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イノーバマーケティングチーム2024/03/28 9:26:501 min read

オウンドメディアの著作権対策を徹底解説!失敗しない記事制作のコツ

1. はじめに

オウンドメディアを運営する上で、著作権に関するトラブルに巻き込まれるリスクは常につきまといます。実際に、著作権侵害による訴訟や高額な賠償金の支払いを求められるケースも少なくありません。そこで本記事では、オウンドメディア運営者が知っておくべき著作権対策の基本から実践的なテクニックまでを網羅的に解説します。

2. オウンドメディアと著作権の基礎知識

著作権法の基本概念

著作権法は、創作者の権利を保護し、文化の発展に寄与することを目的とした法律です。著作権は、小説、音楽、絵画、写真、ソフトウェアなどの創作物に対して自動的に発生し、著作者に様々な権利を与えます。

オウンドメディアに関連する著作権のポイント

  • 記事・画像・動画などのコンテンツ
    • テキストや画像、動画などのコンテンツは全て著作物にあたり、無断で利用することは著作権侵害になります。
  • 社外の制作者に発注したコンテンツ
    • ライターやデザイナーなど、外部の制作者に依頼して作成したコンテンツの著作権は、契約内容によって発注者または制作者に帰属します。
  • UGC(ユーザー生成コンテンツ)の利用
    • ユーザーが投稿した写真や口コミなどのUGCを利用する場合は、利用規約で権利関係を明確にしておく必要があります。

3. 他社コンテンツの適切な利用方法

オウンドメディアでは、自社で制作したコンテンツだけでなく、他社の著作物を引用したり参考にしたりすることがよくあります。ここでは、他社コンテンツを適切に利用するためのポイントを解説します。

引用の基本ルールと具体例

著作権法で認められている引用の要件は以下の4つです。

  1. 公表された著作物であること
  2. 引用の必然性があること
  3. 引用部分とそれ以外の部分の主従関係が明確であること
  4. 出所の明示がされていること

これらの要件を満たせば、他社コンテンツを引用することができます。ただし、引用の範囲が適切かどうかは慎重に判断する必要があります。

引用のNG例・OK例(実例と解説)

  • NG例:記事の大部分を他社コンテンツの引用で占めてしまっている
    • 自社コンテンツが主で、引用が従の関係でなければなりません。
  • OK例:記事の内容を補強する目的で、他社コンテンツを一部引用している
    • 引用部分が全体の一部であり、自社コンテンツが主体となっています。

SNSでの引用の注意点(プラットフォーム別)

SNSでは、プラットフォームごとに利用規約が異なるため、引用の方法にも注意が必要です。

  • Twitter:リツイートや引用リツイートは基本的に問題ありません。
  • Facebook:シェア機能を使えば、適法な引用となります。
  • Instagram:投稿をそのまま転載するのは避け、リグラム専用アプリを使いましょう。

リンクと埋め込みの基本ルール

他社コンテンツへのリンクは、基本的に問題ありません。ただし、以下の点に注意しましょう。

  • 著作権者が明示的にリンクを禁止している場合は、リンクを張らない。
  • 記事の見出しだけでなく、リンク先の内容も確認する。
  • 自社コンテンツの一部であるかのように埋め込まない。

画像や動画の利用申請の手順

無料素材サイトやフリー素材を利用する際は、利用規約をよく読み、著作者名の表記などの条件を守りましょう。また、有料素材を使う場合は、ライセンス料を支払い、適切な利用許諾を得る必要があります。

動画や音楽などのコンテンツを利用する際は、著作権者に直接利用許諾を得るのが原則です。ただし、YouTubeなどの動画プラットフォームでは、動画の共有や埋め込みが許可されている場合もあります。

ライセンス契約の締結方法

外部の制作者に発注する場合は、著作権の帰属先や利用範囲などを明確にしたライセンス契約を交わしましょう。契約書のひな形は、以下のようなものがあります。

  • 著作権譲渡契約書
  • 著作物利用許諾契約書
  • 業務委託契約書(著作権条項あり)

引用以外の利用方法と注意点

パブリシティ権・肖像権への配慮

芸能人やスポーツ選手など、著名人の氏名や肖像を無断で利用すると、パブリシティ権や肖像権の侵害になる可能性があります。利用する際は、本人または所属事務所の許諾を得ましょう。

商標権への配慮

他社の商品名やロゴなどを無断で利用すると、商標権の侵害に当たる恐れがあります。商標を利用する場合は、権利者に許諾を得るか、「R」マークや「TM」マークを付けるなどして、適切に使用しましょう。

4. オリジナルコンテンツ制作のコツ

魅力的なオリジナルコンテンツを制作することは、著作権トラブルを避けるためにも重要です。ここでは、オリジナルコンテンツ制作のコツをいくつか紹介します。

魅力的なオリジナルコンテンツを作るためのテクニック

  • 自社の強みや専門性を活かしたテーマ選び
  • ユーザーの悩みや疑問に答える情報の提供
  • インタビューやオリジナルデータを活用した独自の切り口
  • わかりやすく読みやすい文章と構成
  • 適切な画像や動画の使用

ライターやデザイナーとの適切な契約と権利処理

社外のライターやデザイナーに制作を依頼する際は、著作権の帰属先を明確にし、必要な権利処理を行いましょう。

  • 著作権譲渡契約:著作権を依頼主に譲渡してもらう契約
  • 著作物利用許諾契約:著作権は制作者に残したまま、利用範囲を定める契約

自社コンテンツの権利保護の方法

せっかく制作したオリジナルコンテンツを不正に利用されないよう、以下のような対策を取りましょう。

  • コンテンツに著作権表示(©マーク)を付ける
  • 画像にウォーターマークを入れる
  • 無断転載を発見したら、速やかに削除要請を出す

以上が、オウンドメディアの著作権対策に関する基礎知識と実践的なテクニックです。次の章では、著作権管理の社内体制づくりや注目すべきケーススタディについて解説します。

5. 著作権管理の社内体制と実践事例

オウンドメディアの著作権管理を適切に行うには、社内の体制づくりが欠かせません。ここでは、著作権管理体制の構築方法と、先進的な取り組み事例を紹介します。

著作権管理の社内ルール作りと運用のコツ

著作権管理の社内ルールを作る際は、以下の点に留意しましょう。

  • 著作権法の基本的な知識をまとめた社内ガイドラインの作成
  • 著作物の利用申請や権利処理のフローの確立
  • 社内での情報共有と適切な管理体制の構築

ルールを作っただけでは不十分で、運用面でのPDCAサイクルを回すことが重要です。

  • 定期的な社内研修の実施
  • 著作権管理状況のモニタリングと改善
  • 最新の判例や法改正の情報収集と社内への周知

制作担当者・ライター向けの教育・研修事例

オウンドメディアの制作に携わるメンバーには、著作権に関する教育・研修が必要不可欠です。教育・研修の事例としては、以下のようなものがあります。

  • 著作権法の基礎知識を学ぶe-ラーニング
  • 著作権トラブル事例を題材にしたケーススタディ
  • 外部講師を招いての著作権セミナー

権利処理状況の管理方法と役立つツール紹介

コンテンツの権利処理状況を適切に管理するには、以下のような方法やツールが役立ちます。

  • スプレッドシートやデータベースでの管理
  • 権利処理状況を一元管理できるツールの導入
    • Adobe Creative Cloud:クラウドベースの著作権情報管理機能
    • Copyright Clearance Center:著作権処理の自動化ツール

オウンドメディア運営企業の担当者インタビュー

著作権管理に積極的に取り組んでいる企業の担当者へのインタビューを通じて、実践的なノウハウを学びましょう。

  • A社の事例:社内研修と権利処理フローの構築で著作権トラブルを防止
  • B社の事例:ライターとのライセンス契約書のテンプレート化で業務効率化

6. 著作権トラブルへの対処法

万が一、著作権トラブルに巻き込まれた場合の対処法を知っておきましょう。

自社コンテンツが侵害された場合の対処手順

  1. 証拠の保全(スクリーンショットの撮影など)
  2. 侵害者への削除要請(メールや内容証明郵便で送付)
  3. プラットフォームへの削除申請(DMCAなど)
  4. 法的措置の検討(損害賠償請求や差止請求など)

他社から削除要請を受けた場合の対応

  1. 著作権侵害の有無を確認
  2. 侵害が認められる場合は速やかに削除
  3. 侵害がないと判断できる場合は、反論の検討
  4. 弁護士への相談

弁護士に相談すべきケース

  • 著作権侵害の有無が判断できない
  • 損害賠償請求や差止請求を検討している
  • 訴訟に発展しそうな場合

著作権をめぐる最新の判例や法改正の動向

著作権法は技術の進歩に合わせて頻繁に改正されるため、最新の動向を追っておく必要があります。

  • リーチサイト規制の導入(2020年改正)
  • スクショ画像の投稿は著作権侵害に当たらないとの判例(知財高裁、2021年)
  • AIによる著作物生成と著作権の在り方(文化審議会で議論中)

以上で、オウンドメディアの著作権対策に関する実践的なポイントを一通り解説しました。最後に、本記事のまとめと、著作権管理の重要性について改めて触れたいと思います。

7. 著作権管理のケーススタディ

ここでは、オウンドメディアの著作権管理に関する具体的なケーススタディを2つ紹介します。

著作権管理の成功事例と学べるポイント

C社の事例:写真素材の適切な管理と権利処理

  • 課題:オウンドメディアで使用する写真素材の権利処理が煩雑に
  • 解決策:写真管理システムの導入と権利処理フローの整備
  • 効果:写真素材の適切な管理と円滑な権利処理が可能に

D社の事例:ライター向け著作権ガイドラインの作成

  • 課題:ライターの著作権に関する知識不足によるトラブル発生
  • 解決策:ライター向け著作権ガイドラインの作成と定期的な研修
  • 効果:ライターの著作権意識の向上とトラブルの未然防止

著作権トラブルの失敗事例と教訓

E社の事例:無断転載による高額賠償金の支払い

  • 問題点:ライターが他社ブログの記事を無断転載
  • 結果:著作権者から500万円の損害賠償請求を受ける
  • 教訓:無断転載の危険性の周知徹底と定期的なモニタリングの必要性

F社の事例:SNS投稿写真の無断使用によるイメージダウン

-問題点:インスタグラムに投稿された写真を無断で使用

  • 結果:写真の投稿者から抗議を受け、炎上騒ぎに発展
  • 教訓:ソーシャルメディア上のコンテンツ利用におけるリスクの理解と適切な対処の重要性

8. 著作権管理チェックリスト

オウンドメディアの制作や運営に際しては、以下のような著作権管理チェックリストを活用しましょう。

コンテンツ制作・公開前の確認事項

  •  使用する文章・画像・動画の著作権の帰属先を確認した
  •  必要な許諾や素材の購入を行った
  •  引用の要件を満たしている
  •  出所の明示を行った
  •  著作権表示やクレジットを適切に記載した

定期的な見直しポイント

  •  新しく追加したコンテンツの著作権処理を行った
  •  外部リンク先の著作権ポリシーに変更がないか確認した
  •  社内の著作権管理体制に問題がないか見直した
  •  著作権に関する最新の判例や法改正の情報を収集した

9. おわりに

本記事では、オウンドメディア運営者に向けて、著作権対策の重要性と実践的なノウハウをお伝えしてきました。

ポイントをまとめると、以下の3点に集約されます。

  1. 著作権法の基本を理解し、適切な利用方法を心がける
  2. オリジナルコンテンツの制作に力を入れる
  3. 社内の著作権管理体制を整備し、トラブルに備える

これらを念頭に置きつつ、著作権リスクと向き合っていくことが、オウンドメディアの健全な運営につながります。

本記事が、皆さまのオウンドメディア運営に少しでもお役に立てれば幸いです。

 

オウンドメディアの全体像を知りたい方は、こちらをお読みください。

オウンドメディアの失敗・リスクを知りたい方は、こちらをお読みください。

 

コラム:AIによる著作物生成と著作権の課題

近年、AIによる文章や画像、音楽などの著作物の自動生成技術が急速に発展しています。

AIが生成した著作物の利用が増えるにつれ、それらの著作権の帰属や利用方法をめぐる議論も活発化しています。

AIによる著作物生成には、主に以下のような著作権上の課題があります。

  1. AIが生成した著作物の著作権の帰属先は誰になるのか?

    • AIを開発した企業や個人か、AIを利用して著作物を生成した者か、判断が難しいケースがある。
  2. AIによる著作物生成に使用された学習データの著作権処理をどうするか?

    • AIの学習データに他者の著作物が含まれている場合、無断利用のリスクがある。
  3. AIが生成した著作物が、既存の著作物に似ている場合の扱いをどうするか?

    • パロディやオマージュとの区別が曖昧になる恐れがある。
  4. AIが生成した著作物の利用範囲や条件をどのように設定するか?

    • 無制限な利用を認めるべきか、一定の制限を設けるべきか、議論の余地がある。

これらの課題に対し、現行の著作権法制度では明確な解決策が提示されていないのが実情です。

AIの技術進歩に合わせて、著作権法の解釈や運用を柔軟に見直していく必要があるでしょう。

世界知的所有権機関(WIPO)などの国際機関でも、AIと知的財産権の関係性について議論が行われています。

日本でも、文化庁の文化審議会著作権分科会で、AIによる著作物生成と著作権の在り方について検討が進められています。

オウンドメディア運営者としても、AIをめぐる著作権の動向には注意を払っておくことが大切です。

AIを利用してコンテンツを制作する際は、著作権リスクに十分に留意しつつ、適切な対応を心がけましょう。

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株式会社イノーバの「イノーバマーケティングチーム」は、多様なバックグラウンドを持つメンバーにより編成されています。マーケティングの最前線で蓄積された知識と経験を生かし、読者に価値ある洞察と具体的な戦略を提供します。