コールドコールとは?メリットやデメリット、成果を出すためのポイントを解説

BtoBマーケティング

コールドコールとは何かご存じでしょうか。コールドコールは、いわゆる飛び込み型の電話営業のことで、面識のない相手などに対して架電する電話営業の手法の1つです。

BtoBのビジネスシーンであれば、展示会等で名刺を獲得しただけでほぼ面識のない見込み客に対して架電することなどがコールドコールと呼ばれます。コールドコールは「過去の営業手法」と揶揄されることもありますが、実は現在においても一定の成果を出し続けている企業もあるのです。

本記事ではコールドコールの定義から、メリット・デメリット、コールドコール成功のポイントを紹介します。

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コールドコールとは?マーケティングにおける定義

コールドコールとは、既存顧客や見込み顧客以外の、現時点では「まったく何のつながりも持ってない面識のない相手に対して架電する」電話営業手法の1つです。似たような営業手法に「飛び込み営業」がありますが、コールドコールは飛び込み営業の架電版といえます。

実際に営業パーソンが客先に出向く際に必要な時間や交通費などのコストは生じません。そのため、飛び込み営業と比較すると効率的な営業手法といえます。

コールドコールを直訳すると「冷たい電話」ですが、コールドは「冷たい相手もしくはその相手との冷たい関係」という意味合いです。コールドコールでは、当然、相手のニーズや興味の度合いなどは実際に電話をかけるまではわかりません。自社商品にまったく興味がないかもしれない「冷たい相手」「冷たいリスト」に電話するために「コールドコール」と呼ばれています。

ウォームコールとの違いは?

コールドコールとは対称的なアプローチの方法として「ウォームコール」という言葉があります。ウォームコールとは、過去に何らかの接点を持ったことがある見込み客に架電する方法です。

コールドコールは自社商品やサービスへのニーズの有無がわからない、さらに面識のない相手に架電する方法ですが、ウォームコールは過去に見積りや資料請求をしてもらった相手など面識のある相手に営業電話をかけてアプローチする方法です。

ウォームコールは、コールドコールよりも架電への精神的ハードルが低く、また、話を聞いてもらいやすいといえます。

コールドコールが「過去の営業手法」といわれる理由

消費文化の変化やインターネットおよびデジタルマーケティングの進歩により、営業の手法も時代とともに変化しています。今では考えにくいかもしれませんが、高度経済成長期のように、まだモノが十分あったとはいえない時代には、コールドコールのような手法で次々と契約が取れていました。

しかし、経済や社会が成熟し、モノが余っているといわれる現代においては、お客さまの購買判断はシビアになっています。だからこそお客さまに興味を持ってもらう仕組み作りが重要になってくるわけですが、そう考えるとコールドコールが再ブレイクする可能性は低く、過去の手法であるといえるでしょう。

コールドコールのメリット・デメリット

コールドコードは「過去の営業手法」と揶揄されることもありますが、メリットも少なくはありません。ここでは、コールドコードのメリットとデメリットについて解説します。

メリット①手軽に始められる

インバウンドで獲得したリストが枯渇している企業でも、机の中から過去の名刺を引っ張ってくれさえすれば手軽に始めることができます。過去の手法と揶揄されていてもコールドコールに取り組む企業が存在する一番の理由とも言えるでしょう。

メリット②認知を獲得できる

架電によって、架電先の企業や個人から自社商品・サービスの認知を獲得できます。架電時は反応が良くなかったとしても、ニーズが発生した際に再度検討してくれる可能性はゼロではありません。

購買行動モデルやマーケティングファネルの視点では、「興味」を獲得できなかったとしても、「認知」「関係」を獲得したと考えることもできます。マーケティングファネルについては、マーケティングファネルとは?3つの種類と効果を高める施策・活用例も紹介をご参照ください。

参考記事:マーケティングファネルとは?3つの種類と効果を高める施策・活用例も紹介

これらのことから、コールドコールによって相手の反応が良くなかったとしても、まったく無駄とは言い切れないのです。

メリット③成約が取れることもある

営業商材にもよりますが、コールドコールでアポ獲得や直接商品の成約が取れることもあります。ウォームコールと比較した場合の割合は低いものの、一定の成約を見込めます。

メリット④アプローチ数を多くとれる

本記事では「コールドコールは飛び込み営業の架電版」という表現をしましたが、飛び込み営業と比べると担当者1人がアプローチできる見込み客の数は明らかに多いでしょう。

もし、営業パーソンによる飛び込み営業を実施しているのであれば、後述するコールドコールのポイントを押さえながらコールドコールを行うことで、営業効率の向上が見込めます。

メリット⑤営業パーソンのスキル向上が見込める

コールドコールにより、営業パーソンのスキル向上が見込めます。コールドコールによる成約率が高くない傾向にあることは先述しましたが、だからこそ、成約を取るためのスキルが磨かれるということも考えられるのです。相手は自社の商品・サービスに関心を示していないわけですから、自社のメリットをいかに端的に伝えるかといった能力がより磨かれていきます。

デメリット①成約率が低い

コールドコールでは、自社商品・サービスへのニーズが顕在化していない、さらにはもともとニーズがあるのかもわからない相手に架電します。このような性質から、アポが取れる確率または商品の直接成約率は低い傾向があります。

デメリット②迷惑電話業者として認知されることがある

コールドコールを実施していると、迷惑電話業者として認知されてしまうことがあります。見知らぬ相手からの営業電話に対して悪い印象を持っている人が一定数いるためです。

デメリット③企業イメージの低下

コールドコールは相手の都合に構わず予告なく電話をかけるものであり、そのため相手が忙しかったり取り込み中だったりした場合、多くの人が不快に感じてしまいます。不快な経験をすると、コールドコールをしてきた企業に対し、迷惑な会社という悪いイメージを持ってしまう危険性があります。

デメリット④架電担当者の精神的負担が大きい

電話営業は、コールドコールでなくても会話の途中で乱暴に受話器を置いて電話を切る、いわゆる「ガチャ切り」されてしまうことがあります。コールドコールにいたっては、さらにガチャ切りをされてしまう可能性が高くなると推測できます。

多数のリストに架電しても成約率は低め。相手はなかなか話を聞いてくれない。このような状況から、コールドコールの架電担当者の精神的負担は大きいといえるでしょう。

デメリット⑤テレワークの推進により接続率が大幅に低下している

感染症の回避や交通渋滞の緩和、作業効率向上等のため、現在ではテレワークが推進されています。その影響で、架電先が社内の固定電話である場合、テレワークによる不在で接続できないことが多くなっています。

そのため、コールドコール(架電)しかアプローチ手法がないような状態は望ましくありません。

過去の営業手法といわれるコールドコールを成功させるためのポイント

コールドコールは過去の営業手法といわれる背景には、企業と見込み客の接点となるチャネルやタッチポイントが増えたことがあると考えられます。

しかし、コールドコールで成果を出し続けている企業があるのも事実です。では、なぜそのような企業はコールドコールを成功できているのでしょうか。以降では、成功企業が実践しているコールドコールのポイントを解説します。

ポイント①リストを作り優先順位をつける

闇雲に架電していても、コールドコールの効率化は望めません。架電リストを作り、優先順位をつけることが重要です。

コールドコールでは、電話番号を獲得していても、まだコミュニケーションをとったことがない見込み客に対して架電します。そのため優先順位をつける要素すらないように思えますが、そこで考慮すべき要素が「成約率の高い属性」です。

BtoB営業で一定の経験があれば、例えば、次のような傾向があることに気付くかもしれません。過去の経験から分かっている傾向を活かして優先順位をつけるのも1つの手です。

  • 資本金が大きい企業ほど成約しやすい
  • 従業員数が少ない小規模企業のほうが成約しやすい
  • 企業担当者が40歳以上であれば成約しやすい
  • 自社Webサイト経由で獲得した見込み客は成約率が高い

ポイント②トークスクリプトを作成する

テレアポでトークスクリプトを作成することは定番です。コールドコールも例外ではありません。

特にコールドコールは話すら聞いてもらえないこともあるため、できる限り「相手に電話を切られない話し方や話の流れ」を考えましょう。

ポイント③架電する時間帯を考慮する

こちらもテレアポ業務の基本ともいえますが、架電する時間帯はコールドコールでも考慮する必要があります。具体的には、相手が電話に出やすく、話を聞いてくれやすい時間帯を意識すべきです。

相手が忙しい時間帯に架電しても「忙しいから」と言われ、話を聞いてもらえる見込みは少なくなってしまいます。また、営業時間外に架電することも避けるべきでしょう。非常識な時間帯の電話は企業イメージを損なうリスクがあります。

ポイント④相手の声のトーンに合わせて話す

コールドコールでは、話し方も大切なポイントとなります。まずは相手の声を聞いて、しゃべる速さや声のボリューム、言葉づかいなどから相手の気持ちを推測し、できるだけ同じトーンで話すように心がけましょう。

あまり流暢にしゃべると「営業っぽさ」を感じさせてしまい、敬遠されてしまう恐れがあるので注意が必要です。うまくしゃべろうとせずに誠意をもって伝えること、「何か大事なことを伝えようとしている」と感じさせることが大切です。

ポイント⑤相手の知識レベルを探り合わせて話す

相手の知識やニーズを理解し、それに合ったアプローチが必要です。相手が基本的な情報しか持ち合わせていないにもかかわらず、こちらが一方的に専門用語を並べ立てて説明しても響くことはありません。相手が詳細な知識を持っている場合は専門的な用語を使用し、初心者の場合は基本的な説明を行うなど、相手の知識レベルに応じて話す内容を臨機応変に変えるべきでしょう。

相手の知識レベル別にトークスクリプトを用意しておき、使い分ける方法も有効です。

ポイント⑤相手の「ベネフィット(利益)は何か」に注目する

相手に質問をして「製品やサービスに何を求めているか」や「重視しているポイント」についても聞き出します。目的は相手の考えている「ベネフィット」を知ることです。

顧客側の視点で商品のメリットを伝えることで、相手のニーズに応じた提案ができるようになります。

コールドコールを行うなら、正しい方法で成果の出るアプローチを

コールドコールは過去の営業手法であり、現在の営業手法と比較して効率が悪い面は否めません。それでもコールドコールがなくならないのは、正しいアプローチによって一定の成果が見込めるからです。コールドコールで自社の強みを出したいのなら、本記事で紹介したポイントを押さえ、正しいアプローチを行いましょう。

また、見込み客との接点を持つチャネルが増えた昨今は、見込み客に、「自然に興味を持ってもらう仕組みづくり」が重要になってきています。その代表的な手法の1つがコンテンツマーケティングです。

当社イノーバは、これまで500社以上の支援実績があるコンテンツマーケティングのリーディングカンパニーです。自社の営業効率が悪くお悩みの場合など、ぜひお気軽にご相談ください。

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