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イノーバマーケティングチーム2024/02/05 10:20:081 min read

BtoB営業の特徴と手法、成功させるためのポイントとは?

BtoB営業というと顧客を訪問して商談を行うイメージがあるものの最近はそれだけではなく、さまざまな手法が使われています。とくにここ数年はインターネットが普及し、コロナ禍以降は顧客への訪問が減ったため、大きな変化が現れているのです。

BtoB営業はBtoC営業とは異なる特徴があるため、手法やポイントもBtoC営業とは変わってくるもの。この記事では、BtoB営業とBtoC営業との違い、そしてBtoB営業の手法と成功のポイントを説明します。

BtoB営業とBtoC営業との違い

BtoB(Business to Business)営業とは、法人相手の営業活動のこと。逆に、BtoC(Business to Consumer、またはBusiness to Customer)営業とは個人、一般消費者向けの営業活動を差します。BtoB営業とBtoC営業には次のような違いがあります。

BtoB 営業は規模が大きいものが多い

顧客は法人なので案件の数は少なく、1つの案件ごとの額が比較的大きくなりやすいです。ただし、近年ではSaaS企業などのサブスクリプションモデルに代表されるように、月額顧客単価は低い案件を数多く販売する形のビジネスモデルもあります。

BtoB営業は関係者が多い

BtoB営業では、取引にかかわる関係者が多いです。最低でも自社・顧客ともに、1名から複数の取引担当者と決裁者(管理者)が存在します。さらに顧客では商品・サービスの使用者が異なり、使用者も1名から複数になる場合も多いです。

購入決定までのリードタイムが長い

上のように購入・使用にかかわる人数が多いので、購入決定までにも稟議や複数人の決済が必要になります。そのため、営業活動を開始してから購入決定・導入までには時間がかかるものです。

購入決定には合理的な判断が必要

BtoB営業では、何かを購入するには具体的な目的(より安価で質の良い原材料の調達、現状の課題解決、業務効率化など)が必要です。そのため購入には担当者や決裁者の好みよりも、合理的な判断が優先されます。つまり、取引先にとってメリットの大きいもの、利益につながるものが購入されやすいのです。

新規開拓営業だけでなくルート営業も多い

BtoB営業では新規購入だけでなく、決まったものを定期的に購入したり、メンテナンスを行ったりする場合も多いです。そのため顧客が継続して契約してくれる状況も多く、営業と顧客とは長い付き合いになります。そこで、ルート営業が増える傾向も高いのです。

BtoB営業の手法とフロー

BtoB営業では、営業活動の対象はこれまで取引のない相手に営業活動を行う新規開拓と、既存顧客を相手に営業活動を行う深耕開拓にわかれます。またBtoB 営業と BtoC 営業ではさまざまな違いがあるため、営業手法も異なってきます。

営業手法

BtoB営業でよく行われる営業手法を紹介します。

    • 飛び込み営業

アポイントメントなしに、営業対象の企業に直接訪問する手法です。アポイントメントが無いので、会えない場合も存在します。

    • テレアポ営業

電話でアポイントメントを取り、訪問する手法です。電話の段階である程度のセールストークを行います。

    • ルート営業

それまでの付き合いや信頼関係をベースにして、すでに獲得した顧客へ営業活動を行う手法のこと。内容は、現在の契約の維持・更新・拡大、さらに新しい商品やサービスの提案などです。

    • ソリューション営業

顧客が現在認識している業務上の課題について、自社の商品やサービスを用いて解決する方法を提案する手法です。顧客の事業・業務に対する理解が必要です。

    • インサイト営業

「顧客が潜在的に抱えているが、まだ認識していない業務上の課題」について、自社の商品やサービスを用いた解決法を提案する手法です。顧客とのコミュニケーションと顧客の分析が必要になります。

    • 反響営業

自社の出稿した広告に反応し、問い合わせをしてきた顧客(見込み客)に行う営業活動のこと。最初に打つ広告の内容や規模が重要です。ただしそれにより初期費用も多くかかってしまいます。

新規開拓営業やルート営業については「新規開拓営業を成功させるには?ルート営業との違いやコツを紹介」を参照ください。

そのほか営業の種類については「営業の種類とは?対象や方法から8種類を解説」も参照ください。

BtoB営業の基本的なフロー

一般的な営業活動のフローを紹介します。営業活動のスタイルは企業により異なるので、あくまで一例です。

    1. ターゲットリストの作成

自社の商品やサービスに興味を持ってくれそうな企業をピックアップし、営業対象の企業のリストを作成する段階です。同時に、広告や広報、オウンドメディアなどで自社の商品やサービスの認知度を高めていきます。

    1. アポイントメント獲得

リストにピックアップした企業に、アプローチを行う段階です。多くの場合、電話で自社について説明し、訪問のアポイントメントを獲得します。

    1. 資料作成・訪問準備

アポイントメントに向けて、資料を作成する段階です。自社の商品やサービスの案内だけでなく、相手企業の資料やそれに合わせた提案資料を作成します。

    1. 訪問・ヒアリング

アポイントメントに合わせて訪問する段階です。あらためて相手企業の話を聞き、課題やニーズを確認します。最近はオンラインでの打ち合わせになる場合も多いです。

    1. 提案・クロージング

ヒアリングの結果をもとに、自社の商品やサービスによる課題の解決を提案する段階です。提案後は、購入の意思決定を促すクロージングを行います。クロージングまでに数回の訪問が必要になる場合も多いです。ヒアリングの結果、課題やニーズが事前に作成した資料と異なる場合、現場で別の提案を行います。

    1. サポート・フォローアップ

契約締結後、顧客のサポートを行う段階です。利用状況の確認や問い合わせ対応、さらなる課題解決に向けた提案などを行います。

「The Model」による分業体制

最近のBtoB営業では「The Model」という手法も多く使われています。これは、営業プロセスを次の4つの段階に区切って分業体制をつくり、それぞれの段階の担当者が連携しながら売上につなげる手法です。

    1. マーケティング

広告やイベント、キャンペーンなどで自社の認知を広げ、潜在顧客をリード(見込み客)として獲得する段階です。

    1. インサイドセールス

マーケティングからリードを引き継ぎ、段階的にフォローを行って、顧客を育成する段階です。自社の商品やサービスに興味を持ってもらいます。

    1. フィールドセールス

外勤営業、対面営業ともいいます。顧客と個別に面談して契約を締結する段階です。

    1. カスタマーサクセス

契約後のフォローを行う段階です。顧客のサポートではなく、顧客が自社の商品やサービスを活用して、期待する成果を上げる(サクセス)ため支援します。これによって顧客満足度を向上させ、ロイヤルカスタマーとして育成するのも可能です。

BtoB営業を成功させるポイント

BtoB営業を成功させるポイントを紹介します。

顧客の課題、ニーズを正確に把握する

顧客が現状「どのような課題を抱えているのか」「どのようなニーズがあるのか」について、正確な把握が必要になります。ここでは顧客が認識しているものだけでなく、潜在的な課題やニーズも含めた把握が重要です。それによって、より効果的な提案が可能になるでしょう。

そのためには、顧客について正確で緻密なペルソナの作成が必要です。

ペルソナについては、次の記事を参考にしてください。

BtoBのペルソナはどう作る?構成要素や作り方、注意点を解説

自社についても理解する

自社の商品やサービスだけでなく、経営理念や営業方針もしっかり理解しておきましょう。顧客にとって営業担当者は自社の顔であり、経営理念や営業方針を体現する存在です。

インサイドセールスを活用する

The Modelだけでなく、通常の営業活動においても、訪問前にはインサイドセールスを行うと効果的です。顧客のフェーズに合わせたインサイドセールスによって十分に育成してから商談に入ると、商談の効果も上がります。

インサイドセールスについては次の記事も参考にしてください。

ABMの成功にインサイドセールスは必須!地道なアプローチが案件獲得への早道

相手企業が必要な資料や書類の作成をサポートする

商談中、顧客の取引担当者がさまざまな資料を必要としたり、書類を作成したりする場合があります。これは、取引担当者が商品やサービスをより理解したり、社内で稟議を通したりするための資料です。自社の商品やサービスをよりアピールしてもらえるよう、サポートしましょう。

SFA/CRMを活用する

SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)を活用すると、契約前の顧客育成から契約後のサポートまで、顧客に関する営業データを一元管理できます。そのデータを活用すれば、営業活動の効果を高めたり、効率的で一貫性のあるサポートを行ったりするのも可能です。

ツールについては、次の記事も参考にしてください。

SFAを徹底解説!メリットから機能、失敗しないための導入方法までを完全ガイド

そもそもCRMとは?選ぶ際のポイントと導入事例も含めて解説します!

相手企業のBANT情報を分析する

BANT情報は、マーケティングにおいて見込み客の確度(購入の可能性)を判断するフレームワークのこと。BANTは、下記4つの頭文字を取ったものです。

    • 予算(Budget)

自社の商品やサービスの価格だけでなく、顧客の予算化のプロセスや範囲も重要な情報です。

    • 決裁権(Authority)

顧客で決裁権を持つのは誰か、どのような意向を持っているのか、などです。

    • 需要(Needs)

自社の商品やサービスが顧客の需要に合うか、課題を解決できるかということです。

    • 導入時期(Timing)

顧客の意思決定までどのくらいの時間がかかるかを見極め、タイミングを計って営業活動を進めます。

BtoB営業では顧客の分析が重要

BtoB営業の関係者は多いため、顧客分析がしにくいと思うかもしれません。またBtoB営業にはBtoC営業とは異なる特徴が多く営業手法も異なるので、どのように顧客分析をすればよいか迷う場合もあるでしょう。

BtoB営業でもっとも重要なのは、顧客企業やその取引担当者・購入決定者の分析です。顧客分析によって顧客を十分に理解すると、顧客企業の問題点や課題が可視化され、より効果的な提案を行えます。それにより最終的には、利益向上につながっていくでしょう。

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株式会社イノーバの「イノーバマーケティングチーム」は、多様なバックグラウンドを持つメンバーにより編成されています。マーケティングの最前線で蓄積された知識と経験を生かし、読者に価値ある洞察と具体的な戦略を提供します。