が多いため、それだけABテストの効果も高いとされています。

テストにはしっかりと時間をかける

ABテストの実施期間に明確なルールはありません。ただ、あまり短いと正確な傾向がつかめず、結果に違いが出にくくなります。適切な期間はテストする項目にもよりますが、少なくとも数日、できれば数週間程度をかけてテストするのが望ましいでしょう。

仮説を立ててからテストを実施する

前段でABテスト実施前に仮説を立てるとお話ししましたが、できればこの仮説は個人のカンではなく、Googleアナリティクスやヒートマップツールなどを使ってユーザー行動を分析したものに基づいていることが望ましいです。競合サイトも参考にしながら、コピーやデザインに必要な要素を洗い出し、それをもとに仮説を立てるようにしましょう。

確実にCVRを改善できる、費用対効果が高い施策

ABテストは、テストパターンを作るという手間はかかるものの、低コストで実施でき確実にCVRを改善できる、非常に費用対効果が高い施策です。特にサイトの課題が明確になっている場合は、ABテストでユーザーの反応を確かめてみることをおすすめします。

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